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渡る世間も「橋田壽賀子」<「クィーン」なのか

今回の内容はたまたま番組宣伝で知り、実は昔からクィーンは聴き込んできたので、地上波でクィーンがどのような扱われ方をするのかということに興味があり、録画で見ました。なぜ録画で見たかというと、今の日本のテレビの世界を考えた時に番組MCの坂上忍さんが、直接脚本家の橋田壽賀子さんのお宅を訪れてインタビューするという方がインパクトがあると思い、クィーンの話は後回しにされると思ったからです。

もし日本の芸能界で橋田壽賀子さんに対抗するだけの人をクィーンに関わった人物の中で挙げるとすれば渡辺プロダクションの渡辺美佐氏以外には考えられず、もし番組で渡辺美佐氏のインタビューが取れたならクィーンを先に出すのかなと思っていたのですが、事前に確認した中でも、実際に見た中でも個別に渡辺プロも渡辺美佐氏の存在も紹介していなかったのに、クィーンを最初に持ってきたというのには、それだけ日本でも映画「ボヘミアン・ラプソディ」がヒットしていることで、視聴者の興味という点で勝った以外には考えられず、改めてクィーンの魅力とは何かということを考えさせられる番組の半分を使った特集になっていました。

ただ、この点というのは番組として見るといかにも放送されている今を切り取って流行りにおもねっているという感じが拭えないものがあります。その分、特集の内容も薄っぺらく感じてしまう方も少なからずいたかも知れませんが、あの映画がなかったらわざわざ地上波でクィーンの事が取り上げられなかったと思い、改めて今回のクィーンの特集に限っての内容の感想を書くことにしました。

今回の特集のポイントとしては、映画には描かれなかった日本でのクィーンのデビュー当時の人気ぶりと、日本の骨董や文化を愛したメンバーの姿を紹介したことと、フジテレビのライブラリの中から「夜のヒットスタジオ」にフレディを除くメンバーがライブ告知のために出演した映像と、当時のFNNのニュース報道でフレディのエイズ感染と訃報がどのように伝えられたかということを改めて紹介してくれたことがあると思います。

さらに、当時のボディーガードや、フレディが来日した際によく訪れたというバー(新宿二丁目か?)のマスター、栃木県足利市にある伊万里焼を集めた栗田美術館の館長さんへのインタビューなど、日本のテレビでなければ見られないオフのフレディの様子を知れたのもファンにとっては嬉しいことだったでしょう。でも個人的にはもう少しディープな話題も教えてくれた方が、特に今回の映画で初めてクィーンを知った人にとってはさらに興味が出るでしょうし、ナベプロがなぜ日本でのクィーンの売り出しに関わったのか? ということについてもしっかりと出してくれたらなお良かったという風に思います。

ただ、クィーンはデビュー当初こそスーパースター扱いであったかも知れませんが、ビートルズのように出す曲が全て1位になるわけでもなく、そこまで今のような勢いで売れ続けていたわけでもなく、当時のラジオチャートでもABBAの後塵を拝していたような印象もあります。ただそれは、表立ってはラジオにハガキを送ったりはしないけれど、気になって楽曲は聴いていて密かに支持していた層によって現在の日本での知名度が形作られていったように思います。

というのも、当時洋楽のチャートを聴いていた人が大人になり、それなりに現場で流す音楽やコマーシャルの後ろで流す音楽を決められる地位に付いたと思われる感じで、クィーンの過去のヒット曲がコマーシャルやドラマの中で使われるようになり、そこで新たなファンを獲得するような流れが出てきたのです。それが、番組でも言われている「楽曲の力」ということにあるのでしょうが、さらに言えるのが、緻密な音作りというものが密かに多くの男性にも支持を受けていたところもあり、そうした緻密な音の編集作業というのは、クィーンのメンバーが揃って高学歴のインテリバンドであったことにも由来するのではないかと思うのです。本来はそうした点こそ、テレビ界やCM界の関係者へのパイプを持っているテレビ局の得意とするところだと思うのですが、今回はそういう話も聞けなかったのは残念でした。

あと、これは番組には関係ない話ではありますが、クィーンの魅力一つと考えるところを最後に紹介させていただきます。私が過去に読んだメンバーへのインタビューの中で、確か「バイシクル・レース」や「ドント・ストップ・ミー・ナウ」の入ったアルバム「ジャズ」(1978)が出た後だったと思うのですが、ドラムスのロジャー・テイラーに日本の音楽(特にドラムス)の評価は? という質問に彼がツトム・ヤマシタ氏(当時グラミー賞にノミネートされた打楽器奏者)とともに挙げたのが山下洋輔トリオだったのにはびっくりしました。

今でこそ山下洋輔さんはジャズ界の重鎮ですが、ツトム・ヤマシタ氏のような海外での知名度という点では当時それほど高くなかったと思います。ただ、70年代には山下洋輔(pf)・坂田明(sax)・森山威男(ds)というトリオでのヨーロッパツアーの様子をライブ録音した「クレイ」というアルバムが出ており、ロジャー・テイラーはもしかしたらそのアルバムを取り寄せて聴いていたのかも知れません。その中での森山威男さんのドラミングは素晴しいもので、森山さんが日本が世界に誇ることができるドラマーの一人であると私自身信じて疑わないのですが、まさかロックバンドであるクィーンのロジャー・テイラーの口からその言葉が出るというのは、いかに広い範囲で音楽を聴きながら研究をしているかということの現われではないかと思ったものです。

番組ではそのロジャー・テイラーの作った「レディオ・ガガ」が対訳付きで長く紹介されていましたが、4人のメンバーが全てビックヒットを作ったメロディメーカーであったことも、バンドとしてその生命を全うした理由の一つであろうと思います。

今後、映画のヒットと共にさらに彼らに関するテレビ番組は作られるかも知れませんが、まだまだネタは多くの関係者が持っていると思うので、どこかのテレビ局が特集を組むとしたら、今回の内容とは違う内容で踏み込むか、それこそ渡辺美佐氏に直接話を聞きに行くとか、面白い趣向でやってくれることを期待しています。

(番組データ)

直撃!シンソウ坂上SP【クイーン特集!秘蔵映像&フレディの真相▽橋田壽賀子】
2018/12/13 19:57 ~ 2018/12/13 21:54 (117分)
【MC】 坂上忍
【VTR出演】 橋田壽賀子 他
【チーフプロデューサー】 小仲正重
【総合演出】 島本亮
【ゼネラルプロデューサー】 石塚大志
【プロデューサー】 挾間英行  大川友也
【演出】 山崎貴博
【制作】 フジテレビ 第二制作室

(番組内容)

クイーンはなぜ愛されるのか?日本との意外な絆&フレディ最後の5年に迫る!名曲に込めたメッセージ▽橋田壽賀子“安楽死宣言”の真相!夫の遺産3億に衝撃事実

今夜の『直撃!シンソウ坂上2時間SP』では、『おしん』『渡る世間は鬼ばかり』など数々のヒットドラマを生み出してきた脚本家・橋田壽賀子がたどりついた独自の人生観に、子役時代に橋田作品への出演経験もある坂上忍が迫る!彼女が「私の時代は終わった」と語った真意や、知られざる最愛の夫との出会いと別れ、『おしん』や『渡る世間は鬼ばかり』の驚きの誕生秘話、さらに社会に衝撃を与えた「安楽死宣言」の真相まで、橋田が語り尽くす。

また、公開中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットによりブームになっている伝説のロックバンド「クイーン」。彼らがなぜ日本人に愛されたのか、そしてなぜ彼らが日本人を愛したのか、秘蔵映像を交えひもといていく。

特番なのに収録でテロップも出さないのは怠慢では?

今回あえて日本テレビの24時間テレビについてこのブログで書くことはありませんでした。それこそ、第一回目から批判的な意見というものはあり、最近の予定調和的なノリもどうかと思うことはありますが、今回紹介するFNS27時間テレビと比べると一つだけ確実に優れていることがあります。それは、思いっきり録画による収録番組を垂れ流していたからです。

プログラム的には2番目に放送された『FNS対抗!メシの祭典』のコーナーは録画だと思いつつ見ていましたが、とある場面に出くわしたことで、それ以降は別番組にチャンネルチェンジしました。それは、コーナーの中でメインのビートたけしさんに食べさせたい食べ物を全国のFNSネット局のアナウンサーと地元出身のタレントがプレゼン合戦をするのですが、その中ではからずも先日大きな災害で多くの人が被災した場所同士という「北海道」と「広島」で対決になりました。大切なのは2つの地域の勝ち負けではありません。プレゼン対決の最後に、「どうしても言いたい事がある」と言ったのが広島でしらすを用意した漁師でレストランのオーナーで、それは先日広島県を襲った豪雨災害について全国から支援を受けたことの感謝コメントでした。

この時点までさすがに収録と言っても、先日まさに北海道が台風と地震で大きな被害を受けたばかりであり、もし台風や地震の起こる前の収録であったとしたら「この番組は○月○日に収録したものです」というようなテロップを入れてくれないと、北海道を代表してきた居酒屋の店主さん、地元テレビ局のアナウンサー、そしてタレント代表で出演している平成ノブシコブシのお二人と菊地亜美さんは、何故北海道の災害について一言も述べないのかといらぬ誤解を生じさせる可能性もあります。

最近のネットはそうした誤解が一気にバッシングを生むということもありますので、せめて27時間の特番の多くの部分は生放送にした方が盛り上がると思いますし、今回のような特殊な状況にも対応できるように、どうしても収録番組を放送しなければならない場合にはきちんとテロップを入れて処理することがあっても良かったのではないかと思うのです。

そもそも、27時間にもおよぶ長丁場の中、当然録画放送の部分は出演者の休憩のためにも必要ではありますが、24時間テレビでは他の場所から中継を入れたり、テーマに関連したドラマが主であって、基本生放送で流していることで視聴者に対するアピール度もあったのではないかと思います。普通なら生放送でもやれそうなバラエティ部分を生で放送できないというのは単にビートたけしさんにそこまでの体力がないからなのかも知れませんが、それならそれで、ピンポイントで生のビートたけしさんがいつ出てくるのか? というような見せ方での出演のさせ方はあったように思います。手ぬきとまでは言えないかも知れませんが、今回私が別の局に変えたのも、そうした雑な番組の作り方にこれ以上同じコーナーを見ていたくないと思ったからというのが正直なところです。

当然その後に魅力的なコーナーもあるわけなのですが、根本的なことですがあえて27時間ではなくもっと少ない時間での特番をやった方が司会のなり手も増えるでしょうし、番組の内容も絞れて面白くなるのではないかと思うのですが、

(番組内容)

FNS27時間テレビ にほん人は何を食べてきたのか?【たけし村上&修造上戸】フジテレビ
9/8 (土) 18:30 ~ 1:30 (420分)
【総合司会】 ビートたけし
【キャプテン】 村上信五(関ジャニ∞)
【食のれきしサポーター】 林修
【食堂長】 バカリズム
【タビビト】 上戸彩
【にほん人食堂】 ビートたけし、村上信五、林修、バカリズム、上戸彩  【FNS対抗!メシの祭典(1)】 〈MC〉ビートたけし、村上信五、山崎夕貴(フジテレビアナウンサー)  〈食のれきしサポーター〉林修  〈出演〉あき竹城、ガダルカナル・タカ、菊地亜美、具志堅用高、滝沢沙織、瀧本美織、壇蜜、平成ノブシコブシ、前園真聖、モーリー・ロバートソン、森口博子、よゐこ 他
【たけし村上農場】 ビートたけし、村上信五、藤井弘輝(フジテレビアナウンサー)
【ホンマでっか!?TV】 明石家さんま、村上信五、加藤綾子、ブラックマヨネーズ、マツコ・デラックス、磯野貴理子、島崎和歌子、渡部建(アンジャッシュ)、ギャル曽根 他
【さんまのお笑い向上委員会】 明石家さんま、村上信五、久代萌美(フジテレビアナウンサー)  今田耕司、雨上がり決死隊、堀内健(ネプチューン)、関根勤 他 総勢36人の芸人
【チーフプロデューサー】 中嶋優一
【総合演出】 竹内誠
【テーマソング】 関ジャニ∞「今」(INFINITY RECORDS)
【制作】 フジテレビ

(番組データ)

ビートたけしと村上信五が、楽しくも奥深い「にほんの食」にたっぷり向き合う27時間。もっと、もっと日本食が好きになる! 〈18時30分~〉『にほん人食堂』 たけし、村上、林修先生、上戸彩が「にほん人食堂」に入っていくところから、ストーリーが始まります。旧石器時代から現代まで私たちが食べてきたものについて、バカリズム食堂長がフリップでおもしろく発表!さらに楽しく学べる林先生の解説も満載です。

〈18時55分頃~〉『FNS対抗!メシの祭典』 FNS27局から、アナウンサー、そして各都道府県にゆかりのあるタレントが集結! トークテーマ:食の発祥宣言、あの大スターが愛した飯、日本一のバカヤロウ飯、あっぱれ!殿(ビートたけし)への献上飯、愛され続ける名店 〈20時10分頃~〉『たけし村上農場』 たけしの思い出の味を再現すべく、村上と藤井弘輝アナウンサーたちが約60年前の種から半年かけて田んぼでお米を栽培するドキュメント企画

体力勝負で勝てない「卓球」の魅力

現在の日本の卓球ブームは当時小学校に上る前だった福原愛さんがテレビで大人のタレントと卓球勝負をして、「泣き虫愛ちゃん」として有名になったことから始まったのですが、最近は14歳で全日本卓球選手権の男子シングルスのタイトルを取ってしまった張本智和選手の人気もあり、今までの女子だけではなく男子にも注目が集まり、テレビでも卓球をバラエティーの企画にすることは当り前になりつつあります。

そんな中、ここでぜひとも紹介したいほど面白かったのが、元ボクシングの強い世界チャンピオンだった長谷川穂積さんが本格的に卓球の上達を目指して専用の練習場を作ったり、専属のコーチを雇って強化しているという話の中から、長谷川さんが芸能界最強と考える落語家の三遊亭小遊三さんとの芸能界ナンバーワンをかけた11点先取の2セットマッチが実現したのでした。

ちなみに、三遊亭小遊三さんは山梨県から国体に出場したほどの卓球の実力の持ち主で前回の東京オリンピックの聖火ランナーとしても走ったという山梨県内では知られた実力者でした。

ただ、現在の年齢は70歳ということで、37歳の長谷川さんと比べると明らかに脚力やパワーは劣ります。さらに試合前のVTRでは長谷川さんがまさにボクシング仕込みとしか思えない強打を打ち返すブロック技術や、相当威力のあるフォアハンドによる打ち込みを見て、これは小遊三さんも危ないのではないかと思った方も多いでしょう。しかし、対決はある意味勝負にならず、三遊亭小遊三さんの圧勝で終わりました。

まさに今回の番組はこの試合だけで見た甲斐があるというべきもので、単に力自慢の人が強烈な球を打つように練習していても、経験がある人が相手だったら全く歯が立たないスポーツであるということを証明することになりました。これが格闘技系のスポーツであったなら、ここまで長谷川さんもこてんぱんに負けることはなかったでしょうが、卓球はいかに先手を取って攻めるか、さらにその戦術はチェスに例えられるように理詰めなパターンもあります。

番組を見た方ならおわかりでしょうが、小遊三さんは強打は打つものの、その前後には力を抜いて無理をせず打ち返していましたが、長谷川さんは力任せに打つのが目立ちました。さらに、対策をしていないサービスでチャンスボールを呼び込むと、左側に寄って構えている長谷川さんをあざ笑うかのように、台の右端を狙ってストレートの「軽打」を叩き込むのです。正面で受けられれば長谷川さんにも返すすべがあるでしょうが、小遊三さんはできるだけノータッチで抜けるようなコースをねらって自分の体力と相談しながら軽打を打っているのがわかりました。

お二人のプレースタイルは昔の日本選手が採用していたものの、いまでは使う人の少ない「ペンホルダー」のラケットを使う攻撃型同士のものでしたが、私がさらにびっくりしたことがあります。長谷川選手のプレースタイルはフォア側に来たボールは強打で振り抜くものの、バック側に来たボールについては強打ができにくいのでブロックで当てて返すだけというかつての日本卓球の戦術をなぞっていたのに対し、小遊三さんは同じペンフォルダーでも裏面にもラバーを張り、サービスを裏面に当てて出すだけでなく、最近の日本選手がやることで有名になった「チキータ」と呼ばれる裏面を使った打法までものにしていたのです。これではいかに長谷川さんが若くて体力があっても勝てるわけがありません。

もし長谷川さんがサービスのときだけでも主導権を取り、相手のバック側を攻めて軽打を打たせないようにできればもう少しいい勝負になったのではないかと思いますが、それにはやはり相当な練習が必要で、すぐに芸能界の卓球の勢力図が変わることはないでしょう。個人的には長谷川さんはペンフォルダーでなく、張本選手や水谷選手のようなシェイクハンドラケットに変えてフォアでもバックでも振り回してパワーで小遊三さんを粉砕するくらい力をつければ面白いと思いますが、それと同時に打球のコースを計算して相手を追い詰めるような戦術も考えていかないと、経験豊富な小遊三さんにあしらわれるだけだと思います。

そう考えると、ある程度の経験を積めば素人に毛が生えたような体力自慢の人との対戦ならめったに負けないのが卓球の醍醐味であり、生涯スポーツとして大人になってから始めてもそれなりに楽しくできるということもあります。実は愛ちゃんがテレビでタレントを相手に試合をした時も、大人が真面目にやっても小学生に歯が立たないというところがあることで、まさに幼稚園児から80歳を超えても試合としてそれなりに成り立ってしまうことがあるというのが今回の特別試合によって多くの人が理解したのではないかと思います。

それとは別に、今後の長谷川穂積さんの卓球修行がどうなるかというのも気になります。おそらく、福澤朗さんあたりと試合をしても勝てないと思いますので、次は長谷川VS福澤というカードをマッチメイクしてくれるテレビ局があればお願いしたいですね。

(番組データ)

アウト×デラックス【夏菜テレビに毒吐きまくり!VS遠野なぎこ朝ドラ女優の悲哀】フジテレビ
2/15 (木) 23:00 ~ 23:40 (40分)
【MC】矢部浩之   マツコ・デラックス   山里亮太(南海キャンディーズ)
【ゲスト】  黒木渚   夏菜   長谷川穂積     (※五十音順)
【特別出演】  三遊亭小遊三
【アウト軍団】  大鶴義丹   加藤一二三   栗原類   ジャンボ織田信長書店ペタジーニ   高橋ひとみ   塚田僚一(A.B.C-Z)   遠野なぎこ   ミラクルひかる   矢部みほ
【チーフプロデューサー】  中嶋優一
【プロデューサー】  瓜生夏美   林田直子   児玉芳郎   大江菊臣   小林靖子
【演出】  鈴木善貴
【監修】  渡辺琢
【制作】  フジテレビ

(番組内容)

独特の世界観を持って生きているこだわりの人たちを招き、矢部浩之、マツコ・デラックスとアウトなトークを展開するトークバラエティー『アウト×デラックス』。バーのようなリラックス空間にリニューアルした新セットで、今回もゲストがアウト・トークを連発します!  ◆シンガーソングライターとして注目される黒木渚が、音楽よりも聞きたい他人の〇〇とは!?アウト軍団No.1に輝くのは!?

◆超高速連打、絶妙なカウンターパンチ、卓越したディフェンステクニックとスピードを誇る元・ボクシング世界三階級制覇王者の長谷川穂積が、現在卓球で芸能界No.1の三遊亭小遊三とマジ卓球対決!果たして気になる結果は!?  ◆最近、バラエティー番組に多く出演している夏菜!元・朝ドラヒロインが、各局のバラエティー番組に出演する中で見つけた局ごとの特性とは!?

「ナショナルジオグラフィック」をそのまま流すのは間が持たないから?

米村でんじろうさんのショーアップされた科学実験というのはなかなかテレビ映えするもので、これまで多くのバラエティ番組で披露されてきました。基本的には超魔術よりわかりやすく、自分でも同じことがやれそうなものでもあるわけて、教育番組としても見ることができます。

放送前に何度も流された番組の宣伝に使われていた映像というのが、バイキングの小峠英二さんやあばれる君の頭にジェルを塗り、その上でキャンプファイヤーのような木を組んでそこに点火した様子で、番組ではその炎でオムレツを作るのには笑ってしまいましたが、実は面白かったのは実験ではなくて出演したタレントさんのリアクション芸にあったというところもあります。もっとも、そんな面白さを狙って作られたのがこの番組なのですが、流石に3時間スペシャルにするとそれだけでは間が持たなくなるので、「VS世界の科学者」として世界各国から様々な科学実験ビデオをYoutubeやInstagramあたりを中心に拾ってきて、出演した方々皆で見てリアクションを取ったり、実験のからくりをでんじろう先生が見やぶり、素材よりももう一つ味を付けて再現してみるという、いかにもお金を節約したという感じの番組になっています。

その中でも驚いたのが、日本ではCSで有料放送されている「ナショナルジオグラフィック」の番組のハイライトをそのまま皆で見ていた時間があったことです。「世界の面白ビデオ」を皆で見るという方がより安直なのですが、今回の場合は別に「ナショナルジオグラフィック」を見て楽しむという番組ではないので、どうせならでんじろう先生にもっとギャラをはずんでやって「ナショナルジオグラフィック」やインターネットの動画を省いて本格的な実験番組にしたらいいのにと思ったのは私だけでしょうか。

私自身途中から見たので偉そうな事は言えないかも知れませんが、あえて印象に残ったといえば小峠さんの熱がり方と、村上佳菜子さんは今後もバラエティ番組に呼ばれて人気者になっていくだろうなということだけでした(^^;)。彼女は日本テレビ「メレンゲの気持ち」でもメインMCとして出演されていますし、オリンピックのメダルとは縁がなかったものの、今後はタレントとして花が開いていくんだろうなという感じがします。

と、本来の実験以外のところに興味が向いてしまうバラエティというのはどうなんだろうと見ていて思いましたし、「VS世界の科学者」の部分をなくした1時間番組くらいで見るべき番組だったのではないかというのが偽らざる見ての感想でした。今のテレビというのは今回取り上げられたような、ネット上にあふれる動画に負けているから見られなくなっているわけですから、テレビでしか見られないもので少なくとも勝負して欲しいですね。

(番組データ)

金曜プレミアム・でんじろうVS世界の科学者!実験トリックを全て解き明かすぞ3時間SP フジテレビ
2/2 (金) 19:00 ~ 21:49 (169分)
【進行】 米村でんじろう  新井恵理那
【ゲスト】 梅沢富美男  松坂桃李  村上佳菜子  澤部佑(ハライチ)  小峠英二(バイきんぐ)  あばれる君

(番組内容)

米村でんじろう先生の代名詞でもある「笑えて学べる科学実験」をもとに、世界中の科学者が自慢の科学を持ち寄り登場し、検証していくサイエンス・バラエティー番組。 スタジオに登場する芸人たちとでんじろう先生による“爆笑実験”の数々だけでなく、日本全国、さらには世界の科学者たちがでんじろう先生に挑戦状を突きつける!科学者だけでなく、YouTuberや東大生の発明家らが、最新のユニークな実験を次々と披露。

果たして、でんじろう先生はその科学的な原理を解明できるのか!?また、TV初公開となるでんじろう先生とっておきの「科学実験」を披露!

お笑いは筋書きのないドラマもいい

今年の「明石家サンタ」は、プロ野球ドラフト会議で、番組レギュラーの木田優夫さんが明石家さんまさんのアドバイス通り左手でくじを引いたら注目の高卒ルーキー、早稲田実業の清宮幸太郎君を引き当てたのを生で見ていて、今年のクリスマスイブは何とか時間を作って見なくてはと思っていました。

案の上、毎年不幸な人に贈るプレゼントの中味の中に、交渉権獲得の書かれたカードが書かれていた封筒と、木田さんの左手を使ったグッズ類というものが混じっていて、その商品が当たった芸人さんが受け取りを拒否するということになり、果たしてこの商品をもらっていく人は出るのか? という興味の中番組は始まりました。

この番組の事を知らない人のために簡単に番組のルールを説明すると、一般の方と芸能人で受付電話番号を分け、毎年芸能人を含めたクリスマスイブの不幸自慢を行ない、深刻で笑えない不幸や、明らかにネタの不幸とか、純粋に面白くない不幸はNGとし、明石家さんまさんが認定した「笑える不幸」を告白した人には豪華賞品獲得のチャンスが与えられます(ハズレも有)。

そうして事前に募集したはがきや、当日電話をくれた人の中から適当に選んで番組でさんまさんが直接電話をし、不幸判定をしていくのです。毎年恒例で、さらにアシスタントの八木亜希子アナウンサーも局アナ時代からの安定したツートップで不動のキャストとして番組は進みます。

2017年の内容を一通り見終って感じたことは、仕込んだりネタを事前に考えていろいろやるのも面白いものの、偶然の面白さにはかなわないという事でした。最初の頃にさんまさんの番組をほとんど見て「予習」しているような男性がいまして、名前・年齢・職業の全てに真面目に答えずに、今年テレビでさんまさんがいじった特定のネタ話を連発した男性がいました。

個人的にはこの方の不幸話も作りものくさいと思ったのですが(^^;)、ともかくさんまさんから合格のお墨付きをもらって、豪華賞品のパネルの番号を選ぶ際、「娘の誕生日が10月10日なので‥‥4番」とここでもボケをかましたところ、何と4番のパネルの裏には「ハズレ」の文字が(^^;)。ちなみにそのまま10番を選んでいたらその方は「ジュエリー」を獲得するはずでした。あんまり調子に乗り過ぎると後でしっぺ返しに遭うという危惧が現実のものになってしまったのですが、さんまさんのテレビを良く見ていない人が一連の下りを見たら最後に大爆笑できたと思います。

さて、今回のハイライトは職業自体が不幸ネタということで、「東芝」という社名を言ったとたんに合格になった男性です。この方は前の方とちがってハズレでなく豪華賞品が当選したのですが、当たったものが事もあろうに、東芝が身売りを発表した白物家電のメーカーで三洋電機を過去に買収して世界シェアNo.1になったハイアールの家電セットだったのでした。

ちなみに東芝の白物家電の身売り先は、ハイアールに続き世界No.2のシェアを持つ同じ中国企業の「美的集団」です。さらに言うと、ハイアールが三洋電機を買収する2011年以前には、家電量販店のブランド評価では、日本企業からは大きく劣り、品質も安かろう悪かろうという印象がありましたが、最近では三洋のAQUAというブランドを手に入れた同社の製品は日本製品と同じくらいの値段で売られています。

そんなわけで、ハイアールといっても決してばかにするようなものではなく、企業としての信頼性も相当上がっているので、東芝の社員さんはいいものを当てたと思います。しかし改めてハイアールの製品を使ってみれば、今まで東芝を含む日本企業は何をやってきたのだろうと真剣に悩んでしまうかも知れません。もしかしたら今後ハイアールや美的集団の製品の方が日本の製品を凌駕する可能性だってあるわけですから。

しかし、こうした事を私が書けるのも東芝社員の方が豪華賞品の中からハイアールの家電セットを当ててしまったから起こったことなので、改めて偶然は恐ろしいと思うとともに、偶然出てきたお笑いには勝てないところも多いなという事を改めて感じてしまいました。元々この番組はそうした偶然性に支配されたお笑いを追求するようなところもあるので、今年の番組としては成功だったのではないかと思います。

(番組データ)

明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー2017【生放送で不幸話募集】 フジテレビ
12/25 (月) 1:00 ~ 3:00 (120分)
【司会】 明石家さんま  八木亜希子
【出演】 村上ショージ  松尾伴内  木田優夫
【プロデューサー】 中嶋優一  高橋味楓

(番組内容)

今年も、明石家さんま&八木亜希子司会でおなじみの『明石家サンタ史上最大のクリスマスプレゼントショー2017』を生放送でお送りします。  聖なる夜を寂しく、幸薄く過ごされている方の「不幸せ告白生電話」に明石家サンタが優しく耳を傾けるスペシャルナイト!ゲストや芸能人からの告白電話が突如かかってくるハプニング的サプライズは、生放送ならではの見どころ。

各電話の不幸せレベルに応じ、真心のこもったプレゼントを笑いの包装紙に包んでお届けします。番組ではクリスマスにひとり寂しくしているあなたの「今年1年間に身の周りで起こった寂しい話」を募集。クリスマスの夜に明石家サンタからステキな電話が入るかもしれません。

無邪気に他人の人格について笑う行為は「集団いじめ」にも見える

最初にお断りしておきますが、今回書くことについて出演者のうち最後の「番組データ」に記載のある「藤田紀子」さんについては問題となるコーナーに出演しておりませんので、番組クレジットとしての記載はしてあるものの、藤田氏だけは今回の件に関わっていないという事をまずはお断りさせていただきます。

そして、出演者としてクレジットされている以外のその他のコメンテーターの出演状況については、公式ページにも名前の記載がないので、止むなく公式でない場所からの出演者情報を調べて記載しています。この日の出演者の正確な方々の名前が網羅されていなかったり、出ていない人を記載している可能性があるかも知れませんが、その点はご了承下さい。なお、スタッフ名については番組表に記載されている組み合わせをそのまま転記してあります。

ここ数日のこの番組では議員先生方の下半身の話題が好きなようで、それまでは国会議員の山尾志桜里氏の不倫疑惑問題について相当糾弾しているのが印象的でした。この日は「週刊文春」の発売日で、文春の広告を見た限りでは山尾議員への不倫追求の第何弾かで、噂の二人が大阪に出張したということを報じていたということから、バイキングではそれを受けて何をやるかという事が気になってつい見てしまったのですが、残念ながらというべきか私がテレビを付けた時には別の議員の不倫についての「週刊ポスト」の記事をそのままなぞるような形で、神奈川県の横浜市議会でのダブル不倫疑惑について徹底討論をしていたのでした。

番組MCの坂上忍さんの面白さというのは、良くも悪くもガキ大将的なやんちゃな部分をテレビでもさらけ出しているという点にあります。「やんちゃ」といってもそれを受ける側にとっては勘弁してくれと思う場合もあるかと思いますが、あくまで番組内の「お約束」として坂上さんがそのやんちゃさを発揮して共演のレッド吉田さんにさまざまないたずらを仕掛ける「有吉ゼミ」(日本テレビ系)での掛け合いは正直微笑ましい面白さだと思います。

しかし、そうしたガキ大将的なやんちゃさというのは、やり過ぎてしまった時に止めてくれる「先生」のような人がいないとしばしば暴走します。生放送ならなおさらです。そうしたやり過ぎ感を敏感に感じ取ってしまったのがこの日のお題の「人妻市議W不倫疑惑!LINEも?」に登場する40代の横浜市議会議員の女性と、その相手となった同僚の市議(男性)2人との間のご乱交とも言えなくもない「週刊ポスト」の記事だったのです。

確かに、LINEで卑猥な言葉のやり取りをしていたり、公務で出掛けた場所のホテルで、実に疑わしい行動を取材中の記者のすぐそばのホテルの部屋の中で取っていたり、帰ってきた空港で熱い抱擁とキスをする写真を撮られたりと、議員という立場で脇が甘く、どれだけ糾弾されても仕方ない内容であると思うのですが、番組を見進めていくにしたがって、無邪気に坂上さんのように大爆笑できる気分ではなくなっていっていきました。

というのも、今回番組データの中で挙げさせていただいた番組出演者の中で、ある意味ちょっと騒ぎ過ぎなのではと思った人がいたとしても、坂上さんの進行を止める人は皆無で、一部男女の関係は本当にあったのかと予防線を張ったホラン千秋さんのような方はいましたが、彼女を含む他の全ての出演者およびスタッフは、週刊誌の記事の内容を説明しながら徹底的に登場人物であるダブル不倫をした市議3人を名差して笑いの種にしていました。

もしバイキングが「週刊ポスト」の記事を取り上げなければ、税金を使って不倫旅行をしているかのような横浜市議会議員の行動を許すことになるという論理は番組にはあると思いますが、初出の話題なので当時者や周辺からの反論も山尾議員の報道の時と違って取れない中、全ての出演者に嘲笑されるというのは、単なる告発を超える「集団いじめ」という側面も出てきてしまうのではないかと思うのです。

もし、出演者の中にご意見番みたいな方がいて、「確かに不倫をこんなにおおっぴらにやる方も悪いが、武士の情けという言葉もあるので、そこまで大笑いするのは止めてあげな」というぐらいの言葉を発することができる人を用意できていたらと思います。

こんな事を書くのは、同じような事は学校の中でも起こり得ることで、一人のガキ大将が攻撃したい人物の尻尾を掴み、反論を封じた状態でその他大勢に自分の意見をあえて繰り返させて、自分に反発した人を次のターゲットにするというような集団いじめも、明らかに悪いことをしている人ならいくらでもやってもいいんだというような気分が広がってしまう可能性すら私が感じたからです。こうした危惧が自分自身の思い過ごしであればいいのですが、やはり多少の逃げ道を相手に作った上でテレビでの追求はやっていかないと、テレビで糾弾されたことによって追い詰められられて、番組自体も騒動に巻き込まれてしまう危険性も出てくるのではないかと思います。

もし今回の事で何も起きなかったとしても、自由闊達なMCの坂上忍さんの面白さを生かした番組作りを続けたいと思うなら、全てイエスマンのような出演者だけで固めるのはやめた方がいいと思うのですが。

(番組データ)

バイキング木曜日 フジテレビ
11/16 (木) 11:55 ~ 13:45
バイキングMC: 坂上忍
進行: 榎並大二郎(フジテレビアナウンサー)
木曜MC: フットボールアワー(岩尾望 後藤輝基)
レギュラー出演者: 薬丸裕英  ホラン千秋  横澤夏子
ゲスト出演者: 仁支川峰子 藤田紀子
コメンテーター: あべかすみ 山根弘行 城下尊之 清原博
【チーフプロデューサー】 小仲正重
【プロデューサー】 宮崎鉄平
【総合演出】 島本亮
【制作】 第二制作室

(番組内容)

自民党人妻市議にW不倫疑惑報道が!生々しいLINEでのやり取りも?▽日馬富士が馬乗りで30発殴打か!?一体何が?貴乃花親方の母・藤田紀子スタジオ生出演