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テレビ体操60年で将来に期待したいこと

この番組「どーも、NHK」はいわゆるNHKの広報番組です。最近はバラエティ番組の出演者にドラマの出演者を入れて番組告知をさせるような事が見ている側もあからさまにわかるような形で番組が作られている場合が多いですが、この番組の前半ではまさしく「おすすめ番組の紹介」ということで、これからの注目番組を番組進行役のアナウンサーとタレントが行なう形で進んでいきます。

さらに、NHKが受信料を徴収するための根拠としてどのような事を今までやってきたのかなどNHKの取り組みを紹介する「もっとNHK」のコーナーで紹介されたのが、今年で開始から60年になるという長寿番組「テレビ体操」についてでした。

現在の収録風景をまずは映し出し、広いスタジオに出演者とピアノ伴奏の方が音と動きを合わせるために、何回も体操の動作を行ない、VTRチェックなども入念に行なわれる様子が紹介されました。取材時の体操指導として出演された多胡肇さんによると、ピアノを含めた全員がぴったり合う美しい体操を目指しているものの、本当に満足する出来になるのは一年に一度くらいしかないとのことでした。

出演者は体育大学で体操を専門にやっている方が選ばれており、過去の資料映像ということで出演者がまだレオタードではなくショートパンツに体操指導者が着るようなポロシャツという出で立ちながら、オープニングは新体操さながらのボールを使ったパフォーマンスを行なっていたところを見ると、女子新体操の選手であると思われます。新体操の団体ではかなりの一致性を見るのに、そうした出演者の動きでさえも納得しないということになると、かなり要求が高いだろうということを視聴者に印象付けるような形で報じていたということになるでしょうか。

ただ最初に述べたようにこの番組自体がNHKがこんなことをやっているという広報番組であるので、現在の体操指導者以外の出演者や、過去に人気のあった出演者へのインタビューや言及すらもなく(^^;)、前の体操指導者の長野信一氏によるテレビ体操の転機になったとされる、ラジオ体操をするのは大変な高齢者や体に不自由なところがある人に向けての「みんなの体操」を作った話や、実際にそのみんなの体操を毎日行なっている脳性麻痺のある少女に取材したり、副音声で目の不自由な人向けに解説放送をしていることの方をしっかりアピールしていました。

個人的はそこまでやるなら、現在多くの運動不足でメタボ体型の人が運動する習慣を付け、実際に成人病にならないような運動についての指導も期待したいと思うのですが。現在ではお金を出して直接トレーナーに指導を受けるタイプの驚きの効果がコマーシャルによってクローズアップされたり、通販番組では相も変わらず本当に効果があるのか素人ではわからないサプリメントやダイエット系食品や、寝ながらテレビを見ていても腹筋が鍛えられるマシンなど、楽に痩せられる方法をお金で何とかしようという方のニーズに応える品物があふれています。

元々、ラジオ体操が作られたのは、アメリカの生命保険会社が、自社の保険金の支払いを抑えるために加入者向けに健康な体を維持させようという目的で始まったという説があります。ラジオ体操の健康な体を作るための効果について語られることも多いですが、せっかくNHKに受信料を払うならば、ラジオ体操が誕生した当時の思想に立ち戻り、テレビ体操という番組の中で一年間なら一年間通しての指導をしてくれるような事があってもいいように思うのです。

もし、そうした指導で実際に痩身の効果が出ることになれば、その点だけでもNHKに対して受信料を払う価値があるという考えになる人も出てくるのではないでしょうか。恐らく、今後は国の健康保険が破綻する可能性なども言われるほど高額になる傾向のある成人病に悩まされる人が増加する事が予想されますので、今回の「テレビ体操60周年」を機に、もう少しこの国の問題について突っ込んだ番組作りを期待したいところです。

(番組データ)

どーも、NHK NHK制作
2017年10月22日(日) 11時20分~11時54分
司会 豊田エリー,中條誠子

(番組内容)

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