月別アーカイブ: 2017年11月

無意識に地方軽視の姿勢を露呈させたJOBK

現在の日本では、本当に払う根拠があるのかという考えを持つ人もいますが、それほどの例外はなく、国内にテレビ受信機とアンテナを設置しただけでNHKの受信料を払っています。さらにその額というのは北海道から沖縄まで一律になっています。

この事について何の疑問も持たないのは生まれてからずっと全ての民放キー局を受信して見る事ができる地域に住んでいるからこそのものでしょう。しかし、例えばスポーツ中継などで、

「この後も、一部の地域をのぞいて中継をお送りします」

とアナウンスされることがあり、自分の地域がその「一部の地域」であることを自覚している人からすると、なぜ自分の地域だけがと思って悲しくなってしまうのではないでしょうか。NHKの受信料は民放も含めて払っているわけではないですが、場所の違いで見られるチャンネルが変わってくるなら、現在のペイチャンネルの考え方が当り前になってきている今であればなお、東京と青森が同じ受信料を取っているのはおかしいのではないかと思う人が出てきてもおかしくないでしょう。

ただ、こうしたTVチャンネルの地域差における大きな問題として、昔から今まで常に問題にされてきたものとして、「テレビ東京系列の番組がリアルタイムで見られない地域が多くある」というものがあります。かくいう私の住む静岡県内にもテレビ東京系の地方局はありませんので、このブログで取り上げたいテレビ東京の番組は多くあるのですが、リアルタイムで見られない事で、他のチャンネルのように取り上げづらいという問題が起こっています。

ちなみに、現在テレビ東京の番組がリアルタイムで見られるのは、北海道・関東・愛知・大阪・岡山・香川・福岡・佐賀(佐賀県と徳島県については地方局がなくても隣県で見られるなどの条件を考慮してあります)で、残りの地域では見られないわけですが、例えば静岡県であっても神奈川県に近い熱海や伊豆などではアンテナを向ければ映ってしまうような場所はあるものの、私の住む地域では全く見られないなど、同じ県でも差がある場合も出てきます。

こうした民放局の「地域格差」を無くすために衛星放送(BS)開始の時に期待されたのが、地上波アナログの難視聴地域対象に作られた東京地区で流れている地上波アナログ放送をBSのチャンネルで常時同時配信するチャンネルでした。ただ、このチャンネルを見るには地上波が見られない地域に住んでいることを証明して申請することが必要で、もしその申請が通ったとしても同時配信するチャンネルを全て見られるわけではありませんでした。もし申し込んだ人の住んでいる地域でテレビ東京が見られなかったとしたら、ご丁寧にテレビ東京のチャンネルだけスクランブルが掛けられて見られなくなってしまっていたのでした。

最初に書いたHNKの受信料が全国一律であるということから考えると、当時からBSのアンテナと専用テレビを持っている日本国内に住んでいる人に関してはこれら東京で見られるチャンネルを全て見られるようにするのが公平と言えそうな気もするのですが、そういう事を許すと地元の地方局の経営が圧迫されるからということで、護送船団方式で全国の地方局が守られてきたということですが、それでも常にリアルタイムで見られないチャンネルだけはスクランブルを掛けずに見せるべきでなかったかと私は思います。

そうした流れのせいもあり、テレビ東京が地上波でリアルタイムに見られないという状況は今のデジタルテレビの時代にも続いています。この件については、全く同じ時間に同じ番組を放送するわけではないので、地方局の営業阻害とは関係ないことです(静岡のテレビ局はテレビ東京の番組を買って週末などに一気に放送していますが、そんな事をしなくても済む分、むしろ地方局の経費削減にはいい影響も出るのではないかと思います)。このようなテレビに関するブログをやっていても、地方在住であれば見られる番組に制限がかかり、同じ事をやっている人がいたとしたら、それだけでハンデになってしまうからです。

ここまで前置きが長くなりました。しかし、こういった状況を知った上でこれから書くことを読んでいただけると、違った感想になってくるのではないかという考えの元で書かせていただきました。本日のドラマの内容は、落語「時うどん」を笹野高史さんが再現して素晴しかったのですが、ドラマが終了して次週案内のために出てきたのが、女義太夫の芸人リリコに扮した広瀬アリスさんと、主人公の親戚で、京都の薬種問屋に奉公している手代の風太に扮する濱田岳さんでした。

夫婦漫才のような感じで、濱田岳さんはご丁寧にびくと釣り竿を携えています。二人は来週のあらすじの紹介し終えると、濱田岳さんがいきなり「チヌ釣りに行こう」と急にごねだし、広瀬アリスさんがビンタを食らわすという知っている人にはおなじみのネタを披露して番組は終了したのですが、この時、ネットの実況を見ていると多くの人はそのネタ元をご存知だったものの、全くそのネタを知らない人にとっては、何故唐突にこの二人が仲良くなってるの? と疑問を持った方もいたようです。

普通にこのドラマだけ見ていれば風太と近い関係なのはむしろ同じ店で奉公しているトキに扮する徳永えりさんの方ですので、制作者の意図がわからないと思われても仕方のない面もあります。しかし、広瀬アリスさんと濱田岳さんが、テレビ東京のドラマ「釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助」で恋人関係から新婚の夫婦役になっているのを知っていれば、あのままの調子で演技されていたこともあり、ここに「テレビ東京とNHKとのコラボ」が実現していたということがわかり、余計に楽しめたというわけです。

しかし、ここで大きな問題になるのが最初に紹介した通り、テレビ東京の番組は全国一律で見られるものではないということです。私自身はテレビ東京のドラマは、地方局が購入したものを時間差で見たり、ネット配信されたものを見ているということはあるものの、リアルタイムには見ることはできません。ただ、視聴率とは関係なく地道にいいドラマを作るなという感じはあります。それは、出演料の関係で人気絶頂の俳優やアイドルを使えない分、地道なキャスティングをすることでカバーし、安心して見られるように作られているという風に思われるからです。ただ、それにしてもテレビ東京が全く見られない地域については「釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助」という、有名な同名映画をスーさん役を映画では浜ちゃんを演じた西田敏行さんが演じる形でリメイクしたドラマが放送されていたことすらも知らない人が今朝ドラを楽しみに見ている人の中にもいると思います。

個人的にNHKの大阪放送局に対して改めて問いたい事というのは、このような日本全国に届く放送を毎日行なっている中で、日本全国どこでもテレビ東京系列の放送がリアルタイムで見られる人ばかりだと思ってテレビ東京のドラマ内コラボを実現したとでも言うのかということです。

少なくとも今回の放送によって、私の中では半ば眠っていたテレビ視聴に関する地域格差の存在を思い出し、こんな形で爆発してしまいました。NHK大阪放送局は寝る子を起こしてしまったということになります。先日は来年の朝ドラでも企業のPRのような題材を扱うということで批判させていただいたばかりですが、この調子では来年の今頃にも何をしでかすかと考えると、ブログのネタを提供してくれる点ではありがたいですが、あまりつっ走り過ぎてもどうかと思います。

それこそ、将来的にNHKがネットで同時配信をするというなら、テレビ東京の見られない地域限定でも(もちろん、他の民放ネットが整っていない地域での民放も)NHKに加えて地上波で見られない同局の番組を常時同時ネット配信することが実現されなければ、今後も今回のように不平等な番組同士のコラボが生じる恐れも出てきます。そんな議論が出てくれば、改めてネットでの常時同時配信自体に影響が出るような騒動も起こりかねない今回のNHKの所業であったことは確かではないでしょうか。

(番組データ)

連続テレビ小説 わろてんか(42)「風鳥亭、羽ばたく」NHK総合
11/18 (土) 8:00 ~ 8:15
【出演】葵わかな,松坂桃李,大野拓朗,岡本玲,兵動大樹,藤井隆,内場勝則,笹野高史,高橋一生,鈴木京香
【作】吉田智子

(番組内容)

てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は風鳥亭の存続をかけ、文鳥(笹野高史)の特別興行を開催した。伊能(高橋一生)の助言で新聞にも取り上げてもらい、風鳥亭にはこれまでで一番大勢の客が押し寄せた。ところが高座に上がった文鳥が前座噺(ばなし)の『時うどん』をやると言うと、文鳥の十八番を期待していた客たちは驚いて騒ぎ出す。だが噺(はなし)が進むにつれ文鳥の巧みな芸に引き込まれ、寄席は爆笑に包まれてゆく。


ラジオからテレビの事を語った方がわかることもある

このブログはテレビについて主に書いていますが、テレビについて語っていることがあったりとか、テレビではできないような事が他メディアで行なわれたような場合は、積極的に他メディアについても乗り込んでいきます。今回は今ではテレビでは見ることのできない元TBSアナウンサーの久米宏さんが、本の宣伝のためではあると思いますが、何とNHKのラジオに出るということで、民放のテレビに出るより珍しい事なので、今回は注目して聴いてみることにしました。

まず、久米宏さんがNHKの建物を訪れるのは今回が2回目だそうで、最初はTBSラジオの「永六輔の土曜ワイドラジオTokyo」のレポーターとして1970年代にNHKの玄関受付まで生放送で押しかけ、大河ドラマ主演の方のサインを頂きに行くはずが叶わず、やむなく入館交渉をしていた当時の受付係の方にサインをいただいて帰ってきて(この時の様子はマイクを隠してそのまま放送されたとのこと)以来40年振りに訪れたのだということです。

また、前NHK会長の籾井勝人氏が今も会長だったら(年齢的には久米宏さんとほぼ同年代の方です)、前会長の意見と久米さんの意見は違うので、今回のラジオ出演もなかったのではという笑うに笑えない話をしつつ、番組の頭で地震によるニユースで多少時間を食ったり、途中ニュースに寄る中断があったりしつつもだいたい50分弱、しゃべってくれた内容は興味深いものでした。

様々な話をしてくれた中でも、ここではテレビの話に絞る形でその件について喋った事を中心に書いていきます。ニュースステーションに抜擢された時、気にかけていたのはどのようなテレビ映りをするかという点だったと言います。スーツの着こなし髪型まで久米さんの奥様の麗子さんがきちんと監修し、ニュースキャスターとして完璧なスタイリングで出演されていたことは有名です。

そうした容姿の事をテレビについて語るにあたって最初に持ってきたことは、やはりちゃんとテレビというものを分析していると感じさせるものがあります。最近の男性アナウンサーはたまたま先日見たテレビ朝日系「マツコ&有吉のかりそめ天国」のコーナーの中で指摘されていましたが、入社する際キャラクターではなく顔で選ばれている疑惑があり、いかにもそれは今のテレビ的だとは思います。そんな時代の変化というものも感じられたのでしょうか、久米さんは59才の時にニュースステーションを降板します。

本の宣伝ということもあるのか、同じ日のTBS「金スマ」にも久米宏さんは出演されていて、その番組の中でニュースステーションについては第一回目のオープニングと最終回のエンディングだけをVTRだけで流していました(その他は自社の番組らしくザ・ベストテンのVTRを流しまくりでしたが)。その最終回の久米さんの姿はむしろ現在の73才の時よりも覇気がないくらいで、白髪も目立っていました。ちなみに現在は全て白髪でも言葉の言い回しや肌の艶などは全く衰えていないような感じでした。

ラジオ出演の時に言っていたテレビから姿を消した理由というのは、60才という年齢を意識して、ニュースショーを若い人に見てもらうためには伝える側も若くないとということで、後輩に席をゆずると思ってということでした。

VTRを見た限りではそこまで思ってしまうほど疲れていたのかなと思いましたが、「金スマ」で話された中ではまだテレビでやれていたかな? とも言っていました。ただそれはテレビを止めてラジオのみの活動をしているから言えるからで、週に5日テレビでニュースを伝える生活をさらに続けるのは無理だったのではないかと個人的には思うところです。

しかし、現在まで続いている「報道ステーション」をはじめとするニュース番組を見ていて、良かれ悪かれ久米さんはかなり歯がゆい思いをしているというのではないかというのは容易に想像できます。恐らく新しく久米さんがテレビのニュース番組をどこかの局でやり始めたとしたらネットを中心に連日非難の書き込みが入り、その内容が久米さん本人にも必ずや伝わるでありましょう。しかし、ラジオで言っていたのは自分を好んで見てくれる人の割合は視聴率と同じくらいの20%くらいで十分だとも言っていたので、どんなに悪意を持った非難中傷をネット民たちが繰り返したとしても、そんなに久米さん自身は意に介さずにひょうひょうとニュースを伝えていたのかも知れません。

個人的にはもっと色々な伝え方で日々のニュースを伝えるキャスターが登場することで、世の中の様々なニーズに合ったニュースショーとして十分成り立つのではないかと思いますし、例えば全て中立でない思想的に少し偏ったニュース番組同士が視聴率競争をした場合、どちらの方が視聴率を稼げるのかを見ることで電話による世論調査とは違う世の中の嗜好というものがわかるので面白いのではないかとも思ったりします。最近ではジャニーズ事務所の東山紀之さんが日曜朝のニュース番組にキャスターとして登場したり、同じ事務所の櫻井翔さんや小山慶一郎さんがキャスターとして仕事をしていますが、自分の色を持って自分の顔を前面に出す久米宏スタイルで勝負する人も出てきて欲しいですし、若い人達が番組に出ているメインキャスターにおもねったり遠慮したりするだけで自分の色をなかなか出せないように感じるのでその点は残念だと思います。

民放のニュース番組は局の上層部やスポンサーからもプレッシャーが掛かったりして、全て自分のやりたいようにできない事もあるとは思いますが、久米さんが言うように、自分の方を向いてくれる全体の20%の視聴者に向けることで新しいニュースショーが生まれてくる可能性もあるわけですから、特に選挙で投票できる年齢の人たちが自分の考えで自分の意志が示せるように今こそ、新しいニュースショーの登場を期待したいところです。

(番組データ)

すっぴん!  ▽すっぴんインタビュー 久米宏
10:05 – 10:55 NHKラジオ第一
MC 高橋源一郎
アンカー 藤井彩子
ゲスト 久米宏

(番組内容)

【テーマ】NHKラジオ生放送・初出演!?
放送の世界に入って50年を迎えた久米宏さん。これまでの歩みを振り返った自伝本『久米宏です。』が話題です。永六輔さんにしごかれたラジオ中継、テレビのバラエティ番組での活躍。新しい報道番組を生み、再びラジオへ。誰にも真似できない久米スタイルはどのように形成されたのか。マイクを通して伝えたかったこと、今伝えたいことは? どんな話が展開するか。どうぞお楽しみに!


無邪気に他人の人格について笑う行為は「集団いじめ」にも見える

最初にお断りしておきますが、今回書くことについて出演者のうち最後の「番組データ」に記載のある「藤田紀子」さんについては問題となるコーナーに出演しておりませんので、番組クレジットとしての記載はしてあるものの、藤田氏だけは今回の件に関わっていないという事をまずはお断りさせていただきます。

そして、出演者としてクレジットされている以外のその他のコメンテーターの出演状況については、公式ページにも名前の記載がないので、止むなく公式でない場所からの出演者情報を調べて記載しています。この日の出演者の正確な方々の名前が網羅されていなかったり、出ていない人を記載している可能性があるかも知れませんが、その点はご了承下さい。なお、スタッフ名については番組表に記載されている組み合わせをそのまま転記してあります。

ここ数日のこの番組では議員先生方の下半身の話題が好きなようで、それまでは国会議員の山尾志桜里氏の不倫疑惑問題について相当糾弾しているのが印象的でした。この日は「週刊文春」の発売日で、文春の広告を見た限りでは山尾議員への不倫追求の第何弾かで、噂の二人が大阪に出張したということを報じていたということから、バイキングではそれを受けて何をやるかという事が気になってつい見てしまったのですが、残念ながらというべきか私がテレビを付けた時には別の議員の不倫についての「週刊ポスト」の記事をそのままなぞるような形で、神奈川県の横浜市議会でのダブル不倫疑惑について徹底討論をしていたのでした。

番組MCの坂上忍さんの面白さというのは、良くも悪くもガキ大将的なやんちゃな部分をテレビでもさらけ出しているという点にあります。「やんちゃ」といってもそれを受ける側にとっては勘弁してくれと思う場合もあるかと思いますが、あくまで番組内の「お約束」として坂上さんがそのやんちゃさを発揮して共演のレッド吉田さんにさまざまないたずらを仕掛ける「有吉ゼミ」(日本テレビ系)での掛け合いは正直微笑ましい面白さだと思います。

しかし、そうしたガキ大将的なやんちゃさというのは、やり過ぎてしまった時に止めてくれる「先生」のような人がいないとしばしば暴走します。生放送ならなおさらです。そうしたやり過ぎ感を敏感に感じ取ってしまったのがこの日のお題の「人妻市議W不倫疑惑!LINEも?」に登場する40代の横浜市議会議員の女性と、その相手となった同僚の市議(男性)2人との間のご乱交とも言えなくもない「週刊ポスト」の記事だったのです。

確かに、LINEで卑猥な言葉のやり取りをしていたり、公務で出掛けた場所のホテルで、実に疑わしい行動を取材中の記者のすぐそばのホテルの部屋の中で取っていたり、帰ってきた空港で熱い抱擁とキスをする写真を撮られたりと、議員という立場で脇が甘く、どれだけ糾弾されても仕方ない内容であると思うのですが、番組を見進めていくにしたがって、無邪気に坂上さんのように大爆笑できる気分ではなくなっていっていきました。

というのも、今回番組データの中で挙げさせていただいた番組出演者の中で、ある意味ちょっと騒ぎ過ぎなのではと思った人がいたとしても、坂上さんの進行を止める人は皆無で、一部男女の関係は本当にあったのかと予防線を張ったホラン千秋さんのような方はいましたが、彼女を含む他の全ての出演者およびスタッフは、週刊誌の記事の内容を説明しながら徹底的に登場人物であるダブル不倫をした市議3人を名差して笑いの種にしていました。

もしバイキングが「週刊ポスト」の記事を取り上げなければ、税金を使って不倫旅行をしているかのような横浜市議会議員の行動を許すことになるという論理は番組にはあると思いますが、初出の話題なので当時者や周辺からの反論も山尾議員の報道の時と違って取れない中、全ての出演者に嘲笑されるというのは、単なる告発を超える「集団いじめ」という側面も出てきてしまうのではないかと思うのです。

もし、出演者の中にご意見番みたいな方がいて、「確かに不倫をこんなにおおっぴらにやる方も悪いが、武士の情けという言葉もあるので、そこまで大笑いするのは止めてあげな」というぐらいの言葉を発することができる人を用意できていたらと思います。

こんな事を書くのは、同じような事は学校の中でも起こり得ることで、一人のガキ大将が攻撃したい人物の尻尾を掴み、反論を封じた状態でその他大勢に自分の意見をあえて繰り返させて、自分に反発した人を次のターゲットにするというような集団いじめも、明らかに悪いことをしている人ならいくらでもやってもいいんだというような気分が広がってしまう可能性すら私が感じたからです。こうした危惧が自分自身の思い過ごしであればいいのですが、やはり多少の逃げ道を相手に作った上でテレビでの追求はやっていかないと、テレビで糾弾されたことによって追い詰められられて、番組自体も騒動に巻き込まれてしまう危険性も出てくるのではないかと思います。

もし今回の事で何も起きなかったとしても、自由闊達なMCの坂上忍さんの面白さを生かした番組作りを続けたいと思うなら、全てイエスマンのような出演者だけで固めるのはやめた方がいいと思うのですが。

(番組データ)

バイキング木曜日 フジテレビ
11/16 (木) 11:55 ~ 13:45
バイキングMC: 坂上忍
進行: 榎並大二郎(フジテレビアナウンサー)
木曜MC: フットボールアワー(岩尾望 後藤輝基)
レギュラー出演者: 薬丸裕英  ホラン千秋  横澤夏子
ゲスト出演者: 仁支川峰子 藤田紀子
コメンテーター: あべかすみ 山根弘行 城下尊之 清原博
【チーフプロデューサー】 小仲正重
【プロデューサー】 宮崎鉄平
【総合演出】 島本亮
【制作】 第二制作室

(番組内容)

自民党人妻市議にW不倫疑惑報道が!生々しいLINEでのやり取りも?▽日馬富士が馬乗りで30発殴打か!?一体何が?貴乃花親方の母・藤田紀子スタジオ生出演


水谷豊さんには「男たちの旅路」の続きもやって欲しい

日頃テレビを見ていて、そう長く続くシリーズ物のドラマが日本にあまりないからかも知れませんが、どのドラマが何シーズン目に入ったのかというのはあまり意識しないものですが、この「相棒」は今回が16シーズン目というのだからすごいですね。

ただ、シーズンの数から言うと現在も新シリーズ17が放送中の「科捜研の女」の方が1シーズン先行する形で進んでいます。ただ、「科捜研の女」の方は出演する顔ぶれも決まっていますし、ある意味安定してストーリーが進行していく「水戸黄門」パターンに近いのに対し、相棒の方は亡くなってもいないのにもう出ようにも出てこられないキャストも多いですね。そうしたキャストがいるのに、さらにドラマの内容的にレギュラー的な登場人物を惜しげもなく舞台から退場させたりしたりもしています。

今回久しぶりで登場した六角精児さん演じる元鑑識の米沢守さんあたりも本当にちょい役で出ただけですし、あれでは再び出てくるような状況も考えられません。今シーズンはまるで大長編漫画のように次々と特命係を潰そうとする新たな勢力が出てくるので、何かの拍子でもう続けられなくなるのではないかと心配するファンも多いとは思いますが、個人的には主演の水谷豊さんがこのシリーズを止めるなら仕方がないという感じもしないでもありません。

個人的にはこの「相棒」がどこに向かって進んでいくのかということよりも、あんまり水谷豊さんが「相棒」の杉下警部として世間から認知されすぎるのも何だかなあと思ったりすることもあります。「相棒」のファンの方から叱られることを覚悟で書きますが、もしドラマ「相棒」が終わる時が来たら、それが水谷豊さんの俳優人生の終わりと同じにすることは避けてもらい、ぜひ警視庁を退職した後の杉下警部という形でもかまわないので、再就職で警備会社の司令補になって若い社員に人生を諭すNHKの土曜ドラマ「男たちの旅路」の続編を演じてもらいたいと思っているのです。

「男たちの旅路」脚本の山田太一氏が、高齢でもう新たな脚本を書けないという悲しい話も聞こえてはきますが、このドラマは強烈に印象を残しているドラマです。若き日の水谷豊さんが名優の鶴田浩二さんに時には反発し、時には寄り添いながら成長していった姿は、水谷豊さんが民放のドラマ「熱中時代」の主役に抜擢されたところでNHKに出続けることができなくなったのだろうと思いますが、水谷豊さんの登場場面は唐突に終わりを迎えてしまいました。

その後の水谷さんの人生においてどのくらいの意味があったのかはわかりませんが、「相棒」というドラマで出てきた水谷豊さんの姿を見て私が最初に思ったのが、「男たちの旅路」の杉本陽平(水谷豊さんの役名)がこんなに成長しているというものでした。人生に何の目的も持たなかったチンピラのような若者が、鶴田浩二さん演じる吉岡司令補の人間的な魅力を感じながら成長し、いよいよ警備会社で確固たる地位を固めるのかと思ったらまるで消えるようにいなくなり、気が付いたら警視庁の警部になっていて難事件を解決しているというのもそれはそれで面白い設定であると思うのですが、ぜひ水谷さんには警視庁退職後もその後の活躍をお願いしたいところです。それが、恩師であろう鶴田浩二さんの精神を次世代に引き継いでいく役であれば見ているこちらとしても嬉しくなるので、ぜひそんな役とドラマに水谷さんが当たることを個人的には祈っています。

しかし、ここまで「特命係」の存在が大きくなり、警察外の権力を巻き込んで特命潰しが行なわれる中で、どのようにドラマの決着を付けていくのかというのも気になります。どうにもならなくなって設定そのものを投げ出すことはないでしょうが、あんまり広げすぎると後で困るのではなんてことも見ていて気になったりすることも確かのです。

(番組データ)

相棒 season 16 #5 テレビ朝日
11/15 (水) 21:00 ~ 21:54
【出演】水谷豊、反町隆史 鈴木杏樹、川原和久、山中崇史、山西惇、浅利陽介、小野了、片桐竜次
【ゲスト】南沢奈央、佐戸井けん太、六角精児
【脚本】浜田秀哉
【監督】内片輝

(番組内容)

元鑑識課・米沢守(六角精児)から特命係へ緊急要請!! 警察学校で起きた転落事故が過去と現在の事件と繋がり“空白の23年間”の謎を浮き彫りにする!


半年毎日受信料で宣伝ドラマは止めませんか?

コシノ三姉妹、ニッカウヰスキー、大同生命保険、暮しの手帖、ファミリア、吉本興業、これらの企業(事業)に共通する事は何でしょうか? それは「カーネーション」、「マッサン」、「あさが来た」、「とと姉ちゃん」、「べっぴんさん」、「わろてんか」というNHKの朝の連続テレビ小説の題材となった企業(事業)だということです。

先日発表された2018年秋に大阪放送局で作られる朝ドラは「まんぷく」で、日清食品創業者の安藤百福氏夫妻の伝記になるそうですが、今回の発表は二重の意味で優遇されていると感じます。

まず、安藤百福氏をモデルとした朝ドラとしてはすでに作詞家のなかにし礼氏の本を参考にしたミュージカル仕立ての朝ドラで、石原さとみさんや上野樹里さんの人気を不動のものにした「てるてる家族」にも、登場人物の秋子さんが出入りする先の研究者として中村梅雀さんが演じて登場しています。これは、戦後を代表する食品としてのアクセントという感じでしたが、今回日清食品を大々的にNHKがPRすることについて、二度目ということもありこの題材で本当に良かったのかという声はこれからどんどん大きくなっていくのではないでしょうか。

上に挙げさせていただいた企業の中で、今まではそれほどドラマを宣伝活動に利用したのはニッカウヰスキーや大同生命保険が目立つくらいでした(メディアの方から取材に行っていたと私自身が思っていたものは省いてありますが、当該企業の宣伝活動の全てを把握していないところもあるため、他のケースでも同じようなことがあったら自分の不明を詫びるしかありませんので、ご存知の宣伝活動があればご指摘下さい)。現在放送されている「わろてんか」をどのように吉本興業が扱うかはわからないものの、やりようによっては顧客訪問の際の話題作りとしても相当の「営業ツール」をNHKが提供していると言えると思います。そんな感じで来年の秋から日清食品がもし新製品を出してきたり、既存製品の大キャンペーンをするということになると、競合する同業他社の損出というものも生む可能性もあるわけです。

これが、民放のドラマで安定してスポンサー料を払う企業についてやるというのならそれだけお金を掛けているという事にもなるので、うまい宣伝だくらいにしか思わないのですが、もしドラマ連動した露骨なタイアップ販売が行なわれたとすれば、改めてNHKの存在意義というものを感じざるを得なくなってしまいます。

伝記系のドラマというのは、ある意味成功が約束されているということもあり、どんなにヒロインが厳しい目に遭わされていたとしても結局はその苦労は成功のための苦労だったという風に美化されてしまうのですが、そうは言っても、あの橋田壽賀子氏か書いたフィクション「おしん」が嫁ぎ先の佐賀で受けたほどの苦労までは描くことはできていないように思います。ある意味ぬるい苦労で成功が得られるのではという誤解を与えかねない事でもあるので、実在の人物には配慮しつつも、その苦労やいけずに対抗するために取った実際の話に近いことなどは、当然今放送中の「わろてんか」でも描いてこそ説得力を持つと思われます。そうした点は来年の「まんぷく」ではどうなるのか、やはりそれなりに厳しい目で視聴者は見ていかなければならないでしょうし、決してドラマで見たからと日清食品の製品を買うような短絡的な行動を取らないことが、今後の朝ドラのあり方を考える場合の見る側の対応ではないかと思います。

そもそも、今それほど大きくない会社であるものの、創業者に魅力があるところをたまに主人公にして朝ドラをやるならそう変にも思わないとは思うのですが、ここ最近の朝ドラはほとんど実在しそれなりに大きな商いをやっている企業の創業者をヒロインとして扱っているものが多いと思います。それこそ、企業からの働きかけがあって忖度したのか? というような疑惑が出てきても不思議ではないわけで、そんな疑惑が出てこないうちに、今のような朝ドラの作り方をNHKは止めるべきだと思うのは私だけではないはずです。


日テレの「超能力」に関する「いいとこ取り」を敢えて指摘する

視聴率争いのトップを最近は走っている日テレの「いい加減的な面白さ」が濃縮されたような番組で、かなりぎりぎりのVTR出演する素人についてのツッコミがその面白さを支えているような感じもするのですが、放送される人にとってはたまったものではないでしょう。今回はだったら作る側もしっかり突っ込まれないようにしましょうよという話です。

同じような地域の取材や視聴者の投稿を元にしたネタの報告でVTRを作っていると、どうしても過去に他局や同局の番組でやったネタとかぶることもあります。今回出てきた品数の多いお好み焼き屋さんも、しれっと初突入のいうような感じで紹介していましたが、過去に見た事があるものを初めて取材が入ったかのように見せられても、「このネタ知ってる」で終わってしまいます。少なくとも番組制作をされる方は、そういった情報についても当然知っているはずですから、あえて知っていても知らないふりをして放送しているとしか思えない疑惑というのがこの番組については常につきまとってしまうのです。

そもそも、この番組で「再び」有名になった千葉のローカルタレントのJAGUARさんについて全国に紹介したのは、「ゆるキャラ」や「マイブーム」の名付け親としても有名なみうらじゅん氏であって、彼のテレビでの設定(JAGUAR星で生まれJAGUAR号で地球にやってきたなど)についてもみうらじゅんさんがそのストーリーに関与しているというのは公然の秘密であって業界の方なら知らないとは言えないでしょう。MCのマツコ・デラックスさんが千葉出身で見ていたということはあっても、初めてこの人を取リ上げるというような体で番組内紹介をするというのも何だかあざといと思ってしまったのでした。

最近ではそのJAGUARさんと千葉テレビの特番を行なったフリーアナウンサー田中美和子さんのことを、さもMCの2人が「あのおばさん誰?」というようなテンションで紹介していましたが、元東京ディズニーランドのアンバサダーということで千葉県とも大きな関わりがあり、長年ニッポン放送のお昼の番組「鶴光の噂のゴールデンアワー」でアシスタントを務めていて、多くのファンのいる有名人であることについては全くスルーしているのを見て、そんな番組のスルー疑惑は一層高まったのでありました。

そして、今回放送された視聴者からの投稿に答えるVTRの中で、「変な宿特集」というのがあったのですが、その中の一つとして出てきたのが、「その宿に泊まると誰でもスプーン曲げができるようになる」という宿を調べてきて欲しいという内容がありました。

私はテレビと関係なくこの宿の事は知っていたのですが、その宿は愛媛県松山市にある「松山ユースホステル」で、現在までこの宿が「ユースホステル」という形態を変えずに営業し続けているという事の方がびっくりしました。私自身はそのスプーン曲げを体験したことはありませんでしたが、宿主(昔から変わっていない)の集客を減らさないための営業努力という面は当然あるでしょう。

番組の中でその「誰でもできるスプーン曲げ」というものの種明かしをされてしまったのは残念ですが、そのVTRの中で流れていたのが、その昔「木曜スペシャル」という日本テレビの番組で、超能力者来たるということで日本に大ブームを起こした「ユリ・ゲラー」の出したレコード(現在はCDもあり)「ユリ・ゲラー」から「ムード」というBGMに乗せて彼が日本語で語っているだけの曲(?)でした。この曲をマツコ・デラックスさんが絶賛したのですが、それはそれとしてVTR上での松山ユースホステルの宿主の事をさもインチキのように紹介したのは、それは天に向かってつばを吐くような真似だと言わねばならないでしょう。

というのも、ユリ・ゲラーの曲げるスプーンこそ普通の人では曲げられない硬い材質のスプーンを使ってショーを行なっていたのだろうと思いますが、この番組をきっかけにして生まれたのが、家のスプーンをしこたま曲げてしまう「超能力少年・少女」の出現です。自宅だったり学校の給食で出たスプーンの中には軸が細く、子供の力でも簡単に曲がってしまうものもありました。その事に気付いた少年少女の中には、本当は力を入れて曲げているのに、さも超能力のように徐々に曲っていくように「演技」をすることで、自分にも超能力があるのだと周囲の大人に認めさせ、それでテレビにも出た人もいると思います。

その時、恐らくテレビ局スタッフの中には、これは明らかにインチキだと思っても、面白いからとそのままテレビでスプーン曲げをさせて、その子の人生を狂わせてしまった大人もいたはずではないかと思います。松山ユースホステルでの超能力ショーも、種を明かせば子供でも簡単に曲がるスプーンを一個500円で買わせて曲げさせるというたわいのないお遊びなのですが、そうした「インチキではないか?」と疑わせるには十分な宿の超能力ショーを全否定しながら、ユリ・ゲラーについては曲がらなかったら自分が調子が悪いからという言い訳を飲んでしまう(上記「ムード」という楽曲の中にそうした意味の言葉をご丁寧にユリ・ゲラー自身が日本語で喋ってくれています。YouTubeで「ユリ・ゲラー」と検索すれば誰でも聴けるので興味のある方は聴いてみて下さい。)日本テレビというのは、過去の番組制作への反省なしに今も番組を作り続けているのかと思ってしまいます。

(番組データ)

月曜から夜ふかし 日テレ
11/13 (月) 23:59 ~ 0:54
【MC】村上信五(関ジャニ∞)、マツコ・デラックス

(番組内容)

関ジャニ∞村上信五とマツコ・デラックスの2人がMC…世間で話題の件をあれこれ語り合うバラエティー

 


「スポーツ大将」レギュラー化は成功するのか

テレビ朝日が27ぶりの放送と気合いを入れている「ビートたけしのスポーツ大将」ですが、すでにTBSには「炎の体育会」がありますし、同じテレビ朝日には改編期や正月のスペシャル番組として続いているとんねるずの番組もあります。さらにオリンピック後の特番などでメダリストをもてなすような番組まで含めると、特段の目新しさはすでになくなりつつあると言えるでしょう。今から新しく番組を作るにしてもそこまでのワクワク感はないのではと思ってしまいます。

なぜなら、世界を相手にして戦うだけのポテンシャルを持ったスポーツ選手のうち、テレビのバラエティに出てくれる現役選手の数は限られるので、出てくれるような選手達は当然他局のスポーツバラエティにも出ますし、その一流アスリートと対決するキッズについても、すでに今回見た「スポーツ大将」の初回放送分から先日放送された「炎の体育会」に出たばかりの子が「スポーツ大将」にも出てきました。つまり優れた人材を出そうとすればするほど、人選によるサプライズが演出しにくいのです。

ただそんな中でも、27年前から始まった同じ番組から生まれたレールの上を走って一般ランナーと競う当時のテレビ朝日の美術スタッフが精魂込めて作った「カール君人形」から派生した「北野暴流闘(きたの・ぼると)君」がどのように仕上がっているかが今回の番組の見どころだと思って見ていました。この点については過去の特番でも使っていたからなのか動作が安定しているようで、多少の誤差はありますが、100メートルをおおよそ10秒以内でコンスタントに走る能力を身に付けていたのはさすがでした。昔のカール君人形は人が押すことでスタートさせていたためか、レールを外れて出走不能になるような事もたまにはありましたが、今度はそうした事故も最小限に抑えることができれば、全国のアマチュアスポーツを楽しむ人たちの目標とすることも可能だと思います。

しかしながら、今回の内容や公式ページで紹介されている次回予告を見た範囲では、オリンピックを目指す子供を一流アスリートと対決させる事を主にやるようなので、こうした企画だけではどうしても種目や出場者のインフレが起こって回数を重ねるごとに番組としての魅力が薄れるかも知れません。さらに悪いことに前日の土曜に放送される「炎の体育会」があるので、同番組との企画や出演者のダブリが目立つようになったら、わざわざ見なくてもいいやとなってしましまいかねません。こうした状況を逆転するためには放送日を金曜日にできれば良かったですが、それができない以上、現状では過去の番組を見たことのない人からすると、炎の体育会の劣化版だと見られてしまう可能性があります。

その点、昔の「スポーツ大将」にはビートたけしさん本人が参加する草野球企画もあったりして、当時のたけし軍団をテレビに出す場としても機能していて、一般参加者との交流が面白い部分もありました。今回の番組の出演者について見ていくと、2015年に放送された特番も今回からの新番組も、アシスタント的なMCにはナインティナインを起用することで、なかなかたけし軍団が入ってくる余地もなさそうです。

後から様々な番組紹介のサイトを見ていくと、この番組自体1年間の期間限定で放送されるという記述があるサイトがありました。公式ページにはそうした記載はありませんので、何らかのインタビューや取材記事から引いているとは思うのですが、それだとさらに2020東京オリンピックを盛り上げるという理由で作られるものでもなさそうですし、一体何の目的で作られたのかという疑問の方が大きくなってしまうという変な番組ですね。もちろん、この「1年間限定」という事がガセネタではなく本当だったらという前提はありますが。

それとも、「スポーツ大将」というブランドをビートたけしさんからナインティナインに譲り渡すための1年限定の番組なのか? という風に考えてしまうと、もはや番組でどんなスポーツが行なわれるかということは関係なく、一年後にこの番組はそのままひっそりと終わるのか、それとも全く何の説明もなく「ナインティナインのスポーツ大将」という風に来年の今頃には名前が変わっているのか、そちらの方に興味が出てきてしまうということになってしまいます。

それはまさにお笑いの世代交代と言ってもいいのかも知れませんし、ビートたけしさんは優先順位的にはやはりご自身の監督される映画の方に集中したいということもあるでしょう。ただし、日曜夜8時というのはNHK大河ドラマでさえ苦しいと言われる「世界の果てまでイッテQ!」という高視聴率番組がありますので、そもそも1年間の放送が無事に持つかということも言えてくると思います。

そんな事を考えてみると、改めてその地力が試されるのがナインティナインのお2人で、視聴率的イッテQ!に惨敗ということにでもなれば、新たな冠番組どころか他の仕事にも影響が出てくるのではないでしょうか。となると、岡村さん矢部さんはかなり体を張ってロケを頑張らなければいけなくなり、裏番組の宮川大輔さんとのガチな勝負が展開される可能性があります。そんな形でこの番組が化けていくのか、短い期間でいつの間にか終了してしまうのか、まさにナインティナインにとっては正念場ということで、今後の状況を継続して観察していこうかなと思っています。

(番組データ)

ビートたけしのスポーツ大将 初回2時間スペシャル 27年ぶりにレギュラー復活! テレビ朝日
11/12 (日) 18:57 ~ 21:00
出演 ビートたけし・ナインティナイン

(番組内容)

伝説のスポーツバラエティーが27年ぶりにレギュラー復活!初回はたけし&ナインティナインが卓球対決に参戦! アスリートVS天才キッズ、水泳・卓球・暴流闘陸上対決!


若年層を切り捨てるとこれだけ面白い!? 11時間生放送の脳トレ生合戦

BSフジの平日夜に連日放送されている「クイズ!脳ベルSHOW」から派生して、11月11日に11時間通しての生放送をしてしまおうという相当思い切った企画に、つい最初から見続けてしまいました。基本的には出演者も演出の手法も昭和の香りが満載ということで、完全に若者の視聴者を置き去りにしているような感じなのですが、特番になったことで更にびっくりするようなゲストがやってきたりして、これはかなり番組として化けたのではないかと思われます。

通常の番組ではどちらかというと脳トレという本来の目的や解答者の珍回答にスポットが当たったりすると思いますが、今回はとにかく豪華な昭和時代に活躍したゲストの面白さが抜群でした。優勝賞品や視聴者プレゼントのしょぼさは民放BSらしさを感じますが、それが番組自体の面白さのスパイスにもつながっているようにも思えました。

何しろ11時間も続く番組だったのでみどころも多すぎでここではとても書き切れないのですが、ゲスト関連で言うとアダモステの格好でスタジオに乱入した島崎俊郎さんが昭和のノリそのままでなかなかスタジオからはけようとしなかったぐだぐだな状況をそのまま垂れ流したというのも冒険のできるBSの番組ならではのことでしょう。また、クイズとクイズの間の箸休めに登場したケーシー高峰さんの生エロ漫談は見ていてハラハラした方もいたのではないでしょうか。

レギュラー番組のコーナー「クイズ脳ベルダービー」の回答者は江藤博利さん、小金沢昇司さんに何とJAGUARさん(千葉のローカルタレントで最近では日本テレビ「月曜から夜ふかし」にも出演)がそろって、あの「からくりTV」の「ご長寿早押しクイズ」を髣髴とさせるようなクイズバトルを編集なしの生放送で行なったのですが、編集が無くてもそれなりにボケ回答連発で、見ていて大笑いするものに仕上がったのは単なる怪我の功名だったのか計算されていたのかわかりませんが、このコーナーは都合3回行なわれ、生放送の緊張感が消えるにしたがって面白くなっていったように思います。

そして、ゲスト出演の企画で最高だったのが特設リングに机とヘルメット、ピコピコハンマーを置いてプロレスラーの武藤敬司さんと長州力さんにプロレスではなく「叩いてかぶってじゃんけんぽん」を真面目にやらせたものでした。勝負自体は長州力さんのじゃんけんが弱かったためあっという間に武藤敬司さんが勝利してしまったのですが、そこに至る経緯のうち、長州力さんの発つ言葉と存在感が最高だったので大いに笑えるものになっていたのです。最初の武藤敬司さんとの試合があまりに面白かったため、本当は数時間後に行なわれたメインイベントとして番組スタッフが考えていただろうと思われる、「長州力対藤波辰爾」の戦いは対武藤戦とは違う対決方法にする予定だったのが、現場判断で同じ「叩いてかぶってじゃんけんぽん」の試合になってしまったのにも笑いました。

藤浪さんとの勝負も最初は長州さんがじゃんけんで負けてそのまま一本取られて(二本先取で勝ち)、このまま終ってしまうかに思えましたが、途中から獣神サンダー・ライガーさんのじゃんけんアドバイスの耳うちのおかげでまさかの藤浪さんに逆転勝ちし、そのまま終わるかと思ったらそうではなく、一人で熱くなっている長州力さんが武藤敬司さんにリベンジマッチを申し込み、これも獣神サンダー・ライガーさんのじゃんけんアドバイスによってじゃんけんに勝った勢いで見事リベンジを果たしたのでした(^^)。

もしかしたら武藤敬司さんが手加減されたのかも知れませんが、このまま負け犬となって終わる長州力さんの姿は見たくなかったので、この結果は良かったと心から思いましたし、生放送の中で丸く収まるという奇跡的なパターンになったのは心底ほっとしました。流血などは当然ありませんでしたが、古き良き昭和のプロレスの抗争をやんわりとユーモアを付け足して表現したということでも、11時間の番組の中でも一番のハイライトであったと思います。あんな面白さはとても地上波のバラエティでは出せないとも思えましたし、あの一連の流れを生で見られただけでもこの番組を見た意味があったのではないかとすら思っています。

元々、この番組は中高年の脳トレ用のクイズの拡大版ということで、対象とする視聴者は少なくとも回答者として出ているタレントに合わせるような感じとして40代以上を想定しているようで、さらに出演者の中には高齢の方もいるので、普通に振る舞っているだけでも突っ込みどころ満載な状況というのがそこかしこにあり、それがまた作られたものではないおかしさを誘ったりしていました。

全体的には出演者にやさしく、さらに出演者がなかなか正解を出さないので、ゆっくり正解まで考えることがでるようになっています。そこにあるのは、昭和の時代を生きてきた中高年を主な対象にして全ての世代におもねらない番組制作の姿勢であったのではないかと思います。

実際のところ、この番組が対象としていない年代にはどう映ったのかはわかりませんが、地上波と同じことをやるよりも11時間という長丁場でもそれほど変わったことはせずに、さらに司会の岡田圭右さんの適度な出演者いじりが面白さを倍増させ、実際は年代を問わず多くの人が笑える番組になっていたのではないでしょうか。

本家フジテレビは視聴率が低迷したり、とんねるずの番組の件で社長が謝罪にまで追い込まれたり、あまりいい話は聞きませんが、お金をかけなくてもこれだけの面白い番組が作れるわけですから、今後のBSの番組についても考えていただきたいところです。深夜に安易に通販番組を突っ込むのではなくてもっともっと実験的な番組を地上波でなくBSで試してみるというような事を真面目に行っていくことによって、その才能が今度はBSだけの面白さではなく、地上波でも通じる面白さを持った番組を作ることのできるように成長していくのではないでしょうか。単に、BSで受けたからその企画を地上波に持って行くのではなく、まずはBSで見るから面白いという番組を多く作っていって欲しいと正直なところ感じます。

(番組データ)

BSフジ11時間テレビ 全国対抗!脳トレ生合戦!! BSフジ
11/11 (土) 11:00 ~ 22:00
MC:岡田圭右(ますだおかだ)
アシスタント:川野良子(フジテレビアナウンサー)福井謙二アナウンサー
ゲスト:あいざき進也/相本久美子/赤座美代子/麻丘めぐみ/石橋正次/氏神一番/海原はるか・かなた/江藤博利/大川栄策/大木凡人/大沢逸美/おぼん・こぼん/風見しんご/葛城ユキ/カルーセル麻紀/川上麻衣子/神奈月/北原ミレイ/ケーシー高峰/小金沢昇司/小桜京子/コント山口君と竹田君/桜木健一/シェリ ー/島崎俊郎/嶋大輔/JAGUAR/獣神サンダー・ライガー/鈴木正幸/瀬戸内美八/多岐川裕美/谷隼人/仲八郎/ナポレオンズ/板東英二/ピーター/ビートきよし/細川ふみえ/堀ちえみ/堀江淳/松崎しげる/マッハ文朱/松村雄基/マリアン/真理アンヌ/村野武範/森口博子/山本晋也/ゆーとぴあ/芳本美代子/若林豪/若原瞳(50音順)             スペシャル(秘)ゲストがぞくぞく登場!

(番組内容)

とうとうやってまいりました! 11月11日11時間の生放送!! 『BSフジ11時間テレビ 全国対抗!脳トレ生合戦!!』 月曜~金曜の22時から放送中の「クイズ!脳ベルSHOW」をベースに演芸、歌謡コーナーなどなど、おなじみの脳活化クイズだけでなく笑いや歌でも脳を活性化しちゃう11時間となっております! 出演者は47都道府県・6ブロックを代表する有名人の皆様! トーナメント方式で優勝を競います!


ビデオ判定はどのように導入すべきかを考えてしまった試合

まず、テレビ局が出す番組情報(概要)にある「日本は大金星なるか!?」というようなフレーズについて、何とかワールドカップのアジア予選をすり抜けた状況の国と、南米予選を堂々とトップでクリアしたブラジルに客観的に見て勝てると考えるのがそもそもおかしいと思います。この試合の目的は、恐らく本大会では今回のブラジル並の強豪国が予選リーグの中に入ってくることは間違いないので、そのためのシミュレーションと、現状で日本の戦い方および代表選手が通用するのかを見る機会と捉えれば、あまりの惨敗ではテンションが下がるものの、地力の差はいかんともしがたいと見るのが妥当でしょう。

実際に試合に向かう選手としてはあわよくば食ってやるという気概がないとだめだと思いますが、そこらへんを履き違えないで、今後日本が強豪国にどのような試合を行なって予選リーグ突破を狙うのかということを中心に試合を見ました。しかしながら今回はあまりに早くPKを献上して、さらにそのPKは今までの試合だったら流されてしまい、PKそのものが無かった可能性が高かったことで、たまたま試合のハイライトだけを見た、ヨーロッパ予選プレーオフの「北アイルランド対スイス」の試合でのPKの判定と合わせていろいろ考えることが出てきてしまったので、今回はその点について書きたいと思います。

まず、サッカーのビデオ判定はビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)制度と呼ばれていて、審判としては副審の扱いになるビデオ・アシスタント・レフェリーがゴールに関するものや、イエローカード・レッドカードなど反則に関することなどで主審の見逃しがあったと判断した場合にはインカムで主審に伝え、主審はその動画を見た上で改めてジャッジをするという流れでテストされているようです。

今回の日本の1失点目というのはこうした経緯で主審がビデオを確認した結果、吉田選手が相手を倒していることがわかり、ブラジルにPKが与えられました。その後、気合いを削がれた日本チームは前半のうちにさらに2失点をして、試合が前半で決まってしまいました。私がテレビを見ていて不思議に思ったのは、サッカーのビデオ判定というのはテニスや野球のような不利な判定をされたと思ったチームによる申告があってはじめてビデオを見る「チャレンジ制」ではないということでした。

もし、今後のサッカーワールドカップやワールドカップ予選でビデオ・アシスタント・レフェリー制確が採用されたとすると、前日に行なわれた「北アイルランド対スイス」で出た疑惑のPK判定はどのように裁かれるのかと考えてみたくなりました。私自身はDAZNのハイライトで見たのですが、体ごとシュートブロックに行った北アイルランドのディフェンスの肩に当たったのは確認できましたが、肘から下の手には決して当たっていません。あれをPKに取られると、手を後ろで組んでハンドにならないようにしたところで無駄だということになります。

もしサッカーのビデオ・アシスタント・レフェリー制度が双方のチームの抗議を受ける形で発動するならこのケースでは主審の判断にはなりますが、当たった瞬間をしっかり見てもらって改めて判定されるということで恨みっこなしという風に落ち着くと思います。しかし、現行制度ではいくらPKを取られたチームが決してハンドではないと抗議をしても、ビデオ・アシスタント・レフェリーが主審に連絡を取らずに流してしまえばそれまでです。もしそんな風に見のがされてしまったら、ビデオ云々の前に試合を裁く審判団に信頼ができないと思ってしまう人も出てくるでしょう。

話をまた日本対ブラジルの試合に戻しますが、試合の中ではPK判定の他にもビデオ・アシスタント・レフェリーから主審に連絡が行き主審がビデオの確認をしに行くケースが有りました。この動作というのは選手の流れるような動きとは無関係に行なわれるので、妙なところで間が空くことになり、テレビで試合を見ているファンとしても何とも間の抜けた感じになったり、試合自体もストレスが溜まって荒れる可能性すら出てくるのではないかと見ていて思いました。

今後のことについて考えると、判定に抗議をする形でのビデオ判定を認め、ゴールに関わるオフサイドなどの判定や悪質な反則などについてのみ、一試合で2回失敗したらそれ以上ビデオ判定を要求することはできないというような形にした方がまだいいのではないかと思うのですが。もちろん、メジャーリーグのポストシーズンでいやがらせのようにチャレンジでのビデオ判定を要求する場面を見ていると、試合の流れを止めるような抗議がサッカーでも増えてしまうと、テレビ中継の枠の中に収まらなくなる可能性もあるので、そういう観点からチャレンジは止めた方がいいという意見もあるとは思いますが、明らかな誤審がわかっているのにそのまま試合が続いてしまうというのは切ないことなので、一つの判定で試合が壊れてしまわないためにも最善の方法をFIFAには考えて欲しいものであります。

(番組データ)

サッカー国際強化試合 日本×ブラジル テレビ朝日
11/10 (金) 20:54 ~ 23:04
【解説】松木安太郎、中山雅史
【実況】吉野真治(テレビ朝日アナウンサー)
【リポーター】寺川俊平(テレビ朝日アナウンサー)
~スタッド・ピエール・モーロワ(フランス)

(番組情報)

ロシアW杯優勝候補ブラジルと激突!!ネイマール、コウチーニョ、ダニエウ・アウベスら世界屈指のスター軍団を相手に、日本は大金星なるか!?来年のW杯を占う大注目の一戦!!


新基軸の音楽バラエティは面白かったが仁義は切らなくて大丈夫?

過去にはCDで、さらに前の時代にはレコード盤で楽しんでいた音楽も、今ではインターネットのストリーミングでいつでも聴ける時代になってしまいました。しかし、その分楽曲を所有することに固執する人は減ってきたような気がしています。

さらに、一部のコレクターによるものかYouTubeには蓄音機にSPレコードを載せて演奏するところを動画にして公開しているものも少なからずあり、そうしてアップされている楽曲については十分パソコン上からも楽しむことができます。将来的にAIスピーカーに聴きたい曲名を喋ると、ネット上のサービスの中から該当の曲を流してくれるようなサービスが行なわれる可能性すらある今、「レコード発掘の旅」というのはどんなものかということで見てみたのがこの番組です。

現在のテレビ番組のスタイルというのは、例えば「路線バスの旅」というものが受けたらすぐに同じような番組が他の放送局でも作られて拡散されていく中で元祖の番組も埋没してしていってしまう傾向があります。そんな中で、なかなか新しいパターンの旅をテレビがやることは難しい部分もあると思いますが、今回のレコード発掘の旅は、一般庶民が集めたレコードの思い出をその演奏とともに蘇らせることのできるドキュメンタリーとしても見ることができます。

さらに、私の家でもそうですが、レコードがあってもそれを聴くための機器がなく、単にその場を占拠する粗大ごみと化している場合が多く、その中から想い出の一枚をターンテーブルに乗せたとたん、まさに時が戻ったように当時の曲が再生されるというシチュエーションは、それはそれでドラマチックであり、安い制作費でも魅力ある番組作りができるという一つの例であると思います。

番組ではまず、ディレクターがマイクを持って東京の商店街からスタートして色んな所にインタビューに出て、その方の思い出の曲を聴きながら、実際に自宅にレコードを置いている人を探して自宅へ直行、持ってきたプレーヤーでその曲を直接聴くという形で進行していきます。

ちなみに、番組データにあるMCの野口五郎さんはこの取材に直接同行しておらず、スタジオ収録でVTRを見ながら喋ったり、収録場所にギターを持ち込んで歌いながら喋ったり、おすすめのレコードを紹介したりという形での登場の仕方で、さらにMCのアシスタントとして犬山紙子さんが出ていたのですが、テレビ番組表のデータでは犬山さんの名前が漏れていて、これはちょっと可哀想なので、ここで改めて番組データの方でも紹介させていただきます(^^;)。

一通り見終ってみて、この番組は旅番組ではなくテレビ東京のやるインタビュー系の番組に近いと思いましたが、まずこの人がこんな曲やジャンルのものを聴くのかという意外性がまず面白いですし、ジャケットはCD時代とは違いテレビ映りが良く、同じものを買って持っていた人なら思わず懐かしいとMCの野口五郎さんのように叫んでしまうような感じでもあります。さらに、番組が用意したプレーヤーでない自前のプレーヤーを使おうとしたら回転数を間違えたり針の調子が悪かったりでまともに聴けなかったというレコードを実際に聴いている人であれば必ず通る「あるある」を実践したりと、やはりBSはバラエティでも対象年令が高いなと思わせるものがあります。

取材先のお宅は、それでも50代から60代くらいなので思い出の曲ということではほとんどが歌謡曲でしたが、ラストのお宅訪問で茅ヶ崎の78才の女性が少し前に亡くなったばかりのご主人の事について、残してあるクラシックのレコードを聴いていたと、しみじみ話している時にバックグラウンドで流れていた曲がビートルズの「レット・イット・ビー」で、ご自宅にお邪魔してインタビューというシチュエーションに合わせると(本当にその状況が放送されました)この番組が急にテレビ東京の「家ついて行っていいですか?」になってしまったような気がしたのは私だけの事ではないでしょう。

こんな演出をして、テレビ局同士の争いの種にならないかなと思ったのですが、まあビートルズのレット・イット・ビーはテレビ東京のものじゃないしいいのかと思いつつも、レコードを探しての旅というコンセプトは今までテレビ東京でもやらなかった画期的なものなのに、収録した後の編集の現場で、安易にテレビ東京の番組に近づけようとそれなりの雰囲気に乗った番組作りはどうなのかなと思いました。

しかし、その後に奥様がご主人の生前を思い出すように流れた曲がチャイコフスキーの「悲愴」だったというのは実に取材者の心情を突いていて、個人的にも感動を覚えました。できればもう少しじっくりと曲を聴かせて欲しかったですが。次回はテレビ東京的な編集はまずやめてもらって、お気に入りの一枚が日本の歌謡曲に偏らないように多くのサンプルを確保した上で第二弾をお願いしたいところです。

(番組データ)

お宝レコード発掘の旅 あなたの思い出の曲かけさせてください BS朝日
11/9 (木) 21:00 ~ 22:54
【MC】野口五郎 犬山紙子

(番組内容)

プレーヤーがなく、何十年も押入れにしまいっ放しのシングルレコード…息子の思い出の品だからと、捨てられなかったLPレコード…様々な理由で見向きもされなくなっていた思い出のメロディーが、よみがえる!さらに、再生したその場で持ち主にレコードにまつわるエピソードを聞いてみると、笑いあり、涙あり、感動あり…!“お宝レコード”と当時の思い出を発掘する、新感覚の旅番組!