222twellV」カテゴリーアーカイブ

普通の「漫画のドラマ化」とは違う「課長バカ一代」

Twitterの方でもつぶやきましたが、愚かなことにこのドラマが放送開始していたことをしばらく知らず、テレビでのオンエアはようやく4回目の今回になって初めてテレビで見ることが叶いました。

原作の漫画をご存知の方には何を今さらという事もあるでしょうが、偶然にこのドラマに遭遇された方は、見た後の処理に困るドラマなのではないかと思ったりします。ある意味偶然なのか、それとも今になって実写ドラマ化を目論んだ関係者の方の思い通りなのかはわかりませんが、漫画の「空手バカ一代」を知っている方ならかろうじてふざけた題名の付け方だくらいの事はわかるでしょう。

しかし、それすら知らずに見てしまった方は、「企業モノ」「国内有数の家電メーカーが舞台」「課長とトップとの関係」など、まさかこんなギャグ満載で、内容などまるでないドラマだとはわからなかったでしょう。それで時間を損したと思うのか、これは一体何だと興味を持つのか、意見が二つに分かれるドラマであると思います。

ドラマ自体は、やはりキャスティングが絶妙だということがまずあります。原作の漫画ではひたすらアジア系のイケメンを描かせたら当代一という池上僚一先生の絵をリスペクトする(?)、野中英次氏のキャラクターの雰囲気を漂わせた尾上松也氏および歌舞伎界から担ぎ出された方々をはじめとするキャストが原作を真面目に消化しようとして演技されている事が、さらにドラマの面白さを醸し出しています。

今回は主人公で尾上松也氏演じる八神と社員前田役の木村了氏とのしりとりからの古今東西ゲームの流れが秀逸でしたが、個人的には尾上松也氏の八神っぷり以上に木村了氏の前田っぷりも気に入ってしまったのですが、木村氏は同時期に開始されたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の告知は彼のブログでしっかり行なっているのに対し、「課長バカ一代」についての記載は一切ないおしゃれな写真入りブログを書いているという現実を知った時、本当におかしくて笑ってしまいました(^^;)。

彼のブログにはドラマの告知以上に劇団の事について書かれていたことで役者稼業に真面目に取り組んでいることがわかるのですが、前回の第3回で出てきた内容の中で、真面目に演劇論を争わす役者を笑うかのような原作の内容に寄っていってしまっているように思えてしまったのです。木村氏演じる前田は、主人公の八神にまるで劇団のオーディションのような無茶振りありの演技実演をドラマの中で披露していまして、そのやり取りが真面目になればなるほど、真剣に演技に取り組んでいる役者を莫迦にするような内容にドラマが進行していくのです。もしかしたら木村氏はこのドラマをあまりファンに向けて告知したくないのかも知れませんが、それはそれで役者魂にあふれた熱演であったことは間違いないので、特に舞台の木村氏を知っている人にこのドラマを見てもらった方が面白いのではないかという気が私にはするのですが。

私は今、前回(第3回)の放送について書きましたが、実はこのドラマはTwellVだけでなく「ひかりTV」でも配信されていて、この「ひかりTV」の見逃し配信をしているのがNTTdocomoが提供する「dtvチャンネル」に契約すると見ることができます。というわけで何とか自分が知らなかった初回からの放送を見た上でこのドラマの評価をすると、漫画と違う部分はありますが、上記に書いたような役者の方々の内面の奮闘の様子が垣間見えるという意味で、自分はがっかりするような事はなく、むしろ漫画の筋とは違う部分でどう役者が存在感を出していくのかという観点で見させていただいています。そういう意味では、役者の方々とともに、制作しているスタッフの方々の存在感が感じられてしまうというところもあります。さらに、今後出てきたり物語の中心となるかも知れない役者さんはどのようなアプローチでこのドラマに当たり、漫画とは違う面白さを出していってくれるのか? という興味が今後も続く事になるのではないかと思ったりします。

(番組データ)

ドラマ「課長バカ一代」第4話 BS12 TwellV
2020/02/02 19:00 ~ 2020/02/02 19:30 (30分)
【出演者】尾上松也、木村了、永尾まりや、板橋駿谷、武野功雄、坂東彦三郎、市川左團次 ほか

(番組内容)

社長・松平からAIロボットの開発を命じられた八神と前田。前田が開発に一心不乱になっている矢先、突如八神がとしりとりを始め、白熱は朝まで続く。そして遂に、八神がロボットのスケッチを書き上げる。しかし「このままではダメだ!」と悟った前田は、一人ロボット工学の権威がいる香港へと飛びだつのだった。香港から戻った前田は、皆にお土産の饅頭を配るが…。


突然の最終回発表にも理解したい事

このブログにおけるTwellVの番組についての論評のほとんどが「チャリお遍路」ということからもお察しの通り、後発の放送局の作る独自番組としては面白く見られる貴重な存在であったのですが、番組スタートから一年間で無念の最終回になってしまいました。お遍路は足摺岬の金剛福寺で終了となり、お遍路結願まで50ヶ所を残しての番組終了というのは、見ている多くの人にとっても解せないものであるに違いありません。

もちろん、地上波でなくBSでもなかなか見られにくいBS12チャンネルという不利な放送局だけに、スポンサーが集まらないような事が実際に起こっていたとしたら、番組の続行は不可能になることは当然起こり得る話ではあります。

ただ、番組で小島よしおさんが「ファーストシーズンは終了です」と番組の再開に含みを持たせ、番組の公式ツイッターでも、「2ndシーズンに向けて皆さんの応援の声をお待ちしています」とのメッセージがあることから、もう二度と再開されないという話でもなさそうです。もし番組がそのまま続かないのがスポンサーの問題だとしたら、TwellVの営業の方々に頑張ってもらうしかないわけですが、番組のファンとしては春からのセカンドシーズン再開を期待しています。

ただ、今回の放送を最終回としてファーストシーズンを終了ということで番組終了したのは、別の理由があったのではないかということを個人的な想像になりますがこれから書かせていただきたいと思います。

ここまでいわゆる「遍路ころがし」と言われる「焼山寺」「鶴林寺」「神峯寺」という急坂をクリアしてきた二人ですが、特にロードレーサー初心者の狩野英孝さんの安全を考慮し、雨の降る中での坂道(特に下り)を避けるようなスケジュールで撮影をされてきたと思います。狩野英孝さんのブログを見ると、2月14日の更新で高知に行かれているようですので、そこまでは高知県の海岸沿いだということで、多少寒くても安全に走れていたと思いますが、それ以降の遍路道では別の危険が生じます。

それが四国の山の中に入った場合の降雪および凍結の問題です。車やバイクでお遍路する場合も、細心の注意をもってしても、特に下りでの走行では事故により命の危険がつきまといます。もし普通に番組を続けるとしても2月3月に降雪の恐れのあるロケは止めるべきで、今後岩屋寺や横峰寺などのさらなる遍路泣かせの遍路道を自転車で走らせる場合には、少なくとも桜の花が咲き道路の凍結の恐れのない時期までロケを我慢することが必要だと思われます。

今回の最終回を来週に再放送したとしても、新たなロケをする時間も余裕もないというのが正直なところではないかと、車ではありますが遍路道を一回りした身としては思います。それならば今後の遍路道を再検討して、さらにお二人のスケジュールをしっかり押さえた上であと何年かかっても無事に遍路道を回り切れるようにTwellVは最後まで責任を持つべきで、そのための最終回であったということを個人的には信じたいところです。

もし、お金やスポンサーの問題で番組が休止になったようなことが本当だとしても、視聴者の声というものをテレビ局やスポンサーは気にするものだと思いますので、「番組を見たい」という意志をネット上からでも発信することが大切だと思います。幸にも現状では出演者の不祥事があっての休止ではないわけですから(^^;)、そうした誘惑にも出演のお二人には気を付けていただきつつ、ぜひまた「チャリお遍路セカンドシーズン」でまたお会いしたいところです。

(番組データ)

小島よしお&狩野英孝のチャリお遍路 #24 [終] TwellV
3/17 (日) 19:00 ~ 19:55 (55分)
出演:小島よしお、狩野英孝

(番組内容)

芸能界きってのロードバイク乗りの小島よしおと、禊を済ませる理由が満載の狩野英孝が四国八十八ヵ所お遍路を自転車で巡ります。

旅を始めてから16日目、自転車でおよそ510キロを走行し37番札所「岩本寺」を参拝しました。38番札所「金剛福寺」まではお遍路最長およそ85キロの道のり。まずは腹ごしらえ!と、地元の高校生が考えた「カツオたたきバーガー」、偶然見つけたピザ屋の「キムチピザ」を食し一休み。お腹も満たされ機嫌を良くした狩野を待っていたのは、旅館までの理由なき激坂。

しかしその先にあったのは、絶景のお風呂と絶品の食事!!愚痴をこぼしたことを反省する狩野なのでした。そして二人は「金剛福寺」のある足摺岬へ!なんとそこで起きたこととは・・・!?


一つのお寺に3回かける番組の「心意気」

今まで数多くの四国八十八か所巡礼を扱ったテレビ番組を見てきましたが、例えば「記録」をメインに作られたものであれば、一寺を一回の放送でカバーすることで、お寺の様子やそこで修行する人達の事を細かく見られるものの、順番にお寺を巡ることがいかに難しいことかということまではわかりません。

そんな中、過去に放送されたテレビ番組の中で、私自身にとって少しだけ回ったままその後のお遍路を回っていなかった四国お遍路を再度やろうと決意させてくれた番組がかの北海道ローカルのバラエティ「水曜どうでしょう」の企画として行なわれた四国八十八か所巡りでした。ただし、今回紹介する「チャリお遍路」と決定的に違うことは、車で回っていることもありますが、お参りもせず納経帳に御朱印もいただかず、単にお寺に来たことがわかるところで記念撮影をしたことで一寺を回ったとしたかなりの時間短縮のためのルールでした。しかしながらお遍路を回るという点については、この「チャリお遍路」の方が遍路の作法をしっかりこなしている分、これからお遍路をしようという方には参考になると思います。

私の場合は「水曜どうでしょう」を見て、車ですらも「遍路ころがし」と言われるいくつかのお寺へ行く道というのはハンドル操作を誤ったら崖下に転落して命も危ないと思われるところが数々番組では紹介されており、それまで11番の藤井寺まで簡単に車で回ってお遍路旅など大したことはないと思っていた私としては、たまたま11番まで回って長い間中断していたことを悔み、再スタートとして車で四国に渡って結願を目指し、無事に車で回り切ることができました。ちなみに再スタートして初めてのお寺は今回の番組でもチャレンジしている第十二番の焼山寺への参拝でした。

今回は焼山寺を目指して2回目の放送になりますが、やはりというか1時間番組であっても焼山寺にはたどり着けず、予告の内容からすると次回の7回目の放送でようやく焼山寺に到着するようです。

特に今回の行程については、さすがにロードレーサーに乗り慣れている小島よしおさんはそこまで体のダメージは少なそうでしたが、本格的なロードレーサーに乗るのが始めてで、日々にトレーニングもやってなさそうな狩野英孝さんのグロッキー振りというのは普段体力作りをしていない一般の視聴者が単なる思い付きでチャリお遍路をやろうと思ったら同じような事になるよという反面教師的な姿として見ることができます。まだ焼山寺まで全然来ていない「はちみつ」ののぼりが立っている所で狩野英孝さんはひどい転び方をし、養蜂場の方のご好意で休憩を取らせてもらえる所になっても何も喋ることができませんでした。でも、これが本気で決してやらせの番組ではないということを示しているように思いました。

普通、いくら「遍路ころがし」の道であるとしても、一つのお寺を回るために一時間番組で3週間もかける(実際は再放送をからめているので見る人によっては下手をしたら2ヶ月くらいかかっているかも知れません)のは、大変な場面はカットでなくしっかりその行程を紹介し、本気でお遍路を回るよという番組スタッフの決意というものではないかと私は取りました。

今回テレビでは上りを終えて多少は楽になっているお二人の姿も紹介していましたが、実は私が車で行ってシャレにならないと思ったのは下りに入ってから道幅が狭くなりさらにガードレールもない大変に車を運転する者にとっては恐ろしい道路の連続を思い出してしまいました。ただ、自転車だからすれ違いは大丈夫なものの、道の段差や枯葉にタイヤが引っかかって転倒をした拍子に道の下に落ちてしまう危険性は0ではありません。生半可な気持ちで自転車をこいでいたら一瞬にして派手にコケてしまう可能性もあるので、とりあえずお二人がここまで無事に進み、温泉のあるホテルで英気を養う事ができたのは見ていてほっとしました。

まだまだお遍路には難所が多く、今回のような山道の峠だけでなく寺と寺との距離が果てしなく長い高知県も控えています。しかし、今回の焼山寺までの道のりにじっくりと時間を掛けて紹介するということは、これから起こってくるさらなる困難においてもカメラと共にじっくりお二人の修行に付き添って行かれるであろうと今回の放送を見ていて確信しました。

今後特に狩野英孝さんが最後までお遍路を続けられるのかが番組を見る側としての最大の楽しみになりそうですし、これから何となくお遍路に行きたいと思っている人にとってはこの番組を見て止めようと思う人もいるかも知れません。しかし事前に「お遍路に普通の人が行ったらどうなるか?」ということを身を持ってお二人が示してくれる番組であるとも言えるわけです。トゥエルビというチャンネルにとっても過去にどのテレヒ局もやったことのないお遍路を扱った番組として未来に残していける番組に化けると思いますので、出演者がこれ以上ロケに行きたくないと言っても、何とかなだめて結願まで番組を続けていって欲しいと思います。

(2018.7.2追記)

この文章の題名で「3回」と書きましたが、焼山寺を目指して3回目でやっとお寺に到着したものの、そこからの参拝をする前に時間切れになってしまい、何と遍路ころがしの焼山寺だけで4週をかけるという地上波のテレビ番組ではありえない状況になっています(^^;)。ただそれがこの番組の魅力でもあるので、何回も再放送がされても怒らず騒がず、番組の雰囲気を大切に見ていくのがいいのではないかと思います。

(番組データ)

小島よしお&狩野英孝のチャリお遍路 #6 BS12 トゥエルビ
6/17 (日) 19:00 ~ 19:55 (55分)
出演:小島よしお、狩野英孝

(番組内容)

本日もお遍路珍道中がスタート!目指すは徳島最大難所12番札所「焼山寺」。標高938mの山の中腹に立つ寺は古来より修験者の聖地としても知られており、お遍路88か所の中で2番目に高い山岳に位置する札所である。スタートしたものの目の前は山に向かう長く続く坂道・・・。衝撃!ぶっ倒れる狩野英孝!?まさかのここでのギブアップ宣言!?どうなるチャリお遍路!はたして12番札所まで到着できるのか!


巡礼の最初に生臭い話から

すでにこの番組は4月8日に始まり、先週は第二回目の放送があったようですが、なかなかリアルタイムで見る機会がなく残念に思っていたのですが、今回第三回目とはならず、スタートから再放送しているようなので、他の方はまた最初からかと思う方もいるかも知れませんが、新たな気持ちで見ることができました。

四国八十八か所めぐりを行なうという番組の性質上、テレビのバラエティ番組での露出も多い小島よしおさんと狩野英孝さんのロケを中心にした番組ということで、単純にロケ日が限られているということと、ロケ現場ではかなりナチュラルに進行しているのでなかなか進まないということはあるとは思います。

しかしトゥエルビのホームページで「毎週放送」と書いてあることに嘘はないにしても、番組の進行としては月に1回から2回ぐらいになった場合、もう少しテレビ局側にも、今後の放送予定についてきちんとしたアナウンスは必要かと思います。

ただそうは言っても、今回の番組の仕上がりはかなり面白いものになっていたように思います。人の話を聞いているようで聞いていない二人がお遍路のしきたりを理解しないまま回ってしまってなかなか進まない様子は、今後の珍道中を予想させるわけですが、本当に最後まで回れるのか、番組自体が中途半端に終わってしまう可能性すらあると思っています。でも、この二人には何とかして八十八ヶ所巡礼を完結させて欲しいと思いながら見たいと思っています。

ただ今回、番組を見ていて思ったのが、四国八十八ヶ所巡りの利権と言いますか、そのコストの多くをいわば八十八ヶ所の一寺に過ぎないお寺が独占してしまうのは改めてこれでいいのか? という思いがありました。というのも、私自身もすでに八十八ヶ所巡りは結願しているのでその中で聞いた話があるのですが、どこだということはここでは控えますが、とある八十八ヶ所の一寺で納経帳に御朱印をいただいている時に、強く言われた事が今でも忘れられないからです。

多くの人はこの番組の小島よしおさんと狩野英孝さんのように何も持たずにこれからお遍路を始めようとする人は、一番札所の霊山寺でお遍路用品を揃えると思うのですが、装束から御札、数珠やローソク、線香に100円ライターまで進められるままに購入して一人あたり約12,000円くらいかかるのは仕方がないかも知れませんが、境内で鐘をつくにもお賽銭、さらに本堂と薬師堂でもお賽銭を払った上に御朱印をいただくために納経料を払うということになると、費用の面でなかなか大変だと思わざるを得ません。

さらに、番組では紹介されませんでしたし、現在はどうなっているかわかりませんのであくまで私の場合として紹介しますが、霊山寺で購入した納経帳の最後のページに「最初に参拝したお寺に八十八ヶ所結願したらお礼参り」という項目で御朱印をいただくようにページが用意されています。そのページについてとあるお寺の御朱印を書いていた方が言われるには、「このような事はしなくていい。お礼参りは高野山へ行けばいいので、このようなことをするのは特定のお寺の利益にしかならない」というような事を言われ、その意見がもっともだと思ったので、私はそのページにだけは御朱印をいただいていません。ただこれはその方の話が十分に私に理解できたからなので、最初にお参りしたお寺にぜひお礼参りをして御朱印をいただきたいと思うならば、そういう行為自体を咎めるものではありませんので誤解なきよう。

一つ言えるのは、あくまでこうしたことはお参りする個人の意志だとは言うものの、大切なのはスタンプラリーのように御朱印を集めまくることではなく、修行として全てのお寺の参拝をすることだと思います。今回の番組を見つつ、遍路の大変さを想いながらこの番組自体が結願する前にギブアップされることのないように、番組を立ち上げた以上は全うして欲しいと思います。もしかしたら、出演されている二人も、旅を終える頃には他の番組で見せる顔も変わってくるのではないかと期待しています。

(番組データ)

小島よしお&狩野英孝のチャリお遍路 #1 BS12 トゥエルビ
4/22 (日) 19:00 ~ 19:55 (55分)本放送は4/8
出演:小島よしお、狩野英孝

(番組内容)

芸能界きってのロードバイク乗りの小島よしおと、禊を済ませる理由が満載の狩野英孝が四国八十八ヵ所お遍路を自転車で巡ります。
旅のはじまりは徳島県。ロードバイク初心者の狩野英孝は、小島よしおから自転車講習を受ける。狩野英孝の自転車スキルに不安を感じつつ、二人は1番札所の霊山寺に向かう。


通販番組と遜色のない「住まい・暮らし バラエティ番組」がある?

これからの話を書く前に、一番下にある(番組データ)と(番組内容)をよくご覧になって下さい。基本的にはインターネット上にあるテレビ番組表の表記に準じてテレビ番組を紹介しているのですが、これだけ見ると、普通のお安い宿を紹介する旅行バラエティ番組のように思えます。

しかし、不審に思えることもあります。まず、他のバラエティでは必ず掲載のある出演タレント(この番組では「番組リポーター」と称する女性が出演しています)について、どこにも出演者の表記がありません。どんなゲスなリポーターであっても、自分を売り込むために名前くらいはテロップで出すはずなのにと思いつつ、番組を見ていったところ、この番組の正体がわかりました。

ちなみに、1泊2食付きで泊まれるというのは平日に限られていますし、料金も5,900円と、5千円台ぎりぎりです。土日や祝日に泊まりたい場合は当然ながら宿泊料はアップしますので、その点も考えておかないとまずはいけません。しかし、こういった手法は地上波民放の激安宿の紹介でも行なっていますし、この表記については嘘ではないので問題はないでしょう。しかし、私自身が問題にしたいことがこの番組にはあります。

宿の内容や食事を紹介した後で、どうしてこんな安い価格で泊まれるのかという事が明らかになるのですが、それは「セラヴィリゾート泉郷」というリゾートクラブの会員になった人だけがその価格で利用できるという事で、番組の目的は視聴者にリゾートクラブの内容を説明する全編そのリゾートクラブの宣伝に終始した番組だったのでありました。

こういう手法は、新聞にも「記事のような宣伝」というものがあることからわかるように、テレビでも使われている手法なのかも知れません。しかし、今では通販専門チャンネルなどもあり、通販番組とわかっていても見る層もあるので、あえてリゾートクラブの会員勧誘であることを隠したような番組にしなくても、番組の概要にも特定のリゾートクラブ紹介という宣伝の番組であることを明らかにした上で放送した方が良いのではないかと私自身は思ってしまいますね。

これはあくまで個人的な見解ですが、全国津々浦々を旅したいと思うなら、特定のリゾートクラブに入会すると、いくら宿泊費が安くても全国のどこでも会員なら安く泊まれるというものでなければ、別の方法でこうした施設を使い、気に入ってどうしても会員になってさらに安く利用したいと思ったら加入するのがいいと思います。

体験宿泊という手段を選んだ場合、一度利用した場合の勧誘が気になる方もいると思いますので、そうでなく他の予約の取り方で安く泊まれる方法があります。それは、私が知っている中では「日本自動車連盟JAF」が行なっている会員への宿泊斡旋です。JAFはこの番組の提供に近いくらいに宣伝に関与していると思われる「セラヴィリゾート泉郷」や他のホテルチェーンにおいて法人会員になっているので、すでにJAFの会員であればネットからログインしてホテル予約のページへ行くと、改めてJAF会員が各種ホテルチェーンやリゾートクラブが運営する宿泊施設に安く泊まれるプランについて具体的に説明しているページがあります。

そこから予約をした場合、この番組で紹介されていたホテルの場合、平日の素泊りで6千円くらい、基本的な洋食が+3,500円くらいで利用できるようですので(季節や状況によって上下する可能性はありますので、あくまで参考としてお考え下さい)、まずはこうした方法で実際に泊まってみてから判断しても遅くはないでしょう。

ちなみに、JAFの年会費は4000円です。この書き込み自体JAFの回し者が書いているわけではないので(^^;)、こうした書き方が気に入らなければ全く割引のない状態で泊まってみるのもいいでしょう。どちらにしても、ビジターにどのようなサービスを提供してくれるかというのがリゾート会員としてその組織がこれから発展して泊まれる場所が増えるのかそうではないのかの分かれ道になりますので、テレビの内容だけを鵜呑みにしないで慎重に選択するのがいいと思われます。

それにしても、宣伝に限りなく近い番組なら、もう少しわかるように書いてくれないと誤解をする視聴者も出るかも知れません。こうした裏切られ感というのは、そのままBS放送というブランドの価値を下げる方向にもつながってくるかも知れませんし、バラエティとして分類されている番組というのは決して宣伝に終始しないような番組の作り方をして欲しいと強く思います。

(番組データ)

1泊2食付き5000円台!?コスパ抜群賢いリゾートライフ術! BS12 トゥエルビ
11/6 (月) 21:00 ~ 21:30

(番組内容)

1泊2食付き5千円代のリゾートホテルがあると聞き、番組リポーターは伊豆高原と鳥羽へ。お料理の内容、客室や温泉露天風呂の広さ、是非、その目でお確かめください!