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オリンピックの結果報道で、事前取材を誇られても

多くの競技が開催されているオリンピックの報道において、日本代表からメダリストが出た時には多くの時間を割いて報道したいと思うのは人情であるということに個人的に否定はしないのですが、今回に限ったことではないものの、アスリートの事を報じているような形で、自らの取材能力をひけらかすようなスポーツニュースでの報道がここのところ目に付くので指摘させていただきます。

といっても、朝や昼のワイドショーで大型パネルを使ってそのメダリストの人となりを徹底的に解明するというようなものは、普段のワイドショーとやっていることは変わらないのでそこまで鼻に付いたりはしないのですが、夕方のニュースだったり夜の競技終了後のニュースについては多くの種目で出場している日本選手の結果や(メダリストでなくても活躍して入賞した選手の露出が少ないような気もします)、日本人選手が出ていなくても素晴しいパフォーマンスがあったりあっというドラマがあった種目について紹介してくれるものだと思っていたのですが、なかなかそんな風にはならず、いかに過去からメダリストに取材して肉薄したかという過去に遡って注目していたのだということをひけらかすような過去の取材の様子を延々と流すVTRをオリンピック開催中にわざわざ見せなくてもいいのではないかと思ってしまいます。

どんなに美味しいものであってもそれがいつでも同じようにメインの皿に盛られていると食欲を無くす場合があります。それと同じように、あまりに日本人メダリストへの取材VTRを流し続けるのは、テレビから視聴者を離すきっかけにもなりかねないと思うのですが。

この文章はまだオリンピック開催中に書いているので、個人的に紹介したい前半のハイライトとして実にやるせないと思ったのが日本選手が出場していないリュージュ男子の一人乗りの決勝で、過去3回滑ってトップだった絶対王者、ドイツのフェリックス・ロッホ選手がバンクーバー・ソチに続いての三連覇を賭けた最後の四回目の競技において、最終滑走者のロッホ選手が最後の最後にミスをしてしまい逆転を許し、四位とメダルにも届かなかったことでコーチ役の父親と抱き合って慰めあっていた光景は、ロッホ選手には本当に気の毒ではありますが、これぞオリンピックだという事を感じさせる名場面だと思いました。ちなみにオリンピックだけが全部で4回滑って勝者を決めるものの、世界選手権では4回滑らないということをアナウンサーや解説の方がおっしゃっていたので、今回の四回目でミスをして金メダルどころかメダルも逃すというのはオリンピックであるがゆえの悲劇であるということになります。私などはこの光景を生中継で目にし、まさにソチオリンピックの高梨沙羅さんの事を思い出しました。ロッホ選手にはぜひ次の北京オリンピックでこの借りを返して欲しいと思っています。

このような、事前に盤石の優勝候補だとされている人でも簡単には勝てないのがオリンピックであるものの、本日競技が行なわれた、こちらも日本選手が出場していない男子のスノーボードクロスなどは単なる実力ではなく結果が出るところもある競技なのですが、フランスのピエール・ボルティエ選手がソチに続いて連覇したのは実力とともに相当の運があるということも十分に感じることができます。そのような四年に一度行なわれる大会の様々なドラマを今取材し、今すぐ報道するというところにもスポーツニュースというプログラムの中ではこだわっていただきたいと強く思うのです。

メダリストの苦労や過去の映象はオリンピック終了後の特番の中で本人を呼んで作る番組の中で生かすべき性質のものであり、そんな事をやっているから毎日の熱戦の様子をNHKのオリンピックサイトで見る羽目になるということもあるので、これからはその点だけでもネットの方がいいやと思うようになっていかないか心配になるところもあります。それでなくてもオリンピック開催中はメダリスト出演時間が読めないので普通のニュースとオリンピックのニュースの境目がなくなるところがあるので、きっちりと当日の競技をまんべんなく伝えるようにしてほしいと強く思います。このままの状態が東京オリンピックで繰り返されるとしたら、世界から日本にやってくる観光客にとってもいい思いはしないでしょう。