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これは立派な「最終回詐欺」ではないか?

すっかり日曜夜9時からのドラマ枠の中では人気を上げきた「下町ロケット」のシリーズですが、途中のコマーシャルでドラマそのまんまの「無人トラクター」の製品を紹介していることから、先にこうした製品ありきの脚本なのではないか(いわゆるタイアップ)と思えてきてしまうところです。ただそうした事はテレビの民放にはスポンサーがつきもので、そのスポンサーの思惑が番組の内容に影響を与えることが当り前だと思えば、そこまで問題にすることなくドラマの筋書きである「大逆転」のシナリオを素直に楽しめばいいと思い、今回の最終回で今まで溜まった鬱憤が全て晴れるだろうと思っていたのですが、最後まで律儀に見終わって、大いに裏切られたという感じです。

今回の内容は、最終回前の導入部のような感じで、決定的な問題解決ではなく、中途半端な最終回で、「帝国重工VSダーウィン」の争いも決着しませんし、新潟県燕市で米農家になった経理の殿村家対農業法人との決着については、その兆しすら見えないままドラマが終わってしまいました。

実は、年明けの1月2日に新春スペシャルとして今回の続きのドラマスペシャルが放送されるということなのですが、実質もなにも、最終回の内容は年明けにならないとわからないという事だけはわかりました(^^;)。よくある人気ドラマのスペシャル版というのは、本編とは関係ない脇役にスポットをあてたエピソードだったり、外伝的なものにすることで、それまで本編を楽しんだ人を違う側面から楽しませるために作るのが本筋だと思うのですが、これと同じことが大河ドラマで起こったとしたらどうなるでしょう。そんな事も考えてみたくなるのです。

今回のドラマ「下町ロケット」は、「最終回」であるとテレビ番組表や予告でも出されていただけに、実質的な最終回ではなかったということを考えた場合、立派な最終回詐欺であるのではないかと思えます。今回で全てのエピソードが解決すると信じてテレビを見ていた視聴者を莫迦にする行為であるということは認識しているのかと問いたくなりますが、もし1月2日のドラマが終わっても解決しない問題が出てきたりなんかしたら、今以上に気合いを入れてドラマを見ようと少なくとも自分は思わなくなるかも知れません。

テレビが人々の興味を引き付ける方法として、情報を小出しにして次回に期待させるという手法というのは当然あるわけですが、基本的なお約束として「最終回」なら「最終回」らしく、一応はそれまでの設定をきちんと処理して物語を終わらせるという事が大事だろうと思うのです。今回のような物語の進め方をするなら、今回を最終回とはせず、「新年最終回スペシャル」とでもして年またぎのキャンペーンを張ればいいだけの話で、今回のような事をすると逆に今回の話を見逃した人は、まさか新年スペシャルが実質的な最終回だとは知らずに見逃す人も出てくるかも知れません。

たとえどんな人気ドラマでも、ワンクールで一応物語の幕を閉じることが前提になるようにしないと、例えばドラマを二次利用する場合にもおかしなことになりかねません。もし今後、今回の「下町ロケット」を映像ソフト化する場合、純粋に第一回から最終回までという風に区切ると、その物語は今回で終わってしまうことになります。もちろんボーナストラックとして新春特別版も実際にソフト化する際には付けるのでしょうが、ソフトの方でも表記は今回の回が最終回となるわけですし、かなりややこしいことになるかも知れません。見るのは本編だけでいいとボーナストラックは外して見る人もいるかも知れません。

こういう手法は、見せ物小屋の呼びこみだけが達者で、中に入れた後の事まで考えていないようなものです。それは見に来る人の事を考えないで、自分の番組を見てくれさえすればそれを見て怒り出す人がいたとしても、口上に騙されて入場(テレビを見る)する方が悪いと居直るようなものでしょう。このドラマで言えば日本の農家の実情を全く見ないで大型トラクターを自分だけの力で早く出すことに固執した帝国重工の神田正輝扮する重役の的場の考えに近いのではないかと思うのですが。ドラマの内容が内容なだけに、今回の最終回詐欺とおぼしき番組の作り方には心底がっかりしました。

(番組データ)

日曜劇場「下町ロケット」最終回!佃VS帝国重工全面対決…下町プライド最後の大逆転 TBS
12/23 (日) 21:00 ~ 22:09 (69分)

・出演者
阿部寛、土屋太鳳、竹内涼真、安田顕、徳重聡、和田聰宏、今野浩喜、中本賢、谷田歩、馬場徹、立石涼子、朝倉あき、宮尾俊太郎、山田悠介、松川尚瑠輝、菅谷哲也、菅野莉央、原アンナ◇イモトアヤコ、真矢ミキ、森崎博之、福澤朗、品川徹、森次晃嗣、岡田浩暉、高橋努、古川雄大、モロ師岡◇古舘伊知郎、甲本雅裕、木下ほうか、工藤夕貴、山本學、倍賞美津子、尾上菊之助、立川談春、神田正輝、吉川晃司、杉良太郎

・原作
池井戸潤「下町ロケット ヤタガラス」(小学館刊)

・脚本
丑尾健太郎

・音楽
服部隆之 ※隆は生の上に一

・ナレーション
松平定知

・プロデューサー
伊與田英徳 峠田 浩

・演出
福澤克雄 田中健太

(番組内容)
[終]ライバルに先手を打たれ、苦戦する帝国重工…打ち出したのは、またもや突然の内製化!?帝国重工と最後のスペック対決…下町プライドで最後の大逆転を見せろ!

懸命にモノづくりに挑む佃(阿部寛)率いる佃製作所。彼らの想いに共鳴した島津(イモトアヤコ)も佃製作所に加わったのだった。そして迎えた首相視察。観客からも首相からも全く相手にされず、トラブルで立ち往生してしまうアルファ1。さらには帝国重工から湧き上がる内製化の声に佃達は頭を悩ませる。そしてついに佃製作所と帝国重工の最後の戦いが始まる。日本の農業を救うために前に進み続ける男たちの姿を見逃すな!!


時代劇のターゲット層を考えた放送を

最近、時代劇とジャニーズ事務所との関係が良好らしく、TBSの人気番組だった「大岡越前」を当時のシナリオ通り再現したNHK BSプレミアムでは少年隊の東山紀之氏が大岡越前役を演じたり、今回紹介するTOKIOの松岡昌宏氏が彼自身も大好きという遠山左衛門尉の役を熱演しています。

今回のドラマは絵師歌川国芳役の吹越満氏など、松岡氏を支える脇役もしっかりしていて筋書きも安定していてじっくり見ることのできる作品に仕上がっていたと思っています。しかし、見る側にとってはこのドラマをスタートから終了まで見続けることはかなりの荒行だったということもここで明らかにしておきます。

テレビの場合は映画と違ってコマーシャルが入るとはいえ、夜の8時から11時まで3時間を超える長さというのは見る方も体力が必要になります。通常、夜8時からの単発ドラマ枠というのは2時間で、かく言う私もその当日の徳島市の阿波踊りの「総踊り」が夜の10時から開始という話が入っていたので、その中継はテレビ朝日の「報道ステーション」でやるだろうと目論み、ドラマを見た後に見ようと思っていたら10時を過ぎても一向に終わる気配がないので、ここでザッピングを繰り返して徳島市からの中継が始まってからはテレビ朝日の方を見ていました。

もしストーリーをコンパクトにまとめ、通常の2時間で収めていたら個人的な評価は上がったと思いますし、ドラマのテンポも良くなって、主演の松岡昌宏氏の印象もさらに良くなったのではないかと思うのですが。

現代の時代劇は新作が作られることが少なくなったものの、中高年の方々に対して過去の時代劇が人気を博し、CSの「時代劇専門チャンネル」もあります。そうした状況を捉えれば、お盆の時期に久し振りに三世代が茶の間に集まり、そこでおじいちゃんやおばあちゃんが好きな時代劇を見る中で、出演キャストに渡辺麻友さんのような、お子さんだけでなくお孫さんも知っている人が出演している中で、幅広い世代に時代劇の面白さを知ってもらおうとする努力はわかります。しかし、あまりにドラマが長すぎると見ている側がだれてきて、そんな中でつい時代劇を見たいはずのおじいちゃんがコックリと寝てしまったらお孫さんはこれ幸いと自分の見たい番組に変えられてしまうという状況が私には見えます。そういう意味では、かつての「ナショナルアワー」の時代劇「水戸黄門」「大岡越前」は一話完結の1時間番組だったので、小さいお子さんでも飽きることなく見ることができ、それで時代劇が好きになった人も少なからずいるでしょう。

確かに良質なシナリオと良質な芝居があれば評価されるドラマは作ることができるとは思いますが、だからといって関係者が見るにも長いというくらいの3時間を超えるものにする意味というのが個人的には見出せません。この点についてはそれこそ「次はない」くらいの意気込みで、本気で時代劇を多くの人に見てもらって好きになってもらうにはどうするのかという話し合いを行なった上でさらなる作品を企画して欲しいと切に思います。

(番組データ)

ドラマ特別企画 名奉行!遠山の金四郎 TBSテレビ
2018/08/13 20:00 ~ 2018/08/13 23:07 (187分)
(出演)
松岡昌宏 稲森いずみ 中原丈雄 神山智洋 加藤雅也 渡辺麻友 不破万作 生島勇輝 伊藤洋三郎 山崎裕太 村上新悟 中西良太 黒木真二 冨樫真 河合雪之丞 菅原大吉 吹越満 平田満 里見浩太朗 原田美枝子
吉川清之
(脚本)いずみ玲
(監督)下山天
(プロデューサー)金丸哲也 小柳憲子

(番組内容)

去年好評を博した松岡昌宏の遠山の金さんが帰ってくる!水野忠邦の天保の改革が吹き荒れ、江戸の庶民の鬱屈が溜まっている中、謎の連続失火と禁止されたはずの隅田川の花火大会での大爆破、江戸庶民の味方遠山金四郎が女鼠の助太刀、おたねの出生の秘密を明かしつつ見事に解決します!事件の鍵を握る謎の絵師歌川国芳に吹越満、花火師の棟梁役に里見浩太朗が友情出演!