ビデオ判定はどのように導入すべきかを考えてしまった試合

まず、テレビ局が出す番組情報(概要)にある「日本は大金星なるか!?」というようなフレーズについて、何とかワールドカップのアジア予選をすり抜けた状況の国と、南米予選を堂々とトップでクリアしたブラジルに客観的に見て勝てると考えるのがそもそもおかしいと思います。この試合の目的は、恐らく本大会では今回のブラジル並の強豪国が予選リーグの中に入ってくることは間違いないので、そのためのシミュレーションと、現状で日本の戦い方および代表選手が通用するのかを見る機会と捉えれば、あまりの惨敗ではテンションが下がるものの、地力の差はいかんともしがたいと見るのが妥当でしょう。

実際に試合に向かう選手としてはあわよくば食ってやるという気概がないとだめだと思いますが、そこらへんを履き違えないで、今後日本が強豪国にどのような試合を行なって予選リーグ突破を狙うのかということを中心に試合を見ました。しかしながら今回はあまりに早くPKを献上して、さらにそのPKは今までの試合だったら流されてしまい、PKそのものが無かった可能性が高かったことで、たまたま試合のハイライトだけを見た、ヨーロッパ予選プレーオフの「北アイルランド対スイス」の試合でのPKの判定と合わせていろいろ考えることが出てきてしまったので、今回はその点について書きたいと思います。

まず、サッカーのビデオ判定はビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)制度と呼ばれていて、審判としては副審の扱いになるビデオ・アシスタント・レフェリーがゴールに関するものや、イエローカード・レッドカードなど反則に関することなどで主審の見逃しがあったと判断した場合にはインカムで主審に伝え、主審はその動画を見た上で改めてジャッジをするという流れでテストされているようです。

今回の日本の1失点目というのはこうした経緯で主審がビデオを確認した結果、吉田選手が相手を倒していることがわかり、ブラジルにPKが与えられました。その後、気合いを削がれた日本チームは前半のうちにさらに2失点をして、試合が前半で決まってしまいました。私がテレビを見ていて不思議に思ったのは、サッカーのビデオ判定というのはテニスや野球のような不利な判定をされたと思ったチームによる申告があってはじめてビデオを見る「チャレンジ制」ではないということでした。

もし、今後のサッカーワールドカップやワールドカップ予選でビデオ・アシスタント・レフェリー制確が採用されたとすると、前日に行なわれた「北アイルランド対スイス」で出た疑惑のPK判定はどのように裁かれるのかと考えてみたくなりました。私自身はDAZNのハイライトで見たのですが、体ごとシュートブロックに行った北アイルランドのディフェンスの肩に当たったのは確認できましたが、肘から下の手には決して当たっていません。あれをPKに取られると、手を後ろで組んでハンドにならないようにしたところで無駄だということになります。

もしサッカーのビデオ・アシスタント・レフェリー制度が双方のチームの抗議を受ける形で発動するならこのケースでは主審の判断にはなりますが、当たった瞬間をしっかり見てもらって改めて判定されるということで恨みっこなしという風に落ち着くと思います。しかし、現行制度ではいくらPKを取られたチームが決してハンドではないと抗議をしても、ビデオ・アシスタント・レフェリーが主審に連絡を取らずに流してしまえばそれまでです。もしそんな風に見のがされてしまったら、ビデオ云々の前に試合を裁く審判団に信頼ができないと思ってしまう人も出てくるでしょう。

話をまた日本対ブラジルの試合に戻しますが、試合の中ではPK判定の他にもビデオ・アシスタント・レフェリーから主審に連絡が行き主審がビデオの確認をしに行くケースが有りました。この動作というのは選手の流れるような動きとは無関係に行なわれるので、妙なところで間が空くことになり、テレビで試合を見ているファンとしても何とも間の抜けた感じになったり、試合自体もストレスが溜まって荒れる可能性すら出てくるのではないかと見ていて思いました。

今後のことについて考えると、判定に抗議をする形でのビデオ判定を認め、ゴールに関わるオフサイドなどの判定や悪質な反則などについてのみ、一試合で2回失敗したらそれ以上ビデオ判定を要求することはできないというような形にした方がまだいいのではないかと思うのですが。もちろん、メジャーリーグのポストシーズンでいやがらせのようにチャレンジでのビデオ判定を要求する場面を見ていると、試合の流れを止めるような抗議がサッカーでも増えてしまうと、テレビ中継の枠の中に収まらなくなる可能性もあるので、そういう観点からチャレンジは止めた方がいいという意見もあるとは思いますが、明らかな誤審がわかっているのにそのまま試合が続いてしまうというのは切ないことなので、一つの判定で試合が壊れてしまわないためにも最善の方法をFIFAには考えて欲しいものであります。

(番組データ)

サッカー国際強化試合 日本×ブラジル テレビ朝日
11/10 (金) 20:54 ~ 23:04
【解説】松木安太郎、中山雅史
【実況】吉野真治(テレビ朝日アナウンサー)
【リポーター】寺川俊平(テレビ朝日アナウンサー)
~スタッド・ピエール・モーロワ(フランス)

(番組情報)

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