05テレビ朝日系」カテゴリーアーカイブ

思った事を包み隠さず言葉にする子どもの恐さと凄さ

まず、最初に苦言を呈しておきますが、この番組をなぜ今になって紹介するかと言いますと、私の住む静岡県では2月2日に放送されず4月30日午後の放送になったからです。改めて番組の内容を詳しく知りたいと思って番組のホームページにアクセスしたところMCのサンドウィッチマンと芦田愛菜さんの名前は出てきたものの、番組に出演した「博士ちゃん」の子どもたちの名前については一切紹介されていなかったというのはどういう事なのでしょうか。

今回出演したお子さんたちの中で、このブログで取り上げたいのは番組データにある(1)の美空ひばりをこよなく愛する超歌うま11歳少女だったのですが、この子がどういう方なのかということが、公式ページからでは調べられないというのでは、この番組をきっかけにして何か興味を持ったテレビを見ていたお子さんの可能性まで潰してしまうといったら言い過ぎでしょうか。テレビに出て顔と名前を出しているならば、せめて番組を紹介したページについてはきちんとしたデータを出すべきではないかと思うのです。

ただ、番組名とキーワードでさらに検索を掛けると、やはりテレビに出たり多くのコンテストに出て歌っている子だけに、他の子と比べると比較的簡単にその名前を見付けることができました。梅谷心愛さんというのが11才の少女の名前でした。テレビの「歌唱王」「カラオケバトル」といった素人の歌唱力を競う番組にも出演している、将来の歌手を目指している子です。ひいおばあちゃん(だったと思います)の影響で美空ひばりさんの歌に惚れ込み、当時の流行歌を聞き自分でも歌い、その歌唱力もかなりのものなのだそうです。

ちなみに私自身の美空ひばり体験というのは、もはや大御所としての存在だった時期からしか知らないため、身内の不祥事によって紅白歌合戦を辞退した時のイメージが長いこと強く、当時ニューミュージックと呼ばれるジャンルに勢力を縮小しつつあった「古くさい演歌歌手」という感じで考えていたので、その歌手としての凄さというのは大人になるまでわかりませんでした。ひばりさんの魅力というのは、心愛さんと同じくらいの小さな頃から歌手だけでなく女優としてもデビューし、その子どもに思えないほどの歌唱力をもって歌った様々な歌の魅力があります。

それこそ昔は「悲しい酒」のような曲調のものしか知らなかったのですが、それは大きなる認識不足で、それこそ素人がおいそれとカラオケで歌えない曲の数々に驚愕し、改めていろんな時代の曲を聞き直した私からすると、心愛さんが番組で紹介した「美空ひばりのすごい曲」として取り上げるのは何かのかちょっと興味が湧いたのでした。

結果として紹介されたのは「お祭りマンボ」「ひばりの佐渡情話」「人生一路」という、11才の少女から出てくるにはちょっと考えられないような曲の数々でした。さらに、美空ひばりの代表曲とされる「川の流れのように」に一切触れなかったというのも本当に美空ひばりの歌について良くわかっていると思われる事でした。

ただ誤解してほしくないのですがここで私は「川の流れのように」をディスっているわけではありません。この曲は、素人がカラオケでもそれなりに歌える曲で、ひばりさんが演歌に興味を持ちにくい若い人にも興味を持ってもらえるようにと、ひばりさんの最晩年に作られた曲であり、ひばりさんの代表曲の一つには違いありません。こちらで想像するに、すでに美空ひばりさんの多面性のある歌の魅力を知ってしまっている心愛さんにとって、ひばりさんが若者の側に寄せた曲である「川の流れのように」とは別の方向の「本当にすごいと思う曲」を出してきたのではないかと思われます。

ちなみに、著書に「美空ひばり」があり、生前には「ひばりウォッチャー」とも言われたルポライターの竹中労さんが選ぶ美空ひばりの曲のベストの中の一つとして挙げた曲こそ「ひばりの佐渡情話」だったのでした。さすがに心愛さんが竹中労さんの書いたものを詳しく読んだことを根拠に番組内で挙げたとは思えず、自分で美空ひばりさんの曲を歌うことによってその凄さを感じたからこそ「ひばりの佐渡情話」が出たのだと思いますし、相当美空ひばりさんの曲を聴き込んでいることが想像できました。

今の世の中はYou Tubeで過去の映像を簡単に見ることができるようになりましたし、昔の人・今の人に関係なく、子供の心で本当にすごいと思ったものが評価されるような事にこれからはなっていく可能性をこの番組を見て感じるとともに、とってつけたような知識では、感性の強い子には単にバカにされるだけだということも感じた次第なので(^^;)、私自身ももう少ししっかりとTV番組について書いて行こうと思い直しているところです。

(番組データ)

サンドウィッチマン&芦田愛菜のぶっつけ教室 博士ちゃん テレビ朝日
2019/02/02 14:55 ~ 2019/02/02 16:25 (90分)
【出演者】サンドウィッチマン 芦田愛菜

(番組内容)

大人顔負けの知識を持つ子ども博士こと“博士ちゃん”が サンドウィッチマン&芦田愛菜の質問に答えまくる 黒板も教科書も使わない“ぶっつけ本番”の即興授業! 単独ライブで客席の子どもをステージに上げて 即興トークを繰り広げているサンドウィッチマンが “博士ちゃん”をイジリながら教えを請う爆笑教室!
登場する博士ちゃんは…

(1)美空ひばりをこよなく愛する超歌うま11歳少女
(2)最年少で取得!世界遺産マイスター中学生
(3)マイナー野菜激アツプレゼン10歳男子
(4)日本一の金魚すくい兄弟


今こそ「オートスナック」の復活を

全てのメーカーが参加していないというところはあるものの、番組の趣旨に賛同したと思われる冷凍食品を出している企業9社の製品の中からベスト30を決めるというランキング番組と言えば終わってしまいますが、日本では本当に冷凍食品は売れているし、毎日の食事に利用している人が多いからこそ番組として成り立つというところはあります。

相変わらずこうしたランキング番組では爆笑問題のお二人の存在感はまるでなく、あくまで番組に参加いただいた企業のPRに徹しているテレビ局としてはおいしい番組であることは確かでしょう。ただ、こうした食品に依存しているといわゆる「外食」を手本にした味付けになるため、カロリー過多や塩分のとり過ぎに注意することは大事です。そして、冷凍食品に依存していると思わぬところで困る状況も出てくる可能性があります。

レトルト食品やインスタント食品と同じように冷凍食品は見られがちですが、もしライフラインのうち電気が止まってしまったら冷蔵庫の中で溶けて行ってしまうわけですから、少なくとも自宅にあるクーラーボックスに入り切らないほど備蓄しても、いざという時の助けにはなりません。何事も適度な用意というのが大事で、日常の食生活の中で時短だったり忙しい時のお供にうまく使えるような付き合い方を考えるべきだろうと思います。

そんな中で今回のランキングを見て、電子レンジ主体でなくフライパンで作ることができるチャーハンが1位、餃子が2位、3位もエビピラフというのは良くリサーチをしているなと感じるところがあります。まさにこうした製品なら何とか電気がなくてもカセットコンロとフライパンがあれば温めておいしくいただくことができるでしょう。

また、今川焼き、お好み焼き、たこ焼きと言ったものは冷凍食品とわからないようなクオリティがあるということもあり、さらにラーメンやパスタまで簡単に電子レンジで作ることができるということもあり、その可能性は今後も色々あると言えます。ランキングには入りませんでしたが、無印良品の冷凍フレンチトーストはどんなものなのか実に興味がありますし、無印良品には今までの冷凍食品ではなかったものを今後も出していただきたいと期待することができました。番組では「王者ニチレイ」と盛んに盛り上げていましたが、今回の番組で一番知名度を得て翌日からの売上に期待が持てそうなのが無印良品だったと番組を見終わって思うところです。

これだけ様々な製品が出ていて、今後ももっと多種にわたる製品が出てくるようだと、もはや調理をする人すらいらずにかつてはやった自動販売機で食事をいただく「オートレストラン」「オートスナック」というものの復刻というのも現実味を帯びてくるのではないかと思えたりもします。飲食店での働き手の人手不足というのはもはや恒常的な問題とも言えるわけで、さらにコンビニエンスストアでも深夜営業の休止を決める店舗があるような状況です。

そんな中、ガソリンスタンドのセルフスタンドのように店舗内は無人でセルフサービス、出す料理は専用の冷凍食品のみというような形態でもこれだけメニューのバリエーションがあればやっていけるのではないかと思うのは私だけでしょうか。単に冷凍食品会社のPRだけに終わらせないアイデアを番組作りに生かせればと思います。例えばテレビ局が一時的にでもオートスナックのセットを作って、同じチャーハンや餃子でもどのメーカーのものが一番売れるかというところで評価を決めるなんてのも楽しいのではないかと見ていて想像が広がりました。

(番組データ)

国民1万人がガチで投票! 冷凍食品総選挙 テレビ朝日
4/16 (火) 19:00 ~ 21:48 (168分)
【MC】爆笑問題
【スペシャルプレゼンター】武田真治
【会場進行】弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト(五十音順)】  安藤なつ(メイプル超合金)、伊集院光、乙葉、春日俊彰(オードリー)、しゅはまはるみ、羽田美智子、北斗晶、安めぐみ

(番組内容)

日本人がもっとも愛する冷凍食品は何なのか?国民1万人が選ぶ“もっとも好きな冷凍食品”が今夜決定!

▽会場には日本を代表する冷凍食品メーカー9社が集結。各社がこだわりぬき開発した、珠玉の商品たちが続々登場!
▽開発秘話から、驚きの製造工程、さらには、より美味しく食べられる新情報まで大公開!!
▽今回の冷凍食品総選挙のプレゼンターを務めるのは、武田真治!禁断の決戦を見守ります。
▽各メーカーが手がけるイチオシ商品が続々ランクイン。その結果に、歓喜と悲鳴が飛び交う大波乱の展開に…! 果たして白熱の対決を制するのは、どの商品なのか!?今夜、No.1冷凍食品が決定します!


大間のマグロ漁師・山本秀勝さん父子の絆 その時二男は?

今回の番組のテーマは「絆」ということでしたが、若手漁師の南さん兄弟とともに最後に登場したのは番組の看板スターで、視聴者の方でも「今回はマグロが釣れた?」とつい気にしてしまう悲運の漁師・山本秀勝さんとその息子の山本剛史さんがお二人で協力してマグロを揚げたことが理由になっていると思われます。

毎回、番組の取材中にマグロは揚がるのだろうかとハラハラしながら見るのがこのドキュメンタリーの面白さだと思うのですが、何と今回は取材中に三匹ものまぐろを山本秀勝さんは獲りました。しかし、見ているこちらが期待していたマグロが揚がったのを祝うための「スーパーのお寿司」での夕食は今回もありませんでした。山本さんの気持ちとしては50キロ台、60キロ台、70キロ台と3匹トータルで100キロを超えても意味はなく、一匹で100キロ超えのマグロを獲らないとスーパーのお寿司でのお祝いは無しということのようでしたが、ちょっとそこで気になることがないわけではありません。

スーパーのお寿司なら、お惣菜とお刺身を合わせて買うより安く上がるのでは? とつい余計な事を考えてしまいますが、その辺は山本さんなりのこだわりということで、次回こそ自宅で一緒に暮らす二男といっしょにお寿司を頬張る姿というものを見たいという気になるから不思議ですが、この山本さんと二男との関係は良好なのか? ということも気になるのです。

まあこういうことは、山本さん一家からすると余計なお世話にしかなりませんが、漁師として着実に成長している長男の山本剛史さんとの「絆」は、番組の後半に親子で協力して(電気ショッカーが壊れた山本秀勝さんの元に助け船としてやってきた息子の剛史さんとの漁の様子が紹介され、さらにスーパーのお寿司は買って来ないのに、二人で協力してマグロを揚げた日の夜に近所の女の人のいるスナックには行き(^^;)、そこで長男の話をはにかみながらする姿というものが実に微笑ましく描かれていると思います。しかし、山本さんのもう一人の息子である二男については、同居しているにも関わらずほんのわずかの出演場面しかなく、一応廃品回収の仕事をしているものの、その際の親子の会話も紹介されず、その点がとても気になりました。

一般的なことで言うと、毎日が博打のようなマグロ漁師の世界に、すでに家庭がありお子さんもいる中で飛び込んだ長男の方が無謀で心配すべき存在ではあるのですが、全て自分の釣果ではないにしても今年も取材中に195キロのマグロを揚げた長男の剛史さんは、近い将来には漁師として一本立ちし、家族を養って行けるのではないかという気もしますが、陸の仕事に就いて生活も安定するはずなのに父との同居を続けている二男が今後どうなっていくのかというのが本当に気がかりになってしまうのです。

今回の山本秀勝さんの姿についても、船の中に潜って自分で船を修理している時についバールに頭をぶつけてしまうなど、テレビ的な面白さを滲み出しているという感じがするのですが、それは決して山本さんがテレビカメラを前にしても意識しないでその場その場で一生懸命に漁師の仕事を行なっているからこそ出る面白さであると思います。果たして二男はそうした父親の姿を見てどう思っているのでしょうか。年齢的なことから父親の事を軽蔑したり莫迦にするような事もあるかも知れませんが、このシリーズに最初に登場してから視聴者の話題を一気にさらい、現在も山本さんが出るからこの番組を見るという人がいるのは、一生懸命な生きざまの中からにじみ出てくる自然な面白さというものが不変で、今なおその輝きを失っていないことの表われでもあるのです。

山本さんの飼い猫の「ピコ太郎」についても、その生存を確認し、山本さんの不安な心を癒やす存在であるところに見ていて本当に微笑ましく思いました。テレビスタッフが、「もし今年になって猫を飼いだしていたら『ひょっこりはん』になっていた?」と聞いていましたが、山本さんは「ひょっこりはんなんて猫の名前じゃねえ」と至極まっとうに答えていて、そんなきちんと常識があり取材にも正面から応える人間としての素朴さがひどくなつかしく、また次回があるとこの番組を見てしまうんだろうなと思います。

テレビ局の方でもこれだけ山本秀勝さんにおんぶにだっこして番組の人気が出ているのですから、テレビに出しても恥ずかしくないようテレビ局がお金を出して山本さんの前歯をきちんと入れさせてほしいということを最後にお願いしておきたいと思います。

(番組データ)

マグロに賭けた男たち2019“絆” テレビ朝日
2019/03/16 18:56 ~ 2019/03/16 20:54 (118分)
【ナレーション】渡辺篤史

(番組内容)

青森・大間が「記録的な不漁」あの“悲運の漁師”山本秀勝さんは千載一遇のマグロとの格闘で体力が限界になり…電気ショッカーも故障で絶体絶命!その時…あの男が現れる!

【山本秀勝さん(65歳)~悲運の漁師!息子に見せる親父の意地~】

番組が17年追い続けているマグロ一本釣り漁師。2年前には、4年ぶりとなる100キロ超えの大物マグロを釣り上げた。だが今シーズンの大間は記録的な不漁!マグロは1日に1度現れるかどうか…。

それでも、こだわりのポイントでマグロ漁を続ける山本さんに、マグロのアタリが来た!しかし、千載一遇のマグロとの格闘の最中、なんと電気ショッカーが故障!さらに、体力も限界になり、絶体絶命の大ピンチ!その時…『あの男』が現れる!

【南芳和さん(34歳)~大間トップを争う男!若手ナンバーワン漁師~】

南芳和さんは『若手ナンバーワン漁師』として、大間でも名の知れた兄弟船の船頭。昨シーズンは、弟・竜平さん(25歳)と共に連日何本ものマグロを釣り上げてみせた!しかし今シーズンの大間は記録的な不漁。『若手ナンバーワン』でも例外ではない。

苦境を打開すべく、これまであまりやらなかった『苦手な漁法』に挑戦し、悪戦苦闘!弟・竜平さんも、尊敬してやまない兄の力になりたいと奮闘!巨大マグロを釣り上げる!

【泉健志さん(32歳)~船頭6年目のスゴ腕マグロ漁師!~】

山本さんの長男・剛史さんの心に火をつけた後輩、『もうひとりのタケシ』。 かつて1日に4本のマグロを釣り上げるなど、マグロ漁の実力はベテランをも凌ぐ勢い。5年前はサラサラの長髪だったが、今ではヒゲを蓄え漁師らしい風貌になり気合十分!しかし今シーズンは極度の不漁。健志さんは1カ月もマグロを釣り上げていない…。

2歳になった可愛い盛りの娘のため、プライドと意地をかけ巨大マグロを釣り上げる!


裏取りをせず情報をそのまま流す番組は止めるべき

この番組は暮らしに役く立ちそうな情報を数多く時間内に一気に紹介する番組で、項目が多いのが特徴ですが基本的には「誰かに話してみたくなる知識」を教えてくれるようなコンセプトの番組であることは確かでしょう。

今回のネタの中で最大の問題をこの番組中で見たのでその内容を指摘して記録しておくためにこれから書きますが、「テレビで言っているから信用できる」ということは決してないことをまずはしっかりと認識していただきたいと思います。

局の提供する番組内容にも書かれていない小ネタではあるのですが、毎日の生活の中でやっておきたいことということで書籍化されベストセラーになっているという「自衛隊防災BOOK」(マガジンハウス)の中味をそのまま紹介した項目が大きな問題をはらむものでした。

というのも、どこの自衛官がやっているのかはわかりませんが、自衛官の自宅では前日に入ったお風呂の水を抜かずに置いておくことで、非常時の断水に対応できるという内容がこの本に書いてあるのですが、番組ではその情報をそのまま伝え、小さなお子さんがいてお風呂で溺れないようにという注意はあったものの、自宅のお風呂の水を抜かないで溜めておくことを推奨し、その知識こそ「ハナタカ!」であるというわけです。

しかし、この内容というのは防災の専門家の現代の常識からするととんでもない行動で、下手をすると多くの隣人に多大な迷惑を掛けてしまうことは広く知られた「新しい常識」であることこそ「ハナタカ!」な情報であるのです。ここで書くよりも専門家の方が書いたブログがありますのでリンクを貼っておきます。

https://ameblo.jp/keinaonao/entry-12396811903.html

上記ブログの記載の通り、「自衛隊防災BOOK」の出版元はもし大きな災害が起きた後にお風呂に溜めた水によって感染症にかかったり、トイレや洗濯をして流した水が漏水を起こして隣人に被害を与えてしまった場合、損害賠償の請求に応じなければならないかも知れません。さらに今回の放送をしたテレビ朝日についても同罪でしょう。今回この件を記録しようと思ったのは、こうした事実関係を示しておくことで、どの番組かどのテレビ局かわからないが、「お風呂に水を溜めておくことが大切だ」という誤った知識を基に行動してしまった場合、そうした生半可な知識をもっともらしく広めた行動について責任を負うことになるでしょう。

テレビというものは後から訂正をすることがあっても、その訂正放送はわからないように字幕だけで済ませることが多く、先の放送で頭に植え付けられた印象はなかなか消えません。ですから、テレビで放送することについては、特に生放送ではなく事前にいくらでも調べることのできる情報番組であれば何回でも知識の裏取りをして、後から致命的な事になるのを防ぐのは当然の事ですが、残念ながらこの番組は以降の情報についても同じように本の内容をそのまま紹介して裏取りをしないのではないかという疑念がわくという点で、私の中では終わった番組になってしまいました。

(番組データ)

日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館 テレビ朝日
2/21 (木) 19:00 ~ 20:00 (60分)
【MC】上田晋也(くりぃむしちゅー)、有田哲平(くりぃむしちゅー)
【ゲスト】柴田理恵、石原良純、千原ジュニア、中村仁美、堀田茜
【進行】山本雪乃(テレビ朝日アナウンサー)

(番組内容)

テレビや雑誌・ネットなどで知ったこと他人に話しても大丈夫?もしかして有名な話かも…アンケート調査でわかった本当に自慢できる日本人の3割しか知らないことをご紹介!!▼知れば試してみたくなる!○○を塗って保存すると野菜が変色しない!?数え方を工夫するだけ…ストップウォッチなしで秒数を計る方法!?お菓子で本格的なコーンスープが!?▼ダッフルコートの留め具が大きい理由は?なぜマネキンには顔がない?知識度を試そう!


敵に塩を送るだけでなく反面教師的な珍しいバラエティ

日本では日本人がおすすめする温泉を番組にするよりも、最近では日本に旅行に来た海外からの渡航者が評価する温泉の方が有り難いようで、このような番組の企画が通ったのだろうと思いますが、個人的には反面教師的な見方をすることで役に立ちそうです。

なぜかというと、海外からの観光客が多くなればなるほど、人が多く集まっていわゆる「鄙びた雰囲気」というものが損なわれるからです。ですから、この番組で海外からの渡航者531人にアンケートを取った結果のベスト12の温泉というのは、インターネットやガイド本を見て多くの外国人観光客が押し寄せる可能性が今後もある場所ということになるので、その場所を避ける目安になるということでもあります。

ちなみに、東京や名古屋、大阪から近い温泉がことごとくランクインしていることも旅行客に便利という温泉そのものにはあまり関係ないところで評価されていそうな温泉地があったり、朝市や昔ながらの町並みのある新しい温泉地である高山がランクインしているとは思いませんでした。これも温泉の効能とはあまり関係ないところで人気がある感じでした。私がランキングを見た中では、登別・草津・別府・乳頭あたりならランクインも十分ありという気もしますが、逆に有名な温泉地に海外からの観光客が流れてくれるなら、今後温泉旅行を計画するような場合には、今回のランクに入っていない温泉に行こうかなと思ってしまいました。

また、この番組が面白かったのはテレビ朝日でこの番組が終了した後すぐに他局であるフジテレビで放送された「テルマエ・ロマエ2」は草津温泉など番組で紹介されたばかりの有名温泉地でもロケが行なわれていて、この番組を見て十分に温泉に行きたくなった人は、そのまま「サタデー・ステーション」を見るのではなく、フジテレビにチャンネルを変えてしまっただろうと思えます。この辺の真偽はわかりませんが、もしフジテレビが事前にテレビ朝日で全国温泉ランキングの番組を放送することがわかっていて「テルマエ・ロマエ2」を持ってきたとしたら、かなりの策士だと思いますし、逆にこの番組のプロデューサーは大いに悔しがっているに違いありません。

そういう意味で、司会の爆笑問題が全く面白い事を言わないまま終わってしまったことを含め(^^;)、ことごとく番組制作者の意志とは違う方向に見る人が感じてしまうという実に稀有な番組が放送されたことをここに記録しておきます。さすがに今後もこんな偶然が起こることはないでしょうが、こんな事が楽しめてしまうのもテレビの面白さであると言えるかも知れません。

(番組データ)

2/16 (土) 18:56 ~ 20:54 (118分)テレビ朝日
ニッポン視察団!日本の温泉地“満足度”ベスト12!「おもてなし」を支える職人に密着
【MC】爆笑問題(太田光・田中裕二)
【番組ナビゲーター】綾小路きみまろ
【進行】井澤健太朗(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】井森美幸、東貴博、鈴木紗理奈

(番組内容)

3000か所の温泉地がある「温泉大国」ニッポン!外国人客531人に聞いた…温泉地“満足度”ベスト12が決定!温泉地を支える職人に密着…おもてなしの心&命がけの作業に感動

日本の温泉地に世界から観光客が殺到! 人気の理由は、街をあげて取り組む「工夫」と「おもてなしの心」にあった。 「おもてなし」を裏で支える様々な職人たちに密着!

○熱海…一時はさびれた温泉街が復活!素泊まり2名で7776円?アジの干物を持ち込んで格安朝食?新しい魅力が満載!
○有馬…金泉&銀泉!至福の温泉の裏では、お湯を清潔に保つパイプ交換職人の命がけ作業が…全身に大やけどを負っても続けるワケとは。
いま外国人がはるばる訪れる 「本当に行って良かった」日本の温泉地“満足度”ベスト12が今夜決定!
○飛騨高山…平成元年に生まれた新しい温泉街が大ブレイク!北アルプスの雪解け水が温泉に。朝市の食べ歩きが大人気!
○草津…温泉の効能を最大限に活かす「時間湯」! 湯長が導く“最高の3分”の正体とは?岡本太郎作の幻想的な湯畑も!
★1位は意外な温泉地…雪見露天の名湯!
★綾小路きみまろの温泉川柳も!


テレビ番組を踏み台に利用しようとする人の戦略に乗るな

過去にはレギュラー番組だった「しくじり先生」ですが、それなりにインパクトのある人選を続けることは難しいため、レギュラー番組としてではなくスペシャル番組として続いているのですが、今回の人選はちょっとインパクトに欠けたばかりか、出演者の中で宮崎謙介・金子恵美夫妻が出演したことに、何やらきなくさい思いを感じた人は少なからずいたのではないでしょうか。というのも、「しくじり先生」の2日前(2018/12/11)にBSテレ東の午後7時から放送された「4Kでオジサンを撮ったらこうなった おしゃべりオジサンと怒れる日本人」という番組の中で、ちょっと興味深い指摘があったこともそんな風に考えることになった一因でした。

肩書が「選挙戦略家」と言う鈴鹿久美子氏がゲストとしてBSテレ東の番組に出演し、2018年下半期の色んな謝罪会見を解説していたのですが、正しい謝罪会見の仕方を話している中で、番組放送当時に話題になっていた相撲の親方を引退した元・貴乃花親方がもし翌年の国政選挙に出るためにプロデュースをお願いされるとしたらどうするか? という質問に鈴鹿氏が答えていたのですが、その中で、相撲界で迷惑を掛けた人達にきちんとお詫びをした上でテレビのコメンテーターになって顔を売り、来たる国政選挙に備えるように指導すると述べていました。さらに、今来年の選挙を見据えて鈴鹿氏のような選挙戦略家にお願いしている人(タレントや有名人)はいるのかということは番組MCの古舘伊知郎さんや千原ジュニアさんも気になるようでしたが、まさに今回の「しくじり先生」に出演して誰に対してというより国民に向かって謝罪し、夫婦仲の良さをアピールした宮崎謙介・金子恵美夫妻こそそんな感じではないかと、正直今回の出演シーンを見て思ってしまったのです。

実際、ここで書くことは予言者の書ではないので、番組に出たご夫妻の意図は別にあり、選挙には出ないでタレントとして食べていく気なのかも知れません。それならそれでことさら問題とする気もありません。ただ、来年になって夫妻の両方が選挙に出たり、それとも金子氏が出て宮崎氏が番組内容をなぞるような応援行脚をするのか、まさかのその逆なのかはわかりませんが、本当に選挙にどこかの政党から出馬したとしたら、今回の番組出演がマスコミに顔の効く、有名な選挙プランナーが付いて番組の出演時に何を言ってどういう態度で望むべきかということまでレクチャーしているのではと疑うことも出てきてしまいます。

それにつけても思うのは、日本のテレビというのは一方で人を完膚なきまでに叩いておきながら、その人のパーソナリティーがテレビ向きだとわかると、過去に何をやった人かということとは関係なくテレビにウェルカムで迎える関係者がいるという事実です。宮崎氏についても、自分の子供が生まれる直前、配偶者である金子氏の出産前後に浮気相手とホテルに行っていたわけですから、金子氏がいくらテレビとは言え、番組で穏やかに「全て許す」と話すこと自体がおかしいことですし、普通に考えて何らかの裏があると考える方が人間として健全だろうと思います。それが、生徒役のタレントの中には涙を見せながら話を聞いている人もいましたので、そんなに簡単に人は人を許せるものなのかと思えてきてしまいました。

また最近のテレビでは、あえて悪者としてバッシングされた日本アマチュアボクシング連盟対会長の山根明氏のタレント化が一部で良く見られるようになり、その後の報道の中では復活を狙っているのではないかというものもあるようです。その動きに恐怖を感じた今の日本アマチュアボクシング界は山根氏を永久追放するような形を取ろうと動いています。それもこれも、一時は関係者や選手を恫喝するだけでなく、公式戦の判定も変えさせてしまった疑惑があり、東京オリンピックのボクシング競技の開催すら危ぶまれている中でのテレビで山根氏を面白おかしく紹介するテレビの能天気さというのは、「世界の果てまでイッテQ!」のヤラセ祭り疑惑などよりも大きな問題として語られるべきだと思うのです。

今後、「しくじり先生」がかつて権力を持っていた芸能人や有名人の禊の場として、ここできちんと報告して謝ったから復活できるんだと思うような人ばかり出演させるようになったら、テレビ朝日が報道番組で盛んに行なっている反権力のスタンスとは何なのか、改めて問われるのではないかと思います。少なくとも、この番組に出てくるような人は、自力で復活してきた人が改めて騒動の時に何があったのかを告白し、自分と同じような失敗をしないで欲しいという気がないと、出ては駄目だろうと思います。番組関係者の方々は、そうした事も考えながら出演者の選定をて欲しいです。

(番組データ)

しくじり先生 俺みたいになるな!! 2時間スペシャル
2018/12/14 20:00 ~ 2018/12/14 21:48 (108分)
【担任】若林正恭(オードリー)
【レギュラー生徒】吉村崇(平成ノブシコブシ)
【先生】南海キャンディーズ(山里亮太・山崎静代)・宮崎謙介・金子恵美
【生徒】あき竹城・安藤なつ(メイプル超合金)・伊集院光・ISSA・梅沢富美男・澤部佑(ハライチ)・杉浦太陽・高橋ユウ・高山一実(乃木坂46)・北斗晶・湯川玲菜(劇団4ドル50セント)

(番組内容)

過去に大きな失敗を体験した“しくじり先生”が生徒たちにしくじった経験を教える反面教師バラエティ番組「しくじり先生」!今回は2時間SPとして南海キャンディーズと宮崎謙介&金子恵美元議員夫妻による熱血授業を開講します!次々飛び出す驚愕エピソードに教室が震撼!そして授業の最後には先生たちによる熱いメッセージで教室は感動の嵐に!お楽しみに!

■南海キャンディーズ・・・「すぐ自分と人を比べて嫉妬してコンビもメンタルも崩壊しちゃった先生」 お笑い芸人の南海キャンディーズが登壇!コンビ結成してすぐにM-1で準優勝し大ブレイク。しかし注目されたのは“しずちゃん”だけ。すると山里亮太は嫉妬心からしずちゃんに対して嫌がらせ攻撃を開始。一時はコンビ解散の危機にまで陥ったと告白。そこで、自分と他人を比べて嫉妬し人間関係を崩壊させないための授業を展開!

■宮崎謙介&金子恵美・・・「不倫して妻と国民を裏切っちゃった元議員先生」 2016年に不倫で世間を騒がせた元国会議員の宮崎謙介が登壇。今回は宮崎謙介本人が不倫騒動の一部始終を語るだけでなく、今までどこにも話していない新事実を告白します!さらに、妻である金子恵美がその時どう思っていたのか?その心情を赤裸々に激白!不倫して人生を台無しにしないための授業をお届けします!


ジャーナリズムを商業主義にかけるとドキュメンタリーは消える?

シリアに入ったまま行方不明になり、現地の武装集団の人質となったものの先日日本に帰国した国際ジャーナリストの安田純平氏について、本人がまだ記者会見をする前のインタビュー内容が明らかになるとともに、安田氏に対する一部のネットでのバッシングが始まりました。それを擁護するような形でテレビ番組内で発言したテレビ朝日の玉川徹氏の放った言葉の内容に、同じテレビ朝日系列でネット配信をしているAbemaTVで自らの冠番組を持っている元大阪市長で元大阪府知事の橋下徹氏が画面を通じて「徹底討論」をしたのですが、直接相対したのではなく、橋本氏は大阪のスタジオからの「中継による討論」となりました。

ここでの内容は他のメディアでも大いに語られていますので細かくは書きませんが、そこまで噛みつき合いになることはなく、お互いに言いたい事および釈明はきちんとしたような印象です。どちらにしても本人の発言がない状況で他人がとやかく言うことが大きなお世話であるわけですが、その「大きなお世話」をこれでもかと繰り返すのがテレビというものだと思いながら見ると、こうした討論も結構楽しいものです。

今回の討論を前にしてお二人はそれなりに考えが同じところもあったものの、決定的に違うという風に思ったのが、大企業のテレビ朝日社員という立場である玉川氏という立場からでは単なるポーズにしか過ぎないかも知れませんが、バッシングされるジャーナリストに比較的優しいのが玉川氏で、橋下氏の方は必ずしもそうではなく、ジャーナリストなら今までのニュースでは出て来ないような成果がなければ駄目だという、これもまた首長当時の考えに基づいた成果主義をフリージャーナリストである安田氏に求めている彼らしい言動でありました。

ただ、テレビの視聴率と番組のジャンルということで考えてみると、ジャーナリズムに成果主義をあてはめてしまうと、今回のような派手な議論は面白いので多くの人は見るでしょうが、長い時間かけて地味なテーマを追うようなドキュメンタリーというのは同じ時間に放送すれば視聴率が取れないのが当り前で、それは現在のテレビの番組表を見れば一目瞭然です。視聴率にとらわれない枠を持っているNHKこそ自由に多くの時間を費やせるところはありますが、そこにはフリージャーナリストの入る隙間はほとんどないでしょう。民放のドキュメンタリーが独立採算のような形で評価されれば今の深夜早朝の時間すら放送ができず、「テレビショッピンク」の方がテレビ局の売上を伸ばし収益に貢献する番組になることは明白です。

たとえ深夜や早朝でも現代の視聴者は録画で好きな時間に番組を見ることができますので、各テレビ局がドキュメンタリーを残しているのは一つの良心だと思っているのですが、常に普通のニュースでは報道されない特ダネを求められるようなドキュメンタリー製作の現場になってしまうようなら、それはもう、テレビの持つ一つのジャンルを放棄してしまうのではないかと私には思えます。

とどのつまりがフリーのジャーナリストの仕事の場が一つ無くなってしまうことになるわけです。橋下氏は番組の最後に「テレビ局はフリージャーナリストに高額の報酬を払うべきだ」との意見を述べておられましたが、橋下氏の理想が実現されればそもそも活動の場が無くなってしまうわけですから、テレビ局に臨時職員として雇われて海外に行くような形になるのかも知れません。確かにその方が現地での安全は確保されるでしょうが、「普通のニュースでは見られないようなスクープ」を取ることは難しくなるでしょう。

そうなると、今後は個人で活動する海外ジャーナリストは早めにテレビに見切りを付け、現地からのネット配信を有料で行なうとか、テレビとは違うところで取材費用を得るか、事前にアルバイトをして資金をためてから渡航するかという感じになり、今よりさらに状況は悪くなっていくでしょう。

ともあれ、現場を知らない人が意見を出してフリージャーナリストの存在そのものがおびやかされ、テレビのジャンルとしての「ドキュメンタリー」がこれ以上削られないように見ているこちらとしては祈るしかないのかも知れません。

(番組データ)

羽鳥慎一モーニングショー テレビ朝日
11/1 (木) 8:00 ~ 9:55 (115分)
【司会】 羽鳥慎一
【アシスタント】 宇賀なつみ(テレビ朝日アナウンサー)
【コメンテーター】 高木美保(タレント)、玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)
【対談ゲスト】橋下徹(弁護士)

(番組内容)

橋下徹氏が生出演!「英雄視は違う」玉川徹と自己責任を議論
▼中国“パクリ”無印良品が「本家」を訴え…なんと勝訴
▼ハロウィーン渋谷で火災
▼「バズる」が辞典に


宣伝力ナンバーワンの名物とは?

海外から日本にやってきた外国人にアンケートを取って、外国人が日本で買ったと言ったおみやげのベスト30をおよそ3時間かけて紹介するというのがこの番組の内容なのですが、統計を取る場合にはどのような基準で取ったのかを紹介してくれるのが普通だと思うのですが、ランクインした品物の中に「甲州ワイン」があるのは納得できても「佐賀県の日本酒」って何? と思った方も少なくないのではないでしょうか。お酒で言えば世界でも評価が高いお酒にはウィスキーもありますが、ニッカウイスキーもサントリーもランキングにはかすりもしませんでした。

番組のコンセプトは「外国人がワザワザ買いに来る」ご当地みやげということであり、それは決して観光ツアーのコースに特定のワイナリーや造り酒屋、はたまたえびせん工場が組み込まれていたから買ったというのとは違います。もし私がこのような調査をするとしたら、まずはツアーで回ったところで買った物は外し、自分の意志で自分で移動して買いに行った物は何か? というような聞き方をすると思います。

しかしこの番組では第一位のお菓子「白い恋人」を紹介するのに、観光ツアーコースの定番であるメーカーの施設「白い恋人パーク」でのインタビューをしていましたし、山梨のワインでも特定の観光ツアーコースに組み込まれているのであろう一ワイナリーで取材をしているだけでした。さらに、長崎カステラも長崎市内の有名店には行かず、ハウステンボス内の売店にするなど、あくまで「日本ツアーのツアー客が日本の名物だと言われて買わされた品ベスト30」と言ってもおかしくないような品揃えになっていました。

さらに、何より情けなかったのは司会の爆笑問題の二人が、全くこうした番組のコンセプトを否定することなく、番組に出ていた「名物」でなくあくまで番組が取り上げた「特定のメーカー」をヨイショしていたことです。今さら言うことではないかも知れませんが、このような番組に出てテレビスタッフに従順な司会者を演じることをよしとするようなタレントとして生きているというなら、他の番組で政治的な発言や極端な物言いをするのも、ご自身の心情を出して発言しているのではないと思われても仕方がないと申し上げておきましょう。

そんな番組を最後までじっくり見てしまった自分も自分だとは思うのですが(^^;)、これもある意味、大きく宣伝をして日本の名物はこれだと印象付ける、今回ランクインした大手メーカーの手腕というのはある意味立派だとも思えます。個人的には何しろツアーで旅に出ることがないので、お土産でもらうことがあっても自分からわざわざ買うものはほとんどなかったのですが、改めて現代の日本が海外からの旅行客を当てにしていて、「日本みやげの定番」と認識させたい人たちが見事に成果を上げていると理解することもできます。

番組出演者の中では、タレントの井森美幸さんが群馬県の名物・お土産がランクインしなかったことでかなり膨れていましたが、逆に言うとそれは群馬県の観光関係者がいまいち海外からの観光客を呼び込めていないということの表われでもあります。井森さんは群馬県の観光大使なのですから、その努力が今後のランキングを変える可能性があります。しかし、そうした努力で変わってしまうランキングというのはそこまで日本の視聴者が3時間もずっと見る価値があるのか? という風にも考えてしまいました。これはあくまで個人的な意見ですが、大きく宣伝された「名物」については今でも「名物にうまいものなし」という言葉は正しいのではないかと思う今日このごろです。

(番組データ)

ニッポン視察団!世界で大人気 外国人がワザワザ買いに来る「ご当地みやげ」ベスト30 テレビ朝日
9/29 (土) 18:56 ~ 21:54 (178分)
【MC】爆笑問題(太田光・田中裕二)、ウエンツ瑛士
【番組ナビゲーター】綾小路きみまろ
【ゲスト】井森美幸、市川右團次、川島明(麒麟)

(番組内容)

外国人がワザワザ買いに来る…「日本のご当地土産」ベスト30発表!旅行や出張の“おみやげ”としておなじみの銘菓・伝統工芸品が今、世界で大人気!1位はアノ銘菓でした!

外国人が「どうしても買いたい」日本のご当地土産は… ★北海道みやげの定番銘菓が続々ランクイン…○万円分を爆買いする人も! 絶対おいしい「恋人」「バターサンド」以外にも…。外国人に人気の意外な理由とは? ★東京みやげと言えば…海外から評価が高かったのは硬~い「ライススナック」? ★陶磁器、布製品、ガラス製品、寄木細工…日本の伝統工芸みやげも!安価なみやげ物でも手を抜かない職人の技に世界が感動!

留学ウエンツも持って行く? 外国人がワザワザ買いに来る「ご当地みやげ」ベスト30決定3時間SP! 日本から出国直前の外国人に徹底取材! すると日本人にとっての「定番みやげ」が、世界で驚くほど高い人気を誇る事が判明! 47都道府県、市町村、それぞれに特徴のあるご当地みやげがある…その事が実は世界的には珍しい事だったんです! あなたの故郷のご当地みやげは何位に!? 綾小路きみまろのご当地川柳も!


「スポーツ大将」は権威に文句も言えないから打ち切られるのか?

先日、ネットニュースを見たら「スポーツバラエティの難しさ」という事をテーマにして「ビートたけしのスポーツ大将」が2018年9月いっぱいで打ち切られることが決定したという内容でした。

前回にはちょっと心配しながら、2020年まで続くのかどうかということがありましたが、まさか1年も持たずに終了するとは思いませんでした。ただ、スペシャルで時間を伸ばすのはいいとしても、毎週放送せずに休止が多いというのはいただけません。同じようになかなか進まないTwellVの「チャリお遍路」でさえ、進まない時には再放送で凌いでいるのに、野球中継以外の事で簡単に別番組に振り替えるというのは、やはり本気でスポーツバラエティを作る気がないと思われても仕方のないところがあったのではないかと疑ってみたくもなるものです。

今回のスペシャルはその「チャリお遍路」の最新回を見た後に残りの部分だけ見たのですが、番組の最後にとんでもない「忖度」を見てしまったのです。さらに、その事について番組出演者は一切異論を出しませんでした。

どういう事かというと、元プロ野球選手で長嶋茂雄氏が読売巨人軍監督時代に活躍したピッチャーである西本聖氏が出て来て選手時代の想い出話をしたのですが、その内容について、広島カープとの対戦で投げていた西本氏は、味方が大量リードをしているにも関わらず、1イニングに3つも死球を当ててしまい、最後には引き分けに持ち込まれてしまったのですが、試合終了後にスタッフから角盈男さんとともに監督室に呼び出され、そこで何と20発ものビンタを受けたというのです。

この内容を時間が経ってから読まれる方のために、番組が放送されている少し前に起こった事について書いておきます。スポーツとパワハラ、体罰など多くの事がからんで問題になった女子体操選手とそのコーチの暴力について朝や昼のワイドショーで紹介される中で、あるテレビ局がコーチが本気で一発ビンタをその選手にしている姿(関係者による盗撮とおぼしき動画)を流し、番組の司会者やコメンテーターが「暴力を伴う指導は絶対にダメ」ということをテレビを通じて言っている内容を何度も放送しているということがあったばかりなのに、いくら昔の話とは言え、いくら長嶋茂雄氏からビンタを受けた側の西本さんがその暴力について問題にしていないからと言って、例えば「今ではそんなことをやってはダメでしょ」くらいのツッコミも入らなかったのには驚きました。

テレビ朝日は長嶋茂雄さんの息子の長嶋一茂氏を「モーニングショー」金曜レギュラーコメンテーターとして起用し、過去には娘の長島三奈氏を同社の記者としてスポーツ取材にあたらせていましたが(長島三奈氏は現在フリーで活躍しています)、そういう事も関係があるのか? と疑った人がいたとしてもしょうがないくらいの内容です。

今回のゲストの中には西本聖氏の他に読売巨人軍の元選手としては定岡正二氏と元木大介氏がいましたが、長嶋茂雄監督は怒ると怖いという話に相槌を打つばかりでした。そうした理屈が通るなら、過去にひどいビンタをした体操コーチの所業については長嶋茂雄氏と同じように問題にならないのか? と思ってしまいます。

どうもこの辺が私自身はテレビのいいかげんなところではないかと思っていて、いやしくもスポーツバラエティを名乗るなら、今のスポーツをとりまく話題についてはキチンと抑えつつ、現代の社会の中でこうしたスポーツ選手と監督・コーチとの関係についてもしっかりとした指針を持ってコメントでもテロップでも入れていくようにしないと、改めてスポーツ指導における体罰(暴力)肯定派が力を持ってくることにもつながりかねません。バラエティと言えども単に面白ければいいのではなく、ナーバスな問題については十分に考えた上で作った方がいいのではないかと単純に思ってしまうのです。

今回の番組を見ていた人の中にも、そうした違和感を持った方はいるのではないかと思います。そのような疑問にテレビ朝日はどう答えるのでしょう。果たしてテレビ朝日にそこまでの覚悟を持って過去の体罰を肯定するような発言をそのまま流してしまったのか、個人的には大変気になります。

(番組内容)

ビートたけしのスポーツ大将 2時間スペシャル 桑田真澄野球対決&名場面秘蔵映像 テレビ朝日
9/16 (日) 18:57 ~ 20:54 (117分)
出演 ビートたけし・ナインティナイン 他

(番組データ)

今回は豪華2時間SP「名場面&秘蔵映像!あの時実は○○だったSP」「桑田真澄vs最強中学生ナイン」さらに、テニス「大坂なおみvs最強中学生対決」も!熱戦に大興奮!

日本男子マラソン界のレジェンド 瀬古利彦 五輪5大会連続出場し、5つのメダルを獲得した柔道界のレジェンド 谷亮子 長嶋茂雄率いる巨人軍のエースとして活躍した野球界のレジェンド 西本聖 誰もが知っている名場面のウラにはたけし・ナイナイも知らない事実が隠されていた!? 驚きの新事実を見逃すな!

“野球対決”では、 PL学園で甲子園に5季連続出場、通算20勝を記録し、プロ野球で通算173勝を誇る投手 桑田真澄 NPB歴代最高となる3021試合出場を誇る捕手 谷繁元信 が登場! さらに“テニス対決”では、 大坂なおみvs最強中学生が実現! 豪華レジェンドアスリートvs次世代アスリートのガチンコ対決を見逃すな!!


NHK教育(Eテレ)は今回の激レアさんに出演依頼すべし?

最近の更新はこの番組オンリーになってしまっている感がありますが、フジテレビの「全力!脱力タイムズ」と違って番組の全てがふざけているという感じではなく、ところどころでふざけているそのバランスが見ている方にとって心地良いのでつい面白く見てしまうところがあります。

ただ、番組を面白くしようとするあまり、番組で取り上げる対象について、大切なことを忘れてしまうきらいもあるので、今回はその事を中心に紹介していこうと思います。最後にあるテレビ局提供の番組内容を見ればおわかりの方は多くいると思いますが、過去にインターネットを媒介にして拡散されたいわゆる「バカ画像」に写っている本人が登場し、その「バカ画像」はどういった経緯で撮られたのか、さらになぜ非ネットの中で撮られたに過ぎないプリクラのシール写真がインターネットに掲載されることになったのか、さらにこの画像が拡散されたことによって、写真に写っている人達にどのような影響が出たのかということまで面白おかしく喋っているというのが今回の番組のキモです。

しかしながら、番組を面白く伝えようとするあまり、過去の「若気の至り」とも言える写真が今でも誰もが見られる状態でインターネット上に置かれている事についての危険性や本人達がもしかしたら今後受けるかも知れない受難について指摘しなかったことは、ともすれば今回出演していたご本人にとってこれからの人生において拭い去れない過去として復活するかも知れず、実はデリケートに扱わなければいけないところでもあるかと思います。そのフォローがないまま終わってしまったということもあり、最初のような「そこまで面白さを追求しないでもいい」NHKのEテレで後追いでもいいのでこの話題について出してくれないかと思うわけです。

今回の番組で紹介された「バカ画像」というのは、あくまで中学一年生の時に仲間うちで撮影した「記念写真」に近いもので、いわゆる犯罪行為を自慢するものでもなければ、異性との交遊を見せつけるものでもなかったため、テレビで画像を紹介したとしても本人達がかなくなに画像を出したくないという性質の写真ではなかったのでこのような番組で弄り倒すということも成り立つのですが、全てがこのように一定の時間が経過すれば人畜無害化していくようなものではないことも確かです。だからこそ、この写真というのは現在の小・中・高・大学生にとって「生ける教材」としての価値を持つものではないかと私には思えるのです。それは、あまり何も考えずに自分の姿をネット上に晒してしまうことが最悪どんな結果をもたらすかという一種のシミュレーションです。
今回の写真は、普通なら非ネット上でしか出回ることのないプリクラで撮影したプリントシールであり、なぜその写真がネットに流出したのか? という事を検証することが大切になります。これについては番組でも紹介されていました。

単なる物体に過ぎないプリントシールがネットに掲載されるのは、誰かがその写真をデジカメ(スマホや当時のガラケー)で撮って、ネットにアップしなければ写真は拡散されることなく仲間うちのちょっと恥ずかしい思い出として残っただけだったでしょう。今から10年前と言いますから2000年代に中学生達の中で流行っていたものの中に、「前略プロフィール」というサイトの存在がありました。このサービスは2004年に開始され、2016年に全てのサービスが終了となりました。サービスの終了とともにサーバーに上がっていたデータは全て削除ということになったのですが、ガラケー時代にネット上で友人を作りたいと思う若年層を中心に流行したサービスです。

もう少しこのサービスについて説明すると、定形のプロフィールを入力していくと本人の紹介ページとして機能し、それを見た不特定の人から連絡が来たりしていわゆる「メル友」になったり会っりしたりできるという、今で言うSNSの先駆けという感じのものでした。その頃の中学生の男子がこのサイトに登録して自分のプロフィールを公表するということは、やはり女の子からメールを貰いたいという下心があることは普通に考えればすぐわかることで、今も昔も文字だけのプロフィールよりもインパクトのある画像をプロフィール写真を載せることが大事だということは承知していたことでありましょう。そこで、問題になっている「バカ画像」を自分のプロフィールとして一緒に撮った友人に相談することもなくアップしてしまった人がいたことで、可愛い女の子が注目してメールを出すのではなく、ただただその画像の余りの「若気の至り」的なインパクトが高かったゆえ、当時の2ちゃんねるやまとめサイトに転載されたことにより、今回テレビにまで出てしまうほど有名な「バカ画像」になってしまったわけです。

この事を考えるにあたり、一つの教訓が導き出されるでしょう。今の世の中は写真を撮るということは常にその写真がネットにアップするには簡単な形で用意されるということです。そこで、その場に流されて顔や犯罪・法律違反が疑われる行為が記録された写真を何も考えずにアップした場合、多くの場合はそのままスルーされて何の問題も起こさないかも知れませんが、世間には写真から場所や学校を特定させ、学校に通報するような事を生業にしているサイトもあるので、ここまで有名になることはなくても、彼らが属するコミュニティ内で最悪生きていけなくなる可能性すらあります。こうした事を防ぐためには、簡単にスマホで撮った写真をアップすることを自制する事が大事であり、そうしたネットやSNSを楽しむ前に自分の身の守るために知っておきたいことをテレビで紹介することも大切なことだと思います。冗談ではなく、今回番組に出てくれた当時者に話を聞きながら、その後の人生が暗転するような事が起こらないためにはどうしたらいいかというテーマで、ぜひEテレは一本番組を作って欲しいと思います。

(番組データ)

激レアさんを連れてきた。 テレビ朝日
2018/06/11 23:20 ~ 2018/06/12 00:20 (60分)
【研究員】若林正恭(オードリー)
【研究助手】弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)
【客員研究員】松岡茉優、いとうあさこ

(番組内容)

伝説的なバカ画像「チャリで来た。」の張本人が登場!あの写真に隠された意外すぎる真実、ネット拡散の悲劇、そして訪れた奇跡の結末まで徹底的に研究していくぞ!! 本日の激レア研究はこちら!
【激レアさん1】 中1の時に撮った写真が伝説的なバカ画像としてネットで拡散してしまい、その後10年間、運命に翻弄され続けている人。
【激レアさん2】 交通安全教室で年間300回以上も車に轢かれる売れっ子の轢かれ役。