地方局は地元視聴者の立場で再放送・再配信を考えてほしい

大きな地震による広域災害でなくても、地域によってはテレビの放送が途切れることがあります。石川県にお住いの方で、1月10日夜から翌11日の間にかけて、同じ送信設備を利用している石川テレビ(フジテレビ系)と北陸放送(TBS系)が40万世帯で16時間以上見られなくなる状況が発生したのです。

これは、送信設備の鉄塔に落雷が起き、その影響で火災が発生したことによるのですが、同時に大雪が降ったことにより復旧に影響が出たようです。実際問題、テレビ放送というのはライフラインの一つに入れてもいいのかというかという事もありますが、フジとTBSの番組を楽しみにしていた方には気の毒としか言いようがありません。

単に、災害のための報道という点で見ると石川県にはこの二局だけではないのでニュースなどの受信には影響がなく、またラジオを使えば情報は入ってくるとは言いつつも、たとえ災害には関係ないバラエティ番組といえども楽しみにしていたものが見られないというのは悲しいことだろうと思います。

北陸放送のフェイスブックを見ると、自社制作の番組については放送できなかった分を翌週に伝える旨のコメントがありましたが、東京制作の放送の再放送をどうするのかという点については二局のホームページやSNS上でも具体的な対策については語られていませんでした。また、北陸放送ではケーブルテレビでは中断することなく全ての番組を放送していたのとことで、地域によってはテレビアンテナに頼るよりも、基本ケーブルテレビで視聴し、もしケーブルテレビに不調があったらワンセグを使って復旧するまでの代替として利用するような方向で考えた方がいいかも知れません。

地上波と比べてBSやCSは局地的な災害に影響されず、アンテナさえ衛星に向けられれば見えるという点で有利なところはあるものの、厚い雲に覆われて天気が悪くなると相当高性能なアンテナを使わないと画面がまっ暗になって見えないトラブルに地域によっては見舞われることがあります。

こうしたトラブルと同じように考えると、テレビ局自体が落雷被害により送信できなかった分の放送については、必ずしも代替放送をしなくてもいいということにもなるので、どうしても当日の番組が見たいと思った人は諦めるしかないかと思うところがあるのは確かです。

ただあくまでテレビ放送を流せなかったテレビ局側が視聴者の事を思って再放送ができるならやって欲しいですし、地域限定で可能にならないかと思うのが、流せなかった番組を一定の期間だけその局のホームページから「見逃し配信」することができないかということです。自社制作の番組なら簡単だと思うのですが、東京や大阪で制作された番組の場合、権利関係がどうなっているかということですね。まず、地元テレビ局には、ドラマや一部バラエティなど既存のインターネットサイト「TVer」や、系列局の見逃し配信を行なうサイトで見られる番組を確認し、視聴者をそのサイトに誘導することです。少なくともこれで、どうしても見たいドラマやバラエティ番組がある人の何割かはネット経由ではありますが番組を見せることができます。

問題になるのは、そうした「見逃し配信」の対象になっていない番組をその地域限定で一定期間でネット配信ができないかということでしょう。もし、こうした事故に関する取り決めがないようなら、地方局とキー局との間ですぐに話し合いを行ない、「TVer」の方で地域限定で流すのか、それとも地方局のホームページに見逃し配信コーナーを臨時に作るのか、そもそも再配信自体が必要ない事として無視をするかをしっかりとアナウンスしていただければ、今後私たちがテレビに固執して地元局を見るようにするのか、地上波は終わったと思ってネット配信を中心に見る視聴者が増えるのか、そんなところにも影響が出てくるのではないかと思います。

現実的には違法にYouTubeにアップされた番組を見ている人は見ていると思うのですが、こうした時にこそきっちりとした判断で正式な形でネット配信の番組を見せるようにしないと、今後も違法にアップされ続けるテレビ番組についてそこまで強く糾弾できなくなることも考えられなくもありません。

このブログでは違法なアップロードを支持するつもりは決してありませんので、地方局が今後生き残って行くためにも、今回の問題で放送中断があった石川テレビと北陸放送には、しっかりとした地元視聴者へのアフターフォローをしていただけることを希望します。


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