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「フェイクニュース」全盛の時代に地上波でも「フェイク番組」が

何の予備知識もなく深夜にこの番組を見た方は、ひどく消化不良を起こしたのだろうと思います。よくBSでありそうな一つのテーマ(この番組では「パン屋探訪」?)を基本に街歩きをし、出演タレントの魅力とともにテーマを視聴者に伝えるような番組であることを期待して見ていた人は裏切られ、恐らく今後も裏切られ続けるだろうと思います。

このブログの最後に紹介している「番組内容」はこちらが独自に書いたものではなく、テレビ局経由の紹介に基づいているものをそのまま紹介しているのですが、そこで書かれている「お店にお邪魔」ではなく「お店をお邪魔」して、秋山さん自身が「クリエーターズファイル」で行なっているように、自論(もちろん事前の設定がある「フェイク」満載の)を延々と述べることで、予定調和を崩しつつ絶妙な笑いの世界を作り出しています。

同時にYou Tubeで公開されているナレーションの斎藤ちはるアナウンサーの番組収録後のインタビューも実に確信犯的で(スタッフが番組内容をナレータに伝えないまま収録させたのではないかと感じさせる雰囲気を出していました)、かなり秋山さんとスタッフが綿密に打合せをして作っているという印象を受けました。

逆に言うと、街ぶら番組を期待してこの番組を見て、あまりにも目論見が外れてテレビ局に抗議してくるような人がいたら、それは番組にとっては目論見通りであると言えるわけです。一応、番組上の設定で事実と違うことについては、番組最後にテロップで流しているのでその点では問題がないと思います。

さらに、この番組を「フィクション」と呼ぶのも違うような気がします。訪れたパン屋さんは実在し、秋山さんは食べてまともなコメントは言わないながらも画面からおいしそうなパンを紹介していますし、全てが「フィクション」ではありません。

つまり、この番組は最初に書いたような「街歩き的食べ物ガイド」(番組のコンセプトからはNHK BSでシリーズ化されている「パン旅」を意識している?)を茶化し、あえて今はやりの「フェイク」を入れながらゆるーく笑ってもらいたいというコンセプトの番組であって、フェイク情報を出しているからと言って怒り出すのは間違いだということです。

そうしたコンセプトを理解した、秋山さんの話の中から出てきたキーワードをスタッフが事後取材するのも面白く、「御殿場アウトレット」あたりの広報の人が今回実際に出演してフェイク拡散に貢献し、番組の面白さを引き出すことに貢献した椎名林檎さんのように、茶目っ気ある回答をしてくるようになると(スタッフの入れ知恵も含めて)、さらに番組の可能性が広がって面白くなるような気がします。今後の番組の成長に期待したい、そんな番組ですね。

(番組データ)

秋山とパン テレビ朝日
2020/10/08 01:56 ~ 2020/10/08 02:16 (20分)
【出演】秋山竜次(ロバート)
【ナレーション】斎藤ちはる(テレビ朝日アナウンサー)
【VTR出演】椎名林檎

(番組内容)

ロバートの秋山竜次が、街で愛されるパンの名店を訪れ、お店ご自慢のパンに舌鼓を打ちます。美味しいパンと小粋なおしゃべり。真夜中にあなたのお腹を鳴らします。

どの国の、どんな街にもパンはある。 人生のいかなる瞬間にも優しく寄り添ってくれる存在、それがパン。 初回の本日は、六本木にあるクロワッサンが絶品と噂のお店にお邪魔します。さてどんな小粋なおしゃべりがとびだすのでしょうか。 真夜中にあなたのお腹を鳴らします。

ランキングに忖度がなくても説明のない番組

後から読む方もいると思うので、今回の放送が生放送だったこともあり、テレビなどマスコミがこぞって政府批判を放送された当時にしていた事について書いておきます。内閣総理大臣が任命する日本学術会議の会員のうち、推薦のあった人の中から6名だけ任命されなかった事について、「任命しない理由」を説明するべきだという事が言われています。基本的には説明責任がないとは言え、行政への不満を抑えるためにも、多くの人を納得させるためにもきちんと任命しない理由を説明してから任命拒否すれば良かったのにと思います。今回の番組は、最後の最後に同じような問題を起こしたまま終わってしまったように思います。

番組の内容は、女性歌手限定でプロの声楽家131人が忖度なしでランキングを選んだものですが、ランキング番組の宿命として「この人がランキングに入らないのはなぜか」とか「この人がランキング上位なのは納得できない」という個人の主観による不満があります。さらに、ランキングを決めるための「ルール」を細かく設定することも大事ではないかと思います。

例えば番組に呼ばれたらその場でランキング入りを納得できる生歌を披露できる現役の歌手に限定するのか、さらに無名の歌手まで含めるのか、過去の伝説の歌手まで含めるのか、その際動画が残っていなくてもいいのか、それによって今回のランキングも変わってくると思うのですが、個人的には過去の素晴らしい歌唱能力を持っていた歌手も含めてのランキングになっていたものの、いわゆる皆が知っていて現在も活躍している人が多く選ばれ、いわゆる「サプライズ」的なものは少ないのは残念でした。

ただ、そんな中で第六位にノミネートされた演歌歌手の島津亜矢さんは、視聴者の中には誰? と思った人も多いサプライズ選出だと思いますが、製作側が島津さんにあえて持ち歌を歌わせず、声楽家にアンケートを取ったJPOPの楽曲の中で一番歌うのが難しいというランキング一位の 「白日」(King Gnu)を生披露させ、その歌唱力とともに演歌歌手の枠を超えた歌手としての魅力を感じさせることに成功しています。作り手側の狙いというのがあるとしたら、JPOPの歌手以外にもこんな人がいるんだぞという事を紹介することもあったと思うのですが(今後の島津亜矢さんの歌手としての売り出し方を考えての企画であったとしても)、それにしては2時間という枠は短すぎて、ランキング以外の見どころは少なかったのではないかと思います。

そして時間が足りなかったこととも関係あるのですが、ランキング自体の問題として最後のところでのネットコメントが象徴していたのですが第一位の発表があった後に「忖度がないと言っておきながら最後に忖度した」というように言われっぱなしになってしまったことがあります。個人的には第一位は現役歌手だけでないランキングで、動く映像が残っている歌手の中ということでは第一位は美空ひばりさん以外にはないと思っていたのですが、ネットで美空ひばりさんが一位を取ったことに不満を述べている方は、恐らく晩年のひばりさんの動画を見ただけで幼少期から多岐にわたった歌手としての活動について無知であるという可能性が高いと思います。個人的にこうした感情が残って、何も聞かないで美空ひばりさんの歌手としての能力を否定するような事になってしまわないかと心配になります。

そうした批判は恐らくランキング決定後からあったと思うので、番組の構成としては、さわりで流れた「川の流れのように」と、第一位の理由付けとして紹介された「愛燦燦」だけでなく昔の映像も活用して、その凄さをちゃんと説明すべきだったと思います。

恐らく同じランキングをラジオで一日かけて紹介する番組を作っていたら、ランキング外で知名度はないが素晴らしい歌唱力を持っている現役歌手をリスナーに紹介することもできたでしょうし、ランキング上位の歌手のどこが素晴しいかをきちんとリスナーが納得するように説明でき、聞いている人も満足するような番組が作れたのではないでしょうか。

今回のランキングがあくまで「人気ランキング」なら2時間で収めてもそんなもんかと思ったでしょうが、なまじ忖度なしのランキングと銘打っただけに消化不良が残った番組に終わってしまったと思います。どうせならこの番組で作ったランキングを基にして審査した方に再取材して、皆が納得する内容の番組をどこかでやって欲しいものですが。

(番組データ)

本当のとこ教えてランキング TBS
2020/10/04 21:00 ~ 2020/10/04 22:54 (114分)
【MC】 坂上忍
【ゲスト】 朝日奈央・小芝風花・ヒロミ・吉村崇 (50音順)
【進行】 良原安美(TBSアナウンサー)
【総合演出】 竹永典弘
【プロデューサー】 谷沢美和 井上整 高宮望

(番組内容)

様々な「禁断のランキング」だけに特化した生放送ランキング番組!今回は【プロの声楽家が選ぶ、本当に歌がうまい女性歌手ベスト30】を紹介

緊急生放送!日本音楽史でNo.1歌唱力の歌姫は誰なのか?今夜決定!プロの声楽家131人が忖度なしで選んだ歌姫とは!?さらに声楽家が一番歌うのが難しいと認めたあの名曲をスタジオで生歌唱!

掟破りのジャンル超えドラマは後に何を残したか?

実は、以前の半沢直樹シリーズは話題になっても全く見る気が起きませんでした。普通に大人気すぎるドラマというのは多くの事が語られすぎていて、あえてここで書くこともないし、自分が書く前に誰かが書くことが多すぎる気がして自ら見ることを避けていたということはあります。

ただ今回は、放送以前に前シリーズのあらすじ(いわゆるドラマの復習)番組から見たので、よりスムーズに本編に入っていくことができたのですが、今回新シリーズを追って行こうと思ったのは、このドラマ直前に面白がって見た「課長バカ一代」(TwellV)の存在があります。

半沢直樹シリーズは歌舞伎役者を多く起用することによってその「顔芸」に注目が集まりましたが「課長バカ一代」も負けず劣らず尾上松也、市川左團次、坂東彦三郎という豪華な面々が出演されています。こちらはあくまでも「下町ロケット」のような企業ドラマのパロディで、全編ギャグが入った半沢直樹とは比べられないほどくだけたドラマですが、新半沢直樹シリーズではその主役・課長補佐代理心得の八神和彦を演じた尾上松也さんが出演されると聞いて、八神という役柄の影響を残したまま出てくるのか? という単純な興味で見てみようという気になったわけです。

半沢直樹の方は当然、逆的な要素など全くなくストーリーが進んでいくわけですが、その中で単なる顔芸というところを超えた「大げさな確信犯的な演技」のオンパレードになっています。ご覧になった方はご存知ですが、ドラマを見ていなくても様々なモノマネ芸人が半沢直樹キャラクターの真似をするだけでなく、放送局の枠を超えて半沢直樹に出演した俳優がバラエティー番組上でドラマの名セリフをアレンジして披露し、ドラマの人気にも相乗効果を出しています。これだけ「ご本人」がテレビに出まくると、モノマネ芸人の影が薄くなるだけではなく、いわゆる「ドラマ・半沢直樹のパロディ」自体を作ったとしてもドラマ本編より面白くはならないだろうと思います。

翻って「課長バカ一代」は当時の池上遼一画のパロディであることとともに、真面目な企業ドラマを思いっ切りパロディにして笑いを取った漫画が原作です。しかし、この半沢直樹については、すでにパロディを作りようがないほど出演者のキャラが立ちまくり、これ以上のインパクトを見る人に与えることは極めて難しく、二次創作の楽しさという面から言うともはや完成されつくしてしまっていて、パロディが作りずらいドラマになってしまったように思います。

当然、このドラマにはシリアスな展開があり、それを楽しみにする人たちを満足させ、さらにキャラクターを中心に見て腹をかかえて笑う人たちもいて、さらに同局のかつての人気番組、「水戸黄門」を彷彿とさせるような勧善懲悪(主人公の半沢直樹が負けることはない)物でもあるので、お年寄りでも安心して見ることができるという、多くの種類の視聴者をまとめて面倒見て、さらにその後には何も残らないという視聴者総取りのドラマであると言えましょう。

歯がゆいのはこのドラマを放送できなかったNHKを含めた他民放局でしょうが、NHKすらニュースでいわゆる「半沢直樹チックな文字」を使ったニュースを報道したり、半沢直樹の出演者を他の番組に出すことで視聴者の興味をあおることで結局ウィンウィンになっていました。しかし、ドラマとしてはこうしたドラマを続けてはさすがに勢いが落ちてきますし、前シリーズから7年という間を空けたということは、やはり作り手の側もこの種のドラマは続けて企画しては飽きられることを見越していたのだと思われます。

今後のドラマについて、さすがにこのシリーズより多くの視聴者を引きつけ、なおかつ面白いものをというのは酷な話でしょう。ただ問題なのは、こうした勧善懲悪ドラマで与党の幹事長が千倍返しを受けるような内容に視聴者が拍手喝采しても、現実の世界ではこのドラマで「悪」とされるであろう多くの人や団体がぬくぬくと生き続けているということです。ドラマ・半沢直樹はそうした事も私たちに問い掛けているのかも知れません。

(番組データ)

日曜劇場「半沢直樹」最終回1000倍返しなるか!そしてまさかの辞表!?最終決戦
2020/09/27 21:00 ~ 2020/09/27 22:09 (69分)
【出演者】堺雅人、上戸彩、及川光博、片岡愛之助、賀来賢人、筒井道隆、江口のりこ、西田尚美、石黒賢、入江甚儀、丸一太、山田純大、山本亨、粟島瑞丸、持田将史、児嶋一哉、浅野和之、夏目三久、井川遥、尾上松也、木場勝己、段田安則、柄本明、北大路欣也(特別出演)、香川照之など
【原 作】池井戸潤
【脚 本】丑尾健太郎、谷口純一郎
【音 楽】服部隆之
【ナレーション】山根基世
【プロデューサー】伊與田英徳 川嶋龍太郎 青山貴洋
【演出】福澤克雄

(番組内容)

中野渡(北大路欣也)から裏切られ失意の半沢(堺雅人)だったが、仲間たちからの恩返しを受け再び戦うことを決意。運命の最終決戦、待っているのはー倍返しか?辞表か?

箕部(柄本明)の不正の決定的証拠が、大和田(香川照之)と中野渡(北大路欣也)に握りつぶされてしまう。怒りに燃える半沢(堺雅人)は3人に1000倍返しを誓うも、最も信頼していた頭取にまで裏切られたことで茫然自失に。そんな半沢に手を差し伸べたのはかつての仲間・森山(賀来賢人)たちだった。再び戦うことを決意した半沢はついに紀本(段田安則)の居場所を突き止めある事実に行き着くが…タイムリミットが迫っていた

「見逃し配信」NGタレントは共演者としてどうなのか?

社会の変化とともにテレビの見られ方というのは変わってきていて、私は同じ時間で見たい番組がかぶってしまうような場合は、ある一定の法則に乗っ取って見る番組を決めています。

というのも、今回の「モニタリング」の中の企画、例によってヤラセかどうかつい疑ってしまうテレビタレントの心霊系ドッキリですが、今回は特定のターゲットを2組作って同時にドッキリを進行するという企画の斬新さに、それなりに面白がって見ていました。

このブログ最後の(番組内容)にある【ニンゲン観察(2)】Snow Manとトリンドル姉妹が廃墟で怪奇現象に遭遇!自分たち以外には見えない女性の姿が…そして最後に待ち受ける最恐の仕掛けで大パニック! というのがその企画で、トリンドル姉妹が遠くから聞こえるSnow Manが発する叫び声やベルの音におののいたり、逆にSnow Manのメンバーが、後ろを向いたトリンドル姉妹がピアノの前に座っているのを、直前に仕掛けられた髪の長い女性の幽霊だと思ってびびったりと、かなりスリリングな展開でした。

しかし、こうしてブログで紹介していても、本放送を見た方および、放送を自分で録画して見た人以外は、その面白さを感じることができないのです。それは、特定のタレントがテレビに出演しても見逃し配信で見られることにNGを出していて、今回はSnow ManがNGになるようで、Snow Manの登場自体が見逃し配信サイトで「無かったこと」になってしまうようなのです。

今回の番組は117分ですが、民放テレビの見逃し配信サイト「TVer」の「モニタリング」の見逃し配信では番組の配信時間が70分ちょっとに短縮されていて、番組説明でも【ニンゲン観察(2)】の内容がまるまるカットされてしまっていました。

これだと、本放送を見ないで「TVer」だけで見た人はSnow Manとトリンドル姉妹は元からいないことになってしまっているのです。可哀想だと思うのはトリンドル姉妹で、今までの独立したドッキリだったら配信もされると思うのですが、なまじ同時進行のドッキリ企画にしたがために、多くのスマホユーザーに見逃し配信で見てもらえる機会を逃したと言えるでしょう。

この10月から日本テレビのプライムタイムの番組が試験的に同時配信および見逃し配信され、今まで「TVer」で見られなかった番組もネット経由で見ることができるようになるとのことです。ただ、その際も依然として見逃し配信NGのタレントは存在するので、そのタレントと絡んでコーナーを盛り上げるお笑いタレントが割を食うということも十分に考えられます。

個人的に見逃し配信では見られないと思うものには(これはあくまで個人的な見解なので、実際に見逃し配信では見られるかも知れませんが)、日本テレビ月曜の「有吉ゼミ」の中の人気コーナー「八王子リフォーム」があります。

VTRの中でSixTONESのメンバーであるジェシーさんとからむ部分がほとんどのため、今回のトリンドル姉妹のように、ヒロミさんが単独で出演する部分だけ切り取ることができず、コーナーすべてが最初から無いもののように「有吉ゼミ」が見逃し配信されるようだと、ヒロミさんとしても面白くはないでしょうし、今後テレビの見られ方が本格的にスマホでの配信にそれなりの割合がシフトしてくるようだと、いわゆる「見逃し配信NGのタレントとの共演NG」を言うタレントも出てくるかも知れません。

この問題は、遅かれ早かれ解決しなければならない問題であると思いますので、テレビ局も見逃し配信で見られた分のギャラについてきちんと出すように交渉するか、改めて見逃し配信のルールについて「誰が出ていたら配信できないのか」ということをちゃんと視聴者に明らかにすべきでしょう。

こちらとしては、あくまで想像の中でこのタレントは見逃し配信NGらしそうな人が出ている番組を生放送で優先的に見て、大丈夫そうな番組は後でゆっくりネット経由で見るようにしています。ただ、テレビよりつい「TVer」の方でバラエティを消化するような方は、いくら特定の芸能事務所が推してくるタレントがいたとしても、その人を見られないケースが出てきて、結果としてそのタレントの認知度が落ちるといった芸能事務所としてはあまりよろしくない結果にもつながってしまうと思うので、全局全番組同時配信&見逃し配信を実現するためにも、多くの人が知恵を出して欲しいと思います。

(番組データ)

ニンゲン観察!モニタリング★Snow Man心霊&仲里依紗が七変化!
2020/09/17 20:00 ~ 2020/09/17 21:57 (117分)
【MC】ブラックマヨネーズ(小杉竜一・吉田敬)
【レギュラー】川口春奈 小泉孝太郎 笹野高史 NAOTO ハリセンボン(箕輪はるか・近藤春菜)

(番組内容)

Snow Manが廃墟で心霊体験!?最後にとんでもない仕掛けが!仲里依紗がIMALU・森三中黒沢に気づかれず七変化!ガソリンスタンドで相川七瀬が熱唱!
【ニンゲン観察(1)】仲里依紗が親友・IMALU&森三中黒沢に気づかれずギャルや女子アナ、占い師に変装!気づかれずにやり切れるか?
【ニンゲン観察(2)】Snow Manとトリンドル姉妹が廃墟で怪奇現象に遭遇!自分たち以外には見えない女性の姿が…そして最後に待ち受ける最恐の仕掛けで大パニック!
【ニンゲン観察(3)】川口春奈とハリセン春菜が居酒屋に…2人のケンカに巻き込まれたターゲットは?
【ニンゲン観察(4)】ガソリンスタンドで相川七瀬が大ヒット曲熱唱や新モノマネ女王登場に大盛り上がり!
今回は新モニタリングファミリー川口春奈さんがロケに出動!居酒屋で遭遇するという夢のようなシチュエーションでターゲットもデレデレ!さらに仲里依紗さんの貴重な変装姿も必見です!Snow Manも怪奇現象にひっくり返って驚く爆笑リアクションを連発!お楽しみください!

「ロケスター」とは地方営業でガッチリ稼ぐ人の事か?

業界人にも人気と言われ、TVerでの見逃し配信やアマゾンプライムで過去の番組が見られたりと、大阪ABCが見られない私でもほぼリアルタイムで見ることのできる「相席食堂」は、テスト版の頃からずっと見る幸運にあずかっていますが、今回は「旅人」のうちで ▽明石家さんまと覇権を争った男(森脇健児) ▽伝説の女格闘家 (アジャ・コング)のお二人しか紹介し切れないという、今後もしばらく続くシリーズです。一通り8名のレポートを見終ってからの方がいいかなとも思ったのですが、このサイト自体が最近は更新をほとんどしていないため、自分自身のリハビリを兼ねてちょっと思ったことなどを書こうと思います。

千鳥のお二人が「ロケスター」として絶賛したのが、二人目に出てきたアジャ・コングさんで、今回の番組を見ている業界の方は早くコンタクトを取って人材として確保した方がいいとまで言っています。それはなぜかと言うと、番組を見た方ならおわかりかと思うのですが、実にそつなく、自分がどのように見られているか、そしてテレビを見ている人は何に興味があるか、さらにさらに、テレビで宣伝して多くの人に施設の良さを感じて欲しいと思っている場所を貸してくれたレジャーランド(地方のロケの場合は即スポンサーになり得る)の方の想いを事前に察知し、その場のレポートを作っているまさに「PR番組のプロ」としてのアジャ・コングさんの行動が明らかになったからです。そういう意味では千鳥のお二人の指摘は的を射ています。

ただ、それと番組の面白さは素直につながらないという一面もあります。もしアジャ・コングさんが地方のテレビ局にスカウトされて、毎週地方の面白い施設や食堂などをレポートする番組を持ったとしても、その番組自体は面白いというよりも地方在住の人には遊びに行ったり食事をしに行くための情報を提供するのが主で、テレビを見て来てくれる人が増えることでテレビ局も広告収入を得やすくなります。テレビショッピングではありませんが、地元のスポンサーのために人を集めるための仕事としては超一級品であることは間違いありませんが、今回の内容は千鳥のお二人が思い切って突っ込み、さらに言うと、その前に出てきた「明石家さんまと覇権を争った男」とされている森脇健児さんのレポートと対比しているから面白いわけです。

スポンサー関係なく面白い映像をロケで撮るという点においては、むしろ森脇健児さんの方が面白いところもあります。しかし、残念ながら施設のレポートという点ではアジャ・コングさんの方が完成されていて、安心して見ていられます。

今後のテレビを考える際、すぐに集客ということでの結果を求めるスポンサーにとっては、アジャ・コングさんのような人を「ロケスター」として注目するようにし向けた方がいいとは思いますが、ただ単に面白いテレビ番組を見たいと思う人にとっては、今回の相席食堂で絶賛された「ロケスター」がテレビで活躍するようになると、ほぼ見たい番組が消えていってしまうということにもなりかねません。

恐らく、そういったことは十分承知の上で千鳥のお二人はアジャ・コングさんを評価されているのだろうと思いますが、今後アジャ・コングさんをしのぐ「ロケスター」の定義が番組の続きで出現されることを期待しながら続きを見ることにしたいと思います。

(番組データ)

千鳥の相席食堂超豪華!ロケスター候補8名が集結~青田買いスペシャル2020夏~
2020/09/01 23:17 ~ 2020/09/02 00:17 (60分)ABCテレビ
【司会】千鳥(大悟・ノブ)
【旅人】 ▽明石家さんまと覇権を争った男 ▽伝説の女格闘家 ▽ショーガール界の秘密兵器 ▽令和の超新星ギャル ▽国民的人気俳優 ▽2020年ナンバーワン女優 ▽女芸人の生きる伝説 ▽大御所アナウンサー

(番組内容)

有名人が見知らぬ街で、地元民と突然、相席!▽偶然の出会いから始まる相席を通じて、街の魅力や新たな自分を発見する新感覚旅バラエティ▽ガチ交流ロケにMC千鳥がツッコミまくる!
ロケスターを発掘する恒例企画「青田買いSP」が今年も開幕▽今回は関西レジャースポットとコラボしたリポート決戦▽千鳥のツッコミ100発以上!真夏の祭典が開幕!

小島よしおさんはテレビにすり寄る必要はあるのか

長らくブログの方の書き込みがない状態が続いていました。Twitterの方はちょっとした感想をアップしていたのですが、テレビのロケ中止、スタジオ収録のストックがなくなり、どの番組も必然的にリモート収録になるに従って、テレビ自体も面白くなくなったということはあるのですが、今回はそんな状況でもちょっと気になる事があり、一週間前の放送になりますが、小島よしおさんが出演した2回目の徹子の部屋についてその内容を紹介するとともに、思うところを書かせていただきたいと思います。

小島よしおさんがブレイクし、初めて「徹子の部屋」の部屋に出演する前に、同じテレビ朝日のバラエティ番組「アメトーーク」での疑似リハーサルがありました。それは過去に徹子の部屋に出演してことごとく玉砕したお笑い芸人達の経験を、初めて出演する小島よしおさんに伝え、何とか黒柳徹子さんに一泡吹かせようと企む、「徹子の部屋芸人」の中でのレクチャーの後に本番へとつながっていったのです。

アメトーークが問題にしたのは、番組では必ず用意される膨大な量の机に置かれたメモでした。番組は「徹子の部屋」でも、本人がというよりも多くのスタッフが綿密なメモを作り、その内容に沿って番組が進んでいくことを多くの方はご存知だと思うのですが、そこでこのメモを台無しにしたら黒柳徹子さんは番組を進行できるのか? ということで、アメトーーク出演者たちは小島よしおさんに「わざと飲み物をメモの上にこぼせ」というミッションをしっかりと事前に放送した上で出演となったのでした。

今回の放送でもその初回出演時の内容を出していましたが、さすがに小島さんは飲み物をこぼすことはできなかったものの、コースターを敷かないままのグラスをわざとメモの上に置き、グラスから出る水分でメモ書きの内容を台無しにしようと精一杯のミッションを実行したのですが、明らかにその際の黒柳徹子さんの態度がおかしくなりました。

「このメモにはあなたの今後の仕事の告知なども書いてあるのに、それは紹介しなくていいの?」というような事を脅迫まがいに言ったのもそのまま放送されていて、当時の小島さんも恐縮していましたが、そのVTRを一緒に見ていた現在の小島よしおさんの恐縮の度合いがハンパではなく、当時の恐い物無さというところからすると、テレビ界の仕組みの中で何とか延命を計ろうとする小者感丸出しという感じで常に黒柳徹子さんに引け目を感じながらの対応に終始していました。

これは、小島よしおさんの事務所がサンミュージックという大手事務所であることと関係があるのでしょうが、あのように恫喝も入れながらインタビューをしても、その人の人となりというものは決して引き出すことはできませんし、「徹子の部屋」という番組自体が多彩なゲストの人となりを感じるのではなく、ゲストがいかに黒柳徹子さんに気を使うのかという状況を見る番組であることを改めて確認することになりました。

一般的にインタビューといえば、この番組の影響もあるのかも知れませんが事前メモは極端としても、話の途中にメモを取ることで話の流れを止めてしまいがちになる問題もあります。今ではスマホで動画も録音も取ることができるので、まともなインタビューアーなら、メモ自体を封印し、状況によっては自由に喋ってもらってインタビューアーが受けた印象を後でまとめた方がその人の人となりが出ますし、ファンが気になる対象の内面に迫ることができるでしょう。

このブログで何回も取り上げた小島よしおさん出演番組に「チャリお遍路」がありますが、あの突然の打切りというのは、苛酷なロケに音を上げた狩野英孝さんが、わざわざ体をイジメなくてももっと簡単にテレビに出て稼ぐことができると考え、それが事務所の意見と一致したのか? と考えることもできなくはありません。もし小島さんが大手プロダクションに所属していなかったら、狩野英孝さんが退場した後でも一人でチャリお遍路を続けるということもできたかも知れません。現在の小島よしおさんの活躍の場がネット配信を使った算数の授業や、子供たちを前にした営業とテレビとは関係のない所で復活してきているということもあり、今回もわざわざ徹子の部屋に出て醜態をさらすのが良かったのか? という風に考えてしまうのです。

かつて同じブレイク時に小島よしおさんが美輪明宏さんとロケで共演された時の事を改めて思い出しましたが、当時小島さんのファンだと公言した美輪明宏さんは今回の番組を見たら何と言うでしょうか。むしろ美輪さんとのかけ合いの中の方が徹子の部屋での小島さんよりも、ずっと彼の人間味が出ていたような気がしました。今回もあえて黒柳徹子さんに恐縮しまくるためにテレビ出演するよりも、もっとテレビと関係ないところで伸び伸びと芸能活動をしていく方がいいのではないかとしみじみ思います。あらゆる権威に反発して独自の芸能活動を続ける江頭2:50さんと同じようにする必要まではないとは思いますが、あえてテレビに擦り寄らないで、逆にテレビの方から向かってきてくれるような活動を目指す方が小島さんにとっては良い方向に行くのではないかと思うのですが。

(番組データ)

徹子の部屋 小島よしお
~ピークを知る男が再ブレイク!~小島よしおさんが今日のゲストです。
2020/06/19 13:00 ~ 2020/06/19 13:30 (30分)

(番組内容)

2007年に、上半身裸の海パンスタイルで踊るネタで大ブレイク!“そんなの関係ねぇ”というフレーズが、流行語大賞のトップテンにも選出されたお笑い芸人・小島よしおさんが登場。

ピークを経験した小島さんは、現在再ブレイク中!コロナ禍で自身のSNSに、算数の授業の動画をアップロードし、それが子ども達の間で大人気。子どもを飽きさせることなく、面白く算数を教えている。また、地下鉄の混雑緩和ポスターにも“ピークを知る男”として起用された。そんな小島さんは4年前に一般女性と結婚。今までの「幸せの物差し」が大きく変わったという。ほか、久米島で一人暮らす母親とのエピソードも愉快に語る。

新型コロナウイルスの感染経路について考えさせられる番組

最初にお断りしておきますが、この番組「ロンドンハーツ」を挙げて不謹慎だと糾弾する目的でこのエントリーを立ち上げたわけではありません。この放送の収録をされた時期は日本政府や東京都知事が「不要不急の外出を自粛して欲しい」というような声を挙げていませんでしたし、この番組はまっとうに企画され、視聴者を楽しませるためのプログラムです。このことに間違いはありません。

しかし、この直後に芸能界では初めての新型コロナウイルスの陽性反応が、コメディアンの志村けんさんに起こってしまいました。なぜ志村さんは感染してしまったのかということを考える中で、この番組の企画のなかで出てくるお笑い芸人のネットワークが関係しているのではないかと思えるところもあるので、今回は単に面白いと笑うだけではなく、今後は他にも芸能界の関係者のなかでも新型コロナウイルスが広がる可能性について考えてみたいと思います。

まず、この番組で出てきたように、芸能界の中には会食や飲み会を頻繁に行うグループが存在し、今回の藤本敏史さんのように中心になる人物が一言電話やLINEでその日の相手を誘っただけでも結構な人数がお店に集まります。志村けんさんを地上波テレビのレギュラーを複数持っているので、番組終わりやそうでないときでも取り巻きの芸能人をいきなり招集して飲むことも多くあったでしょう。そうした飲み会が続けば当然体調に良くないですし、体が弱って免疫力が落ちた時に風邪やインフルエンザ、さらに新型コロナウイルスに感染する可能性はぐんと上がるわけです。

私は志村さんに陽性反応が出たというニュースを聞いた時、いったい芸能人の飲み会事情はどうなっているのかということを心配したのですが、70歳を過ぎて、今回のロンドンハーツで紹介されたような飲み会を連日行っていれば、新型コロナウイルスに感染する可能性は高くなるだろうと妙に納得したのでした。

ですから、志村軍団に属していて連日の会食や飲み会に付き合っていた人が濃厚接触者にならないような感じで報道されているのははなはだ疑問ですし、飲み会の関連から新たな陽性反応が出てしまうなら、本格的に地下にあって換気がうまくいっていないような飲食店の営業について行政の対応が必要ではないかと本気で思います。

そういったことを思い起こさせてくれたという点において、今回の企画は私にとってはドキュメンタリーのような感じで見られてしまいました。番組ではお店に来られるような状況なのに結局やってこなかったコロコロチキンペッパーズのナダルさんをいじるいつものくだりがありましたが、今の状況であればナダルさんのようにお誘いには適当な返事をしつつも行かないというのが一番いいのではないかと思ってしまいました。これを読んでいる方々も、今は多少の義理より命を優先して会食や飲み会の参加について考えてみることをおすすめします。

(番組データ)

ロンドンハーツ 傷ついてるョ!全員集合 フジモンの飲みの誘い後輩は何人来る? テレビ朝日
2020/03/24 23:15 ~ 2020/03/25 00:15 (60分)
出演者 田村淳(ロンドンブーツ1号2号)/藤本敏史(FUJIWARA)、山崎弘也(アンタッチャブル) 他

(番組内容)

色々あって傷心のフジモンに緊急企画。フジモンが可愛がる後輩たちに、急な飲みの誘いをしたら、一体何人の後輩が駆けつけるのか検証!!

飲みに誘ったのは、千鳥ノブ、フルポン村上、パンサー向井、かまいたち濱家、ジャンポケおたけ、ナダル、など10名。 後輩たちに「今日、9時半頃から飯行ける人いる?」と連絡を送り、あとは後輩が来るのを待ち続ける! さらに、後輩たちの仕事終わりを、ロンハースタッフが追跡!! 後輩がちゃんとお店にやってくるのか?を徹底チェック!! 可愛がってる後輩たちは、一体何人集まるのか!?

AI美空ひばりの何が「不謹慎」なのか?

NHKの番組(NHKスペシャルや紅白歌合戦)が先か、AI美空ひばりに「新曲」を歌わせる企画が先だったのか、まずはそういう話をNHKが暴露していただかないと、このような検証番組を真面目に見る気にはならないというのが正直なところです。できれば民放がしっかりとした検証番組を作ってくれることを希望しますが、当事者が自分のやった行為をいくらゲストパネラーに抜擢された藤井隆氏らを使って正当化しようとしても、私にはどうしてもお金の問題でAI美空ひばりが作られたのではないか? という疑問が払拭できないのです。

東京目黒区青葉台にある「東京目黒 美空ひばり記念館」(美空ひばりさんのご自宅を改装)が売りに出され、美空ひばりの著作権を受け継ぐひばりプロダクションの社長でひばりの養子である加藤和也氏の借金苦が報道されたのを私が確認したのが、AI美空ひばりの姿をNHKスペシャルで見た後の事でした。その後、目黒のひばり記念館は売却を免れたのか、ホームページにでも予約ができるようになっているようで、最悪の状況からは脱したのかとは思うものの、そのためにAI美空ひばりの出現が企画され、最初からNHKとタッグを組み、紅白歌合戦出場からCDの販売である程度のお金を得ることが予定されていたとしたら? という件については当然この番組では全く触れられませんでした。

さらに、出演されていた人もNHKの意に沿うようなコメントを吐くばかりで、かろうじて歌の中のセリフに意味を持たせると人心を惑わすような事に悪用されるという批判はあったものの、それは美空ひばりという歌手の話とは関係ない一般的なAIの弊害について述べただけです。そもそも、マスコミやネットでも話題になった山下達郎氏のAI美空ひばりに対するラジオ番組でのコメントを受けてのインタビューを、なぜこの番組では取れなかったのでしょう。もし山下氏に取材を拒否されていたとしても、その旨について丁寧に説明することがこういった番組を放送するにあたってはあってもいいように思うのですが。

私自身は、最初のNHKスペシャルでAI美空ひばりを見た時、すでに故人である美空ひばりの名声にすがり、最後まで甘い汁をしゃぶりつくそうとする人々の心の卑しさに辟易しながらも、今回の番組を通してヤマハの「ボーカロイド」用の音源の一つとして「美空ひばり風の音声データ」が誰でも利用できるように販売されれば、それを使った新しい才能を持つ人々がどんな風に美空ひばりの歌声を生かすような創作ができるのかと前向きに捉えていました。例えば、現在東京オリンピックを前にして国民的ソングになっている「パプリカ」を美空ひばりの声で作品にしたらどうなるか? という風な形で紅白歌合戦の余興で披露するくらいがちょうどいいボーカロイド音源との付き合い方だと紅白を見ながら思っていました。

もちろん、そうした試行錯誤の中で、今回紅白で歌われ、CD販売された曲もあればよかったと思うのですが、そうでなくAI美空ひばりの権利を独占することで単なるデータ音声に特別な意味を持たせて金儲けの種にするようなAI美空ひばり周辺の状況が変わらない限り、疑念はいつまでも付きまといます。あと、できれば秋元康氏以外に美空ひばりの楽曲提供に関わった人物の意見も出して欲しかったと思うのは私だけではないと思うのですが。

(番組データ)

AI美空ひばり あなたはどう思いますか NHK総合
2020/03/20 23:45 ~ 2020/03/21 00:38 (53分)
【ゲスト】東京大学大学院教授…松尾豊,ミッツ・マングローブ,藤井隆,
【VTR出演】ビートたけし,つんく♂,山口一郎,大友良英,渋谷慶一郎,東京大学医学部附属病院 循環器内科…稲葉俊郎,弁護士…水野祐ほか

(番組内容)

議論百出の「AI美空ひばり」についてじっくり語り合う。あの有名アーティストや大物タレントは、AIが芸術を生み出すことをどう考えているのか?最新AIの現場も必見!

NHKスペシャルや紅白歌合戦に登場し、さまざまな反響が寄せられたことから企画した番組。AIという存在が目の前に現れたとき、私たちは何を受け入れ、何に違和感を持つのか?AIとアートの融合が進む今の時代、どう付き合っていけばよいのか考えてみませんか。

これじゃ地方局はネット同時配信の流れの中生き残れない

この番組は、年度末の時期に地方局が夜7時代のゴールデンタイムに主に県内の視聴者に向けて自社制作の番組を発信するという形の番組ですが、TVerで見逃し配信として一定期間見られるようなのでここで紹介することにしましたが、静岡県(特に静岡市)在住の身としては、ただただ恥ずかしい番組であったということをまずは感じました。

なぜかと言うと、テレビ朝日系の件の番組のようにタレントのマツコ・デラックスさんを連れ回す番組で、しかも「静岡」の特色というものをマツコさんに知って欲しいというコンセプトの番組であるのに、ことごとく番組の進行や事前準備の足りなさをマツコさんに指摘され、ついにはマツコさんが決して豊富ではないだろう静岡に関する知識や、バラエティを面白くするためのツッコミについて全く対応できない現場のスタッフの愚かさが目立っただけの番組で、本当にスケジュールを調整して静岡まで仕事をしにきてくれたマツコさんに申し訳ないと、テレビの仕事とは全く関係ない私ですら思ってしまうほどの「仕上り」に終止していたのです。

基本的にはいわゆる「マツコの知らない世界」的な効果を狙って、「静岡にはこんなすごいものがあるんですよ」ということをマツコさんや視聴者に見せる番組であったと思うのですが、これは静岡に限らず地方の人々が陥りやすい罠にハマっているということでもあるので、番組の成り行きとともにその駄目なところを紹介させていただこうかと思います。

最初にマツコさんは番組を制作する静岡朝日テレビの正面玄関に到着し、局員およびアナウンサーの歓迎を受けるのですが、マツコさんがはじめにやったことは、東京から出向してきているセント・フォースのキャスターに手を挙げさせ、その個人への批判でした。別にセント・フォースが悪いということではないのですが、セント・フォースと静岡朝日テレビと言うと、局アナとして入社したものの地方局への入社をステップアップととらえたのかどうか知りませんが、人気が出てきた時点でセント・フォースに移籍してしまった牧野結美アナウンサーとの浅からぬ因縁があります。さらにマツコさんは静岡県内出身のアナウンサーに手を挙げさせました。これは、やはり地元のテレビ局はその土地で育った人材を大切にしないとというメッセージだったのかと思いますが、その彼女らに(インタビューは主に女性アナウンサーのみでした)静岡でおすすめなものを紹介させ、そのあまりのステレオタイプの答えにがっかりしていました。時間がない中で、カットされた部分を斟酌するにしても、地元民のプライドはどこへ行ったのか? と思ってしまった一瞬でした。

今回、マツコさんがこの番組の出演を了解した背景には、やはり東京キー局が中心のテレビにあって地方局はどんな番組を作り、東京にないものを発信していく力があるかに興味を持ったのだろうと思ったのですが、それに十分応えられる人材が静岡朝日テレビに存在しないのか、その後の展開でも全くマツコさんのツッコミに対応できないやり取りが続いていきます。

私自身、地元を離れて地方に旅行しに行く場合、観光地化されている土産物店よりも、より普通の人が利用しているであろう地元独自に展開しているスーパーに入って、地元では見たことのないものを探そうとします。今回のマツコさんがスーパーに入った際に見ていたところがまさにそれで、局のプランには「静岡のスーパーで売っているマグロは他県に比べてレベルが高いのだ」というものしかなく、マツコさんがマグロ以外に静岡独自のものはないのかと聞かれてもすぐには対応できず、ようやくスタッフが「のっぽパン(沼津のメーカーが製造している細長いパンで静岡でしか販売していないものだがそう珍しいものではない)」と絞り出したものの、マツコさんが訪れたスーパーでは「のっぽパン」は扱っていませんでした。なぜかというと一般的な菓子パンとの競争に敗れた「のっぽパン」は一時期製造を中止しており、静岡駅構内など限られた場所でしか現在は売っていないためで、いかに場当たり的でマツコさんのキャラクターと台本に任せた番組進行をしているかというのが明らかになってしまったのでした。

当のマツコさんは、スーパーの中に売っていた「おはぎ」をマグロより先に食べてお付きの静岡朝日テレビの男性アナウンサーを慌てさせていましたが、臨機応変にマツコさんも唸るくらいの地元の名産品をなぜ出せないのか、個人的には実に不思議に思いました。

というのも、静岡だけではなく全国の地方局ではいわゆる定番のものではない地方の業者の方に取材し、その様子を夕方のワイドショー枠で紹介する企画を数え切れないくらい行なっています。そうしたノウハウを取材する中で培ってきたのに、なぜいざという時に出せないのかというのは、実は地方であるがゆえの卑屈さにあるのではないかと個人的には思っています。

東京ではそれこそ有楽町・銀座かいわいに行けば全国どこの名産品も手に入るのですが、日常的に食べるには高かったりする場合もあります。ほとんどの地元民が普通に食べていて「こんなものは東京の人にお出しするものではない」と思っているものの中に、実はマツコさんが欲しい未知の名物というものがあったかも知れないのに、それをみすみす放棄するような事前準備のなさと言うのか、自分で地元にあるお宝に気付かないのか、そういうことは全国を旅しているとよく感じることです。それと今回番組で最後に紹介した「冷凍マグロ」とは微妙にシンクロしてくるので、その点をもっとわかってくれば、マツコさんを唸らせるものをもっと番組の中で出せたのではないかと思うと大変残念でしたね。

ちなみに、最後には地元民でも食事代が高すぎておいそれとは行けない静岡市清水の末廣鮨でマグロの希少部位を食べつくすのですが、ここで初めてマツコさんは静岡にしかない名物のパワーを感じたのではないかと思います。

一般的に高級マグロというと、青森の大間で獲れた一本釣りのマグロということになるでしょうが、この末廣鮨では遠洋漁業で獲れたミナミマグロの冷凍マグロで勝負しています。食通からすると生でなく冷凍なんてと言われるかも知れませんが、冷凍といっても零下70度で一瞬にして凍らせるため、その食感は生とは別の味わいがあり、それは静岡に来ないと味わうことができない(つまり、いいものは東京に持って行かせない)と言う末廣鮨の大将の言葉にマツコさんは納得したのです。

結局は、きちんと食材に向かい合い、掛け値なしの真剣勝負をしてきた人の言葉でないとマツコさんの心を揺さぶらなかったということで、これはテレビ局の手柄ではなくあくまでも末廣鮨さんの手柄であると言えます。だったら取材するのは地元局ではなく東京のキー局でもいいということになるのですが、地元局の存在意義が無くなるような番組をよく嬉々として放送しているなと思った今回の地元局特番でした。このままではネット配信にやられて本当に地方局はいらなくなってしまうような気がします。本当にそれでいいのか、全国の地方にいる方にも考えてもらいたい問題提起のような番組であったことは確かでしょう。

(番組データ)

マツコ、静岡でマグロを喰らう。 静岡朝日テレビ
2020/03/09 18:57 ~ 2020/03/09 20:00 (63分)
出演 マツコデラックス  須藤誠人(あさひテレビアナウンサー)

(番組内容)

マツコ、静岡に降臨!!静岡が誇るマグロを堪能。世界一寒い!マイナス70℃の冷凍倉庫で悶絶。さらに寿司の名店でマグロの「超希少部位」に感涙!
◆店内騒然!?静岡のご当地スーパーへ 静岡はスーパーのマグロでさえもうまい?そんな噂を検証するためマツコがご当地スーパーへ。「○○マグロは知らない!」とマツコが驚いた さらに静岡の名産にも興味深々!?いったいマツコが気になったものとは?
◆冷凍マグロが眠るマイナス70℃の世界へ 世界一低温!?マイナス70℃の冷凍倉庫でマツコが大ピンチ!?「こぇええ」「すげぇぇええ」と大絶叫するマツコ。「死を感じた」というほど、衝撃的な体験に!!
◆有名人も通う 寿司の名店へ 冷凍マグロだからこそのおいしさを楽しめる寿司の名店へ。ここでしか味わえない超希少部位を使った「幻のマグロ」にマツコ大興奮! 静岡でマグロを喰らいつくしたマツコが思うこととは…。

面白い素人をさらに面白く見せるのが芸人の腕?

芸能人がロケに出てその内容について千鳥の二人がロケのVTRに壮絶に突っ込むのがこの番組の真骨頂ですが、今回は大阪の中でも芸人以上にテレビ映えする素人さんの巣窟である(以前「明石家電視台」に出演した大阪のおばちゃんもそうでした(^^))新世界にロケに入り、M-1グランプリ決勝進出者がのきなみ登場し、一番ロケが面白いコンビを決定するという内容でした。

この企画は先週から行われていて、その分を含めた内容で優勝したのが、M-1グランプリ決勝で8位に沈んだ「ニューヨーク」だったのですが、そのVTRでしょっぱなに登場し、昼間から出来上がっているその日に仕事をクビになったというやばそうな若めの女性が出てきたときには、テレビを見ているだけでも新世界とは怖いところだと(^^;)思いそうになったのですが、そこからかなり意外な展開になっていきました。

恐らく他の視聴者の方々も、このように酔った感じでテレビカメラが回っているにも関わらず馴れ馴れしく場に入って主導権を握っていく素人というのは、相当面白くないとテレビで見ている人まで面白くなることはありません。私自身も見ていてそのパターンだったのですが、やはりここは大阪だからかなのか、それともロケをしたテレビスタッフが絶妙のところでVTRを編集したからなのか、この若いお姉さんは途中で破綻することなくニューヨークのお二人と話を続け、街ブラ-1GP初代王者をニューヨークが一点差で獲得するキーパーソンになったような気がします。

なぜそんなにカメラ慣れしているのかというと、出演時にもその人が言っていたのですが、始めたばかりとはいえ、YouTuberとしてスマホのカメラの前に向かって自分で言いたいことを喋って発信するということを以前から実践していたということがあるのではないかと思います。

番組外のネットでは、あのお姉さんのアカウントは何だ? と一部色めき立ち、今では「相席食堂のクビになったお姉さん」で検索すればすぐにその人のYou Tubeチャンネルが出てきます。この辺は実にテレビとネットが連動している感じですね。

その内容を見ると、このお姉さんがなぜ数えきれないほど仕事をクビになっているかということがわかります。単なる酔っぱらいの面白いお姉さんというところしかテレビでは写りませんでしたが、興味のある方はその動画を探せばわかります。ただ、テレビのような面白さを期待しても、やはり固定カメラで自分のしゃべるのを撮影するだけのものと、きちんとテレビを見ている人が面白いと思ってもらえるように編集してあるものとは違います。しかし、そのお姉さんが自らの事を語るさまというのは、やはりカメラ慣れしている感じが半端ではなく、これもスマホを単なる電話として捉えるのではなくいつでもテレビ番組のような動画が撮れるハードとして使いこなしている感じを受けました。

むろん、いくらテレビ慣れしていて、それなりに面白い内容を発信していたとしても、その面白さを知るきっかけがなくては話になりません。しかし、たまたまこのお姉さんは相席食堂のロケに遭遇したことで、一時ではありますが多くの人に知られるチャンスを得ることになりました。このようにして出てきたのがフワちゃんのような芸人への入口にYou Tubeを使う人たちで、今回のお姉さんもこれからどんな形で活動していくのかはわかりませんが、今までと違った入口でテレビ出てくる人はこれからも増えていくのだろうなとふと思いました。結果的にこのお姉さんはニューヨークに出会ったことがラッキーだったという風に思います。

ちなみに前回の前半のロケが低調に終わったのは、出演していた漫才コンビより地元で飲んでいるお兄さんやおじさんの方が面白く、さらには自分からその場を回しに行ったりして、台本を作り込んで面白さを作るようなタイプの芸人さんには大変なロケだったで、多くのコンビがそのプレッシャーの中で潰されてしまったのではないかと思われます。ただ、そうした「天然の面白さ」を持つ素人や、下手な芸人よりエピソードトークが多彩なYouTuberにからみ、普通に相手に話をさせるよりさらなる面白さを引き出すような事が出来ないと、地上波のバラエティでメインの座に座ることはなかなか難しいと思われます。

今回の街ブラー1グランプリは優勝したミルクボーイこそ出ませんでしたが、M-1グランプリとは全く違う意味でテレビで見て面白い芸人は誰かということをはっきりさせることができるロケになると思いますので、この番組がもし来年まで続いていたらぜひ次のM-1グランプリの決勝進出者にオファーして、第二回目を開催して欲しいですね。

(番組データ)

千鳥の相席食堂【M-1ファイナリスト集結!街ブラ-1GP初代王者が今夜決定】
2020/02/18 23:17 ~ 2020/02/19 00:17 (60分)ABCテレビ
【司会】千鳥(大悟・ノブ)
【旅人】インディアンス オズワルド からし蓮根 すゑひろがりず ニューヨーク ぺこぱ(あいうえお順)

(番組内容)

もうひとつのM-1グランプリ「街ブラー1グランプリ」開幕!先週に引き続きファイナリストたちが難攻不落の相席食堂ロケに挑む
▽審査員はロケの修羅・千鳥!初代王者は?
有名人が見知らぬ街で、地元民と突然、相席!
▽偶然の出会いから始まる相席を通じて、街の魅力や新たな自分を発見する新感覚旅バラエティ▽ガチ交流ロケにMC千鳥がツッコミまくる!
M-1ファイナリスト6組が相席食堂のロケに挑む、街ブラ-1GP開幕
▽勝てば名声!負ければ地獄!今週はオズワルド・からし蓮根・ニューヨークが登場
▽「ついにこの大会が爆発しました」審査員千鳥が太鼓判を押した超白熱の後半戦!初代王者に輝くのはいったい!?