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「TKJPヘビー級選手権」とは?

昨年の11月11日に放送されたBSフジの11時間テレビはこのブログでも紹介したように、一部の人達の熱狂的な支持を受けたことは記憶に新しいですが、そのため一応今年の11月11日にテレビ欄を見て今年も11時間テレビをやらないことを確認し、ちょっとがっかりしたもののやはりというか土曜日の午前中から同じ11時間テレビを仕掛けるのはさすがでした。

この番組の母体として安定した人気を持つ「クイズ!脳ベルSHOW」は連日再放送を含めて放送されており、そこで改めて生存が確認されたり、その言動の面白さを再確認したりする往年のスターが発掘されるという実に昭和的な番組を面白くするシステムが発動しており、それが今回の番組にも生かされていると感じるところが多くありました。

基本は全国をブロックに分けてその地方同士のクイズ合戦ということになるのですが、優勝賞品が「米一俵」という相変わらずのショボさで、出演者もクイズの成績がどうこうではなく心ゆくまで番組を楽しんでいることが見ていて伝わってきました。

まず最初のこの番組のポイントとして挙げなければならないのは、クイズの箸休めとして出演者がお客さんとして座席を埋めた演芸大会に出てきた往年の漫才コンビ「B&B」の進行を無視した往年の漫才披露にありました。島田洋七さんのしゃべくりの力はいささかも衰えず、相方の島田洋八さんが「もうええわ」と適当なところで終わらせようと思っても洋七さんが終わらせてくれず、どうでもいい話をどんどん続けていくところは、まさにかつての漫才ブームの頃の様子を彷彿とさせるこの番組の大きな見どころだったように思います。このために最後がぐだぐだになってしまったことはあるかも知れませんが、B&Bは健在であることを示してくれたことは嬉しく、ぜひまたお二人の漫才を聞く機会があればと思います。

そして、やはり今回も触れなければならないのが往年のプロレスファンとしてはちょっと考えられないような顔合せが起こった表題の「TKJPヘビー級選手権」です(^^)。この言葉は実は番組の中で実況アナウンスをかみまくりながらしていた元・テレビ朝日アナウンサー佐々木正洋さん(アントニオ猪木さんに試合前のインタビューに行き激怒され最初にビンタを食らったアナウンサー)の造語です。具体的には、

「T」…叩いて
「K」…かぶって
「J」…じゃんけん
「P」…ポン

の略称です(^^;)。改めて説明するまでもないですが、昨年と同様に赤青のヘルメットにピコピコハンマーがリングの中に用意され、過去に因縁があるはずの男達が大真面目にこのゲームに興じるさまは2年連続同じことをやっているにも関わらず、当日の最大のメインイベントだったように思います。

前年と比べての変化は、まず長州力さんがゲームの対策をして防御がうまくなっているだけでなく巧みに相手の心を揺さぶったり脅しをかけたりして、相手の動揺を誘うというかなり高度なテクニックをもって対武藤敬司戦、対前田日明戦、対蝶野正洋戦を戦い抜いたのが強烈に印象に残りました。

というのも、普通の人が出すじゃんけんのチョキは人差し指と中指を使った「ピースサイン」がほとんどだと思いますが、長州力さんの出す「チョキ」は親指と人差し指をのばす通称「田舎チョキ」と言われるもので、最初に出したのがその「田舎チョキ」だったことでまず試合がストップし大笑いになったのです。その後、長州さんは田舎チョキを出し続けたのですが、それはどうもわざと負けてすぐにヘルメットをかぶって防御をする作戦だったように感じました。

そして、相手にグーを出させておいてパーを出して勝つと、一気に優勢に転じ現役時代のパワーそのものという感じでヘルメットとハンマーを置いている机の上を乗り越えて相手をめった打ちにしに行くというパターンを繰り返しました。この様子を見ていて実際に長州力さんの攻勢をまともにくらった最終戦の蝶野正洋さんはあわててリング下に逃げ出してしまい(^^;)、最後には長州力さんが前年から引き続きチャンピオンに輝きました。

その中で長州さんが何と「ベルトが欲しい」と言い出し、司会の岡田さんが来年の開催時にはベルトを用意すると言ったので、少なくとも来年の11月にも番組が作られ、そのコーナーの一つとして「TKJPヘビー級選手権」が行なわれることは確かではないでしょうか。

これからまた一年間、通常のレギュラー放送の中で新たな個性的なメンバーがその才能を発揮したら、クイズ出演者だけでなく長州力対武藤敬司・前田日明・蝶野正洋というメンツ以外にもさらに遺恨のある人物が出てくる可能性もありますし、いい大人が真面目にふざける「茶番」には違いありませんが(^^;)、その茶番をおおらかな目で見て笑うということができるのもBSというゆるい放送枠でこそのものではないでしょうか。今後もAbemaに負けないエンターテインメントを年一回、期待して待っている一部の人達に届けていただきたいと切に思います。出演者の皆様およびスタッフの方、11時間お疲れ様でした。

(番組データ)

BSフジ11時間テレビ2018 全国対抗!脳トレ生合戦!! BSフジ
2018/11/17 11:00 ~ 018/11/17 22:00(660分)
【司会】岡田圭右(ますだおかだ) 川野良子(フジテレビアナウンサー)
【解答者】あいざき進也 麻丘めぐみ あべ静江 アキ 伊藤榮子 氏神一番 うつみ宮土理 扇ひろ子 大沢逸美 岡まゆみ 葛城ユキ カルーセル麻紀 神奈月 岸田敏志 北原ミレイ 国生さゆり 小桜京子 斎藤洋介 桜木健一 沢田亜矢子 獣神サンダー・ライガー シェリー 高橋名人 田中健 田中星児 谷隼人 西村知美 ビートきよし ピーター 船木誠勝 堀ちえみ 松村雄基 マリアン 森口博子 山下真司 山本晋也 若林豪 渡辺正行
【ゲスト】藤巻潤 堀田眞三 寺田理恵子 福井謙二 牧原俊幸 大木凡人 BORO 丸の内合唱団 水木一郎 ささきいさお 橋幸夫 森脇健児 ミスターマリック トランプマン すず風にゃんこ・金魚 酒井くにお・とおる B&B ぼんちおさむ 水前寺清子 長州力 武藤敬司 前田日明 蝶野正洋 佐々木正洋 田中ケロ にしきのあきら 松岡きっこ 裕子と弥生 リリーズ こまどり姉妹 JAGUAR 江藤博利 加門亮 島崎俊郎(全ての出演者ではありません)
【企画・編成】谷口大二
【構成】林田晋一/鈴木悟志
【クイズ監修】道蔦岳史
【プロデューサー】小沢英治
【総合演出】丸林徳昭
【制作協力】ディ・コンプレックス ニュー・ジェネレーション ロジック
【制作著作】:BSフジ

(番組内容)

現在、月金曜日22:00~22:55放送中の『クイズ!脳ベルSHOW』をベースに「誕生」をテーマにした大型生放送特番。演芸、歌謡コーナーなどなど、おなじみの脳活性化クイズだけでなく笑いや歌でも脳を活性化しちゃう11時間!出演者は47都道府県・6ブロックを代表する有名人の皆様!トーナメント方式で優勝を競います!第1部は北海道・東北チームと九州・沖縄チームの登場です。

ところどころにスペシャルゲストが登場!オープニングから登場するのでスタートからお見逃しなく! 80年代の人気番組の大ヒット企画・山田邦子のひょうきん絵描き歌がスタジオで実現!?あるなし曲を歌う丸の内合唱団の生歌も聞けちゃいますよ~♪ そして「脳ベルSHOW」ではおなじみ「脳ベルダービー」はもちろんあります!誰が早押しに挑戦するかは見てのお楽しみ!

インフォメーションコーナーでは、視聴者の皆様から寄せられたメッセージをご紹介します!奮ってご応募ください。 目玉企画のお台場障害物マラソンではあのマラソンランナーが駆け抜ける!果たしてランナーは無事ゴールへ辿り着くことができるのか?! そして番組の所々に豪華商品が当たるプレゼントクイズのキーワードが発表されます。キーワードを確認して番組最後のプレゼントクイズに挑戦してみてください!

第2部は近畿チームと関東・甲信越チームが激突!今回もスペシャルゲストが続々登場! VTRクイズでは懐かしの3年B組金八先生シリーズ風ドラマで禁断の恋が…!? そしてもちろん「脳ベルダービー」のコーナーもあります! クイズの合間には脳をリフレッシュ!「脳ベル演芸SHOW」のコーナーもあります。

第3部は北陸・東海チームと中国・四国チームが激突! そして敗者復活戦で勝ち残るのはどのチームなのか!SPコーナーではMr.マリックとトランプマンが夢の共演対決!みなさん、手品の仕掛けわかりますか? 続いては注目の4KPR企画!ガチャピンとムックがスタジオに駆けつけ盛り上げてくれますよ。 皆様からのメッセージも大募集!インフォメーションコーナーを設けてご紹介しちゃいます。第3部も「脳ベルダービー」は続きます! SPコーナーでは、プロレスラー長州力・武藤敬司・前田日明が登場!リング上でどんな対決が繰り広げられるのか!? 第3部にも豪華商品があたるプレゼントクイズのキーワード発表がありますよ!お見逃しなく!

第4部はついに決勝戦! MC岡田圭右の50回目の誕生日も盛大にお祝いしちゃいますよ~!  「脳ベルヒットスタジオ」のコーナーでは、豪華ゲストの皆さんが懐かしのヒット歌謡曲を生披露!岡田圭右・川野良子アナの生の歌声とダンスにもご注目ください♪ おなじみ「脳ベルダービー」のコーナーももちろんあります。 SPコーナーでは、またまたプロレスラーが登場!長州力・武藤敬司に加えて蝶野正洋が参戦!リングでどのような戦いが繰り広げられるのか!? そしてドッキリ企画お宝ハウマッチ! あの芸能人のあのお宝のお値段は? 脳ベルSHOWの締め括りは”すごろく大逆転” 運を味方につけて優勝するのは一体どのチームなのか! 豪華商品があたるプレゼントクイズのキーワード発表もあります。メモを取るのを忘れずに! 11時間テレビも終盤。岡田さんと川野アナ大丈夫かな…ポロリ連発してないかな… 皆さんも岡田さんと川野アナを応援しながら第4部を是非是非最後までお楽しみください。


若年層を切り捨てるとこれだけ面白い!? 11時間生放送の脳トレ生合戦

BSフジの平日夜に連日放送されている「クイズ!脳ベルSHOW」から派生して、11月11日に11時間通しての生放送をしてしまおうという相当思い切った企画に、つい最初から見続けてしまいました。基本的には出演者も演出の手法も昭和の香りが満載ということで、完全に若者の視聴者を置き去りにしているような感じなのですが、特番になったことで更にびっくりするようなゲストがやってきたりして、これはかなり番組として化けたのではないかと思われます。

通常の番組ではどちらかというと脳トレという本来の目的や解答者の珍回答にスポットが当たったりすると思いますが、今回はとにかく豪華な昭和時代に活躍したゲストの面白さが抜群でした。優勝賞品や視聴者プレゼントのしょぼさは民放BSらしさを感じますが、それが番組自体の面白さのスパイスにもつながっているようにも思えました。

何しろ11時間も続く番組だったのでみどころも多すぎでここではとても書き切れないのですが、ゲスト関連で言うとアダモステの格好でスタジオに乱入した島崎俊郎さんが昭和のノリそのままでなかなかスタジオからはけようとしなかったぐだぐだな状況をそのまま垂れ流したというのも冒険のできるBSの番組ならではのことでしょう。また、クイズとクイズの間の箸休めに登場したケーシー高峰さんの生エロ漫談は見ていてハラハラした方もいたのではないでしょうか。

レギュラー番組のコーナー「クイズ脳ベルダービー」の回答者は江藤博利さん、小金沢昇司さんに何とJAGUARさん(千葉のローカルタレントで最近では日本テレビ「月曜から夜ふかし」にも出演)がそろって、あの「からくりTV」の「ご長寿早押しクイズ」を髣髴とさせるようなクイズバトルを編集なしの生放送で行なったのですが、編集が無くてもそれなりにボケ回答連発で、見ていて大笑いするものに仕上がったのは単なる怪我の功名だったのか計算されていたのかわかりませんが、このコーナーは都合3回行なわれ、生放送の緊張感が消えるにしたがって面白くなっていったように思います。

そして、ゲスト出演の企画で最高だったのが特設リングに机とヘルメット、ピコピコハンマーを置いてプロレスラーの武藤敬司さんと長州力さんにプロレスではなく「叩いてかぶってじゃんけんぽん」を真面目にやらせたものでした。勝負自体は長州力さんのじゃんけんが弱かったためあっという間に武藤敬司さんが勝利してしまったのですが、そこに至る経緯のうち、長州力さんの発つ言葉と存在感が最高だったので大いに笑えるものになっていたのです。最初の武藤敬司さんとの試合があまりに面白かったため、本当は数時間後に行なわれたメインイベントとして番組スタッフが考えていただろうと思われる、「長州力対藤波辰爾」の戦いは対武藤戦とは違う対決方法にする予定だったのが、現場判断で同じ「叩いてかぶってじゃんけんぽん」の試合になってしまったのにも笑いました。

藤浪さんとの勝負も最初は長州さんがじゃんけんで負けてそのまま一本取られて(二本先取で勝ち)、このまま終ってしまうかに思えましたが、途中から獣神サンダー・ライガーさんのじゃんけんアドバイスの耳うちのおかげでまさかの藤浪さんに逆転勝ちし、そのまま終わるかと思ったらそうではなく、一人で熱くなっている長州力さんが武藤敬司さんにリベンジマッチを申し込み、これも獣神サンダー・ライガーさんのじゃんけんアドバイスによってじゃんけんに勝った勢いで見事リベンジを果たしたのでした(^^)。

もしかしたら武藤敬司さんが手加減されたのかも知れませんが、このまま負け犬となって終わる長州力さんの姿は見たくなかったので、この結果は良かったと心から思いましたし、生放送の中で丸く収まるという奇跡的なパターンになったのは心底ほっとしました。流血などは当然ありませんでしたが、古き良き昭和のプロレスの抗争をやんわりとユーモアを付け足して表現したということでも、11時間の番組の中でも一番のハイライトであったと思います。あんな面白さはとても地上波のバラエティでは出せないとも思えましたし、あの一連の流れを生で見られただけでもこの番組を見た意味があったのではないかとすら思っています。

元々、この番組は中高年の脳トレ用のクイズの拡大版ということで、対象とする視聴者は少なくとも回答者として出ているタレントに合わせるような感じとして40代以上を想定しているようで、さらに出演者の中には高齢の方もいるので、普通に振る舞っているだけでも突っ込みどころ満載な状況というのがそこかしこにあり、それがまた作られたものではないおかしさを誘ったりしていました。

全体的には出演者にやさしく、さらに出演者がなかなか正解を出さないので、ゆっくり正解まで考えることがでるようになっています。そこにあるのは、昭和の時代を生きてきた中高年を主な対象にして全ての世代におもねらない番組制作の姿勢であったのではないかと思います。

実際のところ、この番組が対象としていない年代にはどう映ったのかはわかりませんが、地上波と同じことをやるよりも11時間という長丁場でもそれほど変わったことはせずに、さらに司会の岡田圭右さんの適度な出演者いじりが面白さを倍増させ、実際は年代を問わず多くの人が笑える番組になっていたのではないでしょうか。

本家フジテレビは視聴率が低迷したり、とんねるずの番組の件で社長が謝罪にまで追い込まれたり、あまりいい話は聞きませんが、お金をかけなくてもこれだけの面白い番組が作れるわけですから、今後のBSの番組についても考えていただきたいところです。深夜に安易に通販番組を突っ込むのではなくてもっともっと実験的な番組を地上波でなくBSで試してみるというような事を真面目に行っていくことによって、その才能が今度はBSだけの面白さではなく、地上波でも通じる面白さを持った番組を作ることのできるように成長していくのではないでしょうか。単に、BSで受けたからその企画を地上波に持って行くのではなく、まずはBSで見るから面白いという番組を多く作っていって欲しいと正直なところ感じます。

(番組データ)

BSフジ11時間テレビ 全国対抗!脳トレ生合戦!! BSフジ
11/11 (土) 11:00 ~ 22:00
MC:岡田圭右(ますだおかだ)
アシスタント:川野良子(フジテレビアナウンサー)福井謙二アナウンサー
ゲスト:あいざき進也/相本久美子/赤座美代子/麻丘めぐみ/石橋正次/氏神一番/海原はるか・かなた/江藤博利/大川栄策/大木凡人/大沢逸美/おぼん・こぼん/風見しんご/葛城ユキ/カルーセル麻紀/川上麻衣子/神奈月/北原ミレイ/ケーシー高峰/小金沢昇司/小桜京子/コント山口君と竹田君/桜木健一/シェリ ー/島崎俊郎/嶋大輔/JAGUAR/獣神サンダー・ライガー/鈴木正幸/瀬戸内美八/多岐川裕美/谷隼人/仲八郎/ナポレオンズ/板東英二/ピーター/ビートきよし/細川ふみえ/堀ちえみ/堀江淳/松崎しげる/マッハ文朱/松村雄基/マリアン/真理アンヌ/村野武範/森口博子/山本晋也/ゆーとぴあ/芳本美代子/若林豪/若原瞳(50音順)             スペシャル(秘)ゲストがぞくぞく登場!

(番組内容)

とうとうやってまいりました! 11月11日11時間の生放送!! 『BSフジ11時間テレビ 全国対抗!脳トレ生合戦!!』 月曜~金曜の22時から放送中の「クイズ!脳ベルSHOW」をベースに演芸、歌謡コーナーなどなど、おなじみの脳活化クイズだけでなく笑いや歌でも脳を活性化しちゃう11時間となっております! 出演者は47都道府県・6ブロックを代表する有名人の皆様! トーナメント方式で優勝を競います!