月別アーカイブ: 2017年12月

昔のSP盤を古びたラジオで聞く楽しみ

今年の更改は今回が最後となります。まだ始めたばかりのブログではありますが、自分以外にも読んでくれる人がいるということがちょっと実感がわきませんが、直接レスポンスもいただいた方もいて本当にありがとうございました。

で、最後の題材はテレビではなくラジオです(^^;)。しかも100年前のSPレコードによるジャズのレコード紹介と、さらにSPレコードによる紅白歌合戦というネタを競う企画が合体したものなのですが、まずは今から100年前というと大正デモクラシーの時代に吹き込まれたジャズをアメリカだけでなく日本のジャズソングも一緒にして紹介しています。日本での最初のジャズレコードの吹込みは昭和3年(1928年)の二村定一さんの「青空」ということだそうですが、当時発売されたSP盤もこの番組で聴くことができ、ちょっとした感激がありました。

最近はラジオと言ってもスマホアプリの「らじる★らじる」でノイズのない音で聴くことが多いのですが、今回はお風呂に入りながら防水・防塵機能がある農作業用ラジオのソニーICR-S71で聴いていました。お風呂をあえて暗くして電池式のランタンを付けながら、お風呂場に響くラジオからの蓄音機の音をぼーっと聴いていると、今この時代が本当に2017年なのか何だかわからなくなってきます(^^;)。これが、音だけの魔力なのでしょう。今のテレビで懐かしの映像が放送されたとしても、なかなかその時の気分を出して見ることは難しいですが、音というは本当に時空を超える存在なのですね。

この蓄音機を使って昔のSPレコードを掛けるだけの企画というのは、もちろん持ち込まれる音源の魅力もあるのですが、100年近い時間の経過の中で残ったソフトというものは、それだけで魅力があるわけですし、今回はあのジョージ・ガーシュインが自分でピアノを弾いて録音した「ラプソディ・イン・ブルー」なんかも聴くことができ、ジャズ好きとしてはなかなか聴けないものをデジタル・リマスターではなく蓄音機からのオリジナルで聴けたというのは貴重な体験でした。

後半の「SPレコード紅白歌合戦」は出掛ける用意が出来たため録音だけして後で楽しもうかと思いますが、恐らく「らじる★らじる」の聴き逃しプログラムでも一定期間は聴くことができますので、お正月のテレビ視聴に疲れたら、昔のSPレコードを聴きながらまったりするのもいいとは思います。

私自身は、大晦日の番組からお正月番組についてもそれなりに追い掛けて行こうと思っていますので、更新のペースは落とさずにやって行こうと思っていますので、来年もどうぞよろしくお願いします。

(番組データ)

教授の大みそか 蓄音機&SP特集100年前のジャズほか NHK第一
12/31 (日) 16:05 ~18:50
出演 黒崎政男 梅田英喜
進行 道谷眞平

(番組内容)

100年近く前に製造された蓄音機をスタジオ内に設置、
黒崎政男教授・梅田英喜氏秘蔵のSPレコードをその場でかけながら、奥深く優雅な”音”を愉しみます。
今回の聞きどころは…
名盤、珍盤が乱れ飛ぶ!?年末恒例「SPレコード紅白歌合戦」、
今年はジャズレコード初録音から100年!レアな1917年もの、お聞かせします!
そしてそして…
あなたの1票でプログラムが変わる!?「教授の大みそか限定アンケート」を実施!
放送中にアンケートをおこないますのでぜひご参加ください!!


地方局と全国キー局の深夜番組の扱いは視聴者優先を望む

この番組、例年楽しみにしてきたのですが、実は私の住む静岡県地方では昨年末にTBSを含む系列局で生放送された「クイズ☆正解は一年後2016」が放送されることはありませんでした。この番組は、毎年1月の収録でその年に起こるであろうことを予想し、年末の生中継で答え合わせをするのですが、1年に1回しかない放送をそれまで続けて放送しておきながら4年目にして打ち切るというのは、連続ドラマの最終回を放送中止にするようなもので、この事実を知った時には地上波の東京キー局(民放)がネットによる常時同時配信を始めたら、少なくとも静岡のTBS系列局は見ないようにしようかと本気で考えました。

恐らく地方局の編成の担当の人はその辺の事情をあまりわかっていないのだろうと思いますが、多くの視聴者がこの一年のスパンで放送される番組を楽しみにしていることは忘れて欲しくないです。

考えてみれば、この「クイズ☆正解は一年後」と出演者が同じで内容的にもかぶることもある「クイズ☆スター名鑑」も2017年に奇妙な打ち切りにあって、最後の最後の結末を地元のテレビ局では放送してくれませんでした。これは実害とまでは言えないかも知れませんが、2017年が明けて早々に、「クイズ☆スター名鑑」打ち切リに伴って知り合いと自分との間でちょっと気まずい関係になったことがあったので、こんな機会ですしその事も少し書いておこうと思います。

というのも、本当に個人的な話で恐縮ですが友人に2016年の長野県飯島町の「米俵マラソン」に出場した方がいまして、たまたまそのマラソンのホームページを見たら何と「クイズ☆スター名鑑」の取材が入っていたようで、ボビー・オロゴンさんが他の参加者と同じように5KGの米俵をかついで走る姿を1月末の放送で紹介するという事が載っていたので、もしかしたらその友人が映るかも知れないと、具体的な放送予定日を教えてあげたところ、急に予定が変わりマラソンの様子が紹介されないまま番組自体が1月末で終了してしまうという大変異例な状況での打ち切りになってしまったのです。

番組での米俵マラソンの紹介を楽しみにしていた出場者やその周辺の人たち、マラソン運営のスタッフの方々からすると、かなりがっかりする結果だったのですが、その後の対応はさらにひどいものでした。米俵マラソンの様子は、最後の「特別編」で放送されたのですが、それは番組終了から1ヶ月あまり経った2017年3月3日3:20~3:50(実質的には2日の木曜深夜)という録画しなければ視聴が無理な時間帯に、さらに関東地区のみの放送ということで終わってしまったのでした。恐らく米俵マラソン関係者の方々のTBSへの不信は今でも相当たまっているのではないかと思います。

時間的には私の住む静岡県内で「クイズ☆正解は一年後2016」が放送されなかった後にまたも「クイズ☆スター名鑑」の最後の内容も放送されなかったわけですが、TBSも系列局も視聴者の事など蚊帳の外で編成を行なっているのがわかり、改めてキー局と地方局との関係で視聴者が振り回されているということを感じた次第です。視聴者を莫迦にするのもいいかげんにして欲しいと思いつつ、何とか今年の「クイズ☆正解は一年後」が見られることがわかり、とりあえずほっとしています。今後はTBSの方でぜひとも見逃し配信による「TVer」での配信をお願いしたいところです。

で、今年1月に収録したクイズ出題部分で出た、今年に起こることについて予想したクイズに答えた有吉弘行さんの予想回答の中に「クイズ☆スター名鑑」が終わるという回答があったのには驚きました(^^;)。相変わらず一般視聴者の人気はない番組であり、そもそもゴールデンタイムに放送する番組ではなかったということが明らかになったのではないでしょうか。

番組の出題は多岐にわたり、1月の収録時(問題を出題するのみの収録)に予想した問題、日本シリーズの勝敗予想を外した出川哲郎さんに罰ゲームとして獣神サンダー・ライガーさんが出川さん出演の人気番組「充電してもらえませんか?」を収録中の山梨県清里に原付バイクで乱入し、テレビ東京のカメラが回っている中でビンタを食らわしました。番組の流れる時間の関係で、「充電してもらえませんか?」の方が先に放送されたため、何故獣神サンダー・ライガーさんが罰ゲームを行なったのかわかっていたのは現場では出川さんしかいなかったのでしょう。結局この事は今回の放送で初めて明かされ、「充電してもらえませんか?」の方で、なぜ急に出川さんの頬が途中から腫れていたのか? と疑問に思った視聴者には納得が行ったことでしょう。

このように、テレビ局をもまたいで思いも掛けない出方をするのがこの番組の面白いところで、年一回しか放送しなくてもその番組と番組の間を楽しみながら毎年この番組が放送されることを待っている人が少なからずいることを特に地方局の編成の方には理解していただきたいですね。出演するタレントさんも、特に番組が勝手にピックアップして一年後にその動向についてクイズを出すとしたものまね芸人の「キンタロー。」さんについて、彼女の単独ライブやDVDを自費で購入し、手当ても出ないのにブログやツイッターもチェックして一年後に本人が出すクイズに答えまくった劇団ひとりさんのような人もいる番組であることが番組を編成される人に少しでも伝わることを祈っています。

(番組データ)

クイズ☆正解は一年後 2017 TBS
12/30 (土) 23:55 ~ 2:05 (130分)
【MC】田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、枡田絵理奈(元・TBSアナウンサー)
【パネラー】有吉弘行、おぎやはぎ(小木博明、矢作兼)、FUJIWARA(原西孝幸、藤本敏史)、田村亮(ロンドンブーツ1号2号)、バカリズム、劇団ひとり、小籔千豊、ハリセンボン(近藤春菜(お休みでパネル出演)、箕輪はるか)、レイザーラモンRG、くっきー(野性爆弾)
【今が旬チーム】出川哲朗、りゅうちぇる、平野ノラ、永野
【コーナーゲスト】獣神サンダー・ライガー、ザ・グレート・カブキ
藤井健太郎(企画・演出・プロデューサー)

(番組内容)

「2017年に起こりそうな事」予想クイズを今年1月に収録済!約1年寝かせた映像を見ながら生放送で答え合わせ!誰が不倫?誰が逮捕?今年は過去最大の正解ラッシュ!!

今年で5年目!やはり番組は1月に始動していた…!「今年、離婚する芸能人は?」「今年、芸能界で起こる出来事は?」「あの人の謹慎はいつ明ける?」「今年、HUNTER×HUNTERは何回掲載される?」「淳の子供が…?」などなど、『2017年に起こりそうなこと』を年始にクイズ形式で予想し収録…年末の生放送で答え合わせする未来予想型一年振り返り特番!あの人が実は!?過去最大の正解ラッシュを見逃すな!


時代は「サバイバル」を欲しているか

☆例年テレビ朝日の恒例になりつつある「無人島0円生活」ですが、今年は何といっても火曜日の報道ステーション終わりのバラエティ枠としてゴールデンに昇格した「中居正広のミになる図書館」の代わりの新番組「陸海空 地球征服するなんて」の中の「部族アース」のテレ朝社員のナスDこと友寄隆英氏をメインにしたコーナーが大ブレークしたことで、今回のよゐこさんを含めたタレントの存在感が全て食われてしまった印象があります。

そもそもは無人島0円生活という企画をスタートさせるにあたり、タレントに危険がないのかシミュレーションする必要があり(番組以外にもお仕事のあるタレントに無茶をさせて怪我をさせたら責任問題になるので)、担当の友寄隆英氏が無人島生活でカメラが回っていない中で無人島生活し、モリを使って素潜りで漁をすることもよゐこの濱口優さんと一緒に行ないつつ、ぎりぎりのところで臨場感が出るロケをサポートする裏方であり前面に出てくることはありませんでした。

その後、タレントにU字工事を起用してアマゾンに潜入するロケではタレントのU字工事さんと分かれて多くの部族を取材しようと潜入いしていく中で、本来は入れ墨用に使う果実の液を顔を含む体にすり込んでしまい(現地の人に騙されたという事ですが、今のブレイクを考えると、もしかしたら確信犯かとも疑ってしまいます)現地の人も驚くぐらい人間離れした黒い人になってしまった友寄氏は「ナスD(ディレクター)」と番組内で呼ばれることで人気が爆発しました。テレビ朝日の社員ということで広くは有名にはなりませんでしたが、個人的には十分2017年に印象に残った方の一人だと思っています。

今回改めて黒の染料が落ちた友寄氏の無人島での生活を見ましたが、中味を確かめもせず飲んだり食べたりする行動は相変わらずでしたが、2泊3日の生活を行なう中でよゐこさんが自分達に何が求められているかを感じた上で、まずは魚獲り優先で寝床は持って行ったブルーシートで簡易的に作っただけなのに対し、友寄氏はかなり本格的な住居を建てるための下草刈りから始めました。

何しろ、持って行くものに制限を設けたものの中で、ナタ・ノコギリ・麻紐・乾いた竹(火付け用)のような工具を優先し、よゐこさんのように調味料などは全く持っていかないのもすごいと思いましたが、竹や流木を利用して、さらに極力自然のものを使おうとせっかく持って来た麻紐を使わずにツルを利用して木材を苦戦しながら固定し、アマゾンの部族が作るような床がありベッドもある屋根付きの(屋根は草を束ねて使用)家を自作してしまったのには驚きました。

実は友寄氏の2泊3日の生活は最初の一日を紹介したのみで対決も勝ちになってしまったため、残りの2日間は年明けに改めて放送することになったので、無人島から帰る時に自然に還すためにまた壊したのかどうかはわかりませんが、少なくとも壊すのが惜しくなるほどの出来ばえでした。

私自身、一人でこんな家を作る人を見たこともありませんし、私自身が小学生の頃に無中になって読んだ「冒険手帳」の中でしか見たことがない気もしました(写真の本は後日古本屋さんで見付けたオリジナルの「冒険手帳」です)。

この本の中には山や海での狩りの仕方や調理の仕方、食べられる昆虫など当時もネタとしか思えないサバイバル術が載っていたのですが、今回の無人島での友寄氏のウンチクを伴った家作りや漁について考えてみると、この「冒険手帳」の面白さとの共通性を感じるのです。この本の初版は昭和47年と今から45年前のものですが、すでにこの頃からこんな本が必要だと思われるほど、当時の子供たちには冒険心が欠けていると言われていたのだろうと思います。
今の世の中は、スマホを一日手離すだけでも生きていけないような人が多い中で、ライターも使わずに木の摩擦で火を起こしたり、生活に必要な道具を全て作ってしまうという友寄氏のバイタリティは、単に面白いというだけでなく自分達ができないことでも簡単にやれてしまう憧れでもあるような気がします。

今年はまだそうした友寄氏の片鱗は全て出たわけではないと思うので、今後テレビ朝日の社員という立場でどのくらいテレビに出るのかはわかりませんが、こうなったら1ヶ月単位でのサバイバル生活を追う様子を追いかけるような事をやれば、さらに見る人は増えるのではないかと思います。

最後に、途中友寄氏はテレビ朝日のコンプライアンス部門から生き物を生で食べることについてクレームが付いたと言いつつ食べていましたが、今回の番組では無人島で承諾を得ているといっても一つだけ見過ごせない事がありました。それが、調理をする際に火を起こすかまどを作る時に、直に薪を置いて火を起こしていた事です。昔の飯盒炊爨では川原に番組のような石をかためてかまどを作ってごはんを炊いてカレーを作って食べたりしたものですが、今ではキャンプOKなところでも直火で焚き火をすることは、片付けをしないで帰ってしまう人がいることで問題になり、多くのキャンプ場では芝生養生のためでもあるので直火が禁止されている所がほんんどになっています。

今では焚き火台を利用して地面に焚き火の跡が残らないように片付けて帰ることが当り前になっていると思うので、今回のような野外調理の様子をテレビのゴールデンで流してしまうと、テレビと同じことをやろうと思って実行した人が、テレビに映らない片付けの様子までは真似ずに焚き火の後をそのままにして帰ったり、ゴミを残して帰ってしまうなどするケースも出てくるかも知れず、それこそコンプライアンス的にはまずいのではないかと思います。そういう観点からすると、遊びに行って家を建てても、帰りにはきちんと壊して自然のままの状態に戻すかどうかという興味もあるので、来年の友寄氏の無人島生活の続きを紹介する番組も見てその点も確かめたいなと思っています。

(番組データ)

よゐこの無人島0円生活2017 元祖無人島芸人・よゐこvs破天荒のナスD テレビ朝日
2017/12/29 18:30 ~ 2017/12/29 23:10 (280分)
よゐこ ナスD(テレビ朝日ディレクター)

(番組内容)

よゐこと破天荒のナスDが、真冬の無人島で2泊3日生活。「どちらが無人島で生き残れるか」スペシャリストと審査員の判定で決定します。奇跡のハプニング続々…。

風に吹かれ、雨に濡れる無人島生活も15年目。よゐこ濱口が“最近ナスDは調子に乗っている”と、対戦相手に指名した宿命の対決!よゐこと10年以上一緒に番組をやってきたナスD。たった1人で挑むナスDだが、限界までやってやると上陸から衝撃行動に…。よゐこはスタートからハプニング、上陸から大混乱へ…。いったいどうなる真冬の無人島対決。


一つのアイデアで状況は変わるのか

世の中の全てが数学の計算問題のようにはっきりした答えが出れば簡単でいいのですが、なかなかそうはいかないところに、社会の中で生きて行く面白さがあると紋切り型の感想を述べてしまいそうですが、今回紹介する「正解の出ない問題」という番組はまさに何が正解かわからない中、現状をアイデアだけで変えていく事を目指し、当代一流のクリエイターや映画監督、アーティストが1週間という期限の中で知恵をしぼって出したアイデアを実地検証していく番組です。

今回プレゼンをした方々のアイデアはどれも凡人には思い付かないものでしたが、特に関心したのが先日東京オリンピック・パラリンピックの開会式と閉会式の演出を依頼したことでニュースになっていた映画監督の山崎貴さんのアイデアでした。普段花を買ったことがない人に向けて、花に目を付けて極端に指向性のあるスピーカーから女性の声で「私を買って」と情に訴えることで花を買ってもらうというアイデアだったのですが、このようにアイデアを文字に起こしていても、こんな事で都会に暮らす人々が足を止めてくれるのか(検証は新橋駅構内のお花屋さんで行なわれました)とちょっと莫迦にしていたのですが(^^;)、何とCMプランナーの方々の普通にプレゼンを受けて素晴らしいと思ったアイデアよりも多くの売上を叩き出したのが山崎さんの「喋る花」だったのです。

実際に検証のVTRを見たところ、声を出す役の人はお客さんから見えないように隠れていて、お店の人もあえてこの「喋る花」には触れず、お花屋さんの前を歩いている人にピンポイントに呼び掛けるだけで、この売上げには喋りかける人の力量もあるとは思うのですが、見ていてはたと気付いたのが、言ってしまうと「喋る花」と会話している人は日常生活を普通に送っている中に突然ファンタジーな世界に迷い込んでしまった錯覚を覚えたのではないでしょうか。
花が喋るという仕掛けがわかったとしても、花自体はそこにあるわけで、そこで改めて自分の想いを花に託して伝えようという風に考えることによって花が売れていく様子というのはちょっと凡人には考えられない状況でした。と、同時に花屋さんの前でこんな素敵なファンタジーを生み出す山崎さんの力量にも感心しました。もちろん、このアイデアを継続して普通のお花屋さんで行なうことは難しいですが、今後世界に向けて日本をアピールする場で、果たしてどんなアイデアを出すのか、今から楽しみになっただけでもこの番組を見た価値はあったと思います。

他のアイデアにも本当に感心することが多かったですが、今回のアイデアを出した人選がいかにもアイデアを出しそうという人に依頼することで意外性が出なかったのが残念といえば残念でした。というか、この番組を見ながら私はある番組の事を思い出していたのです。アイデアをどんな人に出させるかをプロデュースすることで、単に番組の内容が良くなるだけでなくその後に続く大きな状況の変化を生み出す可能性もあることを覚えていたのです。

その番組とは今はやっていませんがNHK総合で放送されていた「仕事ハッケン伝」という番組です。この番組は基本的にアルバイト程度にしか働いたことがないだろうと思われるお笑い芸人さんにきちんとした企業に研修に行ってもらい、普通に働くことの尊さを芸人さんが感じたり、働くことに対する認識の甘さを企業担当者から指摘されて涙を流す芸人さんがいたり、反対に企業側の人が単にテレビではふざけているとしか思わなかった芸人さんの思わぬ能力に驚いたりするなど、見ている方も様々な「ハッケン」がある番組でした。

そんな中で、この番組に出たことで新たな才能を多くの人に知らしめた芸人さんがいます。それがお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんが出演した回だったのです。当時のピースは相方の綾部さんの方が目立っていたように思え、又吉さんはサッカーが上手で北陽高校在学中にインターハイに出た経歴は知っていましたが、まさか企業の中でも十分やっていけるアイデアをひねり出す才能を持っているとはこの番組を見るまで全く意識していませんでした。

彼はローソンで働くことになり、何と「販売促進部」に配属されます。恐しいことに企画会議でアイデアを出すことを要求され、又吉さんはかなり追いつめられるのですが、会議に参加している社員もうなるような素晴しいアイデアを出し、そのアイデアは店頭のディスプレイに採用されることになります。テレビを見ている時には、これだけのアイデアを出せる才能があればお笑い芸人として煮詰まってもすぐにローソンが社員として迎えてくれるだろうと思っていましたが、お笑い芸人として煮詰まってしまったのは相方の綾部さんの方でした(^^;)。その時には執筆した小説が芥川賞を取るとは思いませんでしたが、その才能というのは業界では知っている人は多かったとは思うのですが、単にテレビのネタ番組を見ている人にとっては、この番組発で広く認知されたのではないかと思っています。

そんなこともあり、できれば当初はアイデアの「オチ担当」というようなポジションであっても、この人にアイデアが出せるのか? と思うような人にもオファーをして新たな才能を発掘するような方向でも面白いものになるのではと思いました。今回の番組を見ていると売上げが伸びるなら現実離れした人件費がかかっても面白ければいいという感じなので、職業として企業のためにアイデアを出している人でない人が出すようにした方が個人的には期待が持てます。

それにしても、アイデアを出すだけならお金もかかりませんし、そのアイデアで多くの人が幸せになるようなものが自分でもできるといいのですが。

(番組データ)

正解のない問題 日本テレビ
12/28 (木) 23:00 ~ 23:59 (59分)
【MC】劇団ひとり、佐藤栞里
【ゲスト】伊藤萌々香、小峠英二(バイきんぐ)、高田延彦、滝沢カレン
【キレモノ様】佐藤ねじ、たじまなおこ、松尾卓哉、山崎貴 ※50音順

(番組内容)

『何でもない日に花を買いたくなるアイデアを考えて下さい』世の問題に対し山崎貴監督CMクリエーター、各界の一流達が1週間考えたアイデアをガチプレゼン&実際に検証!

映画監督山崎貴、超有名CMの演出家、各界のキレモノ達に正解のない問題を出題!1週間考えに考え抜いたアイデアをスタジオでガチプレゼン!『何でもない日に花を買いたくなるアイデア』検証してみると心温まる意外な展開に!『バッティングセンターの新サービス』かつてないサービスにお客さんのテンション爆上がりでスタジオ爆笑!さらに!超大物歌手から持ち込まれた意外すぎる問題とは!?アイデア世界を救う…正解のない問題


テレビは「枕詞」でイメージを植え付ける事もある

この文章を書いている2017年の年末は大相撲界が大荒れに荒れており、番組開始からずっと大相撲の話題になることは致し方ないと思うのですが、今回はその話題には全く関係ないネタです。漫才師の「ウーマンラッシュアワー」がフジテレビの「THE MANZAI」で披露した北朝鮮・原発・災害復興・沖縄基地問題・その他政治問題について全面的に展開した漫才について、番組内コーナーの「そもそも総研」で取り上げていました。

テレビ朝日の玉川徹さんがウーマンラッシュアワーの村本大輔さんにインタビューを取り、話題になっているその漫才の内容を新宿ルミネで披露されているテレビで披露したものと同じネタのVTRを流しながら、「THE MANZAI」を見ていない人にもわかるような形で解説していたのです。個人的にはこのコーナーを通して見て、「そもそも」他局ネタをわざわざ取り上げてまで、「反権力」的なものとして村本さんに斬り込む、極めてテレビ的な意図というものを感じてしまったのです。

私自身は「THE MANZAI」をリアルタイムで視聴しなかったので書くタイミングを逸していたのですが、当日の放送の様子がネットから消される前にネット経由で一通り見ることができ、その後の報道などから大体のあらましは理解した上でこの特集を見たのですが、これだけ話題になった背景にはやはりテレビで全国放送されたことで多くの人がこの漫才を見ることができたということがあったと思います。

このネタ自体、ウーマンラッシュアワーはテレビに関係なく全国を営業で回る中で、それこそ沖縄・熊本のような漫才のネタにしている地域でも何回もやっていたものです。テレビというのはある意味自主規制が求められるメディアなので、いわゆる普通のネタ見せ番組では出演したこと自体全てがカットされてしまう恐れを感じていたのでしょう。録画番組とは言え、有力な漫才コンビを大挙して出演させ、漫才ブームを作り出した歴史がある「THE MANZAI」という番組ならフジテレビも露骨に排除しないだろうという計算もあって、満を持してそのネタを掛けたことが大いなる反響を巻き起こしたわけです。

テレビ朝日が放送後そこそこの時間が経ったにも関わらず、後追いでこんな特集まで組んで紹介する背景として、単にネタの内容が面白かったというのではなく、ウーマンラッシュアワーがあくまで「反権力」をベースにしたネタをやっているから取り上げたと思うのですが、同時に放送された村本さんのインタビューに対しての受け応えを見る中で、私は村本さんの地元が福井でその土地に根ざした「土着」の面白さというものは感じたものの、どうしても「反権力の旗手」という形に印象付けたいとする番組の擦り寄り方には辟易してしまわざるを得ませんでした。

というのも、過去にRCサクセションのアルバム「カバーズ」が当時のレコード会社であった東芝EMIから発売中止になった時の騒動を思い出してしまったからです。時期的には東日本大震災よりはるか前のチェルノブイリ原発事故を受け、海外の有名曲のカバー集を作る中でその歌詞を相当に「意訳」した出したのが「カバーズ」というアルバムでした。発売前にしきりに有線放送やラジオで流れたのがエルビス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」のカバーで、「核」や「放射能」という直接的な言葉を散りばめて、ロックミュージシャンらしく音楽で自分の自由な叫びを表現しているのが印象に残っています。また、アルバムの中の「サマータイム・ブルース」ではコーラスに村本さんと同じ福井県出身で現在はあの秋元康さんの妻である高井麻巳子さんがコーラスで参加していたりして、さらにこの曲では直接的な歌詞を散りばめ(「原発はいらねえ」など)、レコード会社の親会社である原発製造もしている東芝にとっては我慢できない内容だったのでしょう。

結局、「このアルバムは素晴しすぎで発売できません」というコピーとともに東芝は「カバーズ」を発売中止にし、RCサクセションは「カバーズ」をレコード会社を移籍して出すことになりました。さらにこの騒動には続きがあって、RCサクセションとは別に、忌野清志郎という個人が主導する「タイマーズ」という覆面バンドを作り、思い切り左翼チックな風貌で反政府・反大企業・反原発という内容の曲を発表、さらに各地のライブにゲリラ出演するなどして大きな話題となりました。さらにはテレビの生放送(フジテレビの「夜のヒットスタジオ」)に出演して歌うことになった時、当時ラジオで自分達の曲を放送禁止にしたFM東京に対しての文句をそのまま歌詞にして一曲披露しました。その時の司会は古舘伊知郎さんでしたが、当時のスタッフも含めあえてその演奏を止めなかったことで、今も私たちはその時の様子をネット動画で見ることができます。

タイマーズが出てきた時にも一部のマスコミや左翼系の反原発活動を行なっている団体などが彼らに擦り寄るような動きを見せ「反原発ロック」などと言う枕詞を付けて紹介していた事はよく覚えています。しかし決してタイマーズのメンバーは反原発のために歌っていたのではなく、自分の好きな事を好きなように歌わせてくれない社会に対してのその場の怒りを表現したに過ぎないのです。そうしたロック歌手の気まぐれを、自分達の運動や政治活動に利用しようとする体制側でない社会の中に別の権力があるのだということを、私に気付かせてくれたという点では彼らに感謝しています。

その上であえて今述べておきたいことは、ウーマンラッシュアワーの村本さんがこうした左翼系の誘いに乗って政治家になって世の中を変えたいと思うならそれでも別にいいと思うのですが、本人にその気がないのに一介の漫才師を「反権力の権化」として祭り上げようとする勢力がいるとしたら、そういう姑息な事をやる前に自分達の力で国民に支持されるような活動をして民衆の支持を得たらどうかということです。少なくとも自分たちでできないことを人にやってもらって、その上で文句を言うような事だけは今後言わないでいただきたいと思います。

テレビというのは、人々を扇動しようと思えは何回も何回も同じ事を放送しているだけで人の心を変えられてしまう影響力を持っています。その事を肝に銘じて、テレビを見る側も安易にそうした思惑に乗らないで一歩下がってテレビを見ることも大切なのではないかと思います。

(番組データ)

羽鳥慎一モーニングショー テレビ朝日
12/28 (木) 8:00 ~ 9:55 (115分)
【司会】 羽鳥慎一
【アシスタント】 宇賀なつみ(テレビ朝日アナウンサー)
【コメンテーター】 高木美保(タレント)、玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)

(番組内容)

羽鳥慎一が毎日の様々なニュースを、自分なりの言葉で伝えます。暮らしをよりよくする情報はもちろん、固いこと、難しいことも、何が問題なのか、分かりやすく紹介します。


小学生が主人公なのに深夜放送では

今回紹介する「はじめまして諭吉くん」が何かほっこりしていていい雰囲気を出していただけに、あえてTBSの編成に文句を言いたくなりました。その日のゴールデンタイムの番組は「この差って何?」の拡大版で19時から22時までの180分でした。いつも番組改編期には長時間の特別番組が増えるのは仕方がないとは思うのですが、あえて「この差って何?」を半分の90分放送にすれば、8時半から10時までこの番組が流せたわけで、番組に出演した小学生達もリアルタイムで家族と一緒に番組を楽しめたと思うのですが、そんな願いを叶えてあげることはできなかったのか? と本気で思います。

この番組は、「はじめてのおつかい」(日本テレビ系)の発展版という感じで、小学生ならほとんどの子が触ったことも使ったこともない「1万円札」を番組でプレゼントされたら? という題名で作文を書いてもらい、採用された子にカメラが密着してその様子を伝えるというものです。この種の番組を中学生以上の子でやると、1万円では足りなかったり、番組自体が嘘くさくなる気もします。また、大人が10万円や100万円という単位を変えて行なっても、借金を返すために使ったりされると面白味は全くないので、小学生に1万円という選択は絶妙だと思います。だからこそ、小学生のお子さんが起きている時間に、家族団らんの中で見せてあげたかったと思うのです。

ただ、番組のコンセプトと内容は十分面白くて、今でも小学生にしては大金の1万円を全国の小学生がどのように使いたいと思うのかというのは見ていて興味が湧くとともに、自分のお金の使い方をも見直す契機になったような気がします。

傑作だったのが最初に出てきた、相撲を頑張る男子で1万円で家族で回転寿司を食べに行った際、会計を自分で払って家族におごりたいというものでした。ただ、家族がその子の想いを知ってか知らずかものすごく注文をするので、会計が1万円以内で収まるのか微妙な状況になり、普段の外食なら会計の事など全く気にせず食べるのに、とにかく他の家族が何をどのくらい食べるのかが気になり、自分はあまり食べずに家族の食べる姿を不安を感じながら見守るようになります。

小学生にとっては1万円というまだ持ったこともないお金であるものの、みんなでご飯を食べに行けばあっという間になくなってしまう、だから大切に使わないといけないということがわかってくれたのではないかと思いたいです。

基本的には自分のためというよりも家や両親のために何かしてあげたいという願いの採用率が高いように感じましたが、もし次回があるとしたらもっと破天荒な小学生に使われてみて、自分のした愚かな行動について本気で反省するような状況も見たい気もします。それと、継続して見てみたい子として、最後に出てきたユーチューバーを将来目指したいと思っている男の子が、1万円で「Go Pro」を買って隠し撮りをしたいというのですが、何を録りたいかというと、毎年クリスマスにプレゼントをもらうものの、本当にサンタクロースがやってきてプレゼントを持ってきてくれるのか、その一部始終を録って本当にサンタがいるかどうか確かめたいという、何とも現代的ながらかわいい願いでした。

最近の動画撮影ブームで、Go Proもどきのカメラが4千円くらいであり、アダプタとSDカードを一緒に買っても1万円でおつりが来るのにもびっくりしましたが、残念ながらカメラをセットした角度が悪くて誰が部屋に入ってきたのかも残った映像からは確認することはできませんでした(^^)。この辺のツメの甘さというのは番組のコンセプト通りで、思わず見ていて笑ってしまいました。

個人的には来年、購入したカメラで面白い動画を沢山撮る様子とともに、来年の年末に自分のところにプレゼントを持って来てくれるのは誰なのか、決定的瞬間をカメラに収める様子を継続して取材していただきたいです。もし地上波でできないならBSTBSに振り替えてもいいですが、その時には今回のように終了が午前1時40分などというど・深夜の番組でなく、少なくとも冬休みの小学生が起きていられる時間での放送をお願いしたいですね。

(番組データ)

はじめまして諭吉くん 【ぼくらが選んだ1万円の使い道】 TBS
12/27 (水) 0:10 ~ 1:40 (90分)
【ゲスト】 宇梶剛士 小倉優子 照英 陣内智則 内藤大助 藤本美貴
【進行】 江藤愛(TBSアナウンサー)

(番組内容)

電子マネーの普及で、子ども達はお金の価値が分からなくなっている!?番組では全国の小学生たちに、普段めったに手にすることのない1万円を託し、その使い方に密着する!

◎父ちゃんからもらった1万円を無くしてしまった母にこっそりあげたい ◎ご飯に行って「今日は僕が」と絶妙なタイミングで言いたい ◎お父さんとお母さんに結婚指輪を買ってあげたい ◎野球の試合をしてみたい ◎電子レンジがショートしたので新しいのを買いたい ◎家を買いたい ◎隠しカメラを買ってサンタクロースを撮りたい ◎かけっこがいつもビリの弟に1位の喜びを教えたい ◎船釣りをしてみたい


「この人が悪い」という結論ありきのテレビ報道は考え直すべき

先日民放のゴールデンタイムから放送されたフジテレビのドキュメンタリーと歩調を合わせたのではないと思いますが、事件としてはよりテレビのワイドショーで報道され、テレビを見ている人たちに「悪女」としてのイメージを植え付けていったテレビの存在を考えさせられる「和歌山カレー事件」で死刑判決を受けた女性の息子さんに密着取材したドキュメンタリーをNHKが放送していたので、事件の違いをはじめ民放とNHKの違いを感じながら見てみました。

この番組はシリーズの中の一本で、別の日には別の事件について事件の周辺にいる人の「涙」を追うような形を取っていますので、フジのドキュメンタリーのように作り込んだものではなく、簡単な現状の説明に終始せざるを得ない感じで、番組もコマーシャルがないとは言え、25分と短いので、改めての復習が必要な題材ではないかと思います。

この「和歌山カレー事件」というのは、北九州の身内殺人が弁護士が精神鑑定を要求して正常な判断ができなかった事を証明しない限り、犯罪によって罪を受けるのは仕方のない明らかな事件であるのに対し、本人の自白がないまま状況証拠のみで死刑判決が出ました。ですから、母親が本当に犯行に及んだのか、刑が確定した現在であってもはっきりとはわからない中で社会生活をし、父母の世話なども行なっているこの息子さんは、他に3人いたお子さんが両親との縁を切って出て行ったのとは違い、様々な困難に突き当たってしまうのです。

長年付き合ってきた彼女の両親に自分の両親の事を打ち明けたところ、娘と結婚するなら自分の両親との関係を絶ってくれと迫られたのですが、彼はそこで自分の両親を切ることができなかったので、彼女との結婚はできなくなりました。もっとも、結婚した後で近所の人にその事がわかってしまったとしたら、実際に事件とは関係のない彼女にも世間の注目が向けられることになり、週刊誌やテレビに狙われたり執拗ないじめに子供があったりする可能性があることも考えると、無理からぬことだと思える部分もあります。だからこそ、特にテレビはあの「和歌山カレー事件」で何を伝えてきたのか、今こそ真剣に考えなければならないと思われます。

今回の番組でも自宅の前にカメラやマイクを持って押しかけたテレビ局の大勢の人間を前にして、ホースで水を撒き散らす母親の表情をカメラがとらえたものをそのまま放送していました。多くの人がふてぶてしい表情でひどいことをする悪女であるという印象を持つには十分の「資料映像」で、このVTRの後でテレビコメンテーターやワイドショーの司会者などは、推定無罪の考え方などないかのごとく、ただこの夫婦のひどい犯罪歴をあげつらえ、この事件の犯人に間違いないという流れで放送していました。

確かに、この夫婦は自分の体を犠牲にすることによってわざと「事故」というものを捻出し、保険会社からの保険金でいい生活をしているということはあったでしょう。「和歌山カレー事件」の動かぬ証拠となった自宅で発見された「ヒ素」についても、ヒ素の入った食事を食べても保険が下りるということから、健康に影響が出ないくらいで症状が出るくらいのヒ素の量について研究していたことが疑われ、この事についてはしっかり裁かれるべきだと私も思います。

しかし、ご近所との仲がおかしくなった場合、引っ越すという手段も考えられる中、単なるいやがらせならそこまで研究していた体調をひどくするにしても致死量までのヒ素を与えないで食べた人の体調をおかしくしてうさ晴らしするというオトシマエの付け方というのも十分あったわけで、自分が行なっていたデータをそのまま生かすには、殺してしまっては意味がないということも十分考えられます。

現実的には日本の裁判所が人の人生を左右する死刑判決を出しているのですからそれなりの合理性は十分あったとは思いますが、母親が逮捕されるまでのテレビのワイドショーではこのような考察を前面に出したことはないと思います。単に名前の後に「容疑者」という言葉を付ければ何を報道してもいいのではなく、常に「やっているとは思うけど万が一やっていなかったらどうなるのか?」という緊張感の中でテレビ報道を行なっていくようでないと、この事件で死刑が執行された後で真犯人だと告白してくる人が表われたらどうするのかという問題が出てきます。

番組ではそこまでの強い想いを息子さんに告白させることはありませんでしたが、番組の題名のように「事件の涙」が本当に息子さんから流れることのないように、テレビの事件報道については当事者だけでなく周辺の人達の運命も変えてしまうことを考えながら慎重にやっていくべきだということは確かでしょう。特に今では自分が何者であるかもわからずに自分の裁判のやり直しを待っている「袴田事件」の袴田巌さんの様子を見るにつけ、その想いが強くなります。

(番組データ)

事件の涙 HumanCrossroads死刑囚の母 息子の選択 毒物カレー事件 NHK総合
12/26 (火) 22:50 ~ 23:15 (25分)
【語り】ミムラ(女優)

(番組内容)

1998年、和歌山市で夏祭りのカレーにヒ素が入れられ、4人が死亡した「毒物カレー事件」。林眞須美死刑囚はいまも一貫して無実を訴え続けている。事件後「カエルの子はカエル」となじられ、人生が一変した息子の孝一さん(仮名・30歳)は、拘置所にいる母と手紙のやりとりを続けながら葛藤の日々を送る。親子の関係を断ち切り、別の道を歩むべきか。それとも、現実を背負って生きるのか。息子の選択を見つめる。


お笑いは筋書きのないドラマもいい

今年の「明石家サンタ」は、プロ野球ドラフト会議で、番組レギュラーの木田優夫さんが明石家さんまさんのアドバイス通り左手でくじを引いたら注目の高卒ルーキー、早稲田実業の清宮幸太郎君を引き当てたのを生で見ていて、今年のクリスマスイブは何とか時間を作って見なくてはと思っていました。

案の上、毎年不幸な人に贈るプレゼントの中味の中に、交渉権獲得の書かれたカードが書かれていた封筒と、木田さんの左手を使ったグッズ類というものが混じっていて、その商品が当たった芸人さんが受け取りを拒否するということになり、果たしてこの商品をもらっていく人は出るのか? という興味の中番組は始まりました。

この番組の事を知らない人のために簡単に番組のルールを説明すると、一般の方と芸能人で受付電話番号を分け、毎年芸能人を含めたクリスマスイブの不幸自慢を行ない、深刻で笑えない不幸や、明らかにネタの不幸とか、純粋に面白くない不幸はNGとし、明石家さんまさんが認定した「笑える不幸」を告白した人には豪華賞品獲得のチャンスが与えられます(ハズレも有)。

そうして事前に募集したはがきや、当日電話をくれた人の中から適当に選んで番組でさんまさんが直接電話をし、不幸判定をしていくのです。毎年恒例で、さらにアシスタントの八木亜希子アナウンサーも局アナ時代からの安定したツートップで不動のキャストとして番組は進みます。

2017年の内容を一通り見終って感じたことは、仕込んだりネタを事前に考えていろいろやるのも面白いものの、偶然の面白さにはかなわないという事でした。最初の頃にさんまさんの番組をほとんど見て「予習」しているような男性がいまして、名前・年齢・職業の全てに真面目に答えずに、今年テレビでさんまさんがいじった特定のネタ話を連発した男性がいました。

個人的にはこの方の不幸話も作りものくさいと思ったのですが(^^;)、ともかくさんまさんから合格のお墨付きをもらって、豪華賞品のパネルの番号を選ぶ際、「娘の誕生日が10月10日なので‥‥4番」とここでもボケをかましたところ、何と4番のパネルの裏には「ハズレ」の文字が(^^;)。ちなみにそのまま10番を選んでいたらその方は「ジュエリー」を獲得するはずでした。あんまり調子に乗り過ぎると後でしっぺ返しに遭うという危惧が現実のものになってしまったのですが、さんまさんのテレビを良く見ていない人が一連の下りを見たら最後に大爆笑できたと思います。

さて、今回のハイライトは職業自体が不幸ネタということで、「東芝」という社名を言ったとたんに合格になった男性です。この方は前の方とちがってハズレでなく豪華賞品が当選したのですが、当たったものが事もあろうに、東芝が身売りを発表した白物家電のメーカーで三洋電機を過去に買収して世界シェアNo.1になったハイアールの家電セットだったのでした。

ちなみに東芝の白物家電の身売り先は、ハイアールに続き世界No.2のシェアを持つ同じ中国企業の「美的集団」です。さらに言うと、ハイアールが三洋電機を買収する2011年以前には、家電量販店のブランド評価では、日本企業からは大きく劣り、品質も安かろう悪かろうという印象がありましたが、最近では三洋のAQUAというブランドを手に入れた同社の製品は日本製品と同じくらいの値段で売られています。

そんなわけで、ハイアールといっても決してばかにするようなものではなく、企業としての信頼性も相当上がっているので、東芝の社員さんはいいものを当てたと思います。しかし改めてハイアールの製品を使ってみれば、今まで東芝を含む日本企業は何をやってきたのだろうと真剣に悩んでしまうかも知れません。もしかしたら今後ハイアールや美的集団の製品の方が日本の製品を凌駕する可能性だってあるわけですから。

しかし、こうした事を私が書けるのも東芝社員の方が豪華賞品の中からハイアールの家電セットを当ててしまったから起こったことなので、改めて偶然は恐ろしいと思うとともに、偶然出てきたお笑いには勝てないところも多いなという事を改めて感じてしまいました。元々この番組はそうした偶然性に支配されたお笑いを追求するようなところもあるので、今年の番組としては成功だったのではないかと思います。

(番組データ)

明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー2017【生放送で不幸話募集】 フジテレビ
12/25 (月) 1:00 ~ 3:00 (120分)
【司会】 明石家さんま  八木亜希子
【出演】 村上ショージ  松尾伴内  木田優夫
【プロデューサー】 中嶋優一  高橋味楓

(番組内容)

今年も、明石家さんま&八木亜希子司会でおなじみの『明石家サンタ史上最大のクリスマスプレゼントショー2017』を生放送でお送りします。  聖なる夜を寂しく、幸薄く過ごされている方の「不幸せ告白生電話」に明石家サンタが優しく耳を傾けるスペシャルナイト!ゲストや芸能人からの告白電話が突如かかってくるハプニング的サプライズは、生放送ならではの見どころ。

各電話の不幸せレベルに応じ、真心のこもったプレゼントを笑いの包装紙に包んでお届けします。番組ではクリスマスにひとり寂しくしているあなたの「今年1年間に身の周りで起こった寂しい話」を募集。クリスマスの夜に明石家サンタからステキな電話が入るかもしれません。


「番宣が必要なドラマ」と「番宣とは関係無いドラマ」との違い

最近の日本映画を見ていても同じようなことを思うのですが、製作会社やスポンサーの利益を大きく上げるために多くの人に見に来てもらったり、番組の視聴率を上げたりするためにはいわゆる人気俳優や人気タレントの力を借りることがごく普通に行なわれています。そもそも、コマーシャルに芸能人を使うということ自体が企業活動の一環であるわけで、民放テレビ局の収益の柱が広告収入に依存している以上、いかに多くの人に番組を見てもらって、スポンサーの売上を伸ばすかというのがテレビでも映画でも安定して続けるための要件になるでしょう。ただ、その動きがあまり度を越してしまうと興ざめするようなところがあるのが正直なところです。

クリスマス・イブの夜9時から、TBSのドラマ「陸王」を家族がどうしても見ると譲らないので(^^;)、今回紹介するドラマ「レモン・ハート」はリアルタイムで見ることはできませんでした。地上波のゴールデンタイムに放送され、TBSが局を挙げて多くの視聴者に見てもらうためのプロモーションをしているドラマ「陸王」と比べると、BSフジという衛星放送でしか見られない「レモン・ハート」の方がかなり劣勢になります(^^;)。

何と言っても「陸王」の方は主演の役所広司さんを始め、今年の話題を独占した若手男優の竹内涼真さん、さらに山崎賢人さん、若手女優として映画「君の名は」で主演声優を務めた上白石萌音さんを起用し、さらに檀ふみさんと一緒に阿川佐和子さんをキャストとして引っぱリ出すなど、本筋に関係ない話題にも事欠きません。

それに対し、「レモン・ハート」の方はゲストで女性は出てくるものの、レギュラーメンバーは「マスター(中村梅雀さん)」「松っちゃん(松尾諭さん)」「メガネさん(川原和久さん」というレギュラーメンバーで色気も何もありません。松尾諭さんは映画「シン・ゴジラ」での演技が印象的でしたが、そうでない情けなさと優しさを持つ松っちゃんを好演しています。川原さんはテレビ朝日系「相棒」の警視庁捜査一課の刑事、伊丹さんが夜にはコートをはおりサングラスを掛けてバー「レモン・ハート」に出入りしているのではないかと漫画を読みながら思ってしまうほどぴったり「メガネさん」の役にはまっている感じがします。マスターの中村梅雀さんについては漫画の姿とは松っちゃんと同様に違いますが、多趣味でウンチクを言うのが好きそうなので、バーのマスター役はけっこうはまっていると思います。

「レモン・ハート」のキャスティングについては、少なくとも「陸王」など地上波の視聴率(この計算で大体どのくらいの人がリアルタイムでテレビを見ているかの判断になります)が要求されるドラマのように、スポンサーの取り扱う商品の売上が上がるなんてことも緻密に計算して人気の俳優をキャスティングするのではなく、あくまで漫画の「レモン・ハート」の雰囲気を実写で出すために考えられたキャスティングであります。制作側とスポンサーの方々の考え方についても、地上波のように全ての世代に見てもらえるとは思っていないと思うので、私のように漫画をずっと読んでいるような世代の人に確実に見てもらうためには、人気の俳優を起用するのではなく、あくまで原作の雰囲気を壊さずに楽しんでもらえるような感じで考えていたのではないかと思います。

もちろん、「陸王」の方は地上波でお金もかかっているドラマなので人気の若手俳優でも実力のない人は出していませんし、脇を固める俳優陣もきっちりと揃えてきており、ドラマとしての好みは別として、単に俳優の人気取りとして使っているものではなくドラマとしても十分見ごたえがあるものであります。ただ、それだけお金を掛けていることもあるので、出演させた俳優さんには積極的に同局のバラエティ番組に出演することでドラマの番宣をし、より多くの視聴者を引き付けて視聴率を上げる努力をしなければなりません。

「レモン・ハート」の方は、今のところあえて番宣をする必要がないと思われますが、その代わり番組の途中では気に入って見ている人に向けてこれまでの作品が詰まったDVDBOXの宣伝をしっかりしていました(^^;)。それでも、一定のファン層を確保できれば、細々と続けられるだけの支持をこのドラマは持っていると思います。個人的にはこのドラマが深夜の地上波ドラマでなく、BSのオリジナルドラマとしてこじんまりと始まったことに感謝しなければならないかも知れません。そのために、出演者もいちいち番宣に出ることなく、もちろん当代の人気若手俳優を無理して出すこともなく、オリジナルメンバーを変えずに続けられることにもなるのでしょう。今の時代、なかなかそんなドラマはないのでとりあえず今回新作が一本作られたことに感謝しながら改めてじっくりと見させていただきました。

今回のクリスマススペシャルは待望の新作として今日のクリスマスイブに寄せた一本と、過去の名作を3本という構成の2時間番組になっています。もちろん、ドラマとドラマの間にはDVDBOXの紹介だけでなく、都内のバーの一品やカクテルを紹介するお酒を愛する人のためのコーナーもありました。

ちなみに、今回のクリスマス用の新作のゲストは斉藤暁さんで、相変わらず色気もへったくれもありません(^^;)。しかし、かわいい女の人の格好をした妖精でなく、丸顔で笑顔が愛らしいおじさんが運んでくれる福というのもあるのかも知れないなと思いつつほっこりした気分になれました。また、番組の最後を飾ったのは過去の名作の中でも温水洋一さんが幽霊の役になった回で、温水さんの顔芸の凄さを感じて怖くも楽しかったのですが、ラストの挨拶もなくフェイドアウトするように番組が終わってしまったというのは、このドラマらしいといえるのかも知れませんね。

ともかく、今回スペシャルがオリジナルキャストで新作を入れて放送されたということで、次のシーズンの放送があるかも知れないという期待は持てることになりました。コミックスの内容はそれこそ毎週放送しても追い付かないくらいの量がありますので、決してバラエティの番宣には出ることがないであろうキャストの都合が許す限り、次のシーズンも新作が作られることを期待しています。

(番組データ)

BARレモン・ハートクリスマスSP「クリスマスの神様」BSフジ
12/24 (日) 21:00 ~ 22:55 (115分)
【出演】中村梅雀 川原和久 松尾諭 斉藤暁ほか

(番組内容)

BSフジ開局15周年記念番組としてスタートした、ドラマ版「BARレモン・ハート」。30年以上連載が続くハートウォーミングな原作の中から、厳選したストーリーをチョイス・放送し、視聴者から好評の声を集めてきた。 今回のスペシャルは、新作ドラマ(「クリスマスの神様」)に加え、「クリスマス」をテーマにぽっと心温まる旧作(「めおと鶴亀」「悪魔という名のビール」「停電の夜に」)を3本、さらに誰もが行きたくなるBAR情報を松ちゃんが紹介する。 クリスマスの夜は、ぜひBARレモン・ハートにご来店下さい。

『クリスマスの神様』

クリスマスイブ。店内装飾が少しだけクリスマス気分のBARレモン・ハート。 いいことがないーと、ぼやく松ちゃん。BARレモン・ハートの表では、一見浮浪者風の男が寝ころんでいた。心配したマスターはその男を店内に招き入れる。みれば、男の額には立派な福ボクロ、厚みのある耳、丸みを帯びた顔…完璧な福顔。みすぼらしい姿と顔があってない。何者だろうか。名前を聞くと好きなように呼んでいいという。松ちゃんはその男を福ボクロさんと呼ぶことに。 ポケットから出した盃に松ちゃんとメガネさんのお酒をおすそ分けされ、美味しそうに飲む福ボクロさん。立派なホクロを持つのに、どうして福に見放されたのだろうか?と不思議がる松ちゃん。ところが、福ボクロさんはマイ盃があるだけで最高に幸せだという。その盃に秘密があるのだろうか?マスターはある酒をプレゼントする代わりに盃の秘密を聞こうと…。 今夜もレモン・ハートの常連との楽しい一夜が始まる。 人にとっての「幸せ」とは? そしていったいこの男は何者なのか!?


真面目なNHKと不真面目なテレビ東京が訪れた同じ場所とは

所ジョージさんの出演するテレビ番組というのは、まるで枕詞のように「所さん」という言葉が付く番組が多いのが特徴です。この「所さん!大変ですよ」もそうですが、思い付くままに挙げてみると、

「所さんの目がテン!」(日本テレビ)
「所さんお届けものです!」(TBS)
「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」(テレビ東京)
「所さんの世田谷ベース」(BSフジ)

なんて番組が引っ掛かってきました。一通り見てみると、最後の世田谷ベース以外は「所さん」の他に「!」が必ず入っていますし、「笑ってこらえて!」(日本テレビ)には「所さん」の文字が入っていないのが意外でした。基本的には所ジョージさんの人柄に依存して番組を作ってしまおうという意図とも取れてしまいます。今回紹介する「所さん!大変ですよ」も、本来はもっと真面目なドキュメンタリーにしたいところ、視聴者の支持が低いだろうと「所さん!」という題名を付けて視聴者の興味を引き付け、番組は所さんに報告するという形を取りながら堅い内容を柔らかく伝えようとしているように感じます。実に真面目なNHKらしい番組だと言えます。

今回のテーマは温泉で、番組の中では温泉旅館で働く仲居さんが減っていて求人を出しても人が集まらないという問題を提起する中で、前橋市にある「NIPPONおもてなし専門学校」を取材していました。学校の方の話によると、当初は日本人の学生と留学生を合わせた形でやっていこうと思っていたものの、留学生だらけの状況になってしまったとのことでした。

番組ではこうした状況に、日本で生まれた人は、幼い時から生活をしている中でなかなか温泉旅館を利用する機会がなく、旅館の良さを感じないまま一人でビジネスホテルを渡り歩くような旅をしているからではないかと分析されていました。それは裏を返すと、一人で泊まると割高になるなど同じ部屋でも人数によって料金が跳ね上がる温泉旅館のあり方が時代とは一部ずれてしまっているということでもあると思うのですが、番組ではそうした事には触れることなく温泉に関する話題をてんこ盛りに「所さん!これもこれも」という感じでたたみかけていきます。かなり民放の所ジョージさんが出ている番組を意識しているなという感じもします。

ところで、番組で出てきた前橋市の「NIPPONおもてなし専門学校」ですが、以前全く別の番組でその中で行なわれていることや、留学生のアルバイト事情などを紹介していたのを見たことがありました。その番組こそテレビ東京の「YOUは何しに日本へ?」です。その経緯というのは、「YOUはナゼここに?」というコーナーで視聴者から外国人の集まる場所についての情報をもらい、その場所へ行ってみるという企画の中で、その場所がこの専門学校だったという事で男女2人でこの学校で勉強しているという人に密着して紹介していたのでした。

何と言ってもおもてなしの心を教える学校だけに、アルバイトも取材を受けた方は飲食店で行なっていて、夢に向かって日本式のおもてなしの心を真面目に学んでいる様子を見ることができたのですが、同じ場所を取材するにもその番組色の違いに今回は注目してみました。

NHKの取材というのは「温泉」をキーワードにして出てきたキーワードの中で日本の温泉旅館の中にも外国人が進出してくるというような感じのする取り上げ方で、ドキュメンタリー色が強いものだったのに対し、「YOUは何しに日本へ?」の方は、とにかく群馬県前橋市の特定の場所に外国人が集まって来るのはナゼ? という興味から取材をして、改めて外国人達が日本のおもてなし文化というものに興味を持って、その文化を真剣に学びに来ているということを番組を見ている日本人に気付かせてくれるという、ある意味安定した内容をユーモアとともに紹介してくれるといった感じでした。

どちらの方が番組として面白いのかというような意見はそれぞれにあるとは思いますが、「所さん!大変ですよ」の今回の取り上げ方としては、はっきり言って詰め込みすぎのきらいがあるように思います。それも真面目に温泉についての問題をリサーチする中で、あれもこれも所さんに伝えたいと思っての事だろうとは思いますが、一つの項目を伝える時間が短くなるとどうしても見ている方に誤解が生じやすくなりますし、内容を見たことでわかってしまう気になってしまうのがテレビの特質だと言うことになると、NHKには同じ真面目でもじっくりと今回の内容については伝えて欲しかったという気がしました。

個人的な想いとしては、おもてなしを受けるような旅館に泊まるというのは、番組で紹介されていた海外資本に買収された贅を尽くした一泊12万円なんて宿に泊まらないと無理になっていくのではないか? というような所に話を持って行っても欲しくはないのです。

一泊1万円以内の宿やそれより安く泊まれる民宿やとほ宿のような所でも、おもてなしの心を感じて十分に命の洗濯のできる宿はありますし、海外から評価を受けているのはおもてなしの「心」であって金にあかせておもてなしの押し売りをすることではないというところもあると思います。まずは温泉旅館には「一人客をいやがる」「日によって大幅な料金の違いがある」というような現代の日本人旅行客がネットで料金を見ながら予約しずらい所を改善するような旅館についても取り上げて欲しいものです。

(番組データ)

所さん!大変ですよ「温泉!仰天スペシャル」[再] NHK総合
12/24 (日) 9:00 ~ 9:45 (45分)
【司会】所ジョージ,黒崎めぐみ,徳永圭一,
【ゲスト】橋本マナミ,
【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,
【リポーター】獣神サンダー・ライガー,
【語り】吉田鋼太郎

(番組内容)

温泉大好き女優・橋本マナミが「現代湯治」を初体験。短期間で体のメンテナンスができると、女子たちの間で人気だという。プロレスラー獣神サンダー・ライガーが体を張って紹介するのは温泉好きすら見たことがない「幻の秘湯」!さらには外国人が選ぶ「ニッポンナンバー1」の温泉や自宅で温泉気分を味わえる絶品温泉料理も登場。温泉通すら知らない温泉宿の裏側にも密着!この冬イチオシ、知られざる温泉の魅力を深掘りします!