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昔のSP盤を古びたラジオで聞く楽しみ

今年の更改は今回が最後となります。まだ始めたばかりのブログではありますが、自分以外にも読んでくれる人がいるということがちょっと実感がわきませんが、直接レスポンスもいただいた方もいて本当にありがとうございました。

で、最後の題材はテレビではなくラジオです(^^;)。しかも100年前のSPレコードによるジャズのレコード紹介と、さらにSPレコードによる紅白歌合戦というネタを競う企画が合体したものなのですが、まずは今から100年前というと大正デモクラシーの時代に吹き込まれたジャズをアメリカだけでなく日本のジャズソングも一緒にして紹介しています。日本での最初のジャズレコードの吹込みは昭和3年(1928年)の二村定一さんの「青空」ということだそうですが、当時発売されたSP盤もこの番組で聴くことができ、ちょっとした感激がありました。

最近はラジオと言ってもスマホアプリの「らじる★らじる」でノイズのない音で聴くことが多いのですが、今回はお風呂に入りながら防水・防塵機能がある農作業用ラジオのソニーICR-S71で聴いていました。お風呂をあえて暗くして電池式のランタンを付けながら、お風呂場に響くラジオからの蓄音機の音をぼーっと聴いていると、今この時代が本当に2017年なのか何だかわからなくなってきます(^^;)。これが、音だけの魔力なのでしょう。今のテレビで懐かしの映像が放送されたとしても、なかなかその時の気分を出して見ることは難しいですが、音というは本当に時空を超える存在なのですね。

この蓄音機を使って昔のSPレコードを掛けるだけの企画というのは、もちろん持ち込まれる音源の魅力もあるのですが、100年近い時間の経過の中で残ったソフトというものは、それだけで魅力があるわけですし、今回はあのジョージ・ガーシュインが自分でピアノを弾いて録音した「ラプソディ・イン・ブルー」なんかも聴くことができ、ジャズ好きとしてはなかなか聴けないものをデジタル・リマスターではなく蓄音機からのオリジナルで聴けたというのは貴重な体験でした。

後半の「SPレコード紅白歌合戦」は出掛ける用意が出来たため録音だけして後で楽しもうかと思いますが、恐らく「らじる★らじる」の聴き逃しプログラムでも一定期間は聴くことができますので、お正月のテレビ視聴に疲れたら、昔のSPレコードを聴きながらまったりするのもいいとは思います。

私自身は、大晦日の番組からお正月番組についてもそれなりに追い掛けて行こうと思っていますので、更新のペースは落とさずにやって行こうと思っていますので、来年もどうぞよろしくお願いします。

(番組データ)

教授の大みそか 蓄音機&SP特集100年前のジャズほか NHK第一
12/31 (日) 16:05 ~18:50
出演 黒崎政男 梅田英喜
進行 道谷眞平

(番組内容)

100年近く前に製造された蓄音機をスタジオ内に設置、
黒崎政男教授・梅田英喜氏秘蔵のSPレコードをその場でかけながら、奥深く優雅な”音”を愉しみます。
今回の聞きどころは…
名盤、珍盤が乱れ飛ぶ!?年末恒例「SPレコード紅白歌合戦」、
今年はジャズレコード初録音から100年!レアな1917年もの、お聞かせします!
そしてそして…
あなたの1票でプログラムが変わる!?「教授の大みそか限定アンケート」を実施!
放送中にアンケートをおこないますのでぜひご参加ください!!


ラジオからテレビの事を語った方がわかることもある

このブログはテレビについて主に書いていますが、テレビについて語っていることがあったりとか、テレビではできないような事が他メディアで行なわれたような場合は、積極的に他メディアについても乗り込んでいきます。今回は今ではテレビでは見ることのできない元TBSアナウンサーの久米宏さんが、本の宣伝のためではあると思いますが、何とNHKのラジオに出るということで、民放のテレビに出るより珍しい事なので、今回は注目して聴いてみることにしました。

まず、久米宏さんがNHKの建物を訪れるのは今回が2回目だそうで、最初はTBSラジオの「永六輔の土曜ワイドラジオTokyo」のレポーターとして1970年代にNHKの玄関受付まで生放送で押しかけ、大河ドラマ主演の方のサインを頂きに行くはずが叶わず、やむなく入館交渉をしていた当時の受付係の方にサインをいただいて帰ってきて(この時の様子はマイクを隠してそのまま放送されたとのこと)以来40年振りに訪れたのだということです。

また、前NHK会長の籾井勝人氏が今も会長だったら(年齢的には久米宏さんとほぼ同年代の方です)、前会長の意見と久米さんの意見は違うので、今回のラジオ出演もなかったのではという笑うに笑えない話をしつつ、番組の頭で地震によるニユースで多少時間を食ったり、途中ニュースに寄る中断があったりしつつもだいたい50分弱、しゃべってくれた内容は興味深いものでした。

様々な話をしてくれた中でも、ここではテレビの話に絞る形でその件について喋った事を中心に書いていきます。ニュースステーションに抜擢された時、気にかけていたのはどのようなテレビ映りをするかという点だったと言います。スーツの着こなし髪型まで久米さんの奥様の麗子さんがきちんと監修し、ニュースキャスターとして完璧なスタイリングで出演されていたことは有名です。

そうした容姿の事をテレビについて語るにあたって最初に持ってきたことは、やはりちゃんとテレビというものを分析していると感じさせるものがあります。最近の男性アナウンサーはたまたま先日見たテレビ朝日系「マツコ&有吉のかりそめ天国」のコーナーの中で指摘されていましたが、入社する際キャラクターではなく顔で選ばれている疑惑があり、いかにもそれは今のテレビ的だとは思います。そんな時代の変化というものも感じられたのでしょうか、久米さんは59才の時にニュースステーションを降板します。

本の宣伝ということもあるのか、同じ日のTBS「金スマ」にも久米宏さんは出演されていて、その番組の中でニュースステーションについては第一回目のオープニングと最終回のエンディングだけをVTRだけで流していました(その他は自社の番組らしくザ・ベストテンのVTRを流しまくりでしたが)。その最終回の久米さんの姿はむしろ現在の73才の時よりも覇気がないくらいで、白髪も目立っていました。ちなみに現在は全て白髪でも言葉の言い回しや肌の艶などは全く衰えていないような感じでした。

ラジオ出演の時に言っていたテレビから姿を消した理由というのは、60才という年齢を意識して、ニュースショーを若い人に見てもらうためには伝える側も若くないとということで、後輩に席をゆずると思ってということでした。

VTRを見た限りではそこまで思ってしまうほど疲れていたのかなと思いましたが、「金スマ」で話された中ではまだテレビでやれていたかな? とも言っていました。ただそれはテレビを止めてラジオのみの活動をしているから言えるからで、週に5日テレビでニュースを伝える生活をさらに続けるのは無理だったのではないかと個人的には思うところです。

しかし、現在まで続いている「報道ステーション」をはじめとするニュース番組を見ていて、良かれ悪かれ久米さんはかなり歯がゆい思いをしているというのではないかというのは容易に想像できます。恐らく新しく久米さんがテレビのニュース番組をどこかの局でやり始めたとしたらネットを中心に連日非難の書き込みが入り、その内容が久米さん本人にも必ずや伝わるでありましょう。しかし、ラジオで言っていたのは自分を好んで見てくれる人の割合は視聴率と同じくらいの20%くらいで十分だとも言っていたので、どんなに悪意を持った非難中傷をネット民たちが繰り返したとしても、そんなに久米さん自身は意に介さずにひょうひょうとニュースを伝えていたのかも知れません。

個人的にはもっと色々な伝え方で日々のニュースを伝えるキャスターが登場することで、世の中の様々なニーズに合ったニュースショーとして十分成り立つのではないかと思いますし、例えば全て中立でない思想的に少し偏ったニュース番組同士が視聴率競争をした場合、どちらの方が視聴率を稼げるのかを見ることで電話による世論調査とは違う世の中の嗜好というものがわかるので面白いのではないかとも思ったりします。最近ではジャニーズ事務所の東山紀之さんが日曜朝のニュース番組にキャスターとして登場したり、同じ事務所の櫻井翔さんや小山慶一郎さんがキャスターとして仕事をしていますが、自分の色を持って自分の顔を前面に出す久米宏スタイルで勝負する人も出てきて欲しいですし、若い人達が番組に出ているメインキャスターにおもねったり遠慮したりするだけで自分の色をなかなか出せないように感じるのでその点は残念だと思います。

民放のニュース番組は局の上層部やスポンサーからもプレッシャーが掛かったりして、全て自分のやりたいようにできない事もあるとは思いますが、久米さんが言うように、自分の方を向いてくれる全体の20%の視聴者に向けることで新しいニュースショーが生まれてくる可能性もあるわけですから、特に選挙で投票できる年齢の人たちが自分の考えで自分の意志が示せるように今こそ、新しいニュースショーの登場を期待したいところです。

(番組データ)

すっぴん!  ▽すっぴんインタビュー 久米宏
10:05 – 10:55 NHKラジオ第一
MC 高橋源一郎
アンカー 藤井彩子
ゲスト 久米宏

(番組内容)

【テーマ】NHKラジオ生放送・初出演!?
放送の世界に入って50年を迎えた久米宏さん。これまでの歩みを振り返った自伝本『久米宏です。』が話題です。永六輔さんにしごかれたラジオ中継、テレビのバラエティ番組での活躍。新しい報道番組を生み、再びラジオへ。誰にも真似できない久米スタイルはどのように形成されたのか。マイクを通して伝えたかったこと、今伝えたいことは? どんな話が展開するか。どうぞお楽しみに!