月別アーカイブ: 2018年10月

ラジオ番組の魅力は人柄が伝わる声にあり

テレビの中でラジオの事を1時間半も語った番組というのはなかなかありません。この番組はNHKの放送なのに、NHKの番組として出てきたのはラジオ放送開始時のJOAKのくだりと、「ラジオ深夜便」に「ラジオ体操」「紅白歌合戦」くらいで、残りの時間のほとんどはニッポン放送「オールナイトニッポン」、文化放送「セイヤング」TBS「パックインミュージック」というかつて隆盛を際めた深夜放送のコーナーが多く、出演者の赤江珠緒さんの現在放送しているTBSのスタジオにお邪魔して、NHKからその日のお題についてのメールを送ってその投稿が番組内で読まれるかどうかを検証したりと、かなり民放のレベルに落とし込んだつくりの番組になっていました。

さらに、メインのビートたけしさんや所ジョージさん自体がオールナイトニッポンのメインパーソナリティだったこともあり、当時の話などをおりまぜてお話をされたりして、かつてリスナーだった方は大変面白く見ることができた内容になっていました。

しかし、最後の最後になって番組ゲストの漫才コンビ「ナイツ」の塙宣之さんが自分のリスナーになっていた番組について半ば恥ずかしそうに告白したことが、実は「ラジオ」の魅力を考える際には大変重要なポイントを示してくれたように思います。番組関係者は、この塙さんのコメントをカットすることなく放送してくれたことにまずは感謝します。

彼がまだお笑いを本気で目指していない頃、とにかく面白いながらパーソナリティが何をやっている人達なのかわからず(^^;)、番組を聞きながらいろいろ勉強したことで今の自分があると言っていたのが伝説の「電気グルーヴのオールナイトニッポン」なのです。この番組については、まだインターネットでググることもできない当時では、「電気グルーヴとは何者か?」という事を知ることが難しいほど世間に知られていない人達でしたが、このラジオによって世に出て(すでにメジャーデビューをしている音楽ユニットではありましたが)、今のピエール瀧さんが音楽活動以外の俳優やバラエティ番組で活躍される礎を築かれた番組でもあります。

現在はネットで何でも検索でき、さらにマニアックなファン層を持つ声優の方々やアイドルの方、お笑い芸人の方も自分のラジオ番組を持ち、それぞれに安定した人気を獲得していると思いますが、ラジオから流れてくる声で初めてその人物を認識し、ラジオの中で話題になっているパーソナリティの周辺の人や今まで全く聞くことのなかった音楽にも興味が向くなんて体験ができた塙宣之は実に幸せなリスナー生活を送っていたと思います。

ラジオでは顔は必ずしも武器にはなりませんし、いわゆる一発芸はラジオでは成立し得ないでしょう。あくまでそのトークと人間性がリスナーの興味を引くかどうかという点がきっかけとなってラジオからブレイクした人というのは、所ジョージさんも電気グルーヴもそうですが芸能界できちんと自分の居場所を作って生き残っています。そしてそれを判断するのが必ずしも最初からファンではない一般のリスナーであるというところもテレビとは違って人気になるのにはそれなりの実力がある人達であると言えるのではないでしょうか。

これからのラジオという事を考えると、今回わずかアプリがあることしか伝えられなかったネットラジオについての可能性もあると思います。というのも、今では必ずしも生でラジオの前で聞かなくても「聞きのがし配信」の機能がアプリには付いています。何か話題になったり友人などから面白いと言われた放送があった場合には、今ではリアルタイムにこだわらなければ、アプリ経由で改めてその面白さを確かめることもできるようになっています。

今後のラジオに望むことは、世の中にはとにかく探せば今テレビに出ていない人でも面白い人はたくさんいると思うので、そうした人材を発掘してきて、まずはラジオからブレイクする人を作って欲しいと思うのです。その人達は当然その後テレビの世界に進出してくると思うのですが、その時にすでにその人のことを知っているというのはなかなか気分がいいものです。ラジオとテレビは表裏一体というところもありますが、お互いに影響し合ってマスメディアの一つとして今後ともよりよく発展して欲しいなと切に願っています。

(番組データ)

たけしのこれがホントのニッポン芸能史(15)「ラジオの魅力を徹底解剖!」 NHK BSプレミアム
2018/10/24 21:00 ~ 2018/10/24 22:30 (90分)
【出演】ビートたけし,所ジョージ,亀渕昭信,赤江珠緒,ナイツ,
【アナウンサー】久保田祐佳

(番組内容)

ビートたけしが日本の芸能史を語り尽くすシリーズ第15弾。今回は深夜ラジオを研究!オールナイトニッポン、セイ!ヤング、パックインミュージック…懐かしい番組が続々!

月曜・みゆき、火曜・所、水曜・タモリ、木曜・たけし、金曜・拓郎、土曜・鶴光!80年代オールナイトニッポンの貴重音源発掘!
▽たけし&高田文夫のやりたい放題伝説!
▽セイ!ヤングのレモンちゃんこと落合恵子がかわいすぎる件
▽パックイン終了抗議デモに警察官も思わず…?
▽鶴光の下ネタ誕生秘話
▽ガチ実験!ハガキ職人を目指せ!
▽ガチ実験!ラジオ体操で友達できるかな?
▽紅白ラジオ放送!幸子の巨大衣装をどう実況?


卓球のプロリーグ化にかけた関係者の根源を探る

東京オリンピックを前にして、各種目でオリンピックのメダル獲得のための強化策は色々ありますが、世界の頂点にあと一歩というところまでやってきた卓球競技の男女日本チームが取った道は海外からの選手を迎えた日本発のプロリーグを作ることにありました。というのも現在、過去には日本の有力な選手が武者修行を兼ねて中国の超級リーグに参加できていたのですが、現在は中国側の事情によりできなくなりました。なぜそんな事になったのかということを考えると、それだけ中国が日本を含む中国に迫る勢力に本気で対策をしてきているということです。そんな中国への包囲網として今回の卓球のプロリーグである「Tリーグ」がなってくれれば嬉しいですし、リーグを通じて日本選手のレベルアップとともに「卓球のプロ選手化」により、卓球をしているだけで食べていける環境が普通になっていってくれることを祈っています。

実は、この「卓球のプロ化」というのはずいぶん前から関係者にとっての悲願だったところがありました。そのことを関係者がいつ意識したのかはわかりませんが、個人的に印象に残っている出来事として記憶している昔というのは、私の場合1977年の9月3日まで時間を遡る必要があります。その日は、日本のプロ野球界にとって記念すべき、読売巨人軍の王貞治選手が通算756号のハンク・アーロン選手の記録を抜く世界新記録(メジャーリーグと日本のプロ野球との違いは当然あります)を達成した時です。

なぜ王貞治氏と卓球のプロ化が関係あるのか? と言われそうですが、個人的に王貞治氏の中学校の時の恩師にインタビューした新聞記事が世界新記録を達成した時に載ったのを読んだ記憶があり、そこでの恩師の言葉を読んだ卓球関係者がいたら、当時の野球と卓球の環境の違いにがっかりしたことが想像できるからです。インタビュー記事の内容は全て正確というわけではありませんが、恩師の方は王貞治氏が中学までは野球と卓球の二刀流の選手で、卓球の実力も相当なものだっとということと、恩師の見立てではもし王貞治氏がずっと卓球を続けていれば、間違いなく日本チャンピオンになれる素質の持ち主だったということを話しています。そして、最後に決定的な一言を放つのです。

「でも卓球より野球の方を選んでよかったんでしょう。卓球では飯は食えませんから」

当時から卓球の一流選手は大学や社会人のリーグ戦があったものの、単なる企業の社員という立場から脱することはできず、企業も景気に左右され選手への支援を打ち切るような企業も多くありました。それに比べて野球選手であれば常に活躍すれば翌年の年俸に跳ね返り、コマーシャルなどの副収入も入ることで莫大なお金と名誉を手中にすることができ、当然ながら競技にのみ集中することができます。当時の卓球はまだオリンピックの種目でもありませんでしたし、世界選手権でチャンピオンになっても日本ではお金という面では全く恵まれていなかった状況でした。

そこから40年が経過し、まさか本当に日本の卓球にプロリーグができるとは正直思いませんでした。リーグスタートの前日に、ここまで日本国内で卓球というスポーツが盛り上がるきっかけを作った福原愛選手の引退会見がありましたが、Tリーグでは彼女も設立に関わり、今回の放送でもマイクを握りテレビ出演を果たすだけでなく、彼女の夫も選手としてリーグに参加するなどTリーグの盛り上げに一役買っています。

さて肝心の試合内容ですが、国内トップ選手で固めた東京と、海外からやってきた世界トップ選手を揃えたさいたまとの対戦で、まださいたまの方は連携やチームの盛り上がりに欠ける部分もあったのかも知れませんが、最終試合でさいたまに敗れたものの東京の完勝に終わりました。そして、予定の放送時間をオーバーしても最大54分間の延長放送を決めていたように、BSテレ東の総力を結集したかなり力の入った中継だったように思います。

リーグがどのくらい盛り上がるかというのは、やはり実際に会場に足を運ぶ人だけではなく、いかに生中継でリーグの模様を伝えるテレビ中継かネット配信が入るかどうかにもかかってきます。さすがに全試合の中継はBSテレ東では難しいかも知れませんが、注目の試合についてはしっかりと生中継を続けて欲しいと思います。そうすれば、ゲームの内容自体はかなりレベル的には高いと思うので、多くの人が楽しめるコンテンツになるのではないかと思います。今後は男子女子とも新しいスターがTリーグから出てきて欲しいものです。

(番組データ)

BSテレ東始動スペシャル 卓球Tリーグ開幕戦 T.T彩たまvs木下マイスター東京 BSテレ東
10/24 (水) 18:30 ~ 21:00 (150分)
【主な出場予定選手】
▼水谷隼(木下マイスター東京) *世界ランキング12位
▼張本智和(木下マイスター東京) *世界ランキング8位
▼吉村真晴(T.T彩たま) *世界ランキング27位
▼黄鎮延(T.T彩たま) *世界ランキング9位 (ランキングは2018年10月現在)
【スペシャルキャスター】 福原愛
【キャスター】 増田和也(テレビ東京アナウンサー)
【解説】 宮崎義仁
【実況】 中川聡(テレビ東京アナウンサー)

(番組内容)

卓球ニッポン新時代の幕開け、Tリーグがついに開幕!引退発表した福原愛がスペシャルキャスターとして登場。歴史的瞬間を国技館から生中継!▽最大延長21:54まで
日本卓球界にとって歴史的瞬間が訪れようとしている。福原愛がけん引してきた日本卓球界は水谷隼、石川佳純、平野美宇、伊藤美誠、張本智和など若きスター選手が続々と誕生。男女ともに世界一に手が届くほどの実力をつけ、いまや卓球は国民的人気スポーツとなりつつある。
そして2018年、東京五輪を前に卓球新リーグ「Tリーグ」がついに開幕。世界各国からトップ選手が集結し、世界最高峰の戦いを繰り広げる。テレビ東京/BSテレ東では、聖地・両国国技館で行われる男女開幕戦を生中継! 引退を発表したばかりの福原愛がスペシャルキャスターとして、卓球ニッポンの歴史的瞬間をお届けします。

○Tリーグ概要(レギュレーション)
・男女各4チーム、各チーム6名以上。
・レギュラーシーズンは各チームが7回総当たりの21試合。
・リーグ戦の1・2位チームがファイナルを行い優勝を決める。
・基本は4マッチ(3シングルス、1ダブルス)で構成。
・第4マッチまでの出場者は試合前に確定し、メンバー交換。
・シングルスは5ゲームマッチ、ダブルスは3ゲームマッチ。 各マッチ最終ゲームは6-6からスタート。
・第4マッチ終了時にマッチカウント2-2の場合、延長戦を行う。
・延長戦は1ゲーム(11ポイント)マッチ。出場者はその場で決定。
・全チームマッチは必ず第4マッチまで実施(3-0でも第4マッチを必ず実施する)。
・1チームマッチには4名以上出場しなければならない。
・1人の選手は、1チームマッチのうち最大2マッチまで出場できる。
・シングルスは1マッチまでしか出場できない(延長戦を除く)。
・1人の選手が延長戦を除く連続する2マッチには出場できない。


ネット配信が当り前になればスポーツの楽しみ方も変わるか

テレビとネット配信というのは、それぞれ違った特性を持っています。今回紹介するDAZNは日本でサッカーJリーグの試合を全試合中継するということで加入したのですが、MLBメジャーリーグの試合や、日本のプロ野球、サッカーの欧州チャンピオンズリーグの放送権も入手して見られるコンテンツが増えてきたところ、今回紹介するボクシングの世界タイトルマッチの中でも日本中が注目する存在の村田諒太選手の防衛戦を生中継するということで話題になりました。

それまでボクシングは地上波のテレビでも高視聴率が取れる素材であったように思いますが、今回の試合は自由にテレビ局が試合の時間を決められる国内での開催ではなく、メインイベント前にも多くの注目すべき試合が多くあるアメリカ・ラスベガスでの試合になります。一応DAZNでは午前11時からの試合予定になっていたのですが、その日の試合は白熱し、時間的にはかなり押して試合スタートは約1時間半遅れることになりました。

実際のところ、テレビでの中継が実現していた場合多くの人に注目されているがゆえに、時間がずれただけでも多くの不満が出てくる可能性があります。しかし、ラスベガスの会場では淡々とマッチメイクされた試合が進行していくだけで、今回のような事はごく普通のことです。また、テレビにはスポンサーが付くのですが、日曜であるとは言え午前中に行なわれる試合にどこまでスポンサーが付くのかわかりませんし、かといって生中継でなく録画放送にしたら非難が上がるでしょう。

ボクシングは12回戦とかであっても先日の井上尚弥選手の試合のように相手を秒殺で倒してしまうような事が起きるとそこで試合は終わってしまうため、そうなったらそうなったでテレビとしては間が持たなくなります。時間の縛りがあるテレビで生中継のスポーツを中継することについて、テレビがどれだけ工夫しているのかということが個人的には気がかりです。

テレビがデジタル放送になったことで、メインチャンネルの他にサブチャンネルが使えるようになりました。日本のプロ野球と違って永遠に延長が続くメジャーリーグの中継をNHKBS1が行なえているのは、高校野球が総合テレビと教育テレビのリレー中継を行なうかのごとく、メインチャンネルとサブチャンネルでリレーして中継することができているからだと思います。これは、日本のテレビ局が口を出すことができない海外でのスポーツであるため、試合終了までサブチャンネルを使ってでも中継するように日本のテレビ側が現地の内容に合わせた形で中継を行なっているわけです。

今回のボクシングも、メインイベントだけを見られればいい村田選手のファンのためだけの中継ではなく、現地ではメインイベントの前でも各選手は自分の未来を賭けた試合を行なっていますので、DAZNが設定した試合予定の時刻にそのまま始まるわけではありません。当日は早くからネット配信を続けていましたので、その様子を通しで見ることで改めてアメリカのボクシングの層の厚さを思い知った上で村田選手の世界タイトルマッチを見ることができました。
試合結果は残念ながら判定での王座陥落となり、直後のスタジオはお通夜みたいに沈んでいましたが、やはり世界の頂点に立つ前の段階でこれほど強い選手がいるのかという風に思えることで改めてボクシングの魅力に引き込まれた方も少なくないと思います。Jリーグの試合を見るためにDAZNに加入していた人が、新たにボクシングの試合も見たいと思ってくれれば、DAZNの目論みは成功したと言えるのではないでしょうか。

今回改めて思ったのは、テレビとは相性の良くないスポーツについてはもっとネット配信による中継が増えた方が多くの人がスポーツに触れ合うことができる可能性が出てくるということがあるということです。世界選手権やオリンピックではテレビ放送があっても、そこまでの大きな試合でないものについて、逐一テレビで追い掛けるというのはよほどのスポンサーを集めないと不可能でしょうから、常に現地からの生中継をスポンサーとは関係なく行なえるネット配信によるスポーツ中継に期待が高まるということになります。

時代の流れとして、今回のように注目のスポーツイベントがテレビで中継されずネット配信だけで見られるということが普通になっていく可能性はあります。それと同時に考えられるのが、テレビに様々なネット配信のサービスに対応する機能が付くということです。そうなると、家庭でもテレビのリモコンを押すだけで、インターネットとつながったテレビからスポーツを見るようになるのが普通になってくるかも知れません。

(番組データ)

WBA世界ミドル級タイトルマッチ:村田諒太 VS ロブ・ブラント
2018年10月21日 11:00(予定)
【実況】鈴木健
【解説】山中慎介
【スタジオゲスト】香川照之 西岡利晃


戦争の悲惨さを普段見ない視点で描いた珠玉のドキュメント

番組がお昼に放送されたこともあり、なかなか全ての人が見られない番組ではありましたが、一年に一回あるテレビ番組コンクールの賞を受けた番組をNHKと民放の垣根を超えてオンエアーするという珍しい番組になっています。ちなみに、これはテレビだけではなくラジオでもNHKが賞を受けた民放の番組を流したりしていましたので、特に民放では深夜早朝でしか見られない良質のドキュメンタリーを直接見ることができるチャンスです。

コンペで最高賞を受ける作品の題材について、どうしても戦争に偏ってしまうのは仕方のない気もしますが、今回の放送で見ることのできた作品は、ちょっと食傷気味な戦争の切り口ではない番組が目立ち、さすがに評価を受けた番組が集まっているなと感じるには十分なものばかりでした。

広島テレビ放送の「NNNドキュメント」の中で放送されたアメリカ人被爆者について取材した番組は、前アメリカ大統領のオバマ氏がまだ大統領だった頃に広島の慰霊祭にやってきて行なったスピーチを放送していましたが、広島でオバマ氏と抱擁した日本人の男性は誰なのかということが、このドキュメンタリーを見たことで私自身初めて知りました。森さんと呼ばれるその人は、自身が被爆者であり12人と少ない人数ながらその時に広島にいた米軍捕虜たちの被爆者の詳細について調べ上げた森重昭さんであったのです。

広島では在韓被爆者の扱いが違うということは知っていましたが、当時広島にアメリカ兵の捕虜がいたという事自体、知らない人が多かったと思うので、こうした番組が賞に選ばれることで見る機会が増え、今回私も見ることができたことは良かったと思っています。

さらにそういう意味で、全く知らない太平洋戦争に関わる事実を知ることができたNHKBS1の「BS1スペシャル 父を捜して 日系オランダ人 終わらない戦争」の衝撃は半端ないものになりました。

日本がオランダが当時占領していたインドネシアに侵攻し、その一帯を支配した時期がありました。日本では当時、日本軍が南洋の島々への実効支配を固めるとともに、異国情緒あふれた南洋の様子を歌った歌謡曲が流行るようになります。例えば灰田勝彦さんの「ジャワのマンゴ売り」や「バダビアの夜は更けて」のような歌は、軍国主義により戦意高揚の流行歌ばかりになりがちであった日本の歌謡曲の中で、あえて戦地の事を異国風のメロディに乗せて歌うことで、軍歌以外の曲を流行らせ、甘いメロディや歌詞を出しても検閲を逃れた面もあったように思いますが、この番組で紹介されるような悲劇をテレビからではありますが目にしてしまった今となっては、その認識を改めざるを得ないようなことにもなってきます。

というのも、今オランダでは母親がオランダ人やインドネシア人で父親が日本人という日系オランダ人の方々が今でも太平洋戦争の影響で苦しんでいるというのです。自分の父親である日本人が終戦とともに逮捕されたり日本に帰らなければならなくなったことで、自分の肉親が誰なのかわからずに、自らのルーツ探しをしている人がいるという現実が今もあるのです。

すでに当事者である日本人の父親はこの世にはいない場合も多く、その遺族からするといきなり私はその男性の子供ですと言われても、返答すらしない日本人も多いとのことなのです。番組に出演した方はオランダ人の母と日本人の父との間に生まれたことで、日本軍の捕虜になって強制労働や拷問を受けた事で日本に対する強い憎しみを持つ継父から執拗ないじめを受けた体験や、虐待の延長のような形で継父にレイプされて子供を生んだという衝撃の告白をするなど、今回の番組に出演した方々は赤裸々な生涯について告白されていました。

見ている方としてはなぜそこまでぶっちゃけて話すのかという疑問は当然出てくるようで、番組を見終えた森達也さんが番組プロデューサーにその件についての質問していたのは最もでした。なぜそこまでカメラに向かって話すかというと、自分の父親を知ることができた人というのは少ないらしく、先述のように日本に問い合わせをしても梨のつぶてという事がほとんどなので、他の父親を探している仲間についても自分の父親が誰かを知ることができるよう、日本のテレビクルーに自分達の抱える問題を見せることで、日本で番組を見ている日本人にそうした活動に協力して欲しいという願いを込めてのことのようです。

番組では当時者の日系オランダ人のお孫さんが自分の親のルーツを調べたために、異きょうだいと当事者の母親や継父とも絶縁するに至った事を紹介されていましたが、そんな事が、多くの人が太平洋戦争を忘れようとしている今に起こっているというのは、当時国の一つである日本に生きる身としては大変なショックを感じざるを得ませんでした。この番組を見るまでは、南国を舞台にした戦時中の歌謡曲というのは、戦時中でもほっとできる清涼剤のような存在なのではないかと思っていたのが、実はとんでもない人の営みを生みだした原因の一つだと、今までと変わった見方をするに至りました。

現在の日本ではなかなかテレビドキュメンタリーに日の目が当たる機会がなく、見る事自体も大変です。そんな中で良質のドキュメンタリーは何だったかを教えてくれ、さらに今まで全く知らなかったような事実を教えてくれる番組をまとめて見られる機会であるこの番組は毎年継続してチェックしておくべきだとしみじみ思いました。

(番組データ)

ザ・ベストテレビ2018「第二部」NHKBSプレミアム
10/15 (月) 12:30 ~ 16:40 (250分)
【ゲスト】森達也,梯久美子,小原一真,中村育子,金本麻里子,加藤紗千子,
【司会】三宅民夫,雨宮萌果

(番組内容)

この1年、国内の主要なテレビ番組コンクールで最高賞を受賞したドキュメンタリーをNHKと民放の垣根を越えて放送する。

「第二部」10月15日(月)午後0:30~4:39(4時間09分)
▽午後0:36ごろ~地方の時代・映像祭賞「かあちゃんのごはん」(信越放送)
▽午後1:36ごろ~放送文化基金賞・ATP賞「BS1スペシャル 父を捜して 日系オランダ人 終わらない戦争」(椿プロ/NHK)
▽午後3:37ごろ~民放連賞テレビ教養番組「知られざる被爆米兵 ヒロシマの墓標は語る」(広島テレビ放送)


優勝者に何も賞品・賞金のない深夜のクイズ番組の「チキンレース」

TBSの番組改編期に放送される「オールスター感謝祭」のセットと出演者の一部をそのまま使い、余った席にお笑い芸人を参加させて深夜のクイズ・ゲームで競う企画も今回で2回目となりました。前回は探り探りやっていた感が満載でそれ自体が面白かったのですが、不確定な事を生放送でやると大変危険なことも改めてわかったような感じで、今回はいかにして「真面目にクイズに取り組んでもらうか」ということをテーマにしてクイズ中心に番組は進行していきました。ここではまず、今後見返すために番組で起こったことを、まずは思い付くまま書いていきます。

前回は、お笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳さんが最下位になったのですが、一部の番組を見た人の間では、これは完全な「最下位狙い」の態度ではないか? と思わせるに十分な状況でした。そうした経緯を受けて、クイズで最下位になった人は、今後のオールスター後夜祭には出入禁止にするとし、前回最下位の新道さんも参加せず、「馬鹿よ貴方は」からは、平井”ファラオ”光さんだけが参加していました。

まず、相撲を題材にしたネタをするタレントの「あかつ」さんは、なぜオールスター感謝祭の赤坂5丁目ミニマラソンに出ないのか(延々とすり足で進むのみ)と、感謝祭の中でも指摘があったのですが、後夜祭の最初にその謎が判明しました。個人的には痛風が再発した影響か? と思っていたのですが、後夜祭の生放送企画で、「オールスター感謝祭」が始まった午後6時半に青森をスタートし、後夜祭の生放送が終了する翌日午前3時頃までにスタジオに帰ってこられるか? という問題一問のためにヒッチハイクの旅に行かされたのでした。結局、青森から八戸までという約束で乗り込んだものの、自宅のある八戸から何と東京のスタジオまでご好意で送ってくれたトラックの運転手の方のおかげで、番組終了ぎりぎりで放送に間に合いました。

そして、これはネットニュースにもなっていましたが、最初のクイズのピリオドが終わった後のCM明けに、いきなり司会の有吉弘行さんが特定の出演者である「ハナコ」の3人に詰め寄り、周辺の芸人も心配して集まってきて、アシスタントの高山一実さんも一体何が起こったのかとこわばった表情をしたハプニングらしきスタジオの状況から始まりました。その後、有吉弘行さんは司会の位置に戻ったものの、ほっぺたを膨らませて「ハナコ」の面々を許さないとでも言うような表情をカメラにわざと映させていました。

実はこれは、恐らく高山さんとも打ち合わせなしで、かつて「オールスター感謝祭」で自分のところに挨拶に来なかったと言って今回と同じように「キングオブコント」勝者の「東京03」の3人にご立腹した今は芸能界を引退されている島田紳助さんの動きをなぞって行なっただけの話なのですが、番組でも字幕でも何の説明もなかったので、この騒動を知らない人は、ネットの実況を確認しながら見ていないと何が起こったのかわからない人もいたかも知れません。そういう意味では、現在はテレビとネットというのはある意味相関関係にあり、テレビで起こった事が何なのかわからなかった場合は、「5ちゃんねる」や「Twitter」の実況を確認することも必要なのかと改めて思った次第です。

クイズの内容についても過去に覚醒剤取締法で逮捕された酒井法子さんが正解になるクイズがあったり、長嶋一茂さん宅の落書きがテーマになった問題があるなど、それなりに深夜帯ということで攻めている感じはしましたが、もう少し突き抜けた問題や、マニアックな問題が出ても良かったのではないかとも思えました。ただこれは、今後も続いていく番組のことなので、一気に爆発してすぐに打ち切りにならないように、まともな問題の中にとんでもない問題が隠れているというようなスタンスが良いのかも知れませんが。

クイズ以外の企画も最初に紹介した「あかつ」さんの青森から東京へのヒッチハイク企画など色々ありましたが、ハプニングでピンチを笑いに変えた場面がありました。スタジオに用意された体重計に乗りジャスト1トンにするというゲームがあったのですが、一回目は無事に終了したものの、二回目に大勢の芸人が体重計に押し寄せるように集まったところでエラーになって企画そのものがストップしてしまったのです。

しかし、体重計の表示のところに「Load」という表示が出たことから、何か変な流れになってしまったのでした。この文字にかぶせるように「The虎舞竜」の「ロード」が流れてきたので、これはあらかじめ計算されたハプニングなのでは? と見た私自身も思ってしまいました。しかし、実際は本当のトラブルだったようで、「この「Load」という単語は日本語では「負荷」という意味で、この表示が体重計に表示されたというのはヤラセでも何でもなく、単に機械の調子がおかしくなってしまったということだったのです。

それにしても、音効の中に後のクイズでくり返し流される予定の「The虎舞竜」の「ロード(こちらの綴りは「Road」です(^^;))」を流したのは現場の判断とは言え実にスタッフと出演者との連携が取れているという感じを受けました。恐らくボタン一つで「ロード」が流れるようにセットされていたものを、この機会に押すしかないと判断した音効の技術スタッフにここは拍手を送りたいと思います。

今回の優勝はGAG宮戸さん、最下位はアイデンティティ見浦さんでした。番組で最初から宣言されていたように、この番組は優勝を争うものではなく最下位を決める番組であったため、優勝したGAG宮戸さんには一切の賞品・賞金はありませんでした。こんなクイズ番組は本当に珍しいもので、実際のところはできるだけ面白解答を連発しながら皆で最下位にならないように競うチキンレースのようになっていました。ですから、途中にザ・グレート・カブキさんの毒霧を1分間で何人分吹けるか(正解は27人)という問題が出て、実際に毒霧を食らう人を決めるのに使われたのは、そこまでのクイズ成績が下位60名というリストでした。これではすぐに自分が多少は頑張らないと最下位になるという危機感を煽ることができます。さらに、最初に書いた通り最下位になってしまうと、これからの「オールスター後夜祭」への出演はできず出入禁止になってしまうというペナルティと、獣神サンダー・ライガーさんとザ・グレート・カブキさんに痛めつけられるという罰ゲームも待っています。

そこで本当に負けてしまったアイデンティティ見浦さんは、恐らくほとんど正解はなかったと記憶していますが、もしそこで同じように全問解答を拒否するように人が複数出てきたらどうなるのか? という妄想が頭をもたげてきました。芸人の皆さんにはそんなチキンレースにもチャレンジしてほしいという気もしますし、もしそんな「同点最下位」が多数出た場合どうするのかという事についても注目して見ていきたいと思います。

(番組データ)

オールスター後夜祭’18秋 TBS
2018/10/07 01:03 ~ 2018/10/07 03:03 (120分)
【MC】有吉弘行、高山一実(乃木坂46)
【解答者】アイデンティティ、アインシュタイン、アキラ100%、阿佐ヶ谷姉妹、アルコ&ピース、アンガールズ、安藤なつ(メイプル超合金)、いかちゃん、EXIT、イワイガワ、岩井勇気(ハライチ)、インスタントジョンソン、ウエストランド、うしろシティ、大西ライオン、岡野陽一、お侍ちゃん、オジンオズボーン、おばたのお兄さん、カミナリ、ガリットチュウ、かんちゃま、
神奈月、菊地優志(ワンワンニャンニャン)、きつね、桐野安生、Groovy Rubbish、クロコップ、小石田純一、コウメ太夫、小坂なおみ、コロコロチキチキペッパーズ、紺野ぶるま、ザ・ギース、サツマカワRPG、さらば青春の光、サンシャイン池崎、三四郎、GAG、Gたかし、ジャッキーちゃん、ジャングルポケット、じゅんいちダビッドソン、ジョイマン、新宿カウボーイ、ずん、だーりんず、ダーリンハニー、
タイムマシーン3号、たんぽぽ、ちゅうえい(流れ星)、チョコレートプラネット、どきどきキャンプ、とにかく明るい安村、トンツカタン、西村瑞樹(バイきんぐ)、ニッチェ、ニッチロー’、脳みそ夫、ノッチ(デンジャラス)、パーパー、バイク川崎バイク、Hi-Hi、X-GUN、花香よしあき、ハナコ、ハマカーン、浜ロン、原口あきまさ、ハリウッドザコシショウ、ピーマンズスタンダード、平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)
ブリリアン、HEY!たくちゃん、ペンギンズ、槙尾ユウスケ(かもめんたる)、牧野ステテコ、マシンガンズ、街裏ぴんく、マヂカルラブリー、Mr.シャチホコ、宮下草薙、ミラクルひかる、むらせ、モグライダー、やさしい雨、やさしいズ、安田大サーカス、U字工事、ゆーびーむ☆、ゆってぃ、四千頭身、ラブレターズ、ルシファー吉岡、レイザーラモン、ロビンフット、和賀勇介、ワタリ119(キラキラ関係)、わらふぢなるお
【プロデューサー】福田健太郎
【演出】藤井健太郎

(番組内容)

有吉弘行&高山一実(乃木坂46)司会で「感謝祭」深夜の延長戦!芸人160人が感謝祭セットをそのまま使って深夜ならではのクイズや企画に生放送で挑戦!生電話に毒霧も


「白米離れ」で心配になること

番組の題名にもなっていない、後半でちょっと触れられた内容がかなり重大なことなのにサラッと流されたのが気になりました。というのも、現代の学生の中には味の付いている主食を好むあまり、パンや麺類を好む食生活になっていて、学校の給食ではあえて「パン」と「ごはん」を選べるようにしているところがあるというレポートを報じていました。さらに状況の変化に個人的にびっくりしたのが、濃い味が付いていない白米が「嫌い」だと公言する児童や生徒がいるという事実です。

別にここで、日本の農業の将来を憂うとかそういう事ではないのですが、いつもパンを中心の食生活をしていても、白米が嫌いだから食べないというような人が増えているということになると、それで本当にいいの? という気持ちになってしまいました。番組は時間が30分と短かく、さらにVTR中心の番組であるので、いまいち白米そのものが嫌いな日本人が増えつつあることについての話はないまま番組は終了しました。

この文章を書いている2018年9月から10月にかけて、北海道で大きな地震があり、さらに台風24号と25号の接近により長期の停電に見舞われたケースが立て続けに起きました。何もない日常でなら菓子パンも買え、冷凍食品を電子レンジで温めて食べることもできます。しかし、北海道の地震では停電の影響で現金を引き出すためのATMすら動かなかったところもありました。番組ではおじいちゃんに送ってもらったお米が余ってしまって困っているという小さい子供のいる主婦に取材していましたが、もしそんな家で長期間の停電に襲われた場合にどうなるのかを考えてみてください。

家庭内で小麦からパンを焼くのは大変ですが、お米があれば多少の知識と経験は必要なものの鍋と水とカセットコンロがあれば炊きたてのご飯をいただくことができます。そして常温で保存でき、一食単位のコストも安くて済むお米というのは、ある意味究極の非常食とも言えます。パン食が中心の家庭であっても、お米の品質が低下する前に食べきるくらいの量を備えておけば、少なくともひもじい思いはしなくて済むと思うのですが、その時に白米が死ぬほど嫌いな人が多くなっていたら、災害中の楽しみであるはずの食事がストレスになる可能性もあるわけです。

もちろん、日々の生活の中で何を主食にするかというのは個人の自由ではあるのですが、今回紹介したような災害時の非常食としてだけでなく、日々の生活のためのコストを下げるためにもお米を炊いて食べるという習慣を捨てるのはあまりにも勿体無いという気がして仕方ないのです。できればそこまで番組では突っ込んで欲しかったなと思いますが、問題提起をしてもらい、現在の日本では何が起きているかということを知らせてくれたことには素直に感謝したいですね。

(番組データ)

所さん!大変ですよ「なぜか大人気!?超高級マヨネーズの謎」NHK総合
10/4 (木) 20:15 ~ 20:45 (30分)
【司会】所ジョージ,木村佳乃,久保田祐佳,
【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,マヨネーズコレクター…スー
【リポーター】井上裕貴,
【語り】吉田鋼太郎

(番組内容)

1個百円の卵を使った超高級マヨネーズが売れに売れているという。実は今は空前のマヨネーズブーム。背景にあるのはカット野菜人気だった!激変する日本の食卓の実態とは?

鹿児島の山間部で作られる超高級マヨネーズが、生産が追いつかないほど売れている!?実はマヨネーズの消費量は過去最高を更新中。空前のブームの背景にあるのは、料理の手間いらずの「カット野菜」人気だった。一方子育て世帯の食卓からはコメが姿を消している!?ピザやパスタなど味のついた主食を好む子どもたち「好き嫌いをなくすより楽しい食卓が優先」という保護者…激変する現代日本の食卓、その衝撃の実態をリポート。


改名記念番組は「テレ東」のユルさと企業紹介がキモ

今まではBS7チャンネルは「BSジャパン」という名称で放送をしてきましたが、このブログでも呼び方を改めて「BSテレ東」という新社名を付けて番組を紹介することとします。なぜこんな変更が行なわれたのかと言うと、業績好調な地上波の「テレビ東京(愛称として「テレ東」と呼ばれる)」の方がキー局のない地域であっても名前が浸透しているということがあるからでしょう。

一般的に「テレ東」と聞いてどんな番組を放送しているか? と訪ねられた時、好きな番組を知っている人なら他局と比べて予算はないものの、アイデアで勝負する番組が多かったり、進行自体も緩いということで、その「ユルさ」が好まれているということもあるのではないかと思います。

この番組では自社の社名変更にかこつけて、「改名で泣いた笑った」というテーマで様々な名前について緩い進行で番組が進んでいきます。それ自体が全国で見られるBSでも地上波の「テレ東」らしい番組が見られるのではという期待感が出てきますし、個人的には地上波スポーツの一押しである卓球について、地上波と同じように生中継の放送を増やして欲しいと思いますが、今回の番組の後半ではこれぞテレ東というようなコーナーもありました。

それは改名した企業の代表に登場してもらい、その会社の様子を取材した内容になっていたのですが、これこそ日本経済新聞と提携したテレ東の強みのように感じます。BSジャパンの時にも周回遅れで「ガイアの夜明け」のような良質な企業に取材した番組を放送していますが、こうした方面でも他の局にないような番組を送り出して行って欲しいと個人的には思います。

ただ、問題は果たして今回の社名変更が、肝心の「BSテレ東」にとって良かったのか悪かったのかという評価になってくると思います。BSで放送を始める時に「テレ東」という名前はあえて使わず、「BSジャパン」というまさに大海原に出向するような意欲のある名前にした事は気持ちの上では評価できたものの、現代では無理をせずに身の丈に合った番組を作る「テレ東」というローカル色丸出しのような名称の方が世間に浸透したというのは、大資本に向かっていく向かい方の違いではあるものの、決して後ろ向きな改名ではないと思えます。

こうした戦い方というのは、実は「BSテレ東」と名前を変更することで、普通に通販番組の多いBSというイメージを転換したり、全国のキー局として知名度がある他のチャンネルと本格的に争っていくという宣戦布告だというようにも取れるところがあります。まだその概要は見えてはきていないものの、今後の「BSテレ東」がどのような番組を全国にいる視聴者に届けてくれるのか楽しみにしたいと今は思っています。

(番組データ)

名前を変えて笑った人泣いた人 波瀾万丈伝<BSテレ東始動SP> BSテレ東
10/1 (月) 18:55 ~ 20:55 (120分)
【メインMC】高橋克典
【アシスタント】福田典子(テレビ東京アナウンサー)
【ゲスト】徳光和夫、柴田理恵、井森美幸、ナナナ&ハチ ほか
【プレゼンター】モンキッキー、AGC広報 ほか
【ナレーション】島田弘久(テレビ東京アナウンサー)

(番組内容)

10月1日からBSジャパンはBSテレ東に社名変更!ということで、緊急企画!“名前を変えた”ことで運命が変わった面白ストーリーを、テレ東っぽく、ご紹介!

BSジャパンはBSテレ東に社名変更。という事で、緊急企画!“名前を変えた”ことで運命が変わった面白ストーリーを紹介! 結婚、地名や歴史上の人物からビジネスまで、改名にまつわるバラエティー! さらに「BSテレ東」の社名変更について街頭インタビュー!その結果は??? 2時間たっぷり!「名前を変えて」起こった悲喜こもごもを掘り下げます!!

◆「運勢あがった」「画数増えて面倒になった」人にインタビュー
◆「魚」さん「牛」さんなど変わった苗字の家に嫁いだ人にインタビュー
◆実際にあった改名にまつわるエピソード
◆歴史上の人物も名前を変えた?
◆工場誘致後に名前を変更した市で、アウェイ感を感じている営業所の所長が登場!
◆最近、地名変更を発表した市とは? 【会社名や商品名では?】
◆最近社名変更した会社
◆長い名前の会社
◆名前を変えてブレイクした商品