ネット配信が当り前になればスポーツの楽しみ方も変わるか

テレビとネット配信というのは、それぞれ違った特性を持っています。今回紹介するDAZNは日本でサッカーJリーグの試合を全試合中継するということで加入したのですが、MLBメジャーリーグの試合や、日本のプロ野球、サッカーの欧州チャンピオンズリーグの放送権も入手して見られるコンテンツが増えてきたところ、今回紹介するボクシングの世界タイトルマッチの中でも日本中が注目する存在の村田諒太選手の防衛戦を生中継するということで話題になりました。

それまでボクシングは地上波のテレビでも高視聴率が取れる素材であったように思いますが、今回の試合は自由にテレビ局が試合の時間を決められる国内での開催ではなく、メインイベント前にも多くの注目すべき試合が多くあるアメリカ・ラスベガスでの試合になります。一応DAZNでは午前11時からの試合予定になっていたのですが、その日の試合は白熱し、時間的にはかなり押して試合スタートは約1時間半遅れることになりました。

実際のところ、テレビでの中継が実現していた場合多くの人に注目されているがゆえに、時間がずれただけでも多くの不満が出てくる可能性があります。しかし、ラスベガスの会場では淡々とマッチメイクされた試合が進行していくだけで、今回のような事はごく普通のことです。また、テレビにはスポンサーが付くのですが、日曜であるとは言え午前中に行なわれる試合にどこまでスポンサーが付くのかわかりませんし、かといって生中継でなく録画放送にしたら非難が上がるでしょう。

ボクシングは12回戦とかであっても先日の井上尚弥選手の試合のように相手を秒殺で倒してしまうような事が起きるとそこで試合は終わってしまうため、そうなったらそうなったでテレビとしては間が持たなくなります。時間の縛りがあるテレビで生中継のスポーツを中継することについて、テレビがどれだけ工夫しているのかということが個人的には気がかりです。

テレビがデジタル放送になったことで、メインチャンネルの他にサブチャンネルが使えるようになりました。日本のプロ野球と違って永遠に延長が続くメジャーリーグの中継をNHKBS1が行なえているのは、高校野球が総合テレビと教育テレビのリレー中継を行なうかのごとく、メインチャンネルとサブチャンネルでリレーして中継することができているからだと思います。これは、日本のテレビ局が口を出すことができない海外でのスポーツであるため、試合終了までサブチャンネルを使ってでも中継するように日本のテレビ側が現地の内容に合わせた形で中継を行なっているわけです。

今回のボクシングも、メインイベントだけを見られればいい村田選手のファンのためだけの中継ではなく、現地ではメインイベントの前でも各選手は自分の未来を賭けた試合を行なっていますので、DAZNが設定した試合予定の時刻にそのまま始まるわけではありません。当日は早くからネット配信を続けていましたので、その様子を通しで見ることで改めてアメリカのボクシングの層の厚さを思い知った上で村田選手の世界タイトルマッチを見ることができました。
試合結果は残念ながら判定での王座陥落となり、直後のスタジオはお通夜みたいに沈んでいましたが、やはり世界の頂点に立つ前の段階でこれほど強い選手がいるのかという風に思えることで改めてボクシングの魅力に引き込まれた方も少なくないと思います。Jリーグの試合を見るためにDAZNに加入していた人が、新たにボクシングの試合も見たいと思ってくれれば、DAZNの目論みは成功したと言えるのではないでしょうか。

今回改めて思ったのは、テレビとは相性の良くないスポーツについてはもっとネット配信による中継が増えた方が多くの人がスポーツに触れ合うことができる可能性が出てくるということがあるということです。世界選手権やオリンピックではテレビ放送があっても、そこまでの大きな試合でないものについて、逐一テレビで追い掛けるというのはよほどのスポンサーを集めないと不可能でしょうから、常に現地からの生中継をスポンサーとは関係なく行なえるネット配信によるスポーツ中継に期待が高まるということになります。

時代の流れとして、今回のように注目のスポーツイベントがテレビで中継されずネット配信だけで見られるということが普通になっていく可能性はあります。それと同時に考えられるのが、テレビに様々なネット配信のサービスに対応する機能が付くということです。そうなると、家庭でもテレビのリモコンを押すだけで、インターネットとつながったテレビからスポーツを見るようになるのが普通になってくるかも知れません。

(番組データ)

WBA世界ミドル級タイトルマッチ:村田諒太 VS ロブ・ブラント
2018年10月21日 11:00(予定)
【実況】鈴木健
【解説】山中慎介
【スタジオゲスト】香川照之 西岡利晃


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