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「ロケスター」とは地方営業でガッチリ稼ぐ人の事か?

業界人にも人気と言われ、TVerでの見逃し配信やアマゾンプライムで過去の番組が見られたりと、大阪ABCが見られない私でもほぼリアルタイムで見ることのできる「相席食堂」は、テスト版の頃からずっと見る幸運にあずかっていますが、今回は「旅人」のうちで ▽明石家さんまと覇権を争った男(森脇健児) ▽伝説の女格闘家 (アジャ・コング)のお二人しか紹介し切れないという、今後もしばらく続くシリーズです。一通り8名のレポートを見終ってからの方がいいかなとも思ったのですが、このサイト自体が最近は更新をほとんどしていないため、自分自身のリハビリを兼ねてちょっと思ったことなどを書こうと思います。

千鳥のお二人が「ロケスター」として絶賛したのが、二人目に出てきたアジャ・コングさんで、今回の番組を見ている業界の方は早くコンタクトを取って人材として確保した方がいいとまで言っています。それはなぜかと言うと、番組を見た方ならおわかりかと思うのですが、実にそつなく、自分がどのように見られているか、そしてテレビを見ている人は何に興味があるか、さらにさらに、テレビで宣伝して多くの人に施設の良さを感じて欲しいと思っている場所を貸してくれたレジャーランド(地方のロケの場合は即スポンサーになり得る)の方の想いを事前に察知し、その場のレポートを作っているまさに「PR番組のプロ」としてのアジャ・コングさんの行動が明らかになったからです。そういう意味では千鳥のお二人の指摘は的を射ています。

ただ、それと番組の面白さは素直につながらないという一面もあります。もしアジャ・コングさんが地方のテレビ局にスカウトされて、毎週地方の面白い施設や食堂などをレポートする番組を持ったとしても、その番組自体は面白いというよりも地方在住の人には遊びに行ったり食事をしに行くための情報を提供するのが主で、テレビを見て来てくれる人が増えることでテレビ局も広告収入を得やすくなります。テレビショッピングではありませんが、地元のスポンサーのために人を集めるための仕事としては超一級品であることは間違いありませんが、今回の内容は千鳥のお二人が思い切って突っ込み、さらに言うと、その前に出てきた「明石家さんまと覇権を争った男」とされている森脇健児さんのレポートと対比しているから面白いわけです。

スポンサー関係なく面白い映像をロケで撮るという点においては、むしろ森脇健児さんの方が面白いところもあります。しかし、残念ながら施設のレポートという点ではアジャ・コングさんの方が完成されていて、安心して見ていられます。

今後のテレビを考える際、すぐに集客ということでの結果を求めるスポンサーにとっては、アジャ・コングさんのような人を「ロケスター」として注目するようにし向けた方がいいとは思いますが、ただ単に面白いテレビ番組を見たいと思う人にとっては、今回の相席食堂で絶賛された「ロケスター」がテレビで活躍するようになると、ほぼ見たい番組が消えていってしまうということにもなりかねません。

恐らく、そういったことは十分承知の上で千鳥のお二人はアジャ・コングさんを評価されているのだろうと思いますが、今後アジャ・コングさんをしのぐ「ロケスター」の定義が番組の続きで出現されることを期待しながら続きを見ることにしたいと思います。

(番組データ)

千鳥の相席食堂超豪華!ロケスター候補8名が集結~青田買いスペシャル2020夏~
2020/09/01 23:17 ~ 2020/09/02 00:17 (60分)ABCテレビ
【司会】千鳥(大悟・ノブ)
【旅人】 ▽明石家さんまと覇権を争った男 ▽伝説の女格闘家 ▽ショーガール界の秘密兵器 ▽令和の超新星ギャル ▽国民的人気俳優 ▽2020年ナンバーワン女優 ▽女芸人の生きる伝説 ▽大御所アナウンサー

(番組内容)

有名人が見知らぬ街で、地元民と突然、相席!▽偶然の出会いから始まる相席を通じて、街の魅力や新たな自分を発見する新感覚旅バラエティ▽ガチ交流ロケにMC千鳥がツッコミまくる!
ロケスターを発掘する恒例企画「青田買いSP」が今年も開幕▽今回は関西レジャースポットとコラボしたリポート決戦▽千鳥のツッコミ100発以上!真夏の祭典が開幕!


小島よしおさんはテレビにすり寄る必要はあるのか

長らくブログの方の書き込みがない状態が続いていました。Twitterの方はちょっとした感想をアップしていたのですが、テレビのロケ中止、スタジオ収録のストックがなくなり、どの番組も必然的にリモート収録になるに従って、テレビ自体も面白くなくなったということはあるのですが、今回はそんな状況でもちょっと気になる事があり、一週間前の放送になりますが、小島よしおさんが出演した2回目の徹子の部屋についてその内容を紹介するとともに、思うところを書かせていただきたいと思います。

小島よしおさんがブレイクし、初めて「徹子の部屋」の部屋に出演する前に、同じテレビ朝日のバラエティ番組「アメトーーク」での疑似リハーサルがありました。それは過去に徹子の部屋に出演してことごとく玉砕したお笑い芸人達の経験を、初めて出演する小島よしおさんに伝え、何とか黒柳徹子さんに一泡吹かせようと企む、「徹子の部屋芸人」の中でのレクチャーの後に本番へとつながっていったのです。

アメトーークが問題にしたのは、番組では必ず用意される膨大な量の机に置かれたメモでした。番組は「徹子の部屋」でも、本人がというよりも多くのスタッフが綿密なメモを作り、その内容に沿って番組が進んでいくことを多くの方はご存知だと思うのですが、そこでこのメモを台無しにしたら黒柳徹子さんは番組を進行できるのか? ということで、アメトーーク出演者たちは小島よしおさんに「わざと飲み物をメモの上にこぼせ」というミッションをしっかりと事前に放送した上で出演となったのでした。

今回の放送でもその初回出演時の内容を出していましたが、さすがに小島さんは飲み物をこぼすことはできなかったものの、コースターを敷かないままのグラスをわざとメモの上に置き、グラスから出る水分でメモ書きの内容を台無しにしようと精一杯のミッションを実行したのですが、明らかにその際の黒柳徹子さんの態度がおかしくなりました。

「このメモにはあなたの今後の仕事の告知なども書いてあるのに、それは紹介しなくていいの?」というような事を脅迫まがいに言ったのもそのまま放送されていて、当時の小島さんも恐縮していましたが、そのVTRを一緒に見ていた現在の小島よしおさんの恐縮の度合いがハンパではなく、当時の恐い物無さというところからすると、テレビ界の仕組みの中で何とか延命を計ろうとする小者感丸出しという感じで常に黒柳徹子さんに引け目を感じながらの対応に終始していました。

これは、小島よしおさんの事務所がサンミュージックという大手事務所であることと関係があるのでしょうが、あのように恫喝も入れながらインタビューをしても、その人の人となりというものは決して引き出すことはできませんし、「徹子の部屋」という番組自体が多彩なゲストの人となりを感じるのではなく、ゲストがいかに黒柳徹子さんに気を使うのかという状況を見る番組であることを改めて確認することになりました。

一般的にインタビューといえば、この番組の影響もあるのかも知れませんが事前メモは極端としても、話の途中にメモを取ることで話の流れを止めてしまいがちになる問題もあります。今ではスマホで動画も録音も取ることができるので、まともなインタビューアーなら、メモ自体を封印し、状況によっては自由に喋ってもらってインタビューアーが受けた印象を後でまとめた方がその人の人となりが出ますし、ファンが気になる対象の内面に迫ることができるでしょう。

このブログで何回も取り上げた小島よしおさん出演番組に「チャリお遍路」がありますが、あの突然の打切りというのは、苛酷なロケに音を上げた狩野英孝さんが、わざわざ体をイジメなくてももっと簡単にテレビに出て稼ぐことができると考え、それが事務所の意見と一致したのか? と考えることもできなくはありません。もし小島さんが大手プロダクションに所属していなかったら、狩野英孝さんが退場した後でも一人でチャリお遍路を続けるということもできたかも知れません。現在の小島よしおさんの活躍の場がネット配信を使った算数の授業や、子供たちを前にした営業とテレビとは関係のない所で復活してきているということもあり、今回もわざわざ徹子の部屋に出て醜態をさらすのが良かったのか? という風に考えてしまうのです。

かつて同じブレイク時に小島よしおさんが美輪明宏さんとロケで共演された時の事を改めて思い出しましたが、当時小島さんのファンだと公言した美輪明宏さんは今回の番組を見たら何と言うでしょうか。むしろ美輪さんとのかけ合いの中の方が徹子の部屋での小島さんよりも、ずっと彼の人間味が出ていたような気がしました。今回もあえて黒柳徹子さんに恐縮しまくるためにテレビ出演するよりも、もっとテレビと関係ないところで伸び伸びと芸能活動をしていく方がいいのではないかとしみじみ思います。あらゆる権威に反発して独自の芸能活動を続ける江頭2:50さんと同じようにする必要まではないとは思いますが、あえてテレビに擦り寄らないで、逆にテレビの方から向かってきてくれるような活動を目指す方が小島さんにとっては良い方向に行くのではないかと思うのですが。

(番組データ)

徹子の部屋 小島よしお
~ピークを知る男が再ブレイク!~小島よしおさんが今日のゲストです。
2020/06/19 13:00 ~ 2020/06/19 13:30 (30分)

(番組内容)

2007年に、上半身裸の海パンスタイルで踊るネタで大ブレイク!“そんなの関係ねぇ”というフレーズが、流行語大賞のトップテンにも選出されたお笑い芸人・小島よしおさんが登場。

ピークを経験した小島さんは、現在再ブレイク中!コロナ禍で自身のSNSに、算数の授業の動画をアップロードし、それが子ども達の間で大人気。子どもを飽きさせることなく、面白く算数を教えている。また、地下鉄の混雑緩和ポスターにも“ピークを知る男”として起用された。そんな小島さんは4年前に一般女性と結婚。今までの「幸せの物差し」が大きく変わったという。ほか、久米島で一人暮らす母親とのエピソードも愉快に語る。


新型コロナウイルスの感染経路について考えさせられる番組

最初にお断りしておきますが、この番組「ロンドンハーツ」を挙げて不謹慎だと糾弾する目的でこのエントリーを立ち上げたわけではありません。この放送の収録をされた時期は日本政府や東京都知事が「不要不急の外出を自粛して欲しい」というような声を挙げていませんでしたし、この番組はまっとうに企画され、視聴者を楽しませるためのプログラムです。このことに間違いはありません。

しかし、この直後に芸能界では初めての新型コロナウイルスの陽性反応が、コメディアンの志村けんさんに起こってしまいました。なぜ志村さんは感染してしまったのかということを考える中で、この番組の企画のなかで出てくるお笑い芸人のネットワークが関係しているのではないかと思えるところもあるので、今回は単に面白いと笑うだけではなく、今後は他にも芸能界の関係者のなかでも新型コロナウイルスが広がる可能性について考えてみたいと思います。

まず、この番組で出てきたように、芸能界の中には会食や飲み会を頻繁に行うグループが存在し、今回の藤本敏史さんのように中心になる人物が一言電話やLINEでその日の相手を誘っただけでも結構な人数がお店に集まります。志村けんさんを地上波テレビのレギュラーを複数持っているので、番組終わりやそうでないときでも取り巻きの芸能人をいきなり招集して飲むことも多くあったでしょう。そうした飲み会が続けば当然体調に良くないですし、体が弱って免疫力が落ちた時に風邪やインフルエンザ、さらに新型コロナウイルスに感染する可能性はぐんと上がるわけです。

私は志村さんに陽性反応が出たというニュースを聞いた時、いったい芸能人の飲み会事情はどうなっているのかということを心配したのですが、70歳を過ぎて、今回のロンドンハーツで紹介されたような飲み会を連日行っていれば、新型コロナウイルスに感染する可能性は高くなるだろうと妙に納得したのでした。

ですから、志村軍団に属していて連日の会食や飲み会に付き合っていた人が濃厚接触者にならないような感じで報道されているのははなはだ疑問ですし、飲み会の関連から新たな陽性反応が出てしまうなら、本格的に地下にあって換気がうまくいっていないような飲食店の営業について行政の対応が必要ではないかと本気で思います。

そういったことを思い起こさせてくれたという点において、今回の企画は私にとってはドキュメンタリーのような感じで見られてしまいました。番組ではお店に来られるような状況なのに結局やってこなかったコロコロチキンペッパーズのナダルさんをいじるいつものくだりがありましたが、今の状況であればナダルさんのようにお誘いには適当な返事をしつつも行かないというのが一番いいのではないかと思ってしまいました。これを読んでいる方々も、今は多少の義理より命を優先して会食や飲み会の参加について考えてみることをおすすめします。

(番組データ)

ロンドンハーツ 傷ついてるョ!全員集合 フジモンの飲みの誘い後輩は何人来る? テレビ朝日
2020/03/24 23:15 ~ 2020/03/25 00:15 (60分)
出演者 田村淳(ロンドンブーツ1号2号)/藤本敏史(FUJIWARA)、山崎弘也(アンタッチャブル) 他

(番組内容)

色々あって傷心のフジモンに緊急企画。フジモンが可愛がる後輩たちに、急な飲みの誘いをしたら、一体何人の後輩が駆けつけるのか検証!!

飲みに誘ったのは、千鳥ノブ、フルポン村上、パンサー向井、かまいたち濱家、ジャンポケおたけ、ナダル、など10名。 後輩たちに「今日、9時半頃から飯行ける人いる?」と連絡を送り、あとは後輩が来るのを待ち続ける! さらに、後輩たちの仕事終わりを、ロンハースタッフが追跡!! 後輩がちゃんとお店にやってくるのか?を徹底チェック!! 可愛がってる後輩たちは、一体何人集まるのか!?


これじゃ地方局はネット同時配信の流れの中生き残れない

この番組は、年度末の時期に地方局が夜7時代のゴールデンタイムに主に県内の視聴者に向けて自社制作の番組を発信するという形の番組ですが、TVerで見逃し配信として一定期間見られるようなのでここで紹介することにしましたが、静岡県(特に静岡市)在住の身としては、ただただ恥ずかしい番組であったということをまずは感じました。

なぜかと言うと、テレビ朝日系の件の番組のようにタレントのマツコ・デラックスさんを連れ回す番組で、しかも「静岡」の特色というものをマツコさんに知って欲しいというコンセプトの番組であるのに、ことごとく番組の進行や事前準備の足りなさをマツコさんに指摘され、ついにはマツコさんが決して豊富ではないだろう静岡に関する知識や、バラエティを面白くするためのツッコミについて全く対応できない現場のスタッフの愚かさが目立っただけの番組で、本当にスケジュールを調整して静岡まで仕事をしにきてくれたマツコさんに申し訳ないと、テレビの仕事とは全く関係ない私ですら思ってしまうほどの「仕上り」に終止していたのです。

基本的にはいわゆる「マツコの知らない世界」的な効果を狙って、「静岡にはこんなすごいものがあるんですよ」ということをマツコさんや視聴者に見せる番組であったと思うのですが、これは静岡に限らず地方の人々が陥りやすい罠にハマっているということでもあるので、番組の成り行きとともにその駄目なところを紹介させていただこうかと思います。

最初にマツコさんは番組を制作する静岡朝日テレビの正面玄関に到着し、局員およびアナウンサーの歓迎を受けるのですが、マツコさんがはじめにやったことは、東京から出向してきているセント・フォースのキャスターに手を挙げさせ、その個人への批判でした。別にセント・フォースが悪いということではないのですが、セント・フォースと静岡朝日テレビと言うと、局アナとして入社したものの地方局への入社をステップアップととらえたのかどうか知りませんが、人気が出てきた時点でセント・フォースに移籍してしまった牧野結美アナウンサーとの浅からぬ因縁があります。さらにマツコさんは静岡県内出身のアナウンサーに手を挙げさせました。これは、やはり地元のテレビ局はその土地で育った人材を大切にしないとというメッセージだったのかと思いますが、その彼女らに(インタビューは主に女性アナウンサーのみでした)静岡でおすすめなものを紹介させ、そのあまりのステレオタイプの答えにがっかりしていました。時間がない中で、カットされた部分を斟酌するにしても、地元民のプライドはどこへ行ったのか? と思ってしまった一瞬でした。

今回、マツコさんがこの番組の出演を了解した背景には、やはり東京キー局が中心のテレビにあって地方局はどんな番組を作り、東京にないものを発信していく力があるかに興味を持ったのだろうと思ったのですが、それに十分応えられる人材が静岡朝日テレビに存在しないのか、その後の展開でも全くマツコさんのツッコミに対応できないやり取りが続いていきます。

私自身、地元を離れて地方に旅行しに行く場合、観光地化されている土産物店よりも、より普通の人が利用しているであろう地元独自に展開しているスーパーに入って、地元では見たことのないものを探そうとします。今回のマツコさんがスーパーに入った際に見ていたところがまさにそれで、局のプランには「静岡のスーパーで売っているマグロは他県に比べてレベルが高いのだ」というものしかなく、マツコさんがマグロ以外に静岡独自のものはないのかと聞かれてもすぐには対応できず、ようやくスタッフが「のっぽパン(沼津のメーカーが製造している細長いパンで静岡でしか販売していないものだがそう珍しいものではない)」と絞り出したものの、マツコさんが訪れたスーパーでは「のっぽパン」は扱っていませんでした。なぜかというと一般的な菓子パンとの競争に敗れた「のっぽパン」は一時期製造を中止しており、静岡駅構内など限られた場所でしか現在は売っていないためで、いかに場当たり的でマツコさんのキャラクターと台本に任せた番組進行をしているかというのが明らかになってしまったのでした。

当のマツコさんは、スーパーの中に売っていた「おはぎ」をマグロより先に食べてお付きの静岡朝日テレビの男性アナウンサーを慌てさせていましたが、臨機応変にマツコさんも唸るくらいの地元の名産品をなぜ出せないのか、個人的には実に不思議に思いました。

というのも、静岡だけではなく全国の地方局ではいわゆる定番のものではない地方の業者の方に取材し、その様子を夕方のワイドショー枠で紹介する企画を数え切れないくらい行なっています。そうしたノウハウを取材する中で培ってきたのに、なぜいざという時に出せないのかというのは、実は地方であるがゆえの卑屈さにあるのではないかと個人的には思っています。

東京ではそれこそ有楽町・銀座かいわいに行けば全国どこの名産品も手に入るのですが、日常的に食べるには高かったりする場合もあります。ほとんどの地元民が普通に食べていて「こんなものは東京の人にお出しするものではない」と思っているものの中に、実はマツコさんが欲しい未知の名物というものがあったかも知れないのに、それをみすみす放棄するような事前準備のなさと言うのか、自分で地元にあるお宝に気付かないのか、そういうことは全国を旅しているとよく感じることです。それと今回番組で最後に紹介した「冷凍マグロ」とは微妙にシンクロしてくるので、その点をもっとわかってくれば、マツコさんを唸らせるものをもっと番組の中で出せたのではないかと思うと大変残念でしたね。

ちなみに、最後には地元民でも食事代が高すぎておいそれとは行けない静岡市清水の末廣鮨でマグロの希少部位を食べつくすのですが、ここで初めてマツコさんは静岡にしかない名物のパワーを感じたのではないかと思います。

一般的に高級マグロというと、青森の大間で獲れた一本釣りのマグロということになるでしょうが、この末廣鮨では遠洋漁業で獲れたミナミマグロの冷凍マグロで勝負しています。食通からすると生でなく冷凍なんてと言われるかも知れませんが、冷凍といっても零下70度で一瞬にして凍らせるため、その食感は生とは別の味わいがあり、それは静岡に来ないと味わうことができない(つまり、いいものは東京に持って行かせない)と言う末廣鮨の大将の言葉にマツコさんは納得したのです。

結局は、きちんと食材に向かい合い、掛け値なしの真剣勝負をしてきた人の言葉でないとマツコさんの心を揺さぶらなかったということで、これはテレビ局の手柄ではなくあくまでも末廣鮨さんの手柄であると言えます。だったら取材するのは地元局ではなく東京のキー局でもいいということになるのですが、地元局の存在意義が無くなるような番組をよく嬉々として放送しているなと思った今回の地元局特番でした。このままではネット配信にやられて本当に地方局はいらなくなってしまうような気がします。本当にそれでいいのか、全国の地方にいる方にも考えてもらいたい問題提起のような番組であったことは確かでしょう。

(番組データ)

マツコ、静岡でマグロを喰らう。 静岡朝日テレビ
2020/03/09 18:57 ~ 2020/03/09 20:00 (63分)
出演 マツコデラックス  須藤誠人(あさひテレビアナウンサー)

(番組内容)

マツコ、静岡に降臨!!静岡が誇るマグロを堪能。世界一寒い!マイナス70℃の冷凍倉庫で悶絶。さらに寿司の名店でマグロの「超希少部位」に感涙!
◆店内騒然!?静岡のご当地スーパーへ 静岡はスーパーのマグロでさえもうまい?そんな噂を検証するためマツコがご当地スーパーへ。「○○マグロは知らない!」とマツコが驚いた さらに静岡の名産にも興味深々!?いったいマツコが気になったものとは?
◆冷凍マグロが眠るマイナス70℃の世界へ 世界一低温!?マイナス70℃の冷凍倉庫でマツコが大ピンチ!?「こぇええ」「すげぇぇええ」と大絶叫するマツコ。「死を感じた」というほど、衝撃的な体験に!!
◆有名人も通う 寿司の名店へ 冷凍マグロだからこそのおいしさを楽しめる寿司の名店へ。ここでしか味わえない超希少部位を使った「幻のマグロ」にマツコ大興奮! 静岡でマグロを喰らいつくしたマツコが思うこととは…。


面白い素人をさらに面白く見せるのが芸人の腕?

芸能人がロケに出てその内容について千鳥の二人がロケのVTRに壮絶に突っ込むのがこの番組の真骨頂ですが、今回は大阪の中でも芸人以上にテレビ映えする素人さんの巣窟である(以前「明石家電視台」に出演した大阪のおばちゃんもそうでした(^^))新世界にロケに入り、M-1グランプリ決勝進出者がのきなみ登場し、一番ロケが面白いコンビを決定するという内容でした。

この企画は先週から行われていて、その分を含めた内容で優勝したのが、M-1グランプリ決勝で8位に沈んだ「ニューヨーク」だったのですが、そのVTRでしょっぱなに登場し、昼間から出来上がっているその日に仕事をクビになったというやばそうな若めの女性が出てきたときには、テレビを見ているだけでも新世界とは怖いところだと(^^;)思いそうになったのですが、そこからかなり意外な展開になっていきました。

恐らく他の視聴者の方々も、このように酔った感じでテレビカメラが回っているにも関わらず馴れ馴れしく場に入って主導権を握っていく素人というのは、相当面白くないとテレビで見ている人まで面白くなることはありません。私自身も見ていてそのパターンだったのですが、やはりここは大阪だからかなのか、それともロケをしたテレビスタッフが絶妙のところでVTRを編集したからなのか、この若いお姉さんは途中で破綻することなくニューヨークのお二人と話を続け、街ブラ-1GP初代王者をニューヨークが一点差で獲得するキーパーソンになったような気がします。

なぜそんなにカメラ慣れしているのかというと、出演時にもその人が言っていたのですが、始めたばかりとはいえ、YouTuberとしてスマホのカメラの前に向かって自分で言いたいことを喋って発信するということを以前から実践していたということがあるのではないかと思います。

番組外のネットでは、あのお姉さんのアカウントは何だ? と一部色めき立ち、今では「相席食堂のクビになったお姉さん」で検索すればすぐにその人のYou Tubeチャンネルが出てきます。この辺は実にテレビとネットが連動している感じですね。

その内容を見ると、このお姉さんがなぜ数えきれないほど仕事をクビになっているかということがわかります。単なる酔っぱらいの面白いお姉さんというところしかテレビでは写りませんでしたが、興味のある方はその動画を探せばわかります。ただ、テレビのような面白さを期待しても、やはり固定カメラで自分のしゃべるのを撮影するだけのものと、きちんとテレビを見ている人が面白いと思ってもらえるように編集してあるものとは違います。しかし、そのお姉さんが自らの事を語るさまというのは、やはりカメラ慣れしている感じが半端ではなく、これもスマホを単なる電話として捉えるのではなくいつでもテレビ番組のような動画が撮れるハードとして使いこなしている感じを受けました。

むろん、いくらテレビ慣れしていて、それなりに面白い内容を発信していたとしても、その面白さを知るきっかけがなくては話になりません。しかし、たまたまこのお姉さんは相席食堂のロケに遭遇したことで、一時ではありますが多くの人に知られるチャンスを得ることになりました。このようにして出てきたのがフワちゃんのような芸人への入口にYou Tubeを使う人たちで、今回のお姉さんもこれからどんな形で活動していくのかはわかりませんが、今までと違った入口でテレビ出てくる人はこれからも増えていくのだろうなとふと思いました。結果的にこのお姉さんはニューヨークに出会ったことがラッキーだったという風に思います。

ちなみに前回の前半のロケが低調に終わったのは、出演していた漫才コンビより地元で飲んでいるお兄さんやおじさんの方が面白く、さらには自分からその場を回しに行ったりして、台本を作り込んで面白さを作るようなタイプの芸人さんには大変なロケだったで、多くのコンビがそのプレッシャーの中で潰されてしまったのではないかと思われます。ただ、そうした「天然の面白さ」を持つ素人や、下手な芸人よりエピソードトークが多彩なYouTuberにからみ、普通に相手に話をさせるよりさらなる面白さを引き出すような事が出来ないと、地上波のバラエティでメインの座に座ることはなかなか難しいと思われます。

今回の街ブラー1グランプリは優勝したミルクボーイこそ出ませんでしたが、M-1グランプリとは全く違う意味でテレビで見て面白い芸人は誰かということをはっきりさせることができるロケになると思いますので、この番組がもし来年まで続いていたらぜひ次のM-1グランプリの決勝進出者にオファーして、第二回目を開催して欲しいですね。

(番組データ)

千鳥の相席食堂【M-1ファイナリスト集結!街ブラ-1GP初代王者が今夜決定】
2020/02/18 23:17 ~ 2020/02/19 00:17 (60分)ABCテレビ
【司会】千鳥(大悟・ノブ)
【旅人】インディアンス オズワルド からし蓮根 すゑひろがりず ニューヨーク ぺこぱ(あいうえお順)

(番組内容)

もうひとつのM-1グランプリ「街ブラー1グランプリ」開幕!先週に引き続きファイナリストたちが難攻不落の相席食堂ロケに挑む
▽審査員はロケの修羅・千鳥!初代王者は?
有名人が見知らぬ街で、地元民と突然、相席!
▽偶然の出会いから始まる相席を通じて、街の魅力や新たな自分を発見する新感覚旅バラエティ▽ガチ交流ロケにMC千鳥がツッコミまくる!
M-1ファイナリスト6組が相席食堂のロケに挑む、街ブラ-1GP開幕
▽勝てば名声!負ければ地獄!今週はオズワルド・からし蓮根・ニューヨークが登場
▽「ついにこの大会が爆発しました」審査員千鳥が太鼓判を押した超白熱の後半戦!初代王者に輝くのはいったい!?


NHK「のど自慢」のダメな点と生放送の活かし方

今回の放送では3人の激レアさんを紹介したかなりボリューム満点の構成になっていましたが、今回ピックアップしたいのは2番目にちょこっと出てきた「コウちゃん(ネットでは「養老の星☆幸ちゃん」の表記もあり)」についての話題の中でのことです。

ご存知の通り、NHKのテレビとラジオで日曜のお昼に放送されている「のど自慢」は、日本の国民的な番組で、出演する人だけでなく単に見る人だけでも毎週楽しみにしている方も多いと思います。「コウちゃん」は岐阜県養老町での公開放送に20人中の18番目に出演し、シャ乱Qの「いいわけ」を熱唱したのですが、時間にして30秒あまりで鐘2つの失格となりました。

普通は、どんな個性的なキャラクターが出たとしても話題になるのは放送直後のみでそこまで影響が長続きすることはないのですが、番組によると様々な要因が重なって「のど自慢」の中にとどまらず他局の番組にもオファーがかかり、さらには楽曲を歌っているシャ乱Qとの関係もできるなど人生が一変したとあります。

その話を当時のど自慢の司会だった現在はNHKを退社しフリーアナウンサーになっている宮本隆治さんが話をしていたのですが、たまたま放送日に放送開始前にニュースが入って10分遅れのスタートになり、さらに生放送であったことからコウちゃんの出番になった最後から3番目の18番の出演者をいじる時間がなかった(歌い方に大変な特徴があるので(^^;))ことがその後のブレイクにつながったという考察がされていました。

私自身はのど自慢の本放送は見ていなかったのですが、その放送を見てどうしても「コウちゃん」の素性を知り、フルコーラスでの「いいわけ」が聞きたいという依頼を「探偵ナイトスクープ(朝日放送)」に出したのはしっかり見て、その面白さに大笑いした記憶があります。当時の探偵ナイトスクープでも放送のVTRを見直し、野球で頑張っているということと、会場に来た応援団が「養老の星☆幸ちゃん」という横断幕を掲げていることが画面に映ったことを頼りに本人にたどり着いたわけですが、その後「探偵ナイトスクープ」を見たであろうフジテレビの「めちゃイケ」で取り上げられたことで、本家のNHKでも特別枠での再出演がかなうことになったということで、「ほぼ一分で人生が変わった人」ということでの出演になったのでしょう。

ここで改めて思うのは、NHKのど自慢スタッフの、テレビでもっと注目を浴びてもいい人をことごとく取り上げない「伝統」と言うべきものでしょう。ウィキペディアの「のど自慢」の項目には、のど自慢に出場してからスターとなった歌手の一覧が紹介されていますが、古くは美空ひばりに始まるスターをNHK独自の基準で合格させない(^^;)という仕打ちの歴史が明らかになっています。

逆に言うと、それだけ価値判断に疑問の余地が残るNHKののど自慢であっても、放送局側で編集によるカットができない中でどうしても出てしまうところが注目されてしまう「生放送の特徴」によるものが大きく、今後のテレビを考える上でしっかりと台本があって内容を作り込むものがある中で、その中で何が起こりどんな人が目立つかわからないという生放送での先鋭的な番組作りが増えてもいいのではないかと思えるところがあります。

そういう事について、たまたまその前日の同じテレビ朝日「マツコ有吉のかりそめ天国」の中でテレビの生放送について話していた事について、番組MCのお二人が例として出していたのが番組EXテレビOsaka「低俗の限界」(MC・上岡龍太郎&島田紳助 ゲスト・竹中労(2回目の放送時で前回の放送の抗議がすごかったためこの時は収録放送))でした。お二人の知識とテレビへの考え方について、具体的にすごいと思えたのは、このEXテレビの先鋭的な取り組みをきちんと評価し、まだインターネットも普及していない中でどんなに面白い番組を作ってもそれが作ったそばから消えていく宿命を帯びていた中、きちんと自分たちの先導者としてしっかり仕事をしていた人たちを評価しているという姿勢が見えたからです。

ちなみに「低俗の限界」という番組は、テレビでどこまで低俗的なものが許されるかという事を真面目に論議しているものの、MCおよびゲストが座っている頭をまたぐような形で一糸まとわぬ状態で股を開いた若い女性が座っているというものでした。生放送なのでちょっとでも出演者やカメラの位置がずれれば放送事故になってしまう中、よくこの企画を立ち上げ、さらに出演者もよくこの番組に出たものだと思いますが、現代はどうでしょう。

テレビ局の働き方改革が言われる中、テレビの現場に関わる業務を軽減するためには生放送を増やすことで少なくとも収録は時間内で終わるわけで、その中で面白い番組を作り、さらにはハプニングが起きたとしてもそこから新たな面白さを見出したり、新しいスターを発掘するのもテレビに関わる人の使命ではないかと思うのですが、来年にはそんな先鋭的な志を持った番組の出現を期待したいですね。

(番組データ)

激レアさんを連れてきた。テレビ朝日
2019/11/30 21:54 ~ 2019/11/30 23:10 (76分)
【研究員】若林正恭(オードリー)
【研究助手】弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)
【客員研究員】高橋克実、広瀬アリス ※50音順

(番組内容)

『ママチャリで娘を幼稚園に毎日送り迎えしていたら驚くほど脚力がつき、史上最年長の50歳でプロ競輪選手になっちゃった人』ほか今夜は豪華3本立て!
豪華3本立て激レアさん…
◆ママチャリで娘を幼稚園に毎日送り迎えしていたら驚くほど脚力がつき、史上最年長の50歳でプロ競輪選手になっちゃった人
◆『のど自慢』で、衝撃的なシャ乱Qの『いいわけ』を披露したら、人生が180度変わっちゃった人
◆宝くじが2億円当せんしたものの、それを誰にも言わずひたすら食べることだけで5年で使い切った人


計算された「ヘンなもの」を見抜けなかった?「ナニコレ珍百景」

今回紹介する2019年11月3日に放送された「ナニコレ珍百景」において、個人的な感想ではありますが、珍百景でも何でもないと思った投稿が珍百景として認定されました。この番組は過去にも書きましたが、街の中で埋もれた生活の面白さをあぶり出すものとして、極めて学術的であるという風に思っていたのですが、それもきちんとしたものを放送しないと、極めて悪質で不確かな情報の無責任な発信にもつながりかねません。ここでは、なぜ私が「珍百景でも何でもない」と思ったのかということをしっかりと説明させていただこうかと思います。

まず、番組を見ていない人のために、何の投稿について書いているかということを明らかにするため、テレビ朝日の放送内容の個別紹介のページから、今回話題にしたい一件についての説明を紹介します(一部、デリケートな部分についてはこちらの判断で伏せ字にしています)

(引用ここから)

■入りづらいセクシーなパン屋さん(埼玉県さいたま市北区)
★珍百景登録★
投稿:T.R.さん
ピンク色の外観に「○○」「△△」(注・この部分だけでも店舗を特定する材料になり有るので伏せ字化させていただきました)などセクシーなことばが書かれた、店頭販売のみの高級食パン専門店「○○○○○」(注・この部分には実際の店舗名が書かれていました)。
販売しているのはプレーンな食パン「△△」と、1日限定20個のレーズン食パン「□□」の2種類。(注・同様に商品名についても伏せ字にしました)
少しでもお店に興味を持ってもらえるようにパン屋さんらしくない店構えにしたそう。

(引用ここまで)

この文章を書いている2019年の時点ではいわゆる「高級食パン」がブームであり、テレビ東京系で放送されている「ガイアの夜明け」の2019年5月7日放送分でも「膨らむ!”食パン”戦国時代」と題して、全国で増殖する食パン専門店の裏側を取材していました。そこで出てきたのが、全国で素人でもノウハウを覚えれば開業して人気店になることも夢ではないと、素人も参入する様々な食パン専門店をプロデュースする「ジャパン ベーカリー マーケティング(JBM)」の岸本拓也社長という方です。

この方のプロデュースするお店は奇抜な外装と紙袋の装飾、そして思わず二度見してしまうような店名で人をひきつけ、高級食パンのみを持ち帰り用のみで売るというところで共通しています。私が住んでいる地域にも岸本氏がプロデュースしたお店があり、連日行列ができているそうですが、今回「ナニコレ珍百景」で紹介されたお店も岸本氏がプロデュースしたお店なのでは? と思って調べてみたらまさにそうで、2019年10月にオープンした、番組放送時の氏のプロデュースしたお店としては一番新しいお店ではないか(「ジャパン ベーカリー マーケティング(JBM)」のホームページの一番新しい開店情報としてお店の名前が紹介されていたことから)と思えました。

個人的には停滞した地域経済を活性化するため、こうしたお店が全国でオープンすることに不快感をもらすなんて想いは全くなく、おいしい食パンとしていただけるならいい事だと思っていますが、それはあくまで口コミやSNSでの反響を意図してプロデュースされた仕組みの中での「ヘンな店名」であり、そこがプロデュースする際の肝になっています。その点においては他の岸本氏のプロデュースした全国にあまたあるお店と何ら違うことはなく、なぜこのお店だけがテレビに出て「珍百景に登録」されなければならないのか、理解に苦しみます。

ここで、改めて引用されたネット情報に注目してみると、この情報を番組に投稿したのはT.R.さんという匿名の人物で、果たしてこの人がお店の関係者であるのかないのかは視聴者レベルではわからず、番組内は岸本氏の存在も明らかにしなかったため、テレビ局もグルになってお店の宣伝をしたのではないか? という疑念が生まれたというわけです。

もしこの番組が「ナニコレ珍百景」でなく、かの上岡龍太郎氏が出演していた当時の「探偵ナイトスクープ」だったらどうなっていたでしょうか。上岡氏はきちんとスタッフや担当の探偵に厳しい発言をしたはずです。少なくとも「ナニコレ?」と思ったものについてその理由も紹介するのが「ナニコレ珍百景」という番組の命だと思うのですが、このネタに限ってはそうした調査をした感じは画面から感じることはできず、そこにテレビ局と業者との癒着があったのではないのかなどという、実際にはそうした事が行なわれていなかったとしても、ある種の「疑惑」が生まれてしまうのです。

というか、私自身も今回の事例がテレビで出る中で、岸本氏のプロデュースしたお店ではないかと思ったのは単に「ガイアの夜明け」で見たことがあったからという理由だけで、特別に勉強したわけでも何でもありません。同様にこの事を知っていて今回のVTRを作ったスタッフがいたのか? という事については、テレビ製作を生業にしている人がこうした事実を知らないでいたことはないと考える方が普通だろうと思うのですが、私の考え方がおかしいのでしょうか。

話はポンポン飛んで申し訳ないのですが、こんな時代だからこそ、「探偵ナイトスクープ」の局長にダウンタウンの松本人志さんが就任されるというニュースを聞き、少なくとも、局長に就任後、なあなあの姿勢でいい加減なVTRを作ったスタッフと出演者に対しては、それこそかつての上岡龍太郎局長のように、ビシッとした一言を決めて視聴者に納得させて欲しいと期待します。それが今回のような適当な番組作りをしている人にも響いてくるのではないかと思うからです。

(番組データ)

ナニコレ珍百景 近所の人が風呂に入りにくる家&怪獣が鳴き叫ぶ住宅街SP テレビ朝日
2019/11/03 18:30 ~ 2019/11/03 19:58 (88分)
【MC】名倉潤・堀内健(ネプチューン)
【珍定委員長】原田泰造(ネプチューン)
【進行】森葉子(テレビ朝日アナウンサー)
【珍定ゲスト】ビビる大木・川島海荷
【ナレーター】奥田民義・広居バン

(番組内容)

★長崎・雲仙…130年前から他人が風呂に入りにくる民家
▼名古屋…小さな象が踊るように歩く商店街
▼岐阜・瑞穂…超巨大スーパー
▼神奈川・川崎…夕方になると怪獣が鳴き叫ぶ住宅街
▼さいたま市…ピンクの外装&セクシー看板…入りづらいエッチな○○店に大行列
▼長野・大町…ラブレターを売る自動販売機
▼青森・十和田…個人特定の交通安全看板「中野渡さんスピード落として」の謎
▼名古屋…住宅街の家具店に売値35億円の置物の謎
▼岐阜・美濃加茂…道端に「タバコ」と書かれた謎の石碑【家族じまん珍百景】カワイイ動物&おもしろ家族が大集合
★広島・大竹…散歩中に決まった場所で高速回転する犬
▼三重・津…犬の足に現れるタモリさん?
▼兵庫・明石…お医者さんもビックリ!カエルの顔の動きを忠実にマネする25歳の美人姉vs川島海荷も挑戦
▼三重・松阪…20年前から建物の屋上にずっといる黒ネコ?その正体は?
▼名古屋…木の精?人の顔に見える木を発見


早速「シルシルミシル」化した「かりそめ天国」

もはやこのタイトルだけで説明不要かと思いますが、市販のパスタソースのベスト10を決める企画というのは本当に金曜夜8時からの視聴者層に合わせたプログラムで、いったいランキングインしたパスタソースを出している企業からテレビ局はいくらもらっているの? なんてことも疑ってかからなければならない番組に成り果てたという感じがしますね。

深夜の時には実際に出店している食事のできるお店のランキングを作り、その中に完全に取材NGで店名すら出ないところもあり、その点は嘘がないランキングでしたが、手法は同じでもその本気度を疑うような内容に変わり果ててしまいました。

このままだと同じマツコさんが出演する「マツコの知らない世界」のように、スーパーや各種小売店の棚に「かりそめ天国で紹介!!」なんて風にポップが付いて販売促進の材料にされることになります。こういう手法というのは本当に危ない傾向で、もし事前に特定の企業に忖度して順位を決めていて、MCの2人がその製品を台本上で褒めなければならないというような噂が出たとしたら、番組は「発掘あるある大辞典」のような運命をたどる可能性も考えられます。

もしかしたら番組MCのお二人も、ゴールデン昇格の話があった時点から今回のような番組の構成になることを予想し、いいペースで自分の出演する番組を絞っていこうかと思って、こうした状況になっていることをわかってカメラの前で踊っているのかも知れませんが、このままこんなネオ企業宣伝番組になるなら、やはり「ゴールデン昇格は番組の墓場」という流れにこの番組も乗ってしまうのかと思ってしまいますね。

それにしても、表題にした「シルシルミシル」がゴールデンに昇格したのに合わせて放送時間を移動したのがこの番組の前番組である「マツコ&有吉の怒り新党」だったそうで、テレビ朝日はなぜまた同じ事を繰り返すのかという感じがあります。現在の水曜の報道ステーションの後番組は「家事ヤロウ!!!」(バカリズム・中丸雄一・カズレーザー出演のバラエティ)ですが、この番組も人気が出てきてゴールデンに昇格すれば今の内容よりもいかに家事に関連するグッズをランキング化してその商品を売らんがための番組に変わっていくだろうなんて思うと、もはや深夜番組の時点にも関わらず、今後の展開を期待して見られなくなってしまいます。

民放は企業からのコマーシャルがなければやっていけないのは重々承知ですが、新聞でさえ広告のページには「全面広告」という文字が載って通常の紙面とは区別しているのに、シルシルミシルにしろかりそめ天国にしろ、バラエティと広告の境目がわからなくなるような番組の作り方にするなら、いっそのこと「全部広告」の内容でMCの二人から褒め殺しされるような番組にした方が、バカバカしくて笑えるのではないかと本気で思います。

そういう意味では、深夜や午前中枠のテレビショッピングをいかに面白く作るかということを考えておられる番組制作者の方に私はこれからのテレビの可能性を感じます。こういった番組の変化を見てテレビそのものに愛想をつかす人が出てきたとしたら、それはこうした番組を作る決断をしたテレビ局が自分で自分の首を締めていると言っても過言ではありません。このままでいいのか? という根本的な問い掛けを改めてこの番組には申し上げたいです。

(番組データ)

マツコ&有吉 かりそめ天国 テレビ朝日
10/25 (金) 20:00 ~ 21:00 (60分)
【MC】マツコ・デラックス、有吉弘行
【進行】久保田直子(テレビ朝日アナウンサー)
【VTR出演】岡部大(ハナコ)、後藤拓実(四千頭身)

(番組内容)

◇マツコ、スマホのキャッシュレス決済に苦悩!
◇「ガチガチランキング」はいま絶対食べるべきパスタソース編! 約1000種のパスタソースからベスト10が決定!

「子供の習い事、何がベスト?」 マツコ有吉、親主導の習い事に苦言…教育論を語る! 「クーポンやポイントカード、使うのがちょっとはずかしい…」 マツコ、スマホのキャッシュレス決済に苦悩! VTRは「ガチガチランキング いま絶対食べるべきパスタソース編」 マツコ有吉も絶賛! 約1000種の中から、有識者が癒着・忖度なし、ガチで選んだパスタソースベスト10が今夜決定!

視聴者から寄せられた『お悩みメール』や『お怒りメール』、視聴者の皆さんの「こんなことやってみたい、見てみたい!」という“欲望”を叶えるVTRをもとに、マツコ・デラックスと有吉弘行が好き勝手にトークするバラエティ番組!進行は久保田直子アナウンサー。


政治家の「モノマネ」が芸人にできない時代

今回の内容は、「アメトーーク!」としたらかなりゆるい内容で、出演した皆さんが全員サンドウィッチマンについては骨抜きになったような悪い事は一切言わない状況だったのであまり評価としては高くないかも知れませんが、そんな内容だからこそ垣間見えた点がありました。

ゲストが全員サンドウィッチマンの「イエスマン」だからこそ、サンドウィッチマンのお二人がなかなかテレビでは見ることのないいわゆる「楽屋裏」の写真やモノマネが出てきたのですが、今回は伊達みきおさんがそんな自身に甘い状況の中で披露した「安倍晋三(安倍首相)氏のモノマネ」について思うところを書いていきたいと思います。

まず、伊達みきおさんの安倍首相のモノマネはそれほどクオリティが高くなく(^^;)、さらに内容も「どんな事を聞かれてもアメリカ大統領のトランプ氏に電話して一致した」という事を話すというワンパターンのもので、テレビで何度も披露するものではないのではないかと思えます。しかし、この時の首相のモノマネというものをテレビで見る機会がほとんどなくなった今見ていると、そんなモノマネでも結構面白く、「全部トランプ氏に相談して決める」という行動を揶揄しているわけではないにしても、それ以外ネタがないので同じ事を何回も何回も繰り返しているうちに微妙な面白さというのが生まれてくるから不思議です。

過去には政治家を揶揄して笑いを取るというのは、古くは三木鶏郎氏のラジオ「冗談音楽」がありまして、NHKが政治ネタを笑いにすることを禁止されるようなこともあったのですが、その後は時の権力をやり込めるというよりも、単にものすごい個性のある政治家の姿を真似することで、そのデフォルメされた姿がより一層広まることもあり、政治に全く関心のない人でも加藤茶さんが真似をする田中角栄氏とは本当にそんな喋り方をする人なのかとつい国会中継を見てしまうというような事もあったと思います。寄席ではモノマネではなく「声態模写」の芸と言われた桜井長一郎さんが様々な声色を使って「一人国会中継」をやるのが演芸番組で放送されたりされたことで、日本の当時の政治家の方々を身近に感じられるようになったということもありました。そして、今から考えると田中角栄・大平正芳・三木武夫・福田赳夫といった元首相の面々が文句をテレビに言うこともなく「声帯模写」の芸を殺さないで放置していてくれた事も重要な点であったような気がします。

現在の政治家については、小泉純一郎さんや麻生太郎さんがモノマネをされていたことがありましたが、これはそれだけ個性の強い声をしている政治家であったことの裏返しで、かえってその人物の大きさを感じる事ができると思う方もいらっしゃるでしょう。その後、小堺一機さんと清水ミチコさんの鈴木宗男氏と田中真紀子氏との対決なんてネタもありましたが、You Tubeで検索しても消されているのか出て来ないのが悲しいところです。

恐らく、今後真面目に安倍首相の国会答弁をデフォルメして笑いに使おうと思った人がいたとしてもテレビ局側からNGが出るような気もしますし、すでに時の首相でお笑いなんてことがご法度になっているのかも知れませんが、だからこそこの番組で安倍首相のモノマネを何回も何回も強要させる姿というのは何とも言えない面白さがあったのだと思えます。恐らくあれだけ東北の復興に力を尽くしているサンドウィッチマンのお二人にテレビ局も政治家方面も、今回は特別だと思わせることができれば、改めて文句も出ないと思われます。

ただ、同じ事をテレビでやるというのはなかなか難しいでしょうね(^^)。それでも、私なども半は忘れ掛けていた芸人による政治家のモノマネで笑いを取る行為というものがまだテレビの裏側では生きていたということを確認できたということだけでも今回の番組は貴重なものを見たという感じにさせられて、見る機会があって良かったと心から思えるものでした。実際に伊達みきおさんの安倍晋三氏のモノマネが見たい方は、テレビには出ない劇場でリクエストされると、もうお腹いっぱいと思えるくらいやってくれるのではないでしょうか。

(番組データ)

アメトーーク! サンドウィッチマン大好き芸人
2019/05/16 23:20 ~ 2019/05/17 00:20 (60分)テレビ朝日
【MC】雨上がり決死隊
【ゲスト】サンドウィッチマン/中川家&ナイツ&狩野英孝&トミドコロ&口笛なるお

(番組内容)

▽サンドを知り尽くしたメンバー
▽中川家&ナイツ&狩野
▽大ファン剛の盗撮写真
▽塙&伊達…即興漫才
▽礼二がダメ出し
▽後輩が暴露
▽テレビでは見せないウラの顔&モノマネ


思った事を包み隠さず言葉にする子どもの恐さと凄さ

まず、最初に苦言を呈しておきますが、この番組をなぜ今になって紹介するかと言いますと、私の住む静岡県では2月2日に放送されず4月30日午後の放送になったからです。改めて番組の内容を詳しく知りたいと思って番組のホームページにアクセスしたところMCのサンドウィッチマンと芦田愛菜さんの名前は出てきたものの、番組に出演した「博士ちゃん」の子どもたちの名前については一切紹介されていなかったというのはどういう事なのでしょうか。

今回出演したお子さんたちの中で、このブログで取り上げたいのは番組データにある(1)の美空ひばりをこよなく愛する超歌うま11歳少女だったのですが、この子がどういう方なのかということが、公式ページからでは調べられないというのでは、この番組をきっかけにして何か興味を持ったテレビを見ていたお子さんの可能性まで潰してしまうといったら言い過ぎでしょうか。テレビに出て顔と名前を出しているならば、せめて番組を紹介したページについてはきちんとしたデータを出すべきではないかと思うのです。

ただ、番組名とキーワードでさらに検索を掛けると、やはりテレビに出たり多くのコンテストに出て歌っている子だけに、他の子と比べると比較的簡単にその名前を見付けることができました。梅谷心愛さんというのが11才の少女の名前でした。テレビの「歌唱王」「カラオケバトル」といった素人の歌唱力を競う番組にも出演している、将来の歌手を目指している子です。ひいおばあちゃん(だったと思います)の影響で美空ひばりさんの歌に惚れ込み、当時の流行歌を聞き自分でも歌い、その歌唱力もかなりのものなのだそうです。

ちなみに私自身の美空ひばり体験というのは、もはや大御所としての存在だった時期からしか知らないため、身内の不祥事によって紅白歌合戦を辞退した時のイメージが長いこと強く、当時ニューミュージックと呼ばれるジャンルに勢力を縮小しつつあった「古くさい演歌歌手」という感じで考えていたので、その歌手としての凄さというのは大人になるまでわかりませんでした。ひばりさんの魅力というのは、心愛さんと同じくらいの小さな頃から歌手だけでなく女優としてもデビューし、その子どもに思えないほどの歌唱力をもって歌った様々な歌の魅力があります。

それこそ昔は「悲しい酒」のような曲調のものしか知らなかったのですが、それは大きなる認識不足で、それこそ素人がおいそれとカラオケで歌えない曲の数々に驚愕し、改めていろんな時代の曲を聞き直した私からすると、心愛さんが番組で紹介した「美空ひばりのすごい曲」として取り上げるのは何かのかちょっと興味が湧いたのでした。

結果として紹介されたのは「お祭りマンボ」「ひばりの佐渡情話」「人生一路」という、11才の少女から出てくるにはちょっと考えられないような曲の数々でした。さらに、美空ひばりの代表曲とされる「川の流れのように」に一切触れなかったというのも本当に美空ひばりの歌について良くわかっていると思われる事でした。

ただ誤解してほしくないのですがここで私は「川の流れのように」をディスっているわけではありません。この曲は、素人がカラオケでもそれなりに歌える曲で、ひばりさんが演歌に興味を持ちにくい若い人にも興味を持ってもらえるようにと、ひばりさんの最晩年に作られた曲であり、ひばりさんの代表曲の一つには違いありません。こちらで想像するに、すでに美空ひばりさんの多面性のある歌の魅力を知ってしまっている心愛さんにとって、ひばりさんが若者の側に寄せた曲である「川の流れのように」とは別の方向の「本当にすごいと思う曲」を出してきたのではないかと思われます。

ちなみに、著書に「美空ひばり」があり、生前には「ひばりウォッチャー」とも言われたルポライターの竹中労さんが選ぶ美空ひばりの曲のベストの中の一つとして挙げた曲こそ「ひばりの佐渡情話」だったのでした。さすがに心愛さんが竹中労さんの書いたものを詳しく読んだことを根拠に番組内で挙げたとは思えず、自分で美空ひばりさんの曲を歌うことによってその凄さを感じたからこそ「ひばりの佐渡情話」が出たのだと思いますし、相当美空ひばりさんの曲を聴き込んでいることが想像できました。

今の世の中はYou Tubeで過去の映像を簡単に見ることができるようになりましたし、昔の人・今の人に関係なく、子供の心で本当にすごいと思ったものが評価されるような事にこれからはなっていく可能性をこの番組を見て感じるとともに、とってつけたような知識では、感性の強い子には単にバカにされるだけだということも感じた次第なので(^^;)、私自身ももう少ししっかりとTV番組について書いて行こうと思い直しているところです。

(番組データ)

サンドウィッチマン&芦田愛菜のぶっつけ教室 博士ちゃん テレビ朝日
2019/02/02 14:55 ~ 2019/02/02 16:25 (90分)
【出演者】サンドウィッチマン 芦田愛菜

(番組内容)

大人顔負けの知識を持つ子ども博士こと“博士ちゃん”が サンドウィッチマン&芦田愛菜の質問に答えまくる 黒板も教科書も使わない“ぶっつけ本番”の即興授業! 単独ライブで客席の子どもをステージに上げて 即興トークを繰り広げているサンドウィッチマンが “博士ちゃん”をイジリながら教えを請う爆笑教室!
登場する博士ちゃんは…

(1)美空ひばりをこよなく愛する超歌うま11歳少女
(2)最年少で取得!世界遺産マイスター中学生
(3)マイナー野菜激アツプレゼン10歳男子
(4)日本一の金魚すくい兄弟