月別アーカイブ: 2017年10月

有料のネット配信番組と地上波との違いを考える(「戦闘車」一部ネタバレ有)

地上波のテレビコマーシャルで、有料のネット配信でしか見られないバラエティ番組のコマーシャルを行なうということが時代も変わったなと思うところなのですが、たまたま私自身が有料のAmazon Prime会員になっていたので、とにかく見てみようということで、4回目まで見ました。

「地上波では絶対に見られない」というのがキーワードになっていますが、地上波でのコマーシャルを見ただけだと特設コースで思い切り、過去の高級車をぶつけ合って勝敗を決めるくらいのことで、確かに地上波では「資産価値のある車を無駄に壊すな!」というように、こんなコンセプトのバラエティが地上波で放送されたら、クレームの電話が入りそうな感じの設定になっていることはわかりました。

それと同時に気になるのが出演者の体が大丈夫かということもあるのですが、この点だけについては実際の内容を見る前にテロップで、事前に安全についての想定を行なった上で、スタントマンの指導の元行なっているので、絶対に真似しないで下さいというような文章が流れていました。しかし、他にも地上波でできなそうな番組内での「演出」があり、そちらの方はあえてテロップを出さなくても有料のビデオオンデマンドでは大丈夫なのかとちょっと不思議に思いました。

具体的に書くとネタバレになってしまいますが、個人名を伏せることでこれから見る方に楽しみを残すために全ての内容を書きませんが、ネタバレはネタバレですので、ここからの内容を読む場合には気を付けて下さい(^^)。

まず、出演者の中に一人、物理的に地上波に出ること自体が問題である人がいます(^^;)。その人はコンビ芸人の片割れですが、もう一人の地上波出演に全く問題ない相方はビデオメッセージでの出演をしています。今後、不祥事の種類にもよるのでしょうが、面白いけど不謹慎なので地上波に出られないと残念がっている人の多い芸人がこうした番組から復活を狙って行くことになるのでしょうか。ちなみに、その人とは2回目の自動車事故を起こしたインパルスの堤下敦さんではありません(^^)。ただ、今後はかなり不謹慎だと多くの人に思われるようなオファーを出して堤下さんとNON STYLE井上さんの戦闘車対決というのも可能ならばあってもいい組み合わせではないかとも思います(このように書くからには、この番組にNON STYLEの井上さんが出ているわけでもありません)。

次に、第一回目の放送の前の「エピソード0」でもちょっと出てくるのですが、出演者の中に、自分の車で撮影場所に向かう中でドッキリを仕掛けられて、戦闘車として自分の車を出すようにして参加させられてしまう人が複数います。バトルはかなり激しいので、恐らく出場したが最後、車は廃車に近い状態になってしまうことが予想されますが、大事に乗っていたり、車のローンが残っている状況で車も出演というのは、もし番組の予算内で金銭的保証がなければ単なる芸人へのいじめとして非難を受けそうです。

ただ、この手の笑いというのは、同じ吉本興業の大御所「明石家さんま」さんの愛車「レンジローバー」がフジテレビの特番でビートたけしさんによって2年連続で傷つけられたり意図的に事故を起こされたりしました。必死になって(ということを装っていたのだと今考えると思ったりします)「ヤツを止めろ!!」と叫びながら走って行くさんまさんを見ながら大笑いしたことを思い出しますが、その時にはまだフジテレビアナウンサーの逸見政孝さんが元気で活躍していた時代で、こうした仲間うちのお遊びには抗議も緩やかだったのかも知れません。ただ今同じような事を地上波でやったら、「いじめを増長させる」という感じで即不謹慎だとクレームが付くでしょう。

あと、こうした自分の車を戦闘車として参加させるくだりで面白かったのは、とある芸人の自家用車を戦闘車として投入するかのような煽りがあったものの、その車は中古ではあるものの希少車で、それを制作側が弁償する場合に相当な負担になることが予想されるだけでなく、状態を「事故車」にしてしまったら、他に代わりを見つけようのない車だということを紹介した後で、その芸人の自家用車を「温存」したことです。無茶なことなら何でもやるとは言いながら、自らその限界というものも露呈させてしまったことで、「地上波では絶対に見られない」という言葉もそこまでに響いてこなくなったりするのです。

ここまで紹介する中で、随所に「不謹慎だ」として抗議を受けそうな設定をぶっこんではいるものの、ゲームはあくまでも車同士のバトルであって、それ自体はそんなに珍しいものではなくお金の掛け方が(走行レーンや仕掛けを作るのにかなりのお金がかかっていそうです)妥当なのかどうかという気もします。もし最後にあっというどんでん返しがあるようだったら、今までの考察がなかったものになるくらい自分自身後悔するかもしれませんが、ともあれ継続視聴は続けます。

最終的にこの決着がどうなるかというのは改めて続きを書くかどうかはわかりませんが、吉本興業に今までのような地上波番組では物足りないという気概を持って次のバラエティを作るのなら、別の意味で地上波では流せない内容のバラエティも作っていただきたいです。例えばテレビを見ている人たちが名前も知らないような芸人を多く登場させ、普段なら絶対流さない画面が凍るようなつまらない部分もそのまま流しつつ、地上波バラエティの出演をかけてのサバイバル合戦とか、いわば吉本版「お笑いウルトラクイズ」のような番組なら、そこから新しいスターが出てくる可能性もあるわけですし、地上波にない面白さを私たちに提供してくれるのではないかと思うのですが。

(番組データ)

戦闘車 シーズン1 Amazon Prime Video 2017 YD Creation
出演者:
(浜田軍)浜田雅功、小沢仁志、勝俣州和、山本圭壱、千原せいじ、脇阪寿一、岩橋良昌、佐田正樹、尼神インター 渚、尼神インター 誠子
(千原軍)千原ジュニア、武藤敬司、原田龍二、藤本敏史、松岡充、脇阪薫一、庄司智春、板倉俊之、南明奈

(番組内容)

車好きで知られる芸能人たちが自らハンドルを握り、各々の“戦闘車”で様々な試合に挑む今までにない全く新しい自動車合戦バラエティ!!芸人、レーサー、ミュージシャン、アイドル、俳優、そしてプロレスラーからなる戦闘員が、浜田雅功率いる浜田軍、千原ジュニア率いるジュニア軍にそれぞれに分かれ、スピード、度胸、そして根性が試される命懸けの果たし合いを行う!「走る!」「燃える!」「壊す!」「ぶつける!」これが新しいエンターテイメント『デンジャーテイメント

 


舛添要一氏の行動からコメンテーターのあり方を考える(5)到達点を見際める

前回までの文章を書いていく中で、改めて舛添要一氏の経歴の変化について書いていくと、以下のようになります。見事に出世していく様子が見て取れるようになっています。

・東京大学法学部助手→東京大学教養学部政治学助教授(国際政治学者)→舛添政治経済研究所所長(東京都知事選出馬・落選)→参議院選挙・自民党比例区で当選・参議院議員→厚生労働大臣就任→自民党離党・新党改革代表へ→参議院議員退職→新党改革を離党→東京都知事選に無所属で立候補し当選→東京都知事辞職

東大の助教授として、さらに国際政治学者としてテレビに出る中で知名度を得、東京都知事選に出た時には失敗したものの、自民党から誘われて参議院議員として国会に進出し、大臣にまで上りつめました。このまま党内に留まり、中から執行部を批判しながら議員としてのステイタスを上げる手もありましたが、残念ながら今の自民党というか政界全体が世襲の風が吹き、まともな方法では大臣以上に成り上がるのは難しい事は確かです。

そんな思惑を持って国会議員退職後に東京都知事に当選し、別の方向からのし上がる方法について模索していた中で足元をすくわれてしまったというのが今までの流れですが、最終到達点を東京都知事として職務を全うするという道もあったのではないかと思います。ただ、その後の行動および結果を見てしまうと、自分は東京都知事で終わるような男ではない、自民党からの後ろ立ても得て、一時は総理大臣に一番近い男とも呼ばれたわけだから将来は総理大臣を狙おうと疑惑の渦中まで思っていたとしたら、かなり当時の状況把握をうまくされていなかったのだろうと思います。

さらに、数々の疑念を週刊誌報道からワイドショーにまでで明らかにされる中、BSフジの「プライムニュース」に生で出演した事でその後の自分の運命を、それまで自分の味方出会ったはずのテレビに裏切られる形で失脚への道の駆け出してしまいます。当時、自らがどう視聴者に映っているかというのを完全に見誤ってしまったのです。

舛添氏は番組司会社の反町理氏に疑惑について矢継ぎ早に質問され、その答えとして、「精査してお答えする」という回答を繰り返すばかりで、番組中に何回「精査」と言ったかという事が話題になる始末でした。恐らく、BS民放で多くの人が見ていないであろうと思って、自分はあくまでテレビコメンテーターとして成り立っていると誤った判断のままとにかくこの場から逃げる事しか考えていなかったと思われます。番組が生中継であったこともあり、その全てを見た視聴者が少なからずいたことも誤算だったろうと思います。

しかし、翌日の朝のワイドショーでフジテレビでは前夜のBSフジのVTRを舛添氏にとっては映して欲しくない所だけを編集して流したことで、その情けない逃げっぷりが明らかになってしまったのでした。この辺りは実にテレビ的な演出であり、もし自分がすでにテレビからすると影響力のある論客ではなく、おかしな言い訳しか言えないでいる「笑われる存在」に成り下がってしまいつつあることを理解できていたら、当初のBS出演の段階で自らの間違いについてきちんと謝罪をし、後日の定例会見へとつなげることで、あそこまでの批判が盛り上がることはなかったはずです。

これは責任ある立場の人間であればあるほど、自らの失態を隠し続けることで視聴する側の怒りはさらに増幅するような所があります。政治家が様々な失態を犯した後、すぐに記者会見をするか、いきなり「入院」をして数ヶ月公の場に出て来ないケースが有ったとして、炎上するのは圧倒的に後者の方だということからも明らかでしょう。様々な疑惑に対して何も答えず、新しい話題が出れば忘れられるだろうたタカをくくっているような人物については、週刊誌は追加特集を組み、常に新しい「疑惑」が湧き上がってくるような人物であればとにかく早く釈明しないと、テレビでも「新事実発覚!」という風に本人が出てくるまで報道は続き、今回の舛添氏のように全ての社会的地位を失なってしまう可能性もあります。

今回の舛添氏は最後の最後になって最も取ってはいけない行動を取ってしまったため、しばらくは四面楚歌の扱いではあったのですが、これだけ悪名が轟いてしまうと逆にテレビ局の方から、そんな状況で何を言うのだろうとの興味を出てくるのか番組に出て欲しいというオファーも来るようになるわけですから、テレビというものはげに恐ろしいものだと思う方もいることでしょう。

テレビと言っても番組は選ばれる部分はありますが、過去に覚せい剤使用で逮捕されたスポーツ選手でさえ、テレビのバラエティに出演して他人の覚せい剤事件について語っているということもあります。時の人といった場合は多少テレビの枠から外れているような人でもテレビに出られてしまうようなところはありますが、ただしちゃんとしたテレビ出演のルールを守って、テレビの枠に徐々に収まるように自身が変化していくことができれば、最初のテレビ出設を契機にしてテレビコメンテーターへの道を歩むことも不可能ではありません。

このように、テレビに出るための敷居は低いところはあるものの、常にテレビで自分の事がどのように映されているかということを考えて出演しないと、制作者や視聴者から拒否反応を受けて次からはお呼びが掛からなくなってしまうのもテレビなのです。時代の寵児ともてはやされていたとしても、車で事故を起こしたり、口がすべって怒らせてはいけない人を怒らせてしまっただけでテレビに出られなくなる危険があるということで、テレビに出ることで勝負したいと思っている方はなかなか大変だと思いますが、継続してテレビで顔を売ることで得られる効果もあるわけですから、将来テレビコメンテーターになりたいという方は是非舛添要一氏の行動を参考に自らの身の振り方を考えみるのも一興ではないかなと思います。

※ここまで書かせていただいた内容をリンクの形でまとめさせていただきました。興味のある方はリンク先からもご覧下さい。

(1)恥も外聞も関係なし
(2)ネットサポーターを作れ
(3)発言は大声で尺に収める
(4)常に「仮想敵」を作る
(5)到達点を見際める


ワイドショーの扱う話題とコマーシャルのタイミング

今回の放送の中で、「楽天カード装うウイルスメール!!ボタン押すと…」という項目で楽天カードが出したと偽装してカードのパスワードを盗むメールが広がっているという、インターネット上の「フィッシングメール」の全容について報道していたのですが、こうしたものは従来情報弱者と言われる高齢者や若年層だけでなく、この番組のスタッフも引っかかってしまったという事で、顔は出さないでそのスタッフにインタビューする形で、パソコンやインターネットでのメールには気を付けましょうという啓蒙のために紹介した話題を放送していたのですが、その項目を放送中に流れたコマーシャルは、さすがに自分が番組の構成をしていたらスポンサーに遠慮してこの項目の順番を入れ替えるような事をすると強く思いました。

というのも、何の因果かとすら見ているこちらが思ってしまうほど、この「羽鳥慎一モーニングショー」の放送を支える大スポンサー「ジャパネットたかた」さんが、いつもは掃除機とか羽毛布団を売っているのに、このインターネット詐欺の話題に合わせるかのように「100円パソコン」を大々的に売り出していたのはちょっと本放送の内容とかぶる部分があったためです。

ちなみに、「100円パソコン」という売り方というのは他の業者さんもやっていますが、基本的にはモバイルルータとデータ通信契約とセットで加入させるということがポイントで、ジャパネットたかたさんの場合は「Y!mobile」の3年契約で購入ルータも指定されていて、さらに月額料金は4,760円(税抜価格)となっていて、直接Y!mobileに行って同じルータを購入する場合と比べて月額1,000円くらい支払い金額が高くなっています。

単純に1,000円を3年払い続けると36,000円になるのですが、この金額はジャパネットたかたさんでのパソコンの販売価格である39,800円(税抜価格)に近いということもあり、もしかしてこれは「100円パソコン」ではなく頭金が100円で、金利手数料および多少の値引きをした上で36分割でモバイルインターネット回線とのセット購入をおすすめするパターン契約に過ぎないのではないかと思っていますし、コマーシャルを作るならパソコンは分割販売で、支払いはネット回線使用料と合わせて請求という風にきちんと説明するのが筋ではないかと思っています。

そのように業者側が説明してくれれば「パソコンが100円で買える」という誤解を情報弱者の方がすることもありません。ただ、さらに言うと3年縛りでインターネットのデータ通信回線を月4千円弱で加入するよりも(これは、モバイルルーターの代金を含めたY!mobileで契約した場合の回線料金です)、もっと安く月額千円以内でいつでも解約可能な条件で別の通信業者からモバイルルーターでもスマホでもタブレットでもセットで加入することも可能ですし、回線とパソコンを別々に安く買うこともできます。

案の上、ジャパネットたかたさんのコマーシャルを見ていたであろう司会・アシスタント・コメンテーターの方々は、「100円パソコン」というモバイル回線やモバイルパソコンについての情報弱者にとっては、売り言葉に乗ってつい注文してしまうかも知れないという問題について一切語ることなく、そのままインターネットは恐いねという感じの当たり障りのないコメントでコーナーが終了したのですが、やはりこうした内容はしっかりと記録しておくべきだと思い書かせていただいています。

今回の件では出演者やスポンサーのために番組を構成する側としての配慮が全くなく、ただただこの時間にこのスポンサーの広告が入るということで(恐らくコマーシャルが入る時間は決まっていると思われます)番組内容との配合性を考えないのは、特にスポンサーについて失礼極まりません。

せめて、ネットの話題は先に済ませてしまい、後から100円パソコンのコマーシャルを流しても出演者の方々がわざわざ話題にする必要のない話題の中に入れるだけの配慮がなければ、今回ここで挙げさせていただいた以上の非難が番組にもスポンサーにも来てしまう可能性があります。それがテレビだと居直るのならそれでいいかも知れませんが、一方ではネットの情報弱者用の情報を流しておいて、その内容を報道している途中で、極めてグレーな感じのするネット回線とパソコンのセット販売のコマーシャルをわざと流して視聴者を混乱させているという事があった事はここで明らかにさせていただきたいと思います。

(番組データ)

羽鳥慎一モーニングショー テレビ朝日
10/31 (火) 8:00 ~ 9:55
【司会】 羽鳥慎一
【アシスタント】 宇賀なつみ(テレビ朝日アナウンサー)
【コメンテーター】 青木理(ジャーナリスト)、菅野朋子(弁護士)、玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)

(番組内容)

「お得に美肌」口コミ拡散で保湿薬の化粧品代わり使用が横行▽楽天カード装うウイルスメール!!ボタン押すと…▽前原氏辞任で会議4時間大紛糾!!▽メガバンクなぜ人員削減?
番組詳細


舛添要一氏の行動からコメンテーターのあり方を考える(4)常に「仮想敵」を作る

ここまでは、あくまで自説を的確にコメントで伝えるための方法について紹介してきましたが、さらに自らの発言に注目を集める方法について紹介しようと思います。これは、コメンテーターの発言だけに関わらず、SNSやブログの発言でも同じような事が言えるかと思いますが、悪い言い方をすると「炎上商法」を常に心掛けて発言することで自身の発言に注目を集め続けることができるという理論です。

例えば、その時期に世間で注目を集めた人物について批判をすることによって、Yahoo!ニュースに取り上げられるようになればしめたものです。自身の言動が世間の注目を浴びていることが一目でわかりますし、そうした意見について新たな論争が起こるようになれば、その発信源であるコメントにさらに注目が集まるのは必至です。

テレビ司会者や記者会見を開く場合には記者達から、自らの発信に端を発した「バトル」を演出することで、しばらくはその成り行きに注目を集めることもできるでしょう。これは、最近では舛添氏の専売特許ではなく、ポスト舛添としてコメンテーターの座を狙っていたり政界に進出したりされる方でも、あえて過激な発言をしたり、他人を挑発するような言動を取ることは見受けられますが、やはりこうしたやり方には効果があるなあとしみじみ感じてしまいます。

舛添氏は当時の左翼論客や、あえて思想的な背景を持たないながら左寄りの意見に流されているような人に向かっても厳しい物言いをし、自らの意見を堂々と主張するのですが、これも最近になってSNSを使ってネット上の反応を見たり、SNSで直接攻撃した事がネットニュースになってその詳細をテレビで説明するような逆転現象も起きています。ただ、こうした議論の主役になるためには、まず自分の存在が広く一般に知られていなくてはなりません。いわゆる「ネット上の有名人」ではインパクトが弱いので、まずはテレビコメンターとしてお茶の間に顔を売ってから行なう事で、ネット上の議論を有利に進めることも可能になるでしょう。

こうした「仮想敵」への攻撃を行なううちに、いわゆる「犬猿の仲」であると広く認知された相手を持つことができればさらにやりやすくなります。もしその相手のとバトルをテレビの中で見せられるとしたら、出演する番組について、多くの人の興味を引くことになるのは確かですそれが視聴率につながればなおいいでしょう。もし相手が同じ土俵に出て来ないという状況になっても、これは言わゆる「欠席裁判」になるので、一方的に自説を主張して、それでも相手が無視を決め込んだ場合には「完全論破した」とし、次の「仮想敵」を見付けてバトルを仕掛けるように進めていきます。

この「仮想敵」についても現在の日本をいろいろ見ていくと、必ずしも政権党である自民党や、首相の安倍晋三氏への圧倒的な選挙における支持はないものの、選挙結果は自民党と公明党が圧倒的に多数を取り、安倍晋三氏の一強体制についてはしばらくは揺るがない状況が続いています。そんな中で安定してバトルを繰り広げても安易に降板させられないためには、リベラル派、共産党叩きという左派叩きを基本にしながらも、あまりに強すぎる現政権をたしなめるような形で叩いてもそれほど文句を言われそうにない人物をやり玉に挙げて叩くという(^^;)、見ようによっては随分軟弱だと言われそうですが、言葉だけは勇ましく、自分こそ「正義の味方」であるという信念で自分が「悪」と認めた対象を退治するというスタンスでやって行くのがいいでしょう。

うまく行けば、首相にはなれないかも知れませんが、どこかの集団のリーダーくらいには収まることができるかも知れません。そうしてのし上がるには政治的な嗅覚が必要ですが、その点、東京都知事になるまでの舛添要一氏の行動には学ぶべき点が多くあると思います。

自らの母の介護した体験を演説することにより厚生労働大臣になり、当時の自民党の執行部の批判をしたりして、市井の人々から「次の総理になってもらいたい人」という評価を得ることもできましたし、知事選も一度敗れたものの、自民党を離党してから二度目の出馬で大勝し、東京ではもちろん、全国の政界にも影響力を与えるだけの存在になりました。

このまま知事としての任期を全うすることができれば本当にこれ以上ない立志伝中の人として後世に名が残ったと思うのですが、残念ながらそうならなかったのは皆さんがご存知の通りです。

一応、次回を最終回とする予定ですが、様々な野望や目標を持つ人がその目的を達成した時どこで満足するかということも大切な事ではないかと思います。私の場合はもちろんテレビコメンテーターになろうとする野望はなく(^^;)、外から自由にテレビを見て好き勝手に書いていることで十分満足しています。

※ここまで書かせていただいた内容をリンクの形でまとめさせていただきました。興味のある方はリンク先からもご覧下さい。

(1)恥も外聞も関係なし
(2)ネットサポーターを作れ
(3)発言は大声で尺に収める
(4)常に「仮想敵」を作る
(5)到達点を見際める


「Jリーグ・ゾーン」の面白さは地上波では無理か?

Jリーグが同時刻に複数試合行なわれている場合、画面を3分割にして一画面を大、残りの2画面を小にして同時に3試合の様子を見せつつ、ゴールシーンや注目のシーンがあればJ1J2に関わらず大画面に切り替え、マルチ画面を見ながらの実況と解説を入れていくスタイルで放送しているのが「Jリーグ・ゾーン」という番組です。

お目当てのチームがある場合は大画面で試合そのものを中継してくれる方を見ていればいいのですが、例えば今回見ていたJリーグの第31節について、J1の降格争いは単に対象チームの勝ち負けでは決まらなかったので、対象チームが勝つか負けるか引き分けるかによって天国か地獄が決定してしまうわけで、今回一応勝利を挙げて今節での降格にストップを掛けたい新潟サポーターにとっては、このような同時平行的な中継というのは役に立ちます。ただし、スマホの小さな画面では3分割はきつすぎますので、できれば大型テレビで見るようにすることをおすすめします。

さらに、最近になって実況が付いたことで、より試合の流れがわかりやすくなり、どういう条件なら新潟が今節で降格にならないのか、というような事を逐一紹介してくれるので、Jリーグの後半、特に降格争いに巻き込まれてしまったり、アジアチャンビオンズリーグの出場権がかかる状況を見る場合にも役に立ちそうな中継すたいるだと言えます。

地上波やBSでもギリギリのタイミングではこのような多元中継を行なうことはありますが、DAZNが常にこうした放送をやってくれることによって、生中継を見ながら同時開催のハイライトシーンを連続して見られるというメリットもあるので、特にどのチームでのサポーターでもない人が贔屓のチーム・選手を見付けることもできるかも知れません。

有料のネットチャンネルということで、見られない人も少なくないと思いますが、現状ではJリーグの降格および昇格争いを逐一見のがさないようにするには、DAZNの契約が必要で、その場合とりあえず「Jリーグ・ゾーン」を試合の行なわれている時間帯にチェックすることが一番いいように思います。

(番組データ)

Jリーグ・ゾーン
2017年10月29日(日)14:00~18:00
MC:サッシャ 解説:下村東美


舛添要一氏の行動からコメンテーターのあり方を考える(3)発言は大声で尺に収める

この文章を書くにあたりまして、過去から現在までの「朝まで生テレビ!」のデータを見ると、舛添要一氏は右派の論客の中だけでなく、全ての出演者の中で比較してもこれまで96回という番組の最多出演記録を誇っているようです。それだけ番組に重宝されたのは、やはりテレビの中の発言についてある程度の説得力を持っていたということがあると思います。

テレビの討論で、自説を視聴者に印象付ける場合、どうしても「時間の問題」というものにつきあたるということがあります。そうした問題を解決するために「朝まで生テレビ!」は深夜から早朝までという当時の討論番組の長さから考えると、かなり思い切った形での長時間のプログラムになっているのですが、出演者が多いのと取りあつかうテーマがかなり突っ込んだものが多かったことから(天皇や宗教など当時はタブーと言われたものが多く取り上げられていました)、これだけ長時間のプログラムでも時間が足らず、さらに出演者の中には言いたい事がまるで言えないまま終了ということもありました。

そんな中で生放送の中、自説をテレビの視聴者に伝えるためにはどうすればいいかという事になりますが、私自身に示唆を与えてくれたのが「朝まで生テレビ!」に出ていた左派の論客で映画監督の大島渚氏の「バカヤロー」という怒りの発言でした。とにかくよく通る声で、深夜の放送のためつい見ながらウトウトしてしまう視聴者対策として行なっているのではないか? という都市伝説もありましたが、大きなよく通る声を出すということは、たとえそれがテレビの中だったとしてもやはりインパクトがあり、話題の中心として自身を認識させるにはこれ以上の方法ではないかと思わせてくれました。

相手が自分から見るとつまらない話をダラダラとしているところでは大声で割って入り、そこからコマーシャルに入るタイミングがそんなに時間がなかったとしても、自説のキーワード先に出しながら、とにかく早口でまくしたてるように主張することで、最後に視聴者の記憶に残る発言になることは確かです。さらに相手より大声を出した方がより自説を多くの人に認知させられるということは疑いの余地はないでしょう。

この法則を知っているテレビに出慣れた人と、初めてテレビに出てきて自説を何とか発言しようとする人がかけ合いになった場合は、かなり悲惨な結果になってしまいます。声が小さく何を言っているかわからないような人であえばなおさら大声で的確に要点を突く人の方に注目が集まり、録画番組なら全く自分の喋ったところが使われないということも起こり得ます。

また、番組が生放送の場合はとにかく視聴者に届く大声でまくし立てた方の勝ちですから、テレビに出る前にしっかりとトレーニングして腹から大きな声をはっきりと出せるようにしておくことが話の内容よりも大切ではないかと思います。

これは舛添氏に限ったことではないですが、コメンテーターとして活躍している方というのは男女関係なく、自分で言いたい事があったら司会者に何を言われようと最後まで大声で自分の意見をテレビカメラに向かってまくしたてることを基本にしているように感じます。そんな場合には相手の立場などかまっている暇はないでしょう。コメンテーター同士の議論になってしまった場合、どちから優勢であるかということは冷静に視聴者によって判断されてしまいますので、強気に出ることが大切だと言えるのではないでしょうか。

ただし、視聴者の中には双方が大声で言い合いになった場合にはそれこそお互いが何を言っているかわからないような状態で放送が終了してしまうように見えることもあり、本来はテレビで物を言うためには仕方ない事であるだけなのに、性格が独善的であると誤った判断をされてしまう恐れがあり、その事を自身に対する批判の材料に使われる可能性はあります。ただ、これもテレビで自説を述べるためには仕方ないところではあるので、SNSなどでフォローをしながら、自分の正当性を訴えていくことも必要になってくる場合も出てくるかも知れません。

※ここまで書かせていただいた内容をリンクの形でまとめさせていただきました。興味のある方はリンク先からもご覧下さい。

(1)恥も外聞も関係なし
(2)ネットサポーターを作れ
(3)発言は大声で尺に収める
(4)常に「仮想敵」を作る
(5)到達点を見際める


管理人

2017-10-28

ネット検索で一番最初に出てくるという渋谷のスマホ修理店に72時間密着し、その店を訪れる人たちのスマホと、その中味を見せてもらうという企画なのですが、番組内で取材を受けた東大の学生という人でも全てを一台のスマホに集約してバックアップの方法を用意していなさそうという状況を見てなんだかなあと思ってしまったのが大きな感想というか疑問になりました。

さらに多くの人が修理に持ってくるスマホの画面がバキバキに割れていることが多いのですが、長くスマホを使っていればどこかにぶつけたり、落下の事故が多いことがわかっているにも関わらず、その対策になるであろうストラップや画面保護用のカバーを付けていない人がテレビに連続して出てくるという違和感も同時に感じていました。

これは、単にスマホをおもちゃの用途にも使えるような形で物心が付いた時から与えられている人が多いからなのでしょうか。さらに、最近の製品こそ防水機能が付いてきたiPhoneですが、防水機能が付いていないにも関わらず、水没の恐さを感じないで使っている人もいるのだろうなという事が、画面割れしたまま多くの人がスマホを修理しないで使っている状況からも推測でき、この番組で改めて確認できたような感じです。

さらに番組のコンセプトとして出ていたのが、修理しないと改めて見ることができないというスマホで撮影した写真や動画の数々でした。もちろん、単体で撮影した写真や動画、さらに本体で受けたメールは本体の画面が映らなくなったら確認すらできない事は確かです。しかし、きちんと対策をしておくことで、端末自体が修理不可能なほど壊れたとしても、データを復活させることは十分可能なのですが、世間というものは本当に無知だということが、テレビの向こう側では起こっていることを知り、ただただ愕然とするしかありませんでした。

例えば、カメラで撮影したものをまるまるバックアップする方法(例えばDropboxやOneDriveのようなクラウドに自動的に保存する設定とかGoogleフォトを使って同じように自動保存の設定をするとか)があることすら知らないの? とか、メールもキャリアメールにこだわらず、Gmailに一元化すれば端末がなくなっても古いメールを過去に遡ってパソコンや新しいスマホやタブレットを使えば見ることはできるのに(ネットカフェのパソコンを使ってクラウドにアクセスし、手持ちのUSBメモリ(千円前後で家電量販店で購入可能)にダウンロードするような事も可能)、ドキュメンタリー番組ということもあってかそんな情報を取材者には提供せずというのも何か切ないなあと感じてしまいます。

ただ、このドキュメンタリーに「やらせ」は無いという風に仮定すると、本当にパソコンを使わないでスマホのみを情報源にしている若年層(番組には年配の方はほとんど登場しませんでした)の方は、本当に何の対策もせず裸のままのスマホを使い、もしデータが見られなくなったらということを考えずにスマホに依存した生活を送っているということになってしまいます。

これは一般的な問いとしての「人はなぜスマホに依存するのか」という答えを考える上でも大事な観点になります。パソコンでのインターネットとスマホやタブレットという風に、用途によって使うものを分けている人なら、深刻なスマホ依存にならずに、インターネットを楽しむことができるかもしれませんが、全てをスマホ一台に集約することでたとえ一瞬でもスマホを使えない状態になった場合にパニックになることは十分ありえます。きちんとIDとパスワードを管理しておけば、メールだけでなくLINEをパソコンで使うことも可能ですし、スマホがなくても代替手段があることを知っていれば精神的にも安定するでしょう。

ただ、一日でもスマホを手放したくないと思う人々の存在によって取材先のようなスマホ修理専門店が流行るというオチまで付いてしまうのですが、買って2週間で画面が割れてしまい、手を切ってしまったと嘆くフリーターの子が修理に時間がかかったり、高額になった修理代に文句を言う場面があったので、あえて一つの提案をします。きちんとバックアップさえしていれば、修理金額よりも安くスマホを使い続けたいなら、とりあえずの連絡だけはSIM入れ替えでできるスペアの中古スマホでも購入した方が安く済むでしょう。そしてそもそも、どの通信業者もやっている「スマホの保証サービス」に入れば、買ってすぐ画面が割れてしまっても、買ったお店で少ない負担で修理してもらえるのに何で入らないの? という根本的な疑問もあります。

ただこれは、番組では直接明らかにしない裏の事情があることが考えられます。フリーターで毎月使えるお金が少ないために、つい契約の時に毎月の支払い額が多くならないように、補償サービスに掛けるお金も出し惜しみしてしまう人が少なからずいるのではないかという点です。実はこの部分が今回番組を最後まで見ていて強く違和感を感じた部分で、大手キャリアでスマホを買って使っている人がほとんどな中、なぜキャリアのショップではなく修理専門のショップへ人々は向かうのか。そこにあるのは、実はスマホを売ることによって利益を得るために、肝心な事を説明しないまま売っているお店の存在があるからではないかと勘ぐってしまうのです。無知な利用者を増やし、そこからお金を絞り取るような姑息な商売というのは止めて欲しいですし、スマホが再生不可な状態になったとしても、データを無料で取り戻す手段があるということを多くの人に知って欲しいと番組を見ていて思った次第です。

(番組データ)

ドキュメント72時間「渋谷 スマホ修理店」(再放送)
10/28 (土) 11:25 ~ 11:50 NHK
【語り】仲里依紗

(番組内容)

舞台は東京・渋谷にあるスマホ修理店。故障で動かなくなったスマホが次々と持ち込まれる。人々は何を守り、残したいのか。修理を終えたスマホの中身をのぞかせてもらう。


舛添要一氏の行動からコメンテーターのあり方を考える(2)ネットサポーターを作れ

テレビのコメンテーターとして話す人の中には、性格云々は置いておいて、どんな思想に立ち位置があるかでその評価が判断されるところがあります。テレビを見ている人たちに共感されるか否かは、やはりどんな立場でコメントをするかということと無関係ではないでしょう。

舛添さんの経歴を見ると、東京大学法学部を卒業され東京大学教養学部政治学助教授となり、テレビには「国際政治学者」という片書きで登場されました。恐らく舛添氏とテレビとの関係を考える時、「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系 金曜深夜月一回放送)での印象が強く、当時の左派論客を理詰めにやりこめる姿に拍手喝采を送った人も少なからずいるのではないでしょうか。

「朝まで生テレビ!」放送開始は1987年ということで、まだインターネットではなく視聴者の意見は直接電話するかファクシミリを使って送る一方通行のものでしたが、番組的には右派の論客として今まではテレビを通して聞けなかった意見をズバズバ言うさまは新鮮に映ったように思います。

もちろん、あの姿を見るだけでいやだと拒否反応を示していた方もいたことでしょうが、そういう人というのは番組にファクシミリを送る人はそういないと思いますし、当時あえて工作員のようなものを組織して抗議するような集団もなかったように思います。ただ、個人攻撃だけに終始する偏った意見はテレビ局の方で外されるような対応が普通だったと思いますので番組で紹介されることはほとんどなかったでしょう。また、番組内での舛添氏の意見に反論する意見があったとしても、個人の感想のような意見について当時は直接思想性についての批判を言わずに「衆愚の極み」というようなキーワードを言ったりして、反対する意見についてはそれほど気にしなかったというか、そうした意見を無視してでも強気な発言を繰り返す姿勢にこそ人気が集まったのではないかと今振り返ってみると思えます。

現代と当時とは当然状況は違ってくるとは思いますが、昔も今も、世論調査を行なえばどうしても保守派の意見の方が大勢を占める傾向にあります。長くコメンテーターとして生き残っていくためにはやはり思想的には左右で言えば右であることに越したことはないでしょう。さらに、現代の社会は番組に送られてくるファクシミリや電話だけをコントロールすればいいという事ではなく、様々なネット上の発言についてしっかりコントロールする必要が出てきます。

といっても話はそう難しいものではありません。現代のネット世論と言うべきものは、どれだけの人が書いているかは不明なものの、その数においては圧倒的に政府自民党を支持する意見が多いので、基本的には政府擁護を訴えながらも100%同調はせず、理にかなった批判も行なうようにすれば、保守層の中で現在の安倍首相のみが正義という立ち位置でネット発信をしている人からの批判は出るかも知れませんが、左の発言をピシャっと封じる中で、「健全な保守」を求めて頑張っているという姿を演出でき、ネット世論を味方に付けることは十分可能でしょう。

舛添氏の場合も、東京大学の権威を否定るする形で東京大学の助教授という肩書を投げうって在野の人になったことで、自由に物が言えるようになりさらにテレビ出演が増えていきました。「朝まで生テレビ!」と比べるとかなりバラエティー色が強い「TVタックル」という番組にも出会い、そこで程よい天敵として「ハゲ!」と罵倒されることで視聴者の同情を買った田嶋陽子氏とも出会いました。以降、お2人の掛け合いは番組の名物になり、出演の回数も増えていきます。

これは、舛添氏の立場としては単なるお堅い国際政治学者としての認識が変わり、庶民的な存在へと変わる上で良いテレビの利用方法と言えたのではないでしょうか。東大卒で頭も切れるが人間味もある存在ということになれば、テレビの世界ではさらに出演を請われることになり、討論番組だけではなくバラエティにも進出し、自身で書かれた本の宣伝ができたりと、連日テレビに出て意見の言える人になっていくことになります。しかも保守寄りの意見が多いのでテレビ局も安心して使えるということになります。

さらに、番組内で意見を言う時には主要な一般の方の見るようなサイトでの議論を主導する「ネットサポーター」を育成することも現代では欠くことのできない対策だと言えるでしょう。とにかく自分の言う意見に同調の書き込みをしてくれる人が増えれば言うことはありませんが、基本的には自分の方からそうしたネット世論に寄った発言をすることで、何かの拍子で自分が窮地に追い込まれるような失敗をしでかした時にはネット上から擁護の声が挙がってくるようになってくればもはやコメンテーターとしては盤石でしょう。

もちろん、テレビの中からは真摯に失敗したことについては詫びを入れ、殊勝に務めることによって今後のテレビ出演の継続も確保されることになるでしょう。ネット民と言われる人によって炎上する場合、左の人たちだけが騒ぎ出してもより勢いの強い右の立場の人たちの擁護が勝手に入りますが、保守派を標榜しながらネトウヨから叩かれてしまうようでは、左右関係なく叩かれるだけになってしまいますので、人の言う事を全く聞かないという性格など人間の根元に当たるような問題をテレビで出さないようにする注意も必要でしょう。

※ここまで書かせていただいた内容をリンクの形でまとめさせていただきました。興味のある方はリンク先からもご覧下さい。

(1)恥も外聞も関係なし
(2)ネットサポーターを作れ
(3)発言は大声で尺に収める
(4)常に「仮想敵」を作る
(5)到達点を見際める


舛添要一氏の行動からコメンテーターのあり方を考える(1)恥も外聞も関係なし

過去の投稿で疑惑を残したまま答えなかった前東京都知事の舛添要一氏をテレビのコメンテーターとして復帰させたTBSを批判させていただきましたが(以下のリンクで書いた内容です)、立場を替えてテレビコメンテーターの立場から考えると、舛添氏の取った行動というのはある意味テレビの特質を理解した、狡猾な立ちふるまいだったと言うことも言えると思います。

https://tvkansou.net/10230800

「悪名は無名に勝る」という言葉がありますが、テレビに出続けて名前を売ることで生活の糧を得るという事であるなら、追求された事をはっきり答えず立場が悪い中であっても自らの情けない姿をテレビの画面上に晒し、自らの姿の「水に落ちた犬」のようにふるまうことによって視聴者の涙を誘うことができれば、四方が敵の状態からほんのわずかでも自分の事を好意的に見るか許そうと思ってくれる人が出てくるかも知れません。

舛添氏が騒動の後で初めてテレビ取材を受けたのがTBSの「サンデー・ジャポン」だったと思いましたが、そこでの舛添氏は引きこもりのようでもあり、地下室でカップ麺をすすったのが食事だったというような「日々の生活」を公開し、そのVTRを見た同番組の出演者に思いっきり「笑われた」わけですが、そうして恥を忍んで取材を受けた結果、サンデー・ジャポンのコメンテーターとしてのテレビ出演が叶い、さらに朝の情報番組の「ビビット」にまで進出してきたわけでしょう。

視聴者の中には舛添氏の事を「こんな恥知らずな人はいない」と思っている方もいるかも知れませんが、そんな方に敢えて問いたいのがここ最近醜聞の人となった人の中で、これだけ公の場に出てきた人がいたかという事です。

あえて一つだけ例を挙げるとすれば、醜聞の人となってから入院と称し全く姿を現わさなかった国会議員の方は、選挙の季節を感じる状況になったとたんに会見を行ない、さらに街頭に出て訴えを始めましたが、もし自らの秘書にこっそり録音させたICレコーダーの「このハゲ」発言がブレイクする前に記者会見および各キー局の単独インタビューの形でしっかり毎日のワイドショーに姿を出していたら、欠席裁判のごとく画面にICレコーダーが映し出され、ご本人がしゃべったとされる内容があれだけセンセーショナルに広まっていくことはなかったのではないかと思われます。

早いうちにご自身の叩かれる姿をテレビを通して全国に発信することで同情する人も出てくるでしょうから、選挙の結果も最下位で惨敗という事にはならなかったかも知れません。選挙で勝てなかったとしても、その中で悲劇のヒロインのような一面を出していたら、もしかしたら自らの起こした事件を逆手に取って舛添氏の元妻である片山さつき氏のようなスタンスでコメンテーターとして呼ばれていた可能性すらあります。そうして、自ら恥を晒して自分の姿を晒し続けることで、勝手に他人が応援団となって選挙に担ぎ出され、次回の選挙に出て勝利するなんて方向性も出てきたかも知れませんでした。

ただ、普通の人だったらパニックになってとてもテレビカメラの前に出ることすら足がすくんで無理だろうとも思えますので、改めて舛添氏の心の強さというか、自身が地に這いつくばってもテレビというメディアに出続けることが大切だと思っているところがすごいと素直に思えます。

よく、一般企業でもクレーム対応についての対処法として「クレームこそがチャンスだ」というものがあります。クレームが出るということは何らかの問題があると思われ、企業としての信頼性を下げる事には間違いないわけですが、そのクレーム処理を見事にこなすことで、企業に向く逆風が反転するということは良くあることです。

今回の舛添氏の場合は真摯に全ての疑惑に答えたわけではありませんが、言いたくない事は留保したとしても、とにかく恥を忍んで連続してテレビに出演し続けていることで、時間の経過とともに自分の次に標的になった人物の方へ世間の関心が移っていくこともわかっていると思います。その期間がどのくらい続くかはわかりませんが、とにかく自分に対するバッシングを笑って辛抱できる心があれば、たとえ大きな失敗をしたとしてもその人の興味の方が大きければ再度政治家として復活という芽もあるかも知れません。もし今後、テレビコメンターだけでなく政界進出を狙っている方がいるとしたら、まずは心掛けたい点であると言えるでしょう。

※ここまで書かせていただいた内容をリンクの形でまとめさせていただきました。興味のある方はリンク先からもご覧下さい。

(1)恥も外聞も関係なし
(2)ネットサポーターを作れ
(3)発言は大声で尺に収める
(4)常に「仮想敵」を作る
(5)到達点を見際める


なぜMLBのポストシーズンの試合は最後までもつれるのか

ワールドシリーズの第2戦は約50分の延長になり、両チームホームランを中心に得点を重ね、延長に入ってからも試合の流れはもつれにもつれました。終盤までドジャースが2点リードしていてこのまま行くかと思ったところ、ホームラン2本でアストロズが追い付き、延長戦に入るとすぐにアストロズが2点勝ち越し、さすがにこれで終わったと思ったところ、その裏のドジャーズの攻撃はいきなりトップバッターがホームランで1点差になったものの、普通ならここで終わるパターンでした。

しかしフォアボールから再度チャンスを掴んだドジャースは二塁にランナーを進めて適時打が出て同点になり、延長戦は続きます。その後、また2点をアストロズが勝ち越したので、これでその裏のドジャースの攻撃も力なく終わるかなと思ったら、またソロホームランが出て1点差となり、これはまた同点になるかと思ったところさすがにそこまでの奇跡は起きず、アストロズが勝って対戦成績は一勝一敗のタイになったという試合でした。

日本でアメリカのMLBが生で見られるようになり、特にポストシーズンの試合はなかなか目が離せない試合が多いです。レギュラーシーズンが終わってすぐにポストシーズンに移ることもあり、さらに地区一位になってもそれがリーグ優勝ではないことをチーム全員がわかっているためか、レギュラーシーズンそのままのモチベーションを保てるのではないでしょうか。10月に入るとそれまでのレギュラーシーズンをリセットして、0からのスタートになるために相手がどこでも一切選手は手を抜かず最後まで競った試合になるのではないかと思うのですが。そうして最後の最後まで試合を諦めることなく全力を尽くすため、思いも掛けないドラマが演出されることが多いです。これは、比較する対象が全く違うという批判をあえて承知で言うと、一戦ごとで負ければそれで終わりという高校野球の甲子園と似たドラマ性があるのではないかとも思います。

同じような仕組みで勝ち上がれる日本のポストシーズンと比較してもその違いは明らかなように思います。その想いを個人的に強くしたのは、読売の不動の四番として惜しまれつつMLBのニューヨークヤンキーズに行き、ワールドシリーズのMVPまで獲得した松井秀喜選手のプレーを見てからでした。

後から調べると、その試合というのはワールドシリーズではなく2003年のアメリカンリーグ優勝決定戦(勝ち抜けたチームがワールドシリーズに行ける試合)で、しかも対戦成績が3勝3敗のタイで、勝った方がワールドシリーズ出場となる試合の8回裏、5対2とリードされたヤンキーズが当時の不動のエース・ペドロ・マルチネスを攻略し松井選手が同点となるホームインをした際のガッツポーズは日本のプロ野球では決して見せることのない歓喜の表情だったのです。

本日の試合もそうですが、まずMLBには引き分けという概念がないので日本のクライマックスシリーズのように、リーグ戦上位のチームが全試合引き分け狙いで戦っても勝ち抜けられるのと違い、状況によっては投手を使い果たして野手が投げるということも考えつつ試合に臨まなければなりません。

さらに、MLBのポストシーズンに出場するためには3つある各地区で1位になるか、2位以下のチームの中で勝率が2位までに入らなければいけません。各地区での1位のチームのうち勝率が2位と3位のチームがリーグ優勝決定戦の準決勝を戦い、勝率1位のチームは2位以下で勝率の高い2チーム(ワイルドカード)の1試合だけの代表決定戦を勝ち抜いてきたチームと準決勝を行ないます。そうしてリーグ優勝した後にワールドシリーズが待っているということで、今回ワールドシリーズに出場してきた2チームというのは、そこに至る数々の苦しい試合を勝ってきたというわけです。

なお、MLBではプレーオフからワールドシリーズを10月に行なうので、レギュラーシーズンは9月で終わります。ワイルドカードの試合で相手の決まる勝率一位チームは一試合待たされるものの、日本のクライマックスシリーズのように長く待つことはなく、ファンも選手もモチベーションを維持したままポストシーズンに入って行けることが、プレーオフやワールドシリーズでの名勝負や大逆転の試合が多い原因かも知れませんが、この点において、日本のプロ野球はもっとクライマックスシリーズのあり方だけでなくプロ野球という今までの仕組みも合わせて変えていかないと、プロスポーツとしての野球の将来は明るくならないのではないかと思ってしまうわけです。

一部の野球ファンの中で、今までの2リーク6球団ごとの12チームという編成を新たに地区別にした上でプロ野球球団を増やし、現行12チームを3地区各4チームに再分配するという案があります。基本的に地区別のリーグ戦を争い、地区優勝チームの3チームと地区優勝以外の2位以下のチームの中で勝率5割以上の2チームが(勝率5割を切った場合は次に進めないようにする)ワイルドカードで雌雄を決し全手のリーグの中の勝率1位との日本シリーズ行きをかけたポストシーズンを戦うようにすれば、アメリカと同じように10月を全てポストシーズンにすることで、日本中が野球で盛り上がることもできるでしょうし、この場合の代表というのは国内の地区の代表となるので、高校野球のように地域ごとの盛り上がりも期待できます。

地区分けには色々な方法がありますが、2017年現在の地区別のチームと言えば、
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・北海道 日本ハム
・宮城 楽天
・千葉 ロッテ
・埼玉 西武
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・東京 巨人 ヤクルト
・神奈川 DeNA
・愛知 中日
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・大阪 阪神
・兵庫 オリックス
・広島
・福岡 ソフトバンク
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このように関東に集まってはいるものの東京に2チームあるのが目立つくらいで、うまく全国にばらけていますので東・中・西という3つの地域リーグになります。もし地域的にもう少し球団が欲しいなら、各地区2チームずつ増やして(1チームだけだと15チームになり、1球団があぶれるため)18チームにするとかいろいろ案は出てくるでしょう。新しく参入するチームと既存のチームとの戦力の差を心配される方もいるかも知れませんが、あの楽天だって最初は全然勝てませんでしたし、本日のワールドシリーズで記念すべき1勝目を挙げたアストロズも、球団創設2年目以降6年連続で90敗以上を記録するほどのチームで、さらにそれまでのナショナルリーグからアメリカン・リーグに移った当初は100敗するのが当り前であったほど弱い時代があったにも関わらず、ここまで強くなってきたわけですから、あながち荒唐無稽な提案でもないような気がするのですが。

上記12チームの数を守りたい場合、もっと面白い案もあります。現在日本全国で行なわれている野球リーグを2部リーグとして再編し、リーグ1位のチームと現12チームの最低勝率のチームが入れ替え戦を行ない、負ければ2部に落ちるというものです。地区別のチーム割りについての意見もあるでしょうが、微妙な位置にあるチームが地区移動することで対応は可能なのではないかと思います。そうなれば、万年最下位にいるようなチームだってうかうかしてはいられません。今の経済だけ自由競争をうたっていながら下に落ちる心配もなくのうのうと戦っているチームを無くすという意味でもこうした2部リーグ制というものは地区分けより前に実際してくれれば確実に盛り上がる事は間違いありません。

こんな風にでも考えないと、たとえドラフト会議でスター選手が入るにしてもなかなか日本のプロ野球への注目は今後も集まることがなく、ドラフト対象選手がアメリカの大学に行くなど、本格的なプロ野球離れが起こってくるのではないかと、本日の死力を尽くしたワールドシリーズの試合を見て感じてしまったわけです。少なくとも、これから始まる日本シリーズでは両チームの選手に、最後まで諦めないひたむきなプレーをお願いしたいところです。

(番組データ)

MLB・アメリカ大リーグ ワールドシリーズ 第2戦「アストロズ×ドジャース」
10/26 (木) 8:50 ~ 12:49(試合終了まで放送 延長有)
【解説】斎藤隆,【アナウンサー】高瀬登志彦

(番組内容)
~ドジャースタジアムから中継~