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2018年の記憶に残るテレビ番組

2018年の最後の日ということで、まだ紅白歌合戦もダウンタウンの年またぎも、格闘技など色々な特番が目白押しな中、ここまでで私の印象に残った番組や場面について書かせていただきたいと思います。

まず、テレビを見ていて興奮するのはやはり録画放送ではなく生中継にこそあると思っていて、それはスポーツ中継を除き限られた放送時間内にいかにして決定的な瞬間を捉えるかという運も左右するところがあるにしても、2018年に放送された衝撃中継の中でも私が一押ししたいのは読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」で福岡県の貯水のための谷にイノシシ2匹が入り込んでしまい、その救出活動として遠隔操作で閉めることのできる檻を設置して、今2匹のイノシシが檻の中に入ろうとした時に少し檻の扉を閉めるタイミングが遅れたことで、1匹は入ったものの2匹目はその気配を際して逃げてしまったという痛恨の瞬間を生中継で見たことです。

来年がいのしし年ということもありますが、その時の状況は殺処分ではなくその場から山に逃してほしいという電話が地元の役所には殺到したそうで、そうした人たちも固唾をのんで見つめていたに違いありません。

たまたまその時は、奇跡的にも番組放送中に檻を遠隔操作で閉める瞬間が生中継できたのですが、その操作で1匹を取り逃がしたことで「もしもう少し早く閉ていたら……」という感想戦のようなやり取りまであったのがバカバカしいと言われればそれまでですが、くだらないかも知れない題材をそこまで突き詰めて報道し、それに関してどうでもいい話を続けるというのは実にテレビ的であり、これぞテレビと思った一場面でありました(ちなみに、取り逃がした残りのイノシシも無事に捕獲した上で山に帰されました)。

そして、具体的な番組ということで言えば、今までの旅番組の枠を超えてドキュメンタリーの要素も含んだ連続物の番組として評価したいのが、TwellV(BS12)という民放としては最後発の局が送り出した「小島よしお&狩野英孝のチャリお遍路」を挙げないわけにはいきません。

4月8日から始まった番組は、単に芸人の二人が自転車に乗って四国八十八か所を巡るというだけの番組なのですが、回るお寺紹介と沿線の風景と名物・お店などを紹介するような通り一遍の番組とは違い、自転車で回るには過酷なロードを、テレビ上ではかなりいい加減な人間性が垣間見えてしまう狩野英孝さんが途中ギブアップせずに全うできるのか? というのが春から夏にかけての番組を見ていての関心事になりました。

私は車で回ったことがあるので、どのお寺がどこにあるかわかっている部分があります。したがって自転車で回るにはどこが大変かといういわゆる種明かしを知った上で見ているのでまた違った印象を持っているかも知れませんが、案の上一番札所から十一番札所までは問題なかったのですが、十二番札所の焼山寺への「遍路ころがし」と呼ばれる急坂を登れるか、もし登れたとしてもその後の行程を続けるだけの精神力が残っているのか、この辺は本当にドキュメンタリーという感じで狩野英孝さんの様子に注目しながら見ていました。

一方の小島よしおさんは、一見して真面目な人柄であることがわかるので、ストイックに体作りをし、番組のロケに万全の体制で参加しているのはわかるので、彼一人だけだったら最後まで回れるでしょうが、それではこの番組の面白さというものが半減してしまいます。この番組の面白さは、スキを見てサボったりやめようとする狩野英孝さんを、どのように小島よしおさんが説得しつつ旅を続けるかというところにこそあり、それが年内最後の放送であるこれも遍路ころがしの二十七番札所「神峯寺」では、番組を見てくれるファンの存在がロケを続けさせてくれるということを狩野英孝さん自身が明かし、ここまで12日間の区切り打ち(一度に回らずに出直したりして回ること)だけで8ヶ月も放送を続けています。

日曜7時のレギュラー放送でも再放送が連続し、さらに年明け第一回の放送はこれまでの内容の総集編になるという地上波では考えられない進展の遅さなのですが、それも何かとテレビ番組のスタジオ収録で忙しいお2人ということもあり、さらに適度に間隔を開けることで何とか狩野英孝さんのモチベーションを保っていることもあると思うので、多分放送的には来年中にも全てのお寺を回れず、全て回り終えるのは3年後になるだろうと思いながら穏やかな目で見るのがいいと思います。

ただ、この旅を無事に終えたとして、その後にまた狩野英孝さんが何らかの不祥事を起こして多くの人に謝罪をしなければならないような状況になった時には、TwellVでは「チャリお遍路2」として狩野英孝さんが八十八番から「逆打ち」でもう一周という番組企画を実行に移せると思いますので、番組外の狩野英孝さんの行動についてもこの番組のおかげで注目することができる「一番組で2度おいしい」番組になる可能性も持っています。狩野さんとしては決してそんな事はしたくないでしょうが(^^;)、来年も一年間この番組が続くかどうかということにも注目しながら、まずは結願目指してお二人はロケを頑張って欲しいと願いつつ、2018年最後の更新とさせていただきます。


ポイントは「無料」「深夜」「休み期間中」

TBSテレビの「水曜日のダウンタウン」で事前告知された安田大サーカスのクロちゃんが檻の中に収監されている様子を見に行こうと遊園地の「としまえん」に押しかけた人があまりに多く、テレビ局が用意した警備の範疇を超えていたのか、渋谷のハロウィン並みの馬鹿騒ぎを画策した人物がいたからなのかわかりませんが、深夜の大騒ぎに警察が出動しイベントは中止され、TBSは警察から厳重注意を受ける羽目になりました。

今回の事件は、今年立教大学の学園祭でアイドルの橋本環奈さんが来るというデマが流れて人が殺到するような事はありましたが、そこまで熱狂的なファンがいるとは思えない、お笑い芸人のクロちゃんを見るためだけになぜそれだけの人が集まったのかという点を見ていかないと、今後も同じようなトラブルが起こる可能性があります。

今回の騒動は、何かとインターネットがあればテレビは要らないと言われることも多い中、さらにデータ上の視聴率もそれほど上がらない中でも見ている人は人気番組をリアルタイムで見ているし、さらにそこから自分の意志で動いてイベントにも向かうという能動性を合わせ持つ、テレビに扇動されやすい人がこれでもかというほどいることを関係者にも認識させてくれる結果となりました。

私は直接現地に行ったわけではないので直接はわかりませんが、現地へ行ったり近くに住んでいる人がTwitterに上げたコメントを見ていると、きちんと警備員をTBSでは配置していたようですが改めて日本人は「無料」という言葉に弱いなということを感じてしまいました。

東京近郊に住んでいても深夜には公共交通機関は止まってしまうので、車を使ってガソリン代をかけてまでお笑い芸人一人を見に行こうと思うというのはちょっと普通では考えられません。しかし、時期は小中高生の冬休みの時期でもあるし、深夜にお出掛けしてテレビの続きの光景が見られるとすればある種の「一大イベント」になります。さらに、今回も多くの人が現場の檻に入ったクロちゃんの写真を投稿しているように、とにかくSNS映えのするネタの原場に行きたいというニーズも持っていました。

さらに、あまりの人の多さに開催元がイベントの中止を発表しましたが、こうした情報が拡散する中で、現地にやってきた人の中には、もしかしたら「もうワンチャン」があるかもと期待したり、この騒動自体を楽しんだり、あえて中止しているとしまえんの中に入ろうと強引に押し入る人がいたりと、まさにこの年に渋谷で起きたハロウィンの騒動を連想させるような状況になってしまいました。

今回の批判の矢面には当然TBSおよび、「水曜日のダウンタウン」制作スタッフが立つことになるかとは思うのですが、今回のようなケースだけでなく深夜に人が集まって騒ぐようなイベントに掛けつけて、騒ぐことを目的にする日本のフーリガンとおぼしき限られた人がきっかけになっている面も拭えません。この点については今後日本の警察やイベントを開く主催者で情報を共有してそうした人物を見付けたら排除するというまさに海外のフーリガン対策が必要になると思いますが、もしこのイベントは深夜はライブカメラからのネット配信にとどめ、翌朝からスタートし有料での入場がクロちゃんを見る条件にしたら、いわゆる騒動狙いや面白そうだからと思うだけで来る人は減り、ここまでの騒動にはならなかったでしょう。

また、場所をとしまえんにしたのも失敗だったと思います。無料で深夜の開催になるにしても、ちょっとやそっとでは行けないような場所にするとか、まともに視聴者がすぐに行こうかと思わせるような条件から外すという配慮も必要になってくるでしょう。改めて地上波のゴールデンタイムに小中学生も見ている中で、視聴者との距離をどのように広げたり縮めたりできるか、そのバランスを取るのが難しいことは十分にわかります。

逆にそう思えばこそ、今回のようなトラブルで番組が打ち切りになるようなことにはなって欲しくないですし、こうしたテレビ局の仕掛けたイベントを利用して人暴れしようと企む人達をイベント参加に躊躇させつつも、番組のファンに思恵を与えられるような方法を来年は考えていただきたいところです。


テレビは携帯電話の通信障害をどう伝えたか

2018年12月6日の午後から夕方にわたり、全国のソフトバンクの携帯電話を利用している人は、いきなり電波の状態を示すアンテナマークが消えて「圏外」の表示になったことでびっくりするだけでなく、仕事や待ち合わせというような行動自体にも支障が出た方が少なくなかったでしょう。しかし、外出先でこの障害を受けた人は、自分のスマホの調子が悪いのか、それともソフトバンクのシステムの不調なのか判断が付かなかったのではないかと思います。

テレビは、すでに多くの携帯電話が復旧した夜のニュースからこのシステム障害のニュースについて報道し、翌日の朝のワイドショーではソフトバンクの対応を糾弾するがごとくの報道をしている局もありましたが、こうした報道姿勢にちょっとどころか大きな違和感を持ったのは私だけではないはずです。

ソフトバンクから回線を借りている格安SIMでも同様に通信および通話ができない状態になりましたが、本来はそうした事を含めて「現在、ソフトバンク系の通話・通話が何らかの原因でできない状態になっています」というようなアナウンスがなぜ早いうちにできなかったのか、疑問に思います。

すでに日本では携帯電話・スマホを一人一台が持ってかなりの依存をしている状況からすれば、同日起きた東京の地下鉄都営浅草線がストップしているニュースと比べても、トラブルが及ぼす範囲においてははるかに重大で、番組時間内に字幕のニュース速報を出してもおかしくないくらいの情報だと思います。

都営浅草線は東京近郊の方だけに向けられた情報ですが、ソフトバンクの回線不具合は北海道から沖縄にまで影響が及んでいるので、誰かがたまたまテレビでその情報を目にすれば、今回のケースはソフトバンクユーザーがショップに駆け込む前にそれなりに周知されていたのではないかとも思えます。テレビのニュース速報で流される経済関係や芸能・スポーツ関係のニュースを見ていても、内容によってはそこまで速報を出して知らせる意味があるのかと思うこともあります。そうしたニユースよりも生活に直接関わるライフライン切断のニュースの方が告知すべき価値はあると思いますので、もし通信関係を含むライフライン不通の事実があった場合に、今後はしっかりとニュース速報を出せるように、必要であれば規約の変更をお願いするなどして、多くの人に知らせる必要があると個人的には思います。

改めていろんなサイトを検索してテレビのニュース速報の基準について調べてみたところ、絶対的な基準というものはないという事が現実らしいことがわかってきました。今回のケースは、単にソフトバンクの携帯電話がつながらないといっても本家のソフトバンクから何の発表もない時点では発表できないとは思いますが、ソフトバンクをはじめとする携帯電話会社については、トラブルが発生したことを認識した時点で、速やかにテレビ・ラジオ・新聞社などに連絡をし、その状況について報告した上で早く契約者に不具合のある情報を流すように連携する必要があることももちろん大切になるでしょう。

ただ、そうして情報を流しても、双方がソフトバンクのスマホ持ちという中で連絡を取り合うのは無理です。そのための手段としては、各携帯電話会社が災害時にサービスを開始する「災害用伝言ダイヤル」の開設以外方法はないと思います。そして、テレビはその使い方を連絡が付かなくて困っている契約者に向けて、利用方法をレクチャーするにはうってつけのメディアであることも確かなのです。今後、単なる事故ではないサイバーテロでの通信網断絶というシナリオも予想される中、スマホ・携帯電話が使えなくなったら速やかに伝言ダイヤルを使っての連絡方法を多くの人がすぐに使えるようにすることは、今後のテレビに課された宿題であるという気がするのです。


樹木希林追悼で全く出て来なかった「美空ひばり物語」

2018年9月の芸能ニュースで、予定された盛り上がりがあり、そのニュースバリューもすさまじかった歌手の安室奈美恵さん引退報道を押しのけてここ数日のトップニュースになっているのが女優の樹木希林さんの訃報だったことは、それだけ突然だったということと、喪失感が関係者には強いことの裏返しだったように思います。

そうして、多くの方は今後公開される映画の宣伝も含めた樹木希林さんの仕事や私生活について学習するように多くの情報を知らされるわけですが、テレビドラマの代表作としては「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「ムー」「ムー一族」という久世光彦氏のドラマについての印象が強いですが、BSのTwellVで「寺内貫太郎一家」がリバイバル放送が最近までされていたこともあり、そのコミカルな演技の魅力を改めて見られたのはラッキーだったかなと思います。

今後、樹木希林さんを偲んで、様々な番組が放送されると思うのですが、すぐに「徹子の部屋」での出演回が再放送されるなど、トーク番組を追悼番組として流すのが簡単ですし、樹木希林さんは普通の女優さんが言わないような事を言うので、安易に多くのトーク番組が流れそうです。しかし、それはあくまで女優ではない「内田啓子(樹木希林さんの本名)」としての発言であるので、しっかりと樹木希林さんの女優としての仕事を追体験してその凄さを感じるなら、やはり単発のドラマで熱演されている作品を放送するべきではないかと思います。

映画は映画でどれが代表作かというところに議論の余地はあると思いますが、単発ドラマでインパクトがあって、誰が見てもわかるという意味では、TBSで1989年の年末に放送された特別企画のドラマ「美空ひばり物語」が個人的な一押しです。何故かはわかりませんが、過去の女優人生をワイドショーで振り返る中で、このドラマの存在はほとんど紹介されませんでした。樹木希林さんが演じた、美空ひばりさんの母親でステージママとして有名だった加藤喜美枝さん役の演技について語ることがタブーになっているのかも知れませんが、あくまで樹木希林さんの追悼のために流すなら問題ないのではないかとも思えるのですが。

確かに過去のテレビドラマというのは制作したテレビ局にも録画したアーカイブスが存在しないものもあるなど、一度流したらそれっきりという割り切りのもとで作られたものが多かったように思います。しかし、最近のテレビドラマでは最終回のエンディングの後にすぐ「DVD化決定!」や「オンデマンド配信決定」なんて宣伝文句が出てくるほど、二次使用を見越して作られているものがあるというのが現状です。「美空ひばり物語」についても一度VHSビデオ化はされている作品でもあるので、ぜひ再放送の方向で関係者の方々が考えてくれればと思います。


高校野球についての新たな流れ

今回の夏の甲子園は100回の記念大会で、さらに秋田県代表の金足農業高校が秋田県勢としては第1回大会以来、103年振りに決勝へ進出したということで、もはや優勝した大阪代表の大阪桐蔭高校の存在が霞んでしまうほどテレビニュースでの後追い報道がテレビでされましたが、改めて思うことは高校野球に限らずアマチュアのスポーツは人のためではなくあくまでプレーする本人達のものであるということです。確かに甲子園大会は他のあらゆるスポーツに先んじて日本国民の娯楽としても扱われてきて、ここまで存在が大きくなるにあたってはテレビの影響を考えないわけにはいきません。ここでは、今大会を通じてマスコミやネットで出てきている様々な批判や意見について、考えることを残しておきたいと思います。

まず、なぜ優勝した大阪桐蔭高校の存在が薄くなったかというと、決勝で対戦した金足農業高校の存在があまりにも試合を見ている人の心象に訴えるところがあったからでしょう。100回目となる夏の大会で、まだ優勝していない県というのは多くありますが、地域的に見ると、青森・岩手・秋田・山形・宮城・福島という東北地方の代表がまだ春夏通じて一回も優勝していません。かつては雪深い地域性がその原因と言われ、実際に新潟・富山・石川・福井(春優勝有)・鳥取・島根のように、冬に雪が降るような所では確かに優勝していない県が多いのですが、かつては東北以上に優勝とは縁遠かった北海道が駒大苫小牧高校の出現によって2連覇し、決して雪国のチームであっても優勝できないということはなくなったと思います。

さらに今回の金足農業高校は、ピッチャーの吉田選手を中心に、全て秋田県出身の3年生9人で地方予選から全国大会決勝まで戦い続けてきた「絆」というものもあり、試合で勝ち進むごとに、もしかしたらこのまま東北地方最初の優勝にまで行ってしまうのではないかという期待を多くの人が持つに至りました。決勝こそ大差で敗退となりましたが、かつての福島・磐城高校や青森・三沢高校のように優勝した高校よりも今なお語られるような伝説的な足跡を甲子園に残したと言えるのではないでしょうか。ここでのポイントは、優勝した大阪桐蔭高校とは違う金足農業高校のチームコンセプトです。

・スカウティングなしのオール地元(大阪桐蔭は全国規模で選手を見ている)

・投手一人体制(大阪桐蔭は複数投手でローテーション回し)

・公立の農業高校(大阪桐蔭はスポーツも文化系クラブも大学進学もトップクラス)

まだあるかも知れませんが、これだけ状況が違う高校が決勝で相まみえるということになると、日本の高校野球ファンの中にはあえて劣勢の方を応援したくなるという海外の基準から見ると理解しがたい状況になり、それに新聞やテレビなどのマスコミが味付けをして大きなうねりになってしまったということになります。

個人的にはスカウトをするのも、県外から越境入学をさせるのも、公立でなく私立であっても全く問題ないと思っているのですが、今回の報道の中にはそれらのことが悪とは言わないものの、高校野球の理念とは合わないというような事で批判する声もあったように思います。

個人的には大阪桐蔭高校の考え方というのは大変良く理解でき、有望な中学生が集まるのも当然なことだと思っています。それは、越境入学でも中学オールスターをかき集めることでもなく、徹底した相手チームの研究とその対応を考える「データ班」の存在にあると思っています。これは、例えばオリンピックで金メダルを取るために戦うようなもので、万が一の失敗も許されない地方大会からのトーナメントで一度も負けずに戦い抜くためには、どんな力の差のある高校との対戦でもきっちりデータを取って、何が起こっても慌てずにデータを確認して対策を取ることができる情報網にあると思います。

よく、甲子園に出場するチームの目標が「全国制覇」と宣言する所は多いと思いますが、全国の高校チームの中で一番その目標に向かって努力し、常に全国制覇を見据えている高校こそが大阪桐蔭高校だと思うのです。その目標のために努力をするわけなので、どんなに大変な練習でも我慢するわけなのですが、そのためには相当力のある選手であってもレギュラーになることは難しく、状況によっては単なるデータ班に振り分けられグラウンドで活躍できなくなることがわかっていても入学したいという生徒もいることでしょう。それだけ、「全国制覇」ということに特化した高校野球を大阪桐蔭高校がしているということで、それはそれで立派なことだと思います。

しかし、全ての高校生は全国制覇を目的に野球をしているわけではないと思います。金足農業高校のように、地元の仲間と甲子園に出ることが目的の高校もあるでしょうし(今回はそんな状況で確変を起こしてしまったと考えることもできます)、たとえ地元でなくても甲子園の土を踏みたいと思って越境入学するような生徒もいます。

今までは、そのような高校球児がほとんどだろうと思っていたのですが、今回、朝日新聞の講評を見ていたら、ちょっと面白い記事を見付けました。それは静岡県代表の常葉大菊川高校について書かれていた記事でした。大会中から「フルスイング打線」とか「ノーサイン野球」というような言われ方をしていたのですが、チームを取材していた記者の眼には今までの高校野球と違う流れを常葉大菊川というチームに見出しているような印象を受けました。

それは、練習では恐らくきめ細やかな指導があるからこそ堅い守備や見事な走塁があると思うのですが、試合の段階では監督はただ置物のように見ているだけで、攻撃も守備も全て出場している選手が考えて行なうという形にしているそうです。それこそ勝利をするためには高校生の判断では足りないと思う指導者がいたら、試合のポイントでサインを出して監督の判断で選手が動くことが普通ですが、過去には投手の投球内容についてもキャッチャーからではなくベンチの監督が球種のサインまで出すというチームもあるほどです。しかし、それで勝てればいいですが、監督の判断で高校生活最後の試合で負けてしまったとしたら、選手の中にはその事がトラウマとして残ってしまう事もあるでしょう。

常葉大菊川高校の高橋監督がまさにそのような経験を選手時代にしていたそうで、常に送りバンドでなく、打てそうな予感があった時にもし自由に打てていたらという後悔があったそうで、教え子にそのような経験をして欲しくないということで、ノーサインで好きにやらせるという戦い方をするようになったとのことです。

さらに大会中でびっくりしたのは、対戦相手が決まっても十分にデータ分析をするわけでもなく、あくまで自分達がやりたいような形での試合を進めることを優先させるような事が現地のレポートの中にあったので、このチームはそこまで「勝利至上主義」ではなく、とにかく野球を楽しんでやる事を優先的に考えているような感じなのです。小さい頃に野球を始める理由というのは様々だと思いますが、単純にボールを投げて空振りを取ったり、逆に大きな当たりをかっとばす事自体が楽しいからというのがほとんどではないかと思います。好きで楽しいから上達しようと思って一生懸命練習し、その結果が試合で出ると、さらに熱中するというような形で野球がうまくなれるのなら、その方がいいという風に考えるのが常葉大菊川の野球であるというような感じでした。

今回の菊川のメンバーは大阪出身のレギュラーが一人いたものの、全国選抜に選ばれた二人はどちらも高校の近くで幼少期から過ごした地元の子で、他のメンバーもほぼ地元といったような選手構成になっていました。別に全国からうまい子を集めなくても、練習を辛く苦しいとは思わずに楽しんでやることによってここまで伸びるなら、人によっては常に勝つことを意識せざるを得ない大阪桐蔭コースでなく、たとえ甲子園に出られなくても常葉大菊川コースを選んだ方が自分の実力を伸ばして行けるのではないかと思う子が出てきても不思議ではありません。

今回の大阪桐蔭高校の盤石の春夏連覇に、高校野球は面白くなくなるのでは? と考える方もいるかと思いますが、今回紹介した大阪桐蔭高校とは違うアプローチで野球がうまくなりたいと考える球児も少なくないと思われますので、個人的にはそこまで心配はしていません。ただ、常葉大菊川のやり方ではなかなか全国制覇は難しいと思いますが、優勝するのも全国で一校だけなので、自分の思い通りにならずに悔いを残すなら、自由にできるところで思い切りやってみたいと思う生徒も今後増えるような気もします。今回はそうした新しい高校野球の流れを感じられたという意味でも面白い大会になったのではないかという気がします。


高校野球の注目度を下げるためには相当な覚悟が必要

高校野球の全国選手権が甲子園球場で行なわれていますが、今年の大会は第一回から数えて百回目ということで、事前にNHKだけでなくテレビ朝日でも様々な特別番組が放送され、かなり多くの方か見られたと思います。改めてテレビソフトとして高校野球には魅力があるということを示したわけですが、元大阪府知事の橋下徹さんをはじめとして、その裏側は必ずしも清く正しいわけでもないのにテレビ的な演出でその内幕を隠し、実際にはレスリングや日大アメフト、アマチュアボクシングのような体質を生む一番の根源であるとして、いわゆる「高校野球否定論」を言う人達がいます。

確かに未成年の高校生が一夜にして注目され、芸能人のようにもてはやされる人気になるくらいテレビを始めとしたメディアが取り上げるものですから、そうしたマスコミの行為によって浮かれてしまい、選手や監督だけでなく地域自体が盛り上がってしまっているので、指導方法が間違った方向に向かってしまったり、大きな不祥事の温床になってしまう恐れが出てきても、なかなかその勢いを止めることができないということは過去にも現在にもあると思います。

そもそも、過去には旧制中学の中等野球と言いましたが10代の学生の部活動の全国大会をするのは、他のスポーツと比べると極めて早く、さらに全国の都道府県から予選を勝ち上がったチームが出てくるため郷土愛を刺激するのか(戦前は台湾や中国、朝鮮半島の代表も出場しています)、戦前のうちから人気がうなぎのぼりになり、ラジオ放送による中継が始まった時点で恐らく現在と同じような盛り上がりであったことは過去の資料などを読むと明らかです。

このラジオ放送による甲子園からの中継が始まった顛末というのも、人気の試合になるとあの大きな甲子園球場にも人が入り切れず、大会の試合の様子を知りたいという人があまりにも多かったからそうした大会人気を狙って当時の唯一のラジオ放送だったNHKが始めたものだと思います。そんな感じで恐らくラジオ中継もあらゆるスポーツの中で最も早い時期から行なわれたので、テレビで大会を中継するのも自然な流れで行なわれたことと思われます。

テレビ中継は当初総合テレビでのみ行なわれ、NHKでは午後7時を過ぎた場合、ニュースと他の番組との関係から最大6時54分で放送が打ち切りになる決まりでした(その後、天気予報→ニュース→通常番組)。しかし、1974年(第56回大会)の夏の甲子園で、延長戦に持ち込まれた神奈川代表の東海大相模と、鹿児島代表の鹿児島実業との死闘がそれまでのテレビの常識を変えることになります。ちなみに、当時の東海大相模には後に読売巨人で活躍する原辰徳選手、鹿児島実業には同じく読売に入団した定岡正二投手がいて、その対決も注目されました。

さすがに神奈川県の属する関東地方ではテレビ放送終了後はラジオで熱戦の行方を聞くしかなかったのですが(当時のVTRではアナウンサーはラジオへの切り替えを促していました)、鹿児島県の高校野球ファンはラジオでは我慢ができず、猛烈な抗議電話をNHKに集中させることで、当時のNHK鹿児島局の放送部長が野球中継を再開することを決定し、おかげでその試合で鹿児島県及び一部の九州地方の人たちには鹿児島実業の勝利の瞬間を届けることができたのでした。

こうした熱狂的な高校野球ファンが全国に存在するという「事実」もあり、翌年からNHKでは総合テレビだけでなく教育テレビを使ってリレー中継をする現在の方式を開始します。ちなみに、それから5年後の第61回大会ではあの延長18回の熱戦である星稜対箕島の試合が行なわれたのですが、もしあの試合が途中でテレビ中継が打ち切られてしまったらどうなったかと考えると、結果的にNHKが高校野球の完全中継をしたことで人気と注目がさらに集まり、今に至る高校野球の人気を後押ししているように思います。

高校スポーツの中でもなぜ野球だけ特別なのか? という点については100回を数える大会の歴史の中で、またお盆休みには人々が故郷に帰りそこで地元愛に溢れた人達と試合を見るようなこともあるので、紹介したようにどうしても地元のチームの試合を中心に見たいという人が相当多くおり、実際にプロ野球より高い注目度と視聴率を叩き出すからだとしか言えないので、いきなり「高校野球をテレビ中継すること自体がおかしい」と言われる方は、それも日本のスポーツ中継の歴史であることを考えた上で強権的ではなく高校野球を魅力的なコンテンツから追い落とすことをまずは考えるべきでしょう。

サッカーの場合、Jリーグの発足とともに各地方にできたプロチームの下部組織としてユース年代のチームを作り、現在はそちらの方が高校のチームより力が上がっていていることから、以前は甲子園並みに注目されていた冬の全国選手権の注目度が下がってきました。橋下徹氏の言う軍隊式の訓練から始まったのが高校野球ということなら、まずプロ野球を今のような地域性についてあまり考えられていないセ・パリーグを一から再編し、サッカーのように地域密着型のチームにしてチームの数も増やし、軍隊訓練のような練習をしなくてもうまくなってプロ野局からアメリカのメジャーリーグにステップアップできる環境について真剣に考えてみてもいいのではないでしょうか。

そこまで実現できれば、ユースのクラブチームのリーグ戦をテレビ中継したり、サッカーのように高校選手権とは別にユースチームと高校チームの両方が参加するリーグを作って活性化していけば、甲子園をあくまで目標としない人はクラブチームの方にも集まってくるのではないでしょうか。

ただそうして有望選手を分散させることになると、よほどクラブチームに行く場合のメリットを揃えないとなかなかまだ甲子園というブランドに勝てるかはわかりません。テレビ中継をしても甲子園ほど注目されず視聴率も上がらないことも考えられます。このように個人の発言だけではなかなか状況をひっくり返せないのが伝統の重みだとも言えます。ただ、もしも全国一の規模と実力を誇る大阪の高校生世代の有力選手があの有名校の監督ごと引き抜いて、クラブチームに行くというのなら話は別でしょう。真の実力日本一のチームがが甲子園にいないとなると、プロを目指す意識の高い高校生が甲子園とは違う形での野球をする可能性も出てきます。本気で高校野球をつぶしたいならそこまで考えて実行しないと、それこそ野球ファンの応援は得られないのではないでしょうか。


東京中心なのは新聞のテレビ欄にも

地方住まいの身としては、例えば地元で災害が起こった場合になかなか地元の事なのに報道されないような事も起こるのを常々何とかして欲しいと思うのですが、今回指摘したいのはメディアをまたいだ一つの東京偏重の報道のパターンとして記録しておこうと思ったからです。

新聞には「全国紙」と「地方紙」があり、全国紙ではどうしても地方の情報が少なくなり、逆に地方紙では東京を中心とした情報が得られないという状況があります。それはそれで仕方のない事ではあるのですが、さらにそこにテレビがからむとさらなる首都圏と地方との格差が感じられることがあります。

今回取り上げたい番組は、フジテレビのみで日曜日の午後に放送されている「ザ・ノンフィクション」という番組で、2018年7月29日と2018年8月5日の日程で2回に分けて放送される「転がる魂 内田裕也」と題する崔洋一氏が監督している内田裕也氏の人生に迫るドキュメントなのですが、後編の放送の前に大手全国紙のテレビ欄にこの番組のコラムが載りました。

どうせなら前編の放送がある前に紹介した方が良かったのではないかと思うのですが、かく言う私もこのコラムを見てこんな面白そうなプログラムが放送されているのを知ったので、せめて後編だけでも見てみたいと思うのですが、残念ながら地方ではこの番組は見られないのです。

もしやと思って民放テレビ局が共同で運営している「TVer」でこの番組が見られないかとも思ったのですが、残念ながら番組のラインナップに「ザ・ノンフィクション」はありませんでした。さらに、有料の「FODプレミアム」でも探したのですが、全ての放送が見られるわけでなく人気のあるシリーズのみ配信という感じで、前回の放送が対象作品には入っていませんでした。

こういう状況があるので、YouTubeに不法にテレビ番組がアップされることにつながるのではないかと思うのですが、地方で生活している身としてはそんな違法アップローダーに頼ることになるというのはやはり本筋から外れています。

そもそも、全国で一律に見られない番組を「おすすめ番組」として新聞で紹介するというのは、やはり新聞社の思慮が足りないと言うしかありません。コラムニストが紹介する紙面が東京だけでなく全国で見られるなら、合法な手段でネットから見ることができるということをきちんと確認してから載せるというのが当り前のやり方ではないかという気がするのです。まさに地方の人達がテレビ視聴においてどれだけの格差を感じて悔しい想いをしているかは、コラムを書いた人にはわからないでしょう。

かくして、こうして番組に興味を持ったものの、いつ見られるのかもわからないまま生殺しのようにされる地方在住者の恨みだけが溜まっていくわけです。せめて今後NHKがインターネットによる常時中継放送を実現するのなら、画質を落とすことは全く厭わないのでテレビ東京を含む東京エリアの民放テレビも同時に中継することを実現しないのなら、新聞のテレビ欄では地方のテレビ放送に即した内容に編集して出すべきです。ただこうしたことが一般化されれば、同じ日本に住んでいる人における露骨な差別主義をテレビ局と新聞社が後押しすることにもなります。地上波で見るのは電波を使った地元のネット局が中心になっても、ネット局が揃わない地方だったり微妙に放送している番組が違ったりしている場合に補填的にネット中継からカバーできたり、それこそ「TVer」で扱う番組を多くしたりとかいくらでも方法があると思うので、関係される方にはぜひとも考えて欲しいところです。


地方で起こる災害で被害報道の「ズレ」が出る問題

2018年6月18日の午前7時58分に大阪を震源とするマグニチュード6.1、最大震度6弱を記録した地震について、通常番組を中断して放送する手法が取られたもののしばらくは大きな被害のないライブカメラの映像が流れたこともあり、報道の最初のうちには震度は大きかったものの大丈夫だったのでは? というような誤解を生みやすい報道になってしまっていたように私には思えました。

というのも、朝8時というのは朝ドラのNHKは除いて全て朝のワイドショーを東京のキー局から放送していたため、最初には被害の状況を把握することすらできないような感じでした。さらに、現地から送られてくるヘリからの映像を見てもその場所はどこなのか司会者やコメンテーターにはわからず、「どこで何が起こっているか」ということが使わらないようなケースもありました。この場合はすぐにでも番組進行の主導権を今回なら大阪の放送局に渡してしばらくは伝えた方がいいように思えたのですが、なかなかそうもいかず、結果NHKから情報を得ようとした人が出るということになってしまいがちです。

しかしながらNHKも東京がイニシアチブを取って発信する状況には変わりないので、現地からの生の情報を得たいと思った場合は、もはやテレビ放送からは難しいのではないかと思えてしまいます。

今回、私自身は早いうちからウェザーニュース社の提供するYouTubeの専用チャンネルから流されている生のストリーミング配信による地震情報を見ていたのですが、こちらの方ではウェザーニュース会員が普段から天気の内容について写真付きで投稿することが当り前になっており、今回の地震の被害について知ったのは主にネットのウェザーニュースからの情報によるところが大きいです。

ネット上での報告というのは単に写真や動画の内容を紹介するだけのものになりがちで、総合的に被害がどうなっているのか知るためには、やはりそうして上がってきたネット上からの情報を瞬時に分析し、紹介したり現地からの報告を届けたりするため、やはりテレビ的な報道が必要です。今回の地震の場合でも早いうちからtwitterなどのSNSを分析し、直接情報発信者と連絡を取り、もし可能ならば電話(もしくはメッセージアプリの電話機能)で生の声を伝えてもらうような体制を取らなければ、日本のテレビ局はウェザーニュースにも劣るメディアと思われかねないようなことも今後には出てくるように思えます。

ネット局の仕組みを利用して早くから地震の被害のあった地方局に進行を進められたらどうなるかというのは、6月18日に大阪よみうりテレビの制作で放送された「情報ライブミヤネ屋」を見た方ならおわかりになると思います。地の利に明かるく、コメントもすぐに出るのはやはり地元に密着した情報発信を常に行なっているからこそで、例えばグルメ関連の取材などで多く訪れていて、テレビ局とお店が密に繋がっている地方局であればいざという時にも現地での生の声を直接伝えることも容易になるでしょう。

ですから、今後のテレビには主導権争いにこだわらず、現地からの報道をストレートに伝えられる局が優先して災害報道を行なった方がいいのではないかと思います。もしくは、アベマTVなどネット配信のニュースを配信しているところが地方局と独自に協定を結び、現地から衛星携帯電話を使ってでも配信できるような形が取れれば、地上波の情報よりも早く正確な情報を伝えられるのはネット放送の方だという認識に変わってくる可能性すら感じます。ですから改めて、災害報道についてはあくまで東京中心という仕組みから自由になり、状況に応じて地方局に任せるような方針を作ることもテレビにとっては大切なものになっていくのではないでしょうか。


テレビの企画に真っ向から対抗するタレントはいないのか

過去の番組の話題を出して恐縮ですが、このブログでは機会さえあればテレビの番組として流されたさまざまな企画について、現場まで見に行くこともあります。今回そうしたアンテナに引っかかったのは、タレントで俳優の石田純一さんが沖縄・那覇の沖映通り沿いにお店を出し、そのお店が1年以内に潰れる可能性が何%か? という苦労してお店を出した方にとっては余計なお世話という企画「芸能人の心配な店」です。

ちなみにこの企画は、日本テレビの「有吉ゼミSP」(2018/05/14 19:00 ~ 2018/05/14 21:00 120分)の中で放送されたもので、収録されたのはそれより物理的に前になるので、少なくとも番組内で指摘されたお店としてのダメな点というものを真摯に改良するつもりがあるなら、私の行った5月末から1~2ヶ月の期間があったということがあります。ここからは実際に私が撮ってきた写真とともに紹介しましょう。

お店は、写真の通りですが「沖映通り」(昔は映画館があったためそう呼ばれています)沿いにあるというテレビからの情報だけを鵜呑みにして通りを歩いていったのですが、那覇のメインストリートの国際通りから入ったためか、結構歩きます。お店は石田さんが大好きな冷麺を出す専門店で、コンサルタントの方は、道を歩いていてもお店がどこにあるかわからないという、おしゃれさにこだわった店作りをしているために風景の中に埋もれてしまっていて、隣のメガネ屋さんの大きな看板に負けないような工夫をしないと一見の観光客は入りづらいし入って来ないだろうという意見を言っていました。すると、5月31日現在下の写真のようになっていました。

恐らく「有吉ゼミSP」を見てなかった人は、この写真のどこに石田純一さんのお店があるかわからないと思います。私もうっかり見落しそうになってしまったのですが、この状況はテレビ放送時(ということはオンエア時よりも前)と全く同じ状況になっているのです。木を張りつめた一角がメガネ屋さんの手前にあると思いますが、六角形が二つ重なったところから地下に向かって入るお店が石田さんのお店です。そして、正面に回ると残念ながらお店は昼休憩に入っている時間のようでクローズしていたため、実際にメニューやお店の内装、冷蔵庫の位置について確認することはできませんでしたが、この外観を見ただけで石田さんの「ある思想」というものを感じないわけにはいきませんでした。

おしゃれな雰囲気のお店であることはこの外観からはわかりますが、お店が休憩中にしてもメニューの内容すら外からはわからない状況に、この店は何の店なのか、ことによると観光客をぼったくるお店ではないかと思う人がいても不思議ではないでしょう。もちろん、テレビで悪い言われ方をしたものの店内やメニューの紹介をしてもらい、現地でお会いした沖縄在住の方も知らなかったこのお店が石田純一さんのプロデュースでオープンしていることを世間に知らしめる効果は私が訪問したことで十分あったことは間違いないと思います。しかし、これだけテレビの多少ふざけた企画とは言え、辛辣にアドバイスしたことを軽く受け流して営業を続けるというのは、さすが芸能人は副業にも余裕があるなとしか感じることができませんでした。

私自身は、このようなディスられるような企画に乗って自分のお店を何とか宣伝してもらおうと考える芸能人やタレントがいても問題はないと思うのですが、番組で見た石田さんはいちいちもっともだというように番組の用意した専門家の意見を聞いているように見えたので、ここまで意固地に自分の意志を通そうとするのがちょっと意外でした。

でしたら、石田さん自体がスタジオで大見得を切るなどして「自分の店なんだから人に指図される筋合いはない」と対決を煽れば、逆に番組の方でその後はどうなっているのかという追加取材が店が続いているうちに来る可能性だってあったでしょう。お店のTwitterを見たら5月末でオープン半年になり、ドリンクサービス終了という寂しいお知らせが残っていました。このままではお店がだめになった後に取材に来るというのがパターンになってしまう可能性もあります。

個人的には今からでも、石田さんにはご自身で番組登場を直訴してでもテレビの企画の目論見どおりにはならないと主張しつつお店を良い方に変えていって欲しいとこれは本心で思っています。このままテレビのバラエティー班および、視聴者の思い通りの結果になってしまっては、大物俳優としてのメンツも立たないでしょうし、ご自身の経営努力でお店を沖映通りの人気店にすることができれば、石田さんはテレビのバラエティー班の鼻を明かすこともできます。

私自身は次にいつ沖縄に出掛けられるかはわかりませんが、次回訪問時にはきちんと営業時間を調べて行って、お店おすすめのメニューがいただければいいなと思っています。


「ディベートバラエティ」をテレビ局が手掛けないのは何故か

見終わってスッキリするドラマや映画の世界とは違って、現実の世界の中にはこちらがこうあって欲しいと思うことでもうまいことまとまることがなくうやむやのまま終わってしまうことがかなりあります。

そうしたフラストレーションをスカッとさせることができる番組に「痛快TVスカッとジャパン」(フジテレビ)がありますが、これは視聴者からの日常の中でのストレスが溜まる対人関係の内容をミニドラマで再現しながらストレス解消へと持って行く作りになっているものの、ミニドラマでストレスの種となるキャラクターが逆に際立ってしまって、その悪役が人気になってしまってくると、なかなか悪いやつをやり込めてスカッとするという方に行かなくなるという番組としての存在の危うさがあるのではないかと個人的には思っています。

そして、できれば収録したVTRでなくスタジオでのやり取りの中でスカッとする方がたとえそれが収録番組であっても放送中にはそれなりのリアリティを持てます。そんな風に考えてぜひテレビのバラエティ番組の中で実行することができないだろうかと思う事があるのですが、今回はそんなスカっとできるかも知れない私の思い描く番組の姿についてちょっと書きたいと思います。

世の中にはイデオロギーの対立があり、そうした事柄に正面からぶつかろうとした番組に「朝まで生テレビ」(テレビ朝日)があり、更にそこから派生したと思われる「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)という人気番組も生まれました。しかしこの種の番組というのは、どちらの言っていることが正しいのかという討論というよりは、いかに相手より大きな声を出して自分の言いたいことを時間内に言い尽くしたり、相手の発言をいかに妨害するかという事が大切なような感じになり、逆に見ている人の中には「何が話されているのか多くの人が同時に喋るのでわからない」とか、「話を聞きたい人が喋ろうとしたら妨害するように話をかぶせてくるのにムカついた」とか、かえって番組を見てストレスが溜まるということもあるようです。これは、多くの論者がいて話すので時間の制限があるテレビではどっちみちこうなることはわかっているとはいうものの、もう少し見ている人にわかるような形でディベートをするような番組があればなと思うのです。

討論する内容については、あえて政治的なイデオロギーの論争になって本質がわからなくなるようなことがないように、それこそ「痛快TVスカッとジャパン」のような日常の些細な悪人(シチュエーションを十分理解した役者さんにやってもらう)を尋問して最終的に論破すれば成功とするような形にすれば、番組がイデオロギー論争に巻き込まれることはなくなるでしょうし、政府や各種団体からあからさまに抗議を受けることもなくなるでしょうから、あくまで題材については今の政治についての内容は控えた方がいいと思います。

希望する内容というのはあくまで「一対一」でディベートするということです。その際、一定の時間を区切ったりディベートの場所をリングの上にしたりすればバラエティ色も高まるでしょう。何回かに区切ってディベートを行ない、スポーツで言えば審査員役のタレントがそのディベートを判定するようにすれば、時間制限のあるテレビ番組内でもそれなりに面白くまとめられると思います。

例えば、今多くの人がおかしいのではないか? と思っているかも知れない「共謀して何かを隠そうとしている人が口裏を合わせて証言をし、さらにその中で追求されたくない質問をされた場合に『記憶にない』と言う人の嘘をどうやって追求するか?」というような事でも、国会で繰り広げられているやり取りを見てもっともらしく「野党は追求が甘い」と言い放つ人が本当にそうした人物を追いつめられるのか見てみたいです。当然そこまで言う方なら自分の実力を示そうとしてくれるでしょうから、弁護士や元刑事、さらに政治評論家という立場の方がガチですごい人なのかが証明されるわけで、本当に自信のある方なら喜んで出演してくれるだろうと思います(^^)。

こうした番組が軌道に乗れば、番組内で卓越したディベート能力を示した人が国会議員としてスカウトされたり、それこそ橋下徹さんのように首長や政党の代表として最初は単なるテレビに出ている人だったのが世間に大きな影響を与えるような人材を輩出するようなものに化けるかも知れません。ただその際、番組出身の国会議員が国会で何かの疑惑で追求した内容が現在と同じように批判されることがないよう、スターを作リ出すためのヤラセは避けてくれれば、見て楽しいし社会にも役に立つかも知れないバラエティになるのではないかと思うのですが、この考えはかなり甘いのでしょうか(^^;)。