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生中継こそが「花」なのにその「花」を奪った奴らは誰だ?

お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太さんと、女優の蒼井優さんが結婚したということが2019年6月5日の朝に唐突に発表され、山里さんが声の出演をしている日本テレビの「スッキリ」では「夜に記者会見をやるから詳細はそこで」と発言したことでその日の夜7時から行なわれるという記者会見にがぜん注目が集まることになりました。

山里さんはその会見の頭に、こうした場を作った理由というのは、FAXをマスコミに送り付けたり、唐突にブログやSNSで発表すると憶測を生むので、しっかりと伝えたいという事を言っていました。まさしく結婚したお二人にとってはこの場が晴れの舞台であり、今後披露宴を行なったとしてもそこまで注目されることはないだろうという中での会見は、当然リアルタイムで行なわれるだろうと思って、様々な会見を生中継することで定評があるAbemaTVを付けて待っていたところ、待てども待てども会見が中継されることはありませんでした。

7時からは地上波で流れた午後5時からのニュースの再放送をしていたと思ったら、しばらくして会見を伝えるAbemaTVのスタジオに切り替わったのですが、そこでもまだ会見の様子については一切伝えられず、いつから会見の様子を中継するのかも明らかにされませんでした。これはAbemaTVの失態か? と思ったらアナウンサーからここまで生中継がされない理由というのが発表されました。それは会見の一分前に発表された事だったそうですが、お二人の事務所のどちらの意向なのかはわかりませんが、会見開始から終了(お二人が会見場から姿を消すまで)の間は同時中継をしないようにだけではなく、会見で語られた内容を出すことも禁止されたという事でした。

そのため、AbemaTVの放送はしばらくアナウンサーの方々がどうでもいい話を数十分間もくどくどと垂れ流すことになり、中継を楽しみにしていた人を裏切るだけでなく、午後9時から放送される番組の出演者も黙って会見の中継録画映像を見ているだけだという、多くの人の予定を狂わせることになってしまったのでした。なぜこんな「報道管制」をおめでたい結婚報告の場で仕掛けるのでしょうか。

これは、情報をあくまでもコントロールし、ネットテレビには好きなようにはさせたくないという事務所側の意向なのかもしれません。そうとでも考えなければ、技術的にも、恐らく会見したお二人についても、会見の様子を生中継することについては大きな問題があるようには思えませんでした。なぜ強制的に「中継録画」を見させられなければならないのかという点において、ネット放送を含めたテレビが、その即時性を放棄した例として、後々にもその記録を残しておくべきだと思いました。

今回の事をおかしいと思わない人もいるかも知れませんが、こうした例はどうでしょう。もし、東京オリンピックのある競技において、一つの競技団体が「自分達の競技の中継は生中継はまかりならん」と一方的に宣言し、試合開始から試合が終わり、選手が会場から完全に退場するまで(つまり試合後のインタビューも含む)中継どころか試合内容の紹介や試合結果を一切報道することはまかりならんとマスコミに圧力を掛けたら、テレビで生中継を楽しみにしていた視聴者はどう思うでしょうか。今回の会見は正にそんな感じで行なわれ、後追い中継録画を見ながら決してスッキリしていなかった視聴者が多くいたのではないかと思います。

会見についての報道規制はお二人の罪ではないと信じたいですが、もしこうした事が事務所の独断で決められたのだとしたら、今後お二人の会見の裏で様々な憶測が流れることにもつながるかも知れず、この事が原因で騒動になった場合にどうするのかと本気で心配するところです。そんな憶測を生みたくないと思ってお二人は今回の会見を開いたのに、そこから何か変な流れになってしまったらと思うと、「人の幸せをダシに使って金もうけの種にしようとする奴」が一枚かんでいるのか? という風にも思えてしまいます。

こんな事が続けば、もはや芸能人は独自にネット中継をするなどしなければ生で気持ちを伝えることすらできなくなってしまいます。それは、もはやテレビではなくなってしまうので、テレビ業界についての危機にもつながるのではないかと本気で心配してしまった今回の会見録画中継でした。