舛添要一氏の行動からコメンテーターのあり方を考える(1)恥も外聞も関係なし

過去の投稿で疑惑を残したまま答えなかった前東京都知事の舛添要一氏をテレビのコメンテーターとして復帰させたTBSを批判させていただきましたが(以下のリンクで書いた内容です)、立場を替えてテレビコメンテーターの立場から考えると、舛添氏の取った行動というのはある意味テレビの特質を理解した、狡猾な立ちふるまいだったと言うことも言えると思います。

https://tvkansou.net/10230800

「悪名は無名に勝る」という言葉がありますが、テレビに出続けて名前を売ることで生活の糧を得るという事であるなら、追求された事をはっきり答えず立場が悪い中であっても自らの情けない姿をテレビの画面上に晒し、自らの姿の「水に落ちた犬」のようにふるまうことによって視聴者の涙を誘うことができれば、四方が敵の状態からほんのわずかでも自分の事を好意的に見るか許そうと思ってくれる人が出てくるかも知れません。

舛添氏が騒動の後で初めてテレビ取材を受けたのがTBSの「サンデー・ジャポン」だったと思いましたが、そこでの舛添氏は引きこもりのようでもあり、地下室でカップ麺をすすったのが食事だったというような「日々の生活」を公開し、そのVTRを見た同番組の出演者に思いっきり「笑われた」わけですが、そうして恥を忍んで取材を受けた結果、サンデー・ジャポンのコメンテーターとしてのテレビ出演が叶い、さらに朝の情報番組の「ビビット」にまで進出してきたわけでしょう。

視聴者の中には舛添氏の事を「こんな恥知らずな人はいない」と思っている方もいるかも知れませんが、そんな方に敢えて問いたいのがここ最近醜聞の人となった人の中で、これだけ公の場に出てきた人がいたかという事です。

あえて一つだけ例を挙げるとすれば、醜聞の人となってから入院と称し全く姿を現わさなかった国会議員の方は、選挙の季節を感じる状況になったとたんに会見を行ない、さらに街頭に出て訴えを始めましたが、もし自らの秘書にこっそり録音させたICレコーダーの「このハゲ」発言がブレイクする前に記者会見および各キー局の単独インタビューの形でしっかり毎日のワイドショーに姿を出していたら、欠席裁判のごとく画面にICレコーダーが映し出され、ご本人がしゃべったとされる内容があれだけセンセーショナルに広まっていくことはなかったのではないかと思われます。

早いうちにご自身の叩かれる姿をテレビを通して全国に発信することで同情する人も出てくるでしょうから、選挙の結果も最下位で惨敗という事にはならなかったかも知れません。選挙で勝てなかったとしても、その中で悲劇のヒロインのような一面を出していたら、もしかしたら自らの起こした事件を逆手に取って舛添氏の元妻である片山さつき氏のようなスタンスでコメンテーターとして呼ばれていた可能性すらあります。そうして、自ら恥を晒して自分の姿を晒し続けることで、勝手に他人が応援団となって選挙に担ぎ出され、次回の選挙に出て勝利するなんて方向性も出てきたかも知れませんでした。

ただ、普通の人だったらパニックになってとてもテレビカメラの前に出ることすら足がすくんで無理だろうとも思えますので、改めて舛添氏の心の強さというか、自身が地に這いつくばってもテレビというメディアに出続けることが大切だと思っているところがすごいと素直に思えます。

よく、一般企業でもクレーム対応についての対処法として「クレームこそがチャンスだ」というものがあります。クレームが出るということは何らかの問題があると思われ、企業としての信頼性を下げる事には間違いないわけですが、そのクレーム処理を見事にこなすことで、企業に向く逆風が反転するということは良くあることです。

今回の舛添氏の場合は真摯に全ての疑惑に答えたわけではありませんが、言いたくない事は留保したとしても、とにかく恥を忍んで連続してテレビに出演し続けていることで、時間の経過とともに自分の次に標的になった人物の方へ世間の関心が移っていくこともわかっていると思います。その期間がどのくらい続くかはわかりませんが、とにかく自分に対するバッシングを笑って辛抱できる心があれば、たとえ大きな失敗をしたとしてもその人の興味の方が大きければ再度政治家として復活という芽もあるかも知れません。もし今後、テレビコメンターだけでなく政界進出を狙っている方がいるとしたら、まずは心掛けたい点であると言えるでしょう。

※ここまで書かせていただいた内容をリンクの形でまとめさせていただきました。興味のある方はリンク先からもご覧下さい。

(1)恥も外聞も関係なし
(2)ネットサポーターを作れ
(3)発言は大声で尺に収める
(4)常に「仮想敵」を作る
(5)到達点を見際める


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