月別アーカイブ: 2018年11月

「相席食堂」を一気に見て気付いたこと

東京でも大阪でもない地方に住んでいる身としては一番残念なのがリアルタイムで多くの人が見ているであろう「関東ローカル」や「関西ローカル」の番組を見られないということがあるのですが、たまたまレギュラー化前の漫才コンビ千鳥の初の冠番組という「相席食堂」のスペシャル版(朝日放送テレビ)を見たことでこのブログに書いたものの、本放送の放送がなくがっかりしていたところ、まさかの「アマゾンプライムビデオ」での一気の配信が行なわれたことで、レギュラー化なった番組を一気に見てしまいました。

アマゾンプライムビデオのことをご存じない方のために少々説明すると、何も設定をしないで続き物の番組の再生を始めると、番組終了とともに次回の番組の配信準備が始まり、そのままにしているとすぐに次の回が始まってしまうような事が起こるのです。今回はそんな感じで、あえて止める気もしなかったので一気に2018年4月8日放送の第一回目から同年6月10日放送の第10回目までを一気に見ました。

そこで気付いたことは、番組の方式は「笑神様は突然に」と同じ、VTRを見ながら気になった所でストップしてトークするというスタイルではあるのですが、そこは関西ローカルらしく、ゲストは出演せずにサインだけセットに残して帰るという体で、主に千鳥の2人がVTRに出演している反論してこないゲストに思いっ切りツッコミを入れることで、スタジオの圧倒的な優位性が際立つものになります。

ただそこは闇雲にゲストをディスってばかりでは全く面白くなくなってしまいますので、色々な意味でツッコミどころ満載の厳選されたゲストをどのように一方通行の中で面白く見せるように千鳥のお二人がいじっていくかというのが番組の見所となっていきます。あくまで個人的な意見ですが、それなりにロケをこなしてこだわりもありそうな千原せいじさんや間寛平さん、横澤夏子さんも面白いですが、こうした旅に全く慣れていないかたせ梨乃さんや武井壮さん、そして出てきただけで千鳥のお二人から突っ込まれたコロコロチキンペッパーズのナダルさんのようなゲスト傾向の方が千鳥のお二人のVTRを見る目が輝いているようで(^^;)、これがこの番組の人気の秘密なのではないかという気もします。

テレビというものは不思議なもので、出演してそれらしく喋りができていれば、どんな番組でもできそうな感じもするのですが、全くのノープランで人と接して「相席」することが必須ということになると、作られたネタやシナリオを覚え込んで披露することには長けていても、人見知りだったり性格が極端に悪いとかで素人とからむと不自然な面が出てしまったりするところがまず面白いわけです。さらに、その面白さがすぐには伝わらなくても、詳しく千鳥のお二人が解説し、どうした方がさらに面白VTRになるのかまで話してくれるわけですから面白いだけでなく同じような地方の旅番組を作っている人にとっても有益な情報だったりするのです。

個人的にはそれが、業界内視聴率が高いという理由になるのかも知れませんが、まだプライムビデオで見られるのは第10回までという事なので、今後の配信によってさらにツッコミどころ満載なゲストも旅をしているようですし、次回の配信を期待して待ちたいところです。


「細かすぎて伝わらないモノマネ」を演者と関係ない所で潰すな

まずは、ユーチューブにアップされている以下の動画を視聴環境のある方はぜひご覧頂きたいと思います。

これは、私の住む静岡県のエリアにしているスーパーチェーン「ヒバリヤ」のテレビコマーシャルなのですが、最後に出てくる店員さんは実は本物ではなく、お笑いコンビ「アップダウン」の阿部浩貴さんで、コマーシャルソングを歌っている相方の竹森巧さんとともに、スーパーのビーアールに一役買っているというわけです。

なぜ地方の一介のスーパーのコマーシャルにこの二人が抜擢されたのでしょうか。別にこの二人は地元出身なわけでも、吉本興業でよくある全国各地の地元で活動していたわけでも、静岡県で局地的な人気があったわけでもありません。

それは、過去に放送された「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で映像の最後に出てきた阿部浩貴さんが経堂駅前のコンビニの店員のモノマネ(「いらっしゃいませ」が「エアロスミス」に聞こえる)をやって見事に優勝し、そこで知名度が一気に上がったため、今回のコマーシャルでは実際に音楽活動をしていて楽曲のクオリティも相当高い相方の竹森巧さんに音楽を依頼してのコマーシャル製作になったということになります。これは地方のコマーシャルとしてはかなり出来がいいのではないかと思っていて、特に竹森さんのCMソングの出来映えに感心するのですが、それもこれも阿部浩貴さんの「エアロスミス」のネタで全国的な知名度を獲得したことが素地になっています。

こんな話から始めましたが、この「細かすぎて伝わらないモノマネ」の番組というのは、単にとんねるずの冠番組という枠を越えて、多くの人が今もユーチューブで見ても楽しめる、テレビや動画の視聴に適した画期的な企画のように私個人は考えています。いわゆる若手芸人の「ネタ見せ」番組よりも短い間に笑いを取る一発芸の才能が求められますし、こうした一発ネタを複数持っていれば、困ったらそうしたネタでつないでもテレビではそれ見たさについつい見てしまうということにもなるので、今後テレビで人気者になりたいという人はプロ・素人問わずに新たに「細かすぎて伝わらないモノマネ」に出られるだけの一発芸を開発し、その面白さをテレビを見ている人に伝えたいと思っているに違いありません。

実はこの番組の放送前に、ある一つの番組に関する話題がありました。今回の番組にとんねるずの木梨憲武さん、くりいむしちゅーの有田哲平さん、そして関根勤さんが出演されないのは、フジテレビのスタッフが元々とんねるずの冠番組の一コーナーであった企画だけを一つの番組にするのは、「終了した番組の1コーナーをそれだけ切り取って復活させるのはおかしい」と木梨さんが異を唱えて出演オファーを断り、それに有田さんと関根さんも同調したというのですが、細かいところでこの話が本当なのかどうかは良くわかりません。

これはあくまでテレビを見て楽しみたいという立場で書き連ねているブログですから、そうした出演者とスタッフとの間でのドロドロしたくだりには全く興味はなく、短い時間で多くの練られた細かいネタを見せてくれ、さらに東京や大阪など現地の会場に行かないと見られないような人達がテレビで見られるという機会を潰さないで欲しいとただただ思うのです。

確かに自分の番組で皆で作ってきたコーナーを横取りされるような気分で今回出なかった人達は出演拒否をしたのかも知れませんが、それではこの日に出演した多くの無名の出演者たちがテレビに出る機会を奪ってしまうことにも繋がりかねません。今回は特番が放送されたことで、「とんねるずの二人に亀裂か?」というような騒ぎになってしまいましたが、別に今回出演拒否したとされる人がいなくても十分盛り上がりましたし、視聴者の興味はもはやテレビから動画の世界に移りつつあることを考えると、こうした良質な企画というのは番組の終焉とともに葬り去るかのような考えというのはテレビにとってどうなのでしょう?

番組内では「一夜限り」という言葉も出ていたようですが、単にこの番組はフジテレビの視聴率のためだけではなく、若手芸人の登竜門としてのものだけでもなく、まだ私たちが見る機会のない未知の才能の発掘場所として、最初に紹介したような地方のテレビ局やクライアントが注目していることも忘れないでいただきたいものです。

(番組データ)

土曜プレミアム・ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ フジテレビ
2018/11/24 21:00 ~ 2018/11/24 23:10 (130分)
【出演者】石橋貴明  バナナマン  今田美桜  細かすぎて伝わらない芸人の皆様
【演出】 鈴木靖広
【チーフプロデューサー】 太田一平

(番組内容)

今宵アノ名物爆笑企画が一夜限りSP番組化!全国巨大オーディション選抜の総勢122名、おなじみ大人気常連&驚異の新人大量参戦で今田美桜も笑いっ放しの超豪華版

あまりに「細かすぎる」が故に、笑いにはなりにくいと思われてきたマニアックなモノマネや、アンダーグラウンドな芸にも光を当て、お笑い芸人、モノマネ芸人の登竜門ともいえる存在にもなった人気企画『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』。  今回、視聴者の皆様からの熱い要望に応えるべく、出演者の1人であった石橋貴明主宰で、フレッシュな顔ぶれも新たに加わり、まったく新しい番組として2時間超えのスペシャルが実現しました。延べ3カ月に及ぶ厳しい全国一大オーディションを勝ち上がってきたのは、おなじみのベテランモノマネ芸人から新人まで、総勢およそ50組。常連出演者が安定した“鉄板”芸を見せる一方で、新人がまったく予想もつかないシュールなモノマネを展開するなど爆笑の連続。果たしてファイナリストに残り、優勝を勝ち取るのは円熟のベテラン芸人か?新しい笑いを作り出すニューカマーか?


「TKJPヘビー級選手権」とは?

昨年の11月11日に放送されたBSフジの11時間テレビはこのブログでも紹介したように、一部の人達の熱狂的な支持を受けたことは記憶に新しいですが、そのため一応今年の11月11日にテレビ欄を見て今年も11時間テレビをやらないことを確認し、ちょっとがっかりしたもののやはりというか土曜日の午前中から同じ11時間テレビを仕掛けるのはさすがでした。

この番組の母体として安定した人気を持つ「クイズ!脳ベルSHOW」は連日再放送を含めて放送されており、そこで改めて生存が確認されたり、その言動の面白さを再確認したりする往年のスターが発掘されるという実に昭和的な番組を面白くするシステムが発動しており、それが今回の番組にも生かされていると感じるところが多くありました。

基本は全国をブロックに分けてその地方同士のクイズ合戦ということになるのですが、優勝賞品が「米一俵」という相変わらずのショボさで、出演者もクイズの成績がどうこうではなく心ゆくまで番組を楽しんでいることが見ていて伝わってきました。

まず最初のこの番組のポイントとして挙げなければならないのは、クイズの箸休めとして出演者がお客さんとして座席を埋めた演芸大会に出てきた往年の漫才コンビ「B&B」の進行を無視した往年の漫才披露にありました。島田洋七さんのしゃべくりの力はいささかも衰えず、相方の島田洋八さんが「もうええわ」と適当なところで終わらせようと思っても洋七さんが終わらせてくれず、どうでもいい話をどんどん続けていくところは、まさにかつての漫才ブームの頃の様子を彷彿とさせるこの番組の大きな見どころだったように思います。このために最後がぐだぐだになってしまったことはあるかも知れませんが、B&Bは健在であることを示してくれたことは嬉しく、ぜひまたお二人の漫才を聞く機会があればと思います。

そして、やはり今回も触れなければならないのが往年のプロレスファンとしてはちょっと考えられないような顔合せが起こった表題の「TKJPヘビー級選手権」です(^^)。この言葉は実は番組の中で実況アナウンスをかみまくりながらしていた元・テレビ朝日アナウンサー佐々木正洋さん(アントニオ猪木さんに試合前のインタビューに行き激怒され最初にビンタを食らったアナウンサー)の造語です。具体的には、

「T」…叩いて
「K」…かぶって
「J」…じゃんけん
「P」…ポン

の略称です(^^;)。改めて説明するまでもないですが、昨年と同様に赤青のヘルメットにピコピコハンマーがリングの中に用意され、過去に因縁があるはずの男達が大真面目にこのゲームに興じるさまは2年連続同じことをやっているにも関わらず、当日の最大のメインイベントだったように思います。

前年と比べての変化は、まず長州力さんがゲームの対策をして防御がうまくなっているだけでなく巧みに相手の心を揺さぶったり脅しをかけたりして、相手の動揺を誘うというかなり高度なテクニックをもって対武藤敬司戦、対前田日明戦、対蝶野正洋戦を戦い抜いたのが強烈に印象に残りました。

というのも、普通の人が出すじゃんけんのチョキは人差し指と中指を使った「ピースサイン」がほとんどだと思いますが、長州力さんの出す「チョキ」は親指と人差し指をのばす通称「田舎チョキ」と言われるもので、最初に出したのがその「田舎チョキ」だったことでまず試合がストップし大笑いになったのです。その後、長州さんは田舎チョキを出し続けたのですが、それはどうもわざと負けてすぐにヘルメットをかぶって防御をする作戦だったように感じました。

そして、相手にグーを出させておいてパーを出して勝つと、一気に優勢に転じ現役時代のパワーそのものという感じでヘルメットとハンマーを置いている机の上を乗り越えて相手をめった打ちにしに行くというパターンを繰り返しました。この様子を見ていて実際に長州力さんの攻勢をまともにくらった最終戦の蝶野正洋さんはあわててリング下に逃げ出してしまい(^^;)、最後には長州力さんが前年から引き続きチャンピオンに輝きました。

その中で長州さんが何と「ベルトが欲しい」と言い出し、司会の岡田さんが来年の開催時にはベルトを用意すると言ったので、少なくとも来年の11月にも番組が作られ、そのコーナーの一つとして「TKJPヘビー級選手権」が行なわれることは確かではないでしょうか。

これからまた一年間、通常のレギュラー放送の中で新たな個性的なメンバーがその才能を発揮したら、クイズ出演者だけでなく長州力対武藤敬司・前田日明・蝶野正洋というメンツ以外にもさらに遺恨のある人物が出てくる可能性もありますし、いい大人が真面目にふざける「茶番」には違いありませんが(^^;)、その茶番をおおらかな目で見て笑うということができるのもBSというゆるい放送枠でこそのものではないでしょうか。今後もAbemaに負けないエンターテインメントを年一回、期待して待っている一部の人達に届けていただきたいと切に思います。出演者の皆様およびスタッフの方、11時間お疲れ様でした。

(番組データ)

BSフジ11時間テレビ2018 全国対抗!脳トレ生合戦!! BSフジ
2018/11/17 11:00 ~ 018/11/17 22:00(660分)
【司会】岡田圭右(ますだおかだ) 川野良子(フジテレビアナウンサー)
【解答者】あいざき進也 麻丘めぐみ あべ静江 アキ 伊藤榮子 氏神一番 うつみ宮土理 扇ひろ子 大沢逸美 岡まゆみ 葛城ユキ カルーセル麻紀 神奈月 岸田敏志 北原ミレイ 国生さゆり 小桜京子 斎藤洋介 桜木健一 沢田亜矢子 獣神サンダー・ライガー シェリー 高橋名人 田中健 田中星児 谷隼人 西村知美 ビートきよし ピーター 船木誠勝 堀ちえみ 松村雄基 マリアン 森口博子 山下真司 山本晋也 若林豪 渡辺正行
【ゲスト】藤巻潤 堀田眞三 寺田理恵子 福井謙二 牧原俊幸 大木凡人 BORO 丸の内合唱団 水木一郎 ささきいさお 橋幸夫 森脇健児 ミスターマリック トランプマン すず風にゃんこ・金魚 酒井くにお・とおる B&B ぼんちおさむ 水前寺清子 長州力 武藤敬司 前田日明 蝶野正洋 佐々木正洋 田中ケロ にしきのあきら 松岡きっこ 裕子と弥生 リリーズ こまどり姉妹 JAGUAR 江藤博利 加門亮 島崎俊郎(全ての出演者ではありません)
【企画・編成】谷口大二
【構成】林田晋一/鈴木悟志
【クイズ監修】道蔦岳史
【プロデューサー】小沢英治
【総合演出】丸林徳昭
【制作協力】ディ・コンプレックス ニュー・ジェネレーション ロジック
【制作著作】:BSフジ

(番組内容)

現在、月金曜日22:00~22:55放送中の『クイズ!脳ベルSHOW』をベースに「誕生」をテーマにした大型生放送特番。演芸、歌謡コーナーなどなど、おなじみの脳活性化クイズだけでなく笑いや歌でも脳を活性化しちゃう11時間!出演者は47都道府県・6ブロックを代表する有名人の皆様!トーナメント方式で優勝を競います!第1部は北海道・東北チームと九州・沖縄チームの登場です。

ところどころにスペシャルゲストが登場!オープニングから登場するのでスタートからお見逃しなく! 80年代の人気番組の大ヒット企画・山田邦子のひょうきん絵描き歌がスタジオで実現!?あるなし曲を歌う丸の内合唱団の生歌も聞けちゃいますよ~♪ そして「脳ベルSHOW」ではおなじみ「脳ベルダービー」はもちろんあります!誰が早押しに挑戦するかは見てのお楽しみ!

インフォメーションコーナーでは、視聴者の皆様から寄せられたメッセージをご紹介します!奮ってご応募ください。 目玉企画のお台場障害物マラソンではあのマラソンランナーが駆け抜ける!果たしてランナーは無事ゴールへ辿り着くことができるのか?! そして番組の所々に豪華商品が当たるプレゼントクイズのキーワードが発表されます。キーワードを確認して番組最後のプレゼントクイズに挑戦してみてください!

第2部は近畿チームと関東・甲信越チームが激突!今回もスペシャルゲストが続々登場! VTRクイズでは懐かしの3年B組金八先生シリーズ風ドラマで禁断の恋が…!? そしてもちろん「脳ベルダービー」のコーナーもあります! クイズの合間には脳をリフレッシュ!「脳ベル演芸SHOW」のコーナーもあります。

第3部は北陸・東海チームと中国・四国チームが激突! そして敗者復活戦で勝ち残るのはどのチームなのか!SPコーナーではMr.マリックとトランプマンが夢の共演対決!みなさん、手品の仕掛けわかりますか? 続いては注目の4KPR企画!ガチャピンとムックがスタジオに駆けつけ盛り上げてくれますよ。 皆様からのメッセージも大募集!インフォメーションコーナーを設けてご紹介しちゃいます。第3部も「脳ベルダービー」は続きます! SPコーナーでは、プロレスラー長州力・武藤敬司・前田日明が登場!リング上でどんな対決が繰り広げられるのか!? 第3部にも豪華商品があたるプレゼントクイズのキーワード発表がありますよ!お見逃しなく!

第4部はついに決勝戦! MC岡田圭右の50回目の誕生日も盛大にお祝いしちゃいますよ~!  「脳ベルヒットスタジオ」のコーナーでは、豪華ゲストの皆さんが懐かしのヒット歌謡曲を生披露!岡田圭右・川野良子アナの生の歌声とダンスにもご注目ください♪ おなじみ「脳ベルダービー」のコーナーももちろんあります。 SPコーナーでは、またまたプロレスラーが登場!長州力・武藤敬司に加えて蝶野正洋が参戦!リングでどのような戦いが繰り広げられるのか!? そしてドッキリ企画お宝ハウマッチ! あの芸能人のあのお宝のお値段は? 脳ベルSHOWの締め括りは”すごろく大逆転” 運を味方につけて優勝するのは一体どのチームなのか! 豪華商品があたるプレゼントクイズのキーワード発表もあります。メモを取るのを忘れずに! 11時間テレビも終盤。岡田さんと川野アナ大丈夫かな…ポロリ連発してないかな… 皆さんも岡田さんと川野アナを応援しながら第4部を是非是非最後までお楽しみください。


いつから「ゆるキャラグランプリ」が国民の関心事になったのか

この文章の最後にまとめてある「番組内容」の中には出てきませんが、当日のニュースの中に「ゆるキャラグランプリで特定の市が組織票を大量に投票している」ということがニュース種になっていました。この「ゆるキャラグランプリ」というのは、一年に一回ネットからの投票によってエントリーしたご当地のキャラクターの一番を決めるイベントなのですが、今年の投票についてのみクレームを付けるような形で報道することにまずは違和感を覚えてしまいます。

この「ゆるキャラグランプリ」は2010年から開始されましたが、投票がインターネットに一本化された2011年から組織票についてのニュースはちゃんと出ていました。もっとも、当時は組織票といってもあまりに自治体がゴリ押しして一位を取ってしまいそうなキャラへの組織票ではなく、どう見ても一位は取れなさそうな変なキャラクターをネット民の力で一位にして、お金を掛けてキャラクターを作って「町おこし」のために活躍してもらおうという自治体や広告代理店の考えを粉砕するために、東京・西国分寺の有志が作ったキャラ「にしこくん」に大量に投票し、その時に二位だった「くまモン」がいくら組織票を入れても届かないほどのネット投票をしたことで話題になったのです。

今回、2018年の四日市市のゆるキャラ「こにゅうどうくん」への組織票については、他の自治体などが今までさんざん行なってきた事なのでさすがに手は加えないようですが、2011年の「にしこくん」に対しては得票の8割を無効にするという、まさに第一位は「くまモン」に決まっている出来レースだったかのような処置が取られ、結局「にしこくん」は第三位に留まりました。当然、当時の熊本県庁や関連の団体による多くの投票はあり、くまモンへの投票を呼び掛けるためにそれなりのお金が使われたはずですが、その事は問題にもされませんでした。

さらに、2015年のグランプリを取った静岡県浜松市のキャラ「出世大名家康くん」についても、その一昨年の2013年に栃木県佐野市の「さのまる」に逆転され第二位になった恨みを晴らすかのように、大手広告代理店とのタイアップで市民に「毎日投票」と呼び掛け、さらに開催地を誘致してまでも組織票による投票や現地での一大キャンペーンを繰り広げ、念願のグランプリを取ったのですが、そのために3年もかけて税金をいくら使ったのかということを考えると、今回の四日市市の事など比較にならない組織とお金が動いていたものと思われます。この辺をきちんと取材して報道していれば良いレポートとして評価もできるのですが、今回のようなニュアンスで当時NHKが伝えたようには全く記憶していません。

さらに今回のNHKによるニュースが姑息だと思ったのは、ニュース番組なのに面白おかしく伝えようとしたのか、記者が電話で「くまモン」にこの件についてのインタビューを取ろうとして熊本県町に電話して、担当者が「くまモンは小さい子で喋れないので私が代理で……」と語せるようなくだりがあったことです。現在のくまモンの人気がどうということではなく、最初の取り決めで言えば2011年のゆるキャラグランプリは「にしこくん」に譲らねばならなかったはずの「くまモン」を引き合いに出す事自体がきちんと問題の本質に向き合おうとしないNHKの立場を表していると言えるでしょう。

そもそも「ゆるキャラ」というのは漫画家のみうらじゅん氏が付けた名称で、決してお金を掛けてデザインや宣伝を外部に委託してクオリティを上げたキャラクターを作るものではなく、お金のない自治体や団体が担当者の考えたとてもクオリティが低いデザインを形にすることで、何とも言えずほのぼのとした残念感があるキャラクターの事だったと思います。ですから、本当は投票による優劣でグランプリをそもそも決めるべきではないものなのです。もしそうしたやり方がいやなら、みうら氏が付けた「ゆるキャラ」という名称を返上して「ご当地キャラグランプリ」とでもして開催すればいいのにと思います。

もし「ゆるキャラ」という名前で続けたいのなら、そもそも投票制はやめにしないと、今後ももすます中に入った広告代理店やデザイナーの益になるだけであり、住民の払った税金を無駄に使われるだけでしょう。もし今年までのような大がかりなグランプリを取るための行動が全く役に立たなくなるような選考が行なわれることになったら(流行語大賞がその方式でグランプリを決めています)、改めてそこで「ゆるキャラ」としての面白さが出てくるようになり、全国的な人気者も生まれてくるように思えるのですが。

とにかく、今回のNHKをはじめとして、今までの「ゆるキャラグランプリ」の歴史を何も勉強せずに「組織票」だと煽るテレビの姿には絶望を禁じえません。

(番組データ)

ニュースウオッチ9 NHK総合
2018/11/09 21:00 ~ 2018/11/09 22:00 (60分)
【キャスター】有馬嘉男,桑子真帆,
【スポーツキャスター】一橋忠之,
【リポーター】栗原望,高橋篤史,今井翔馬,上原光紀,
【気象キャスター】斉田季実治

(番組内容)

▽平成を彩った招待者 両陛下・最後の園遊会
▽ダンパー不正発覚・まもなく1か月 現場は
▽再登板!巨人 原監督


歴史的な三試合を放送したBSテレ東に感謝

バトミントンとともに最近相当世界トップレベルに達していると感じられるのが卓球ですが、バトミントンは群雄割拠の中に日本が割り込んできたような印象があるのですが、卓球の場合はここのところは中国が男女ともあまりにも強すぎて、ルール上でも他の国が勝てるような改正を行なっても全く中国選手に歯が立たなかった、まさしく王者「中国」の牙城をどうやって崩すかというところがずっと続いていました。

個人的には中国選手の壁を超えるのが日本選手でなくヨーロッパや他のアジア選手であってもいいと思っていたのですが、今回BSテレ東が特別番組を編成してまでスウェーデンオープンの女子シングルスの試合を放送したのには実に大きな意義があります。

というのも、大会自体は大きくはないものの、日本の伊藤美誠選手が中国女子では今のところ最強で団体戦の主力メンバーである劉詩ブン、丁寧、朱雨玲という3選手を破って優勝まで駆け上がってしまったのですが、試合の結果だけでなく試合内容も、伊藤選手の世界一の強さを中国チームに見せつけた試合になったからです。

同じような事を過去に東アジア選手権で平野美宇選手が行ないましたが、当時の平野選手のピッチの早い打ち込みというのは中国選手に対策される範囲の技術であり、平野選手は中国に対策されてしまったためでしょうか、現在の平野選手はなかなか中国選手に勝てなくなってしまっていますが、今回出場して優勝した伊藤美誠選手は、先だっての世界卓球の団体戦でも中国選手に勝ち、さらに今回の三連勝で対策の上を行って粉砕したとでも言えるほどの素晴らしい卓球を見せてくれました。

彼女の卓球は、決して下がらずに相手を下がらせるようにして先手を取り、どんなボールが来ても叩けるものなら思い切り叩くという、中国ではなかなかそうした攻撃を行なう人がいないような試合をしていました。これは、今までの常識にとらわれず、練習ではない遊びの中から新しい技術を考案するようなところが彼女にはあって、それが実を結んだ形です。そうした技術がことごとく今回の試合では決まっていました。強打もすごかったですが、野球のチェンジアップのような遅くて回転のかかっていないナックルボールをも織り交ぜてくるので、相手も伊藤美誠選手のボールを強く打つことができず、タイミングが合わずにチャンスボールを供給してしまうという様を見て、改めて彼女の凄さを感じざるを得ませんでした。

男子ではかつて、今回の試合が行なわれたスウェーデン出身のワルドナーという選手がいて、この選手も超人的な身体能力で個人で中国選手を粉砕し、逆に中国卓球界はいかにしてワルドナー選手を倒すかという事を考えて名勝負を繰り広げたのですが、現在の伊藤美誠選手の試合はこのワルドナー選手の活躍を彷彿とさせる凄さです。恐らく、このまま伊藤選手が伸びて行けば、オリンピックの金メダルも現実のものとして視野に入ってくるでしょう。

実のところ、男子の張本智和選手でもユースオリンピックで中国の若手に苦杯をなめたことで、まだまだ中国の第一線の卓球に追い付くのは難しいのではないかと思っていたのですが、今回の伊藤選手の活躍によって、さらに日本選手のレベルを上げて行けば、団体でも中国に勝つという空想が現実になる可能性があるのではないかと感じました。今回の試合の凄さを読む人に感じていただきたいとともに、今後の伊藤美誠選手に注目していただきたいと切に思います。

(番組データ)

緊急特番!伊藤美誠スウェーデンオープン優勝SP BSテレ東
11/5 (月) 17:58 ~ 18:55 (57分)
大会名称:ITTFワールドツアー・スウェーデンオープン
開催日:10月29日(月)~11月4日(日) 開催都市:ストックホルム
【解説】平野早矢香
【実況】植草朋樹(テレビ東京アナウンサー)

(番組内容)

スウェーデンオープンで見事今季ワールドツアー2勝目を挙げた伊藤美誠。その戦いの軌跡は、最強中国3選手・劉詩ブン、丁寧、朱雨玲を撃破しての快挙だった。

【伊藤美誠 激闘の軌跡】
<女子シングルス決勝> 伊藤美誠4-0朱雨玲(中国)世界ランク1位 11-3/11-3/11-5/11-8
<女子シングルス準決勝> 伊藤美誠4-2丁寧(中国)世界ランク2位 3-11/7-11/12-10/11-6/11-9/11-8
<女子シングルス準々決勝> 伊藤美誠4-3劉詩ブン(中国)世界ランク6位 12-10/7-11/7-11/5-11/13-11/11-4/11-8
<女子シングルス2回戦> 伊藤美誠4-3フォン・ティエンウェイ(シンガポール) 2-11/9-11/12-10/11-6/5-11/11-5/11-9
<女子シングルス1回戦> 伊藤美誠4-1張薔(中国) 11-9/11-4/6-11/11-3/11-8


芸人人生「急がば回れ」の平畠啓史さんの立ち位置

最初に、今回語らせていただきたい平畠啓史さんの話をする前に、DonDokoDonというコンビでかつて平畠啓史さんとコンビでテレビに出ていた山口智充さんの話をさせていただきます。彼の姿がかつてほどテレビで見られなくなって久しいというのが実に寂しくもあります。というのも、この文章を書いている私が静岡在住ということで、まだ山口さんが全国的な人気になる前にコンビで出演されていた静岡限定のローカル番組、静岡県にある飲食店を紹介する番組「くさデカ」(フジテレビ系列のテレビ静岡の番組)を見るだけでなく、出掛けた先でロケーションを行なっていて、得意のギターで即興でお店を紹介する歌を歌っているのを見たことがあったからです。山口さんのそのスター性というかかなり脂ぎったパワーに圧倒されているうちに全国ネットの番組に出演するようになったという感じでした。

山口さんはものまねがうまく歌もお上手で、メインのMCとしてもきっちりとやるだけの技量を持ったタレントとしてある意味「天下を取った」のではないか? と思われるほどテレビで見ない日はなかったのですが、なぜか最近になってめっきりテレビで見る機会がなくなってしまったような気がします。

逆に山口さんが全国ネットで活躍すればするほどその地味な存在感でいじられてきたのがDonDokoDonというコンビで相方だった平畠啓史さんのことです。山口さんが静岡の番組を卒業し、東京へ出て行った後にも、同じ静岡の番組に出続けて地味な食レポを続けていたのが平畠さんで、グイグイ前に出ていく感じの山口さんとは違って、マイペースで食レポを続ける平畠さんはテレビを見ている静岡県の方々の気質に合ったのか、県内でロケをしていれば地元の方に暖かく迎えられ、山口さんが抜けたあとも番組をクビになることなく現在も番組の出演者として過去と変わらぬ食リポを毎週見せてくれています。

かつて、テレビ朝日系の「アメトーーク!」で平畠さんを始めとする「地方の有名タレント」という形で紹介された時に、全国でほとんど無名であったにも関わらず、静岡県民にインタビューをしたところ、彼の名前を知らない人がいないほどの有名タレントとして認知されていることに東京で活躍されている他の出演者達はひどく驚くとともに、格好のいじりネタになったのですが、たまたま呼ばれただけかも知れない静岡でタレント活動をすることによってタレント活動に新たな展開を見せることになります。

というのも、静岡県というのは現状でこそ代表選手がいなくなってしまい、高校選手権でもなかなか全国で勝てなくなってしまった感じはありますが、小学生からJリーグまでを見まくるサッカーのファンがいる地域でもあります。平畠さんは実は高校生の時にサッカー部のキャプテンとしてインターハイの出場を果たしているほどサッカーがうまく、サッカーという競技に造詣が深い方でもあります。そうしたサッカー愛が講じて、いわゆるトップリーグのJ1だけでなく下部リーグのJ2やJ3のカテゴリーの試合でもプライベートで見に行くほどのサッカーフリークという一面もあるのです。

サッカーに関する静岡県内での仕事はそれなりに存在し、最近でも静岡朝日テレビの「ピエール瀧のしょんないTV」でサッカーの話題になるとキャスティングされるなど、彼のサッカー通というところは多くの人に静岡県では認知されています。地方だけでなく、サッカーに関するお仕事は今回の番組を放送しているスカパーでの仕事も多いのですが、Jリーグの試合がネット配信のDAZNで行なわれるようになると、中継に人員を割くことが難しいJ3での試合の実況をも平畠さんお一人で行なわれることもあります。その記念すべき一試合目が、静岡県藤枝市を本拠地とする藤枝MYFCの試合でした。

今回の番組は普段スカパーに加入していないので(^^;)初めて見ましたが、「くさデカ」での定番食レポのコメントは封印して、Jリーグのホームタウンの一つである神戸周辺のグルメレポートと観光スポット紹介を挟みながら、主に全国のサポーターが試合を見に行く際のいいレポートとして番組は機能しているように感じました。選手とのインタビューでは、多くのJリーグの試合を生で見ているという面からの質問が出てくるわけですし、選手の方もそれほど硬くならずに本音を吐き出しているようで、今回は鳴り物入りで神戸に入団したイニエスタの話題で相当盛り上がっていたように感じています。

テレビの世界で生き残るためには、「いかにして人より前に出るか」という相方の山口さんのような姿勢の方が大切だろうと思うのですが、今回の番組を見ていて思ったのですが、見ていて全く構えることがなく、その中にも神戸のスポット情報やサッカー情報が散りばめられていてこれはこれで芸人さんとしてありなのではないかと思えます。平畠さんの他にも、恐らく数多くの「サッカー芸人」と呼ばれる人がいるとは思いますが、現在もずっと日本のプロリーグを会場まで行き生で見ている平畠さんが言うことと、テレビでしか見ない人の言うことは説得力も違い、早くからサッカーと芸能活動を結ぶことを実行してこられた平畠さんの立場にとって代わる人というのは出てこないだろうと改めて番組を見て思いました。

テレビの世界というのは難しいもので、いくら才能のある芸人の方でも、全て才能だけでトップを取れるかというとそういうことでもなく、ちょっとした力関係のきっかけでテレビに出る機会を失なってしまって、その間に自分に変わる新たな人にとって代わられてしまう恐怖というものがいつも付きまといます。そうしたとって代わられる恐れというのは少なくとも平畠さんには当てはまらないのではないでしょうか。

最近の人気芸人について言えば、ガツガツとした感じで目立つことが売れる近道だというような感じでテレビに出演している方がほとんどかとは思うのですが、それがテレビで活躍する方法の全てではないということがわかっていただけるのではないかと思います。平畠啓史さんのように、自分の得意な専門知識をテレビを見ている人に優しく伝えるような才能を持っている人であれば、継続してのご活躍が見込めるという先例になったような感じがします。

(番組データ)

平ちゃんの「ほな行こか。」#19 ~神戸篇~ スカサカ!(Ch.580)
11/3 (土) 12:00 ~ 13:00 (60分)
▼出演者 ・平畠啓史 ・林智美

(番組内容)

今回は神戸をぶらり旅!郷家友太選手・藤谷壮選手のロングインタビューもお楽しみに!

Jリーグのホームタウンを平ちゃん独自の目線で紹介します!選手・監督のインタビューはもちろん、地元の人だけのディープゾーンまで、知られざるJタウンの必見スポットを駆け巡るスカパー! オリジナルプログラム、アウェイゲームに行きたくなる“ぶらり旅”の第19回目は神戸を特集します。


ジャーナリズムを商業主義にかけるとドキュメンタリーは消える?

シリアに入ったまま行方不明になり、現地の武装集団の人質となったものの先日日本に帰国した国際ジャーナリストの安田純平氏について、本人がまだ記者会見をする前のインタビュー内容が明らかになるとともに、安田氏に対する一部のネットでのバッシングが始まりました。それを擁護するような形でテレビ番組内で発言したテレビ朝日の玉川徹氏の放った言葉の内容に、同じテレビ朝日系列でネット配信をしているAbemaTVで自らの冠番組を持っている元大阪市長で元大阪府知事の橋下徹氏が画面を通じて「徹底討論」をしたのですが、直接相対したのではなく、橋本氏は大阪のスタジオからの「中継による討論」となりました。

ここでの内容は他のメディアでも大いに語られていますので細かくは書きませんが、そこまで噛みつき合いになることはなく、お互いに言いたい事および釈明はきちんとしたような印象です。どちらにしても本人の発言がない状況で他人がとやかく言うことが大きなお世話であるわけですが、その「大きなお世話」をこれでもかと繰り返すのがテレビというものだと思いながら見ると、こうした討論も結構楽しいものです。

今回の討論を前にしてお二人はそれなりに考えが同じところもあったものの、決定的に違うという風に思ったのが、大企業のテレビ朝日社員という立場である玉川氏という立場からでは単なるポーズにしか過ぎないかも知れませんが、バッシングされるジャーナリストに比較的優しいのが玉川氏で、橋下氏の方は必ずしもそうではなく、ジャーナリストなら今までのニュースでは出て来ないような成果がなければ駄目だという、これもまた首長当時の考えに基づいた成果主義をフリージャーナリストである安田氏に求めている彼らしい言動でありました。

ただ、テレビの視聴率と番組のジャンルということで考えてみると、ジャーナリズムに成果主義をあてはめてしまうと、今回のような派手な議論は面白いので多くの人は見るでしょうが、長い時間かけて地味なテーマを追うようなドキュメンタリーというのは同じ時間に放送すれば視聴率が取れないのが当り前で、それは現在のテレビの番組表を見れば一目瞭然です。視聴率にとらわれない枠を持っているNHKこそ自由に多くの時間を費やせるところはありますが、そこにはフリージャーナリストの入る隙間はほとんどないでしょう。民放のドキュメンタリーが独立採算のような形で評価されれば今の深夜早朝の時間すら放送ができず、「テレビショッピンク」の方がテレビ局の売上を伸ばし収益に貢献する番組になることは明白です。

たとえ深夜や早朝でも現代の視聴者は録画で好きな時間に番組を見ることができますので、各テレビ局がドキュメンタリーを残しているのは一つの良心だと思っているのですが、常に普通のニュースでは報道されない特ダネを求められるようなドキュメンタリー製作の現場になってしまうようなら、それはもう、テレビの持つ一つのジャンルを放棄してしまうのではないかと私には思えます。

とどのつまりがフリーのジャーナリストの仕事の場が一つ無くなってしまうことになるわけです。橋下氏は番組の最後に「テレビ局はフリージャーナリストに高額の報酬を払うべきだ」との意見を述べておられましたが、橋下氏の理想が実現されればそもそも活動の場が無くなってしまうわけですから、テレビ局に臨時職員として雇われて海外に行くような形になるのかも知れません。確かにその方が現地での安全は確保されるでしょうが、「普通のニュースでは見られないようなスクープ」を取ることは難しくなるでしょう。

そうなると、今後は個人で活動する海外ジャーナリストは早めにテレビに見切りを付け、現地からのネット配信を有料で行なうとか、テレビとは違うところで取材費用を得るか、事前にアルバイトをして資金をためてから渡航するかという感じになり、今よりさらに状況は悪くなっていくでしょう。

ともあれ、現場を知らない人が意見を出してフリージャーナリストの存在そのものがおびやかされ、テレビのジャンルとしての「ドキュメンタリー」がこれ以上削られないように見ているこちらとしては祈るしかないのかも知れません。

(番組データ)

羽鳥慎一モーニングショー テレビ朝日
11/1 (木) 8:00 ~ 9:55 (115分)
【司会】 羽鳥慎一
【アシスタント】 宇賀なつみ(テレビ朝日アナウンサー)
【コメンテーター】 高木美保(タレント)、玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)
【対談ゲスト】橋下徹(弁護士)

(番組内容)

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