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「相席食堂」を一気に見て気付いたこと

東京でも大阪でもない地方に住んでいる身としては一番残念なのがリアルタイムで多くの人が見ているであろう「関東ローカル」や「関西ローカル」の番組を見られないということがあるのですが、たまたまレギュラー化前の漫才コンビ千鳥の初の冠番組という「相席食堂」のスペシャル版(朝日放送テレビ)を見たことでこのブログに書いたものの、本放送の放送がなくがっかりしていたところ、まさかの「アマゾンプライムビデオ」での一気の配信が行なわれたことで、レギュラー化なった番組を一気に見てしまいました。

アマゾンプライムビデオのことをご存じない方のために少々説明すると、何も設定をしないで続き物の番組の再生を始めると、番組終了とともに次回の番組の配信準備が始まり、そのままにしているとすぐに次の回が始まってしまうような事が起こるのです。今回はそんな感じで、あえて止める気もしなかったので一気に2018年4月8日放送の第一回目から同年6月10日放送の第10回目までを一気に見ました。

そこで気付いたことは、番組の方式は「笑神様は突然に」と同じ、VTRを見ながら気になった所でストップしてトークするというスタイルではあるのですが、そこは関西ローカルらしく、ゲストは出演せずにサインだけセットに残して帰るという体で、主に千鳥の2人がVTRに出演している反論してこないゲストに思いっ切りツッコミを入れることで、スタジオの圧倒的な優位性が際立つものになります。

ただそこは闇雲にゲストをディスってばかりでは全く面白くなくなってしまいますので、色々な意味でツッコミどころ満載の厳選されたゲストをどのように一方通行の中で面白く見せるように千鳥のお二人がいじっていくかというのが番組の見所となっていきます。あくまで個人的な意見ですが、それなりにロケをこなしてこだわりもありそうな千原せいじさんや間寛平さん、横澤夏子さんも面白いですが、こうした旅に全く慣れていないかたせ梨乃さんや武井壮さん、そして出てきただけで千鳥のお二人から突っ込まれたコロコロチキンペッパーズのナダルさんのようなゲスト傾向の方が千鳥のお二人のVTRを見る目が輝いているようで(^^;)、これがこの番組の人気の秘密なのではないかという気もします。

テレビというものは不思議なもので、出演してそれらしく喋りができていれば、どんな番組でもできそうな感じもするのですが、全くのノープランで人と接して「相席」することが必須ということになると、作られたネタやシナリオを覚え込んで披露することには長けていても、人見知りだったり性格が極端に悪いとかで素人とからむと不自然な面が出てしまったりするところがまず面白いわけです。さらに、その面白さがすぐには伝わらなくても、詳しく千鳥のお二人が解説し、どうした方がさらに面白VTRになるのかまで話してくれるわけですから面白いだけでなく同じような地方の旅番組を作っている人にとっても有益な情報だったりするのです。

個人的にはそれが、業界内視聴率が高いという理由になるのかも知れませんが、まだプライムビデオで見られるのは第10回までという事なので、今後の配信によってさらにツッコミどころ満載なゲストも旅をしているようですし、次回の配信を期待して待ちたいところです。

有料のネット配信番組と地上波との違いを考える(「戦闘車」一部ネタバレ有)

地上波のテレビコマーシャルで、有料のネット配信でしか見られないバラエティ番組のコマーシャルを行なうということが時代も変わったなと思うところなのですが、たまたま私自身が有料のAmazon Prime会員になっていたので、とにかく見てみようということで、4回目まで見ました。

「地上波では絶対に見られない」というのがキーワードになっていますが、地上波でのコマーシャルを見ただけだと特設コースで思い切り、過去の高級車をぶつけ合って勝敗を決めるくらいのことで、確かに地上波では「資産価値のある車を無駄に壊すな!」というように、こんなコンセプトのバラエティが地上波で放送されたら、クレームの電話が入りそうな感じの設定になっていることはわかりました。

それと同時に気になるのが出演者の体が大丈夫かということもあるのですが、この点だけについては実際の内容を見る前にテロップで、事前に安全についての想定を行なった上で、スタントマンの指導の元行なっているので、絶対に真似しないで下さいというような文章が流れていました。しかし、他にも地上波でできなそうな番組内での「演出」があり、そちらの方はあえてテロップを出さなくても有料のビデオオンデマンドでは大丈夫なのかとちょっと不思議に思いました。

具体的に書くとネタバレになってしまいますが、個人名を伏せることでこれから見る方に楽しみを残すために全ての内容を書きませんが、ネタバレはネタバレですので、ここからの内容を読む場合には気を付けて下さい(^^)。

まず、出演者の中に一人、物理的に地上波に出ること自体が問題である人がいます(^^;)。その人はコンビ芸人の片割れですが、もう一人の地上波出演に全く問題ない相方はビデオメッセージでの出演をしています。今後、不祥事の種類にもよるのでしょうが、面白いけど不謹慎なので地上波に出られないと残念がっている人の多い芸人がこうした番組から復活を狙って行くことになるのでしょうか。ちなみに、その人とは2回目の自動車事故を起こしたインパルスの堤下敦さんではありません(^^)。ただ、今後はかなり不謹慎だと多くの人に思われるようなオファーを出して堤下さんとNON STYLE井上さんの戦闘車対決というのも可能ならばあってもいい組み合わせではないかとも思います(このように書くからには、この番組にNON STYLEの井上さんが出ているわけでもありません)。

次に、第一回目の放送の前の「エピソード0」でもちょっと出てくるのですが、出演者の中に、自分の車で撮影場所に向かう中でドッキリを仕掛けられて、戦闘車として自分の車を出すようにして参加させられてしまう人が複数います。バトルはかなり激しいので、恐らく出場したが最後、車は廃車に近い状態になってしまうことが予想されますが、大事に乗っていたり、車のローンが残っている状況で車も出演というのは、もし番組の予算内で金銭的保証がなければ単なる芸人へのいじめとして非難を受けそうです。

ただ、この手の笑いというのは、同じ吉本興業の大御所「明石家さんま」さんの愛車「レンジローバー」がフジテレビの特番でビートたけしさんによって2年連続で傷つけられたり意図的に事故を起こされたりしました。必死になって(ということを装っていたのだと今考えると思ったりします)「ヤツを止めろ!!」と叫びながら走って行くさんまさんを見ながら大笑いしたことを思い出しますが、その時にはまだフジテレビアナウンサーの逸見政孝さんが元気で活躍していた時代で、こうした仲間うちのお遊びには抗議も緩やかだったのかも知れません。ただ今同じような事を地上波でやったら、「いじめを増長させる」という感じで即不謹慎だとクレームが付くでしょう。

あと、こうした自分の車を戦闘車として参加させるくだりで面白かったのは、とある芸人の自家用車を戦闘車として投入するかのような煽りがあったものの、その車は中古ではあるものの希少車で、それを制作側が弁償する場合に相当な負担になることが予想されるだけでなく、状態を「事故車」にしてしまったら、他に代わりを見つけようのない車だということを紹介した後で、その芸人の自家用車を「温存」したことです。無茶なことなら何でもやるとは言いながら、自らその限界というものも露呈させてしまったことで、「地上波では絶対に見られない」という言葉もそこまでに響いてこなくなったりするのです。

ここまで紹介する中で、随所に「不謹慎だ」として抗議を受けそうな設定をぶっこんではいるものの、ゲームはあくまでも車同士のバトルであって、それ自体はそんなに珍しいものではなくお金の掛け方が(走行レーンや仕掛けを作るのにかなりのお金がかかっていそうです)妥当なのかどうかという気もします。もし最後にあっというどんでん返しがあるようだったら、今までの考察がなかったものになるくらい自分自身後悔するかもしれませんが、ともあれ継続視聴は続けます。

最終的にこの決着がどうなるかというのは改めて続きを書くかどうかはわかりませんが、吉本興業に今までのような地上波番組では物足りないという気概を持って次のバラエティを作るのなら、別の意味で地上波では流せない内容のバラエティも作っていただきたいです。例えばテレビを見ている人たちが名前も知らないような芸人を多く登場させ、普段なら絶対流さない画面が凍るようなつまらない部分もそのまま流しつつ、地上波バラエティの出演をかけてのサバイバル合戦とか、いわば吉本版「お笑いウルトラクイズ」のような番組なら、そこから新しいスターが出てくる可能性もあるわけですし、地上波にない面白さを私たちに提供してくれるのではないかと思うのですが。

(番組データ)

戦闘車 シーズン1 Amazon Prime Video 2017 YD Creation
出演者:
(浜田軍)浜田雅功、小沢仁志、勝俣州和、山本圭壱、千原せいじ、脇阪寿一、岩橋良昌、佐田正樹、尼神インター 渚、尼神インター 誠子
(千原軍)千原ジュニア、武藤敬司、原田龍二、藤本敏史、松岡充、脇阪薫一、庄司智春、板倉俊之、南明奈

(番組内容)

車好きで知られる芸能人たちが自らハンドルを握り、各々の“戦闘車”で様々な試合に挑む今までにない全く新しい自動車合戦バラエティ!!芸人、レーサー、ミュージシャン、アイドル、俳優、そしてプロレスラーからなる戦闘員が、浜田雅功率いる浜田軍、千原ジュニア率いるジュニア軍にそれぞれに分かれ、スピード、度胸、そして根性が試される命懸けの果たし合いを行う!「走る!」「燃える!」「壊す!」「ぶつける!」これが新しいエンターテイメント『デンジャーテイメント