テレビ局の有料コンテンツは本当に払うだけの価値あるものなのか

昨年から今年にかけてスポーツ中継を含んでずっとテレビを見ていたのですが、具体的にこの番組というようなものはそこまでなかった代わりに気付いたのは、それまでのDVDシフトから変わって、各テレビ局が過去に放送された番組を局の有料サイトに加入して見ようというキャンペーンの多さでした。
私自身、ネットによる番組の再配信については「TVer」や「You Tube」(あくまで公式チャンネルのものです(^^;))にお世話になっていますが、多くのキー局が行なっているサービス全てに入るというのはなかなかできませんし、そもそも各局の有料コンテンツに月々の利用料金を支払う価値があるのかということをまずは考えてしまいます。

テレビ局的には放送日から最大一週間までの見逃し配信は無料で認めるものの(NHKは除く)、過去の番組のまとめての視聴にはお金がかかるというスタンスのようです。ただこれは、ネット以前にもCS放送で過去の各局の伝説的な番組が放送されていますが、そこまで視聴者を獲得できていないのではないでしょうか。

過去に放送した番組については、個人の努力でも番組を録画したものを保存しておけばわざわざお金を出さなくてもいつでもお気に入りの番組を見られるわけですし、ここで改めて「有料チャンネル」である必要がどこまであるのか疑問に思います。

無料の番組は地域にもよりますが誰でも見られますが、私が毎月お金を払ってまで見たいということになると、すでにシーズンを終了したサッカーのJリーグの全試合をリアルタイムで見ることができるDAZNでした。テレビ放送では代表戦や一部の試合(ほとんどJ1の試合)しか地上波およびBSでは放送されません。今年のJ1リーグで言えば、来季J2リーグに降格してしまうチームの試合を今年も追い掛けたいと思ったら、DAZNへの加入は必要なものになるでしょう。これはテレビ局とは関係なくオリジナルコンテンツの配信を有料で行なっているサービス全般にも言える事だと思います。

しかし、テレビ局が行なっている有料コンテンツの多くは、オリジナルコンテンツの比率は少なく、好きな人ならその都度録画して楽しんでいる過去のバラエティやドラマを自由に見られるくらいでは有料のサイトになかなか登録しないという人がほとんどなのではないでしょうか。特にバラエティに対しての世間からの風当たりが強い現代、昔のバラエティの破天荒さを地上波バラエティに望むことは難しいという感じがあります。

その想いを強く持ったのが、TBS系で2019年12月30日深夜に放送された「クイズ正解は一年後」という毎年年末に放送されるバラエティ番組でした。2019年は主に吉本興業所属のお笑いタレントの不祥事的な行ないがワイドショーを賑わすことになり、それまで数々のバラエティ番組やこの「クイズ正解は一年後」に出演していたタレントも騒動の渦中に巻き込まれました。

例年、ワイドショーで盛り上がった話題や人物について徹底的にこき下ろすことが「クイズ正解は一年後」のキモであったため、主演者自らが渦中の人になった場合、現場ではどのような判断を下しどう伝えるのかということが昨年末の興味だったのですが、番組を見た方はおわかりかと思いますが、例年普通に放送される年末の事を予想する2019年1月収録のパートは、現在は芸能活動を自粛しているタレントが出演していたためかまさかの全部カットになっていました。

さすがにこれでは、あまりにも身内に甘いという状況を明らかにしたに過ぎず、本当はまだ問題が発覚する前の2019年1月に問題のタレントはどんな顔をしてどんな事を言っていたのかを見たいですし、VTRに一部モザイクを掛けてでも面白いやり取りのところは流してくれるだろうと思っていた人を落胆させる出来となってしまいました。

この点について制作サイドを批判するというよりも、それだけ地上波テレビバラエティについてのコンプライアンスがきつくなっているという分析ができるでしょう。大晦日恒例のダウンタウンの年越しバラエティでも、ギャグの一つが過去に黒人差別だというような事でかなり叩かれたことがあり、今の時代本当に現場が面白いバラエティを地上波で流すことは無理なのではないかと最近は思っているところもあります。

だからこそ、「有料チャンネル」や「有料サイト」限定のコンテンツとしてTBSは「クイズ正解は一年後」の一連の不祥事がなければ普通に流れるはずだった2019年1月収録のパートを最低限の画像処理で出すことで、一定の地上波のバラエティのぬるさに不満を持つ視聴者の受け皿になれるのではないかと思うのですが。

もちろん、制限がきびしい中でいかに面白いものを出していくのかというのが番組制作者の力量であるということも十分理解できますが、今年の「クイズ正解は一年後」はある意味交通事故のようなものであり、今後の謹慎しているお笑いタレントはどうなっていくのかということが世間の注目になっているという背景もあります。過去には地上波では全く出演することができなかった極楽とんぼの山本圭壱さんを出したのがアマゾンプライム会員限定のネット配信専用のプログラムであったことを考えると、ネットの有料配信の方向性をはっきりさせる意味でも、「地上波では流せないが、流すこと自体は悪いものではない」コンテンツを出すというやり方も十分あってもいいと思うのです。

逆に、有料サイトであるNetflixで配信されることで多くの人に認知されたドラマコンテンツ「全裸監督」は、その本編でなくオリジナルを面白がって真似するシチュエーションやお笑い芸人が地上波のバラエティで出てきています。そうなると本来はドラマのターゲットではない層の人たちの間にまで「あれは何だ?」ということでその内容と元ネタが広がってしまうことになり、それはオリジナルコンテンツの制作者からしても必ずしもいい事だとにはならないかも知れません。2020年は無料と有料コンテンツをごっちゃにせず、それぞれのテリトリーの中でそれぞれ楽しむようにしないと、どちらのメディアもネットによる批判にさらされるような状況が起こってくることも予想されます。少なくとも有料サイトをうたうなら、毎月の料金に見合うだけのコンテンツを用意した上でおすすめして欲しいものです。


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