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世は変わっても人の心の葛藤は変わらない?

ここ数日インフルエンザで休んでいたのですが(^^;)、基本的にやることがないのでテレビばかり見ていました。なかなかここで紹介するような番組は見ていなかったのですが、そんな中でつい面白くて見てしまったのがNHKEテレで1月12日に放送された「平成ネット史」の2回シリーズでした。

この番組はネットについて番組の呼んだパネリストがその時代のネットの状況をVTRや実際に当時のハードを見ながら語り合うというかなりゆるい番組ではありましたが、特にインターネット以前からウィンドウズ95発売、インターネットの普及というところが前半で、後半は主にモバイルインターネットの歴史についてやったのですが、各々60分ではさすがにあまりにも時間が足らずに終了という感じでした。

ネットのスタートから「パソコン通信」→「インターネット」と利用者の流れが変わる中で、まずやってきたのがテキスト中心の「個人ホームページ」→「ブログ」→「動画・SNS」と人々の嗜好も変わってくるわけですが、これを進化と呼ぶべきなのかどうかということも、現在の状況を考えるとちょっと考えてしまうところがあります。

パソコン通信時代からインターネット黎明期というのはパソコンを購入し、電話回線を使って通信サービスを利用できるまでのスキルとコスト支払いの能力がないと参加できないところがあり、今から思うとそこまで社会的な影響というものはなく、限られた人の中で盛り上がっているに過ぎない部分も多分にありました。そうなると、バトル・炎上のような事が起こってもそれがニュースで報道されるようなところまで行くことは少なく、ネット上での「事件」を扱った書物が販売されていたりしたものです。

当時のネット上の人間関係というのはなかなか面白いものでしたが、基本的には実際に会うことができる人でないとわからないものの、年代的には大学生から30代くらいというのが私が実際にお会いした中ではメインユーザーで、たまに高齢な方や小学生がネット上のコミュニケーションに参加していたという話もありますが、そうした年齢層から外れた人たちは輪の中に入るのには勇気が必要だったのではないかと思います。

今では考えられませんが、相手を見たこともないのに一対一で会うということもあった一方、きちんとしたネット上の集まりの中で幹事さんを決めてオフ会をするというのが通例でした。私が参加していたのは当然後者の方で(^^;)、そちらの方は基本的に参加しているのが大人同士なため、あくまで会うことについてのリスクについては自己責任でオフ会も開かれていたということなのですが、今では大人を騙って若年層がやってきてしまったらその管理に責任が持てないというのが正直なところでしょう。そういう意味では、あまり難しいことを考えなくてもネットの向こう側にいる人との交流をネット上でも現実の社会でもできた時代があったということになります。

その際思ったことは、いわゆる人物の評価として「ネット上の性格」と「現実社会での性格」というものがとんでもなく違う人というのが存在するということです。文字の書き込みだけを見るとやけに挑戦的でこっちに喧嘩でも売っているのかと思うようなネット上の人格でも、実際に会ってみると全く持って穏やかで話もはずまないような性格をしているような人に会った時、カルチャーショックを受けるとともに、これが文字だけの議論における限界だと思いました。

さらに様々な経験をした中で、実際に会ってみてその人のネットと現実社会でのコミュニティの取り方を計った上でないと、親密なネット上での意見交換というのは難しいと思いましたし、顔も名前も性別も年齢もわからない人からいきなり議論をふっかけられたとしても、なかなか本質的な議論まで進むことは難しいことも実感しました。もちろん、ネットの利便性や影響力について批判するものではありませんが、最近のツールで言えばTwitterの制限された文字数で自分の考えを全て伝えることも大変なので、私自身は積極的にTwitterで呟かず、「平成ネット史」では一昔前のコミュニケーションツールであるブログで発信しているようなところもあるのかも知れません。

番組では、ネットの速度についても少し話題になりました。パソコン通信時には文字だけのやり取りのため一般の電話回線での最高が56kbpsで、当時一ヶ月38,000円もしたネット専用線でも128kbpsに過ぎませんでした。ちなみにこの「128kbps」というのは現在の大手携帯キャリアの低速規制時の最大スピードです。

それが、現在固定回線ではなく日本国内どこでも通える移動回線で最大200kbpsが使える最低金額はMVNOの「ロケットモバイル」の「神プラン」で、月額税抜298円です(^^;)。この回線は実は今契約していて、インターネットラジオや音楽のストリーミング配信を聞き流すにはこの速度で現代でも十分なので、いかに短期間でインターネットが手の中に入り、さらに安く高速で使えるようになったことがわかると思います。

ただし、こうした「ネット史」を見ながら今という時代を見ていくと、いかに技術革新が行なわれ5Gの時代になったとしても、根本的な人間同士の葛藤や妬み、争いというところは減るどころかどんどんエスカレートする状況になっているのは残念なことです。それは、インターネットがすでに一部の特権階級の人のものではなく、子供のお小遣い程度の料金でも利用できてしまうことから利用者が一般化したことで、実生活では何も言えなくても、ネットで匿名による発信をすることにより「ネット上での性格」というものが膨らんでしまい、ネットと現実との境目が見えなくなってしまっている人が増えてきているのではないかと思えるところでもあります。

自分自身でも気を付けてはいますが、短文で言い切るような形での発信というのは、言い方がきつく感じられますし、受け手に誤解を与える可能性も高くなります。時間を掛けて話し合えばわかり合えるような人との間でも、そんなネット上での発言についてツッコミを入れられれば場合によってはトラブルが発生し、簡単に炎上しやすくなる傾向はあるでしょう。テレビで報じられているあんなこともこんなことも、深夜一人で思い付いたようなことを推敲しないで出してしまうとトラブルの種になることはパソコン通信の昔から変わらない事だと思っています。テレビでも、ぜひ現実社会のそれとは乖離することのある「ネット上の人格」の傾向について、広くネットユーザーについて知ってもらえる機会を設けていただければと思うところです。

(番組データ)

平成ネット史(仮)▽懐かしい映像と貴重なインタビューでひもとく!歴史秘話
2019/01/12 14:00 ~ 2019/01/12 15:00 (60分)NHKEテレ
【司会】恵俊彰,是永千恵,
【出演】池田美優,宇野常寛,落合陽一,堀江貴文,ヒャダイン,眞鍋かをり,森永真弓,【VTR出演】戀塚昭彦,健,川上量生,佐々木渉,
【語り】緒方恵美,梶裕貴

平成ネット史(仮)後編▽貴重な映像と驚きの秘話でひもとくモバイル&SNS歴史
2019/01/12 15:00 ~ 2019/01/12 16:00 (60分)NHKEテレ
【司会】恵俊彰,是永千恵ほか
【出演】池田美優,宇野常寛,落合陽一,堀江貴文,ヒャダイン,眞鍋かをり,森永真弓,【VTR出演】夏野剛,栗田穣崇,笠原健治,津田大介,石森大貴,及川卓也,舛田淳,

(番組内容)

【前編】

平成は、インターネットの普及により私たちの暮らしが大きく変化した時代だった。その変遷をパソコン通信、ウィンドウズ95、2ちゃんねる、フラッシュアニメやニコニコ動画まで、パソコンで起こった変化を中心に多彩なスタジオゲストとともに語りつくす!2ちゃんねる閉鎖を食い止めた伝説のプログラマーや、当時大人気だったテキストサイト侍魂の作者・健さんのインタビューなど、当時の貴重な映像とともに紹介する!

【後編】

後編は、モバイルを中心に日本のネット史を振り返る。さまざまな世界初を生み出してきた日本のモバイルネットの歴史を、インタビューと懐かしい映像や端末でひもとく。またiPhone上陸の裏にある秘話や、その革新性を堀江さんらゲストが語りつくす。さらに日本のSNSの変遷に隠された背景を、数々の関係者の証言でたどるとともに、炎上やフェイクニュースなど現在の問題もスタジオの論客たちが語りつくす!

Eテレ60年の歴史の重さは視聴率と関係なし

各局のお正月番組を全て見たわけではないのですが、民放ではあえてお正月でなくても改編期に見られるような番組も多いなか、独自の存在感を出していたのがNHKEテレです。この番組もそうですが、同日には過去このブログで紹介させていただいた「香川照之の昆虫すごいぜ!」の新エピソードが放送されたりして、独自の世界観を醸し出しているように思います。

この番組について簡単に説明すると、ドラマパートと演奏パートに分かれ、NHKEテレで放送された懐かしい歌の数々を豪華なミュージシャンがカバーして披露し、子供もその親の世代も楽しめる番組になっていると思います。ただ、時間が70分しかないのに色んなものを詰め込みすぎたので、NHKEテレの番組に思い入れを持っている人にしては物足りなかった人もいたのではないでしょうか。例えば、「ハッチポッチステーション」になぜグッチ裕三さんが出て来ないかとか、「できるかな」ののっぽさんは写真が出てもゴン太くんが出ないのはなぜかとか、なぜストレッチマンを無視するのか? というような事です。

しかし、今回のプログラムは寺田心くんを中心としたドラマから派生するストーリーの中で、歌のない世界から歌を解放するために封印された歌を見付けるという中で歌われるものなので、歌番組というより歌がちりばめられたドラマという感じで見れば楽しく見られたのではないかと思います。

恐らく、学校の授業の中でNHKEテレの番組を見たり、風邪を引いて学校を休んだ時にNHKEテレを見て楽しんだりした方も少なくないと思いますが、さすがに60年も教育番組を放送していれば多くの人に浸透することになり、唯一の例外として楽曲自体が爆発的に売れてしまった「だんご3兄弟」のような歌はあるものの、その多くは「セールスには結び付いていないが同世代ならみんな知っている歌」です。恐らく今年のうちにEテレの様々な60周年関連番組が作られるようになると思いますが、各世代が見た番組はそれぞれ違うと思いますし、今回の番組でも全く触れられなかった番組や歌も多くありましたので、今回の番組の存在が起爆剤になって様々な展開が起こってくると更に人々を懐かしい気分にさせてくれるのではないかなと思います。

ただ、今回の放送はお子さんに合わせたのか午前9時からということで、リアルタイムで見ていた人は少なかったのではないでしょうか。番組の途中にインターネット接続をしたテレビで遊べるコーナーがあったものの、これはちょっと録画民にとってはいらなかったかなと思います。双方向で遊べるというのが今のテレビではあるものの、それに固執しすぎるとリアルタイムで見られない人や、ワンセグ民も排除するように思われてしまいますので、その点も考えた上での番組作りを期待しています。

(番組データ)

「Eうた♪ココロの大冒険」キンプリ登場!豪華アーティストがEテレ名曲カバー
2019/01/01 09:00 ~ 2019/01/01 10:10 NHKEテレ
【出演】
寺田心,清野菜名,藤井隆,片桐はいり,加藤諒,佐藤二朗,染谷将太,YOU,いつもここから,Perfume,King&Prince,三浦大知,上白石萌歌,高橋優,クリープハイプほか

(番組内容)

「Eうた♪ココロの大冒険」キンプリ登場!豪華アーティストがEテレ名曲カバー
豪華!キンプリ、Perfume、ミセス、リトグリ、三浦大知がEテレの名曲をカバー!寺田心君主演の冒険ドラマに人形劇、データ放送も。Eテレの人気キャラが夢の共演!

これは立派な「最終回詐欺」ではないか?

すっかり日曜夜9時からのドラマ枠の中では人気を上げきた「下町ロケット」のシリーズですが、途中のコマーシャルでドラマそのまんまの「無人トラクター」の製品を紹介していることから、先にこうした製品ありきの脚本なのではないか(いわゆるタイアップ)と思えてきてしまうところです。ただそうした事はテレビの民放にはスポンサーがつきもので、そのスポンサーの思惑が番組の内容に影響を与えることが当り前だと思えば、そこまで問題にすることなくドラマの筋書きである「大逆転」のシナリオを素直に楽しめばいいと思い、今回の最終回で今まで溜まった鬱憤が全て晴れるだろうと思っていたのですが、最後まで律儀に見終わって、大いに裏切られたという感じです。

今回の内容は、最終回前の導入部のような感じで、決定的な問題解決ではなく、中途半端な最終回で、「帝国重工VSダーウィン」の争いも決着しませんし、新潟県燕市で米農家になった経理の殿村家対農業法人との決着については、その兆しすら見えないままドラマが終わってしまいました。

実は、年明けの1月2日に新春スペシャルとして今回の続きのドラマスペシャルが放送されるということなのですが、実質もなにも、最終回の内容は年明けにならないとわからないという事だけはわかりました(^^;)。よくある人気ドラマのスペシャル版というのは、本編とは関係ない脇役にスポットをあてたエピソードだったり、外伝的なものにすることで、それまで本編を楽しんだ人を違う側面から楽しませるために作るのが本筋だと思うのですが、これと同じことが大河ドラマで起こったとしたらどうなるでしょう。そんな事も考えてみたくなるのです。

今回のドラマ「下町ロケット」は、「最終回」であるとテレビ番組表や予告でも出されていただけに、実質的な最終回ではなかったということを考えた場合、立派な最終回詐欺であるのではないかと思えます。今回で全てのエピソードが解決すると信じてテレビを見ていた視聴者を莫迦にする行為であるということは認識しているのかと問いたくなりますが、もし1月2日のドラマが終わっても解決しない問題が出てきたりなんかしたら、今以上に気合いを入れてドラマを見ようと少なくとも自分は思わなくなるかも知れません。

テレビが人々の興味を引き付ける方法として、情報を小出しにして次回に期待させるという手法というのは当然あるわけですが、基本的なお約束として「最終回」なら「最終回」らしく、一応はそれまでの設定をきちんと処理して物語を終わらせるという事が大事だろうと思うのです。今回のような物語の進め方をするなら、今回を最終回とはせず、「新年最終回スペシャル」とでもして年またぎのキャンペーンを張ればいいだけの話で、今回のような事をすると逆に今回の話を見逃した人は、まさか新年スペシャルが実質的な最終回だとは知らずに見逃す人も出てくるかも知れません。

たとえどんな人気ドラマでも、ワンクールで一応物語の幕を閉じることが前提になるようにしないと、例えばドラマを二次利用する場合にもおかしなことになりかねません。もし今後、今回の「下町ロケット」を映像ソフト化する場合、純粋に第一回から最終回までという風に区切ると、その物語は今回で終わってしまうことになります。もちろんボーナストラックとして新春特別版も実際にソフト化する際には付けるのでしょうが、ソフトの方でも表記は今回の回が最終回となるわけですし、かなりややこしいことになるかも知れません。見るのは本編だけでいいとボーナストラックは外して見る人もいるかも知れません。

こういう手法は、見せ物小屋の呼びこみだけが達者で、中に入れた後の事まで考えていないようなものです。それは見に来る人の事を考えないで、自分の番組を見てくれさえすればそれを見て怒り出す人がいたとしても、口上に騙されて入場(テレビを見る)する方が悪いと居直るようなものでしょう。このドラマで言えば日本の農家の実情を全く見ないで大型トラクターを自分だけの力で早く出すことに固執した帝国重工の神田正輝扮する重役の的場の考えに近いのではないかと思うのですが。ドラマの内容が内容なだけに、今回の最終回詐欺とおぼしき番組の作り方には心底がっかりしました。

(番組データ)

日曜劇場「下町ロケット」最終回!佃VS帝国重工全面対決…下町プライド最後の大逆転 TBS
12/23 (日) 21:00 ~ 22:09 (69分)

・出演者
阿部寛、土屋太鳳、竹内涼真、安田顕、徳重聡、和田聰宏、今野浩喜、中本賢、谷田歩、馬場徹、立石涼子、朝倉あき、宮尾俊太郎、山田悠介、松川尚瑠輝、菅谷哲也、菅野莉央、原アンナ◇イモトアヤコ、真矢ミキ、森崎博之、福澤朗、品川徹、森次晃嗣、岡田浩暉、高橋努、古川雄大、モロ師岡◇古舘伊知郎、甲本雅裕、木下ほうか、工藤夕貴、山本學、倍賞美津子、尾上菊之助、立川談春、神田正輝、吉川晃司、杉良太郎

・原作
池井戸潤「下町ロケット ヤタガラス」(小学館刊)

・脚本
丑尾健太郎

・音楽
服部隆之 ※隆は生の上に一

・ナレーション
松平定知

・プロデューサー
伊與田英徳 峠田 浩

・演出
福澤克雄 田中健太

(番組内容)
[終]ライバルに先手を打たれ、苦戦する帝国重工…打ち出したのは、またもや突然の内製化!?帝国重工と最後のスペック対決…下町プライドで最後の大逆転を見せろ!

懸命にモノづくりに挑む佃(阿部寛)率いる佃製作所。彼らの想いに共鳴した島津(イモトアヤコ)も佃製作所に加わったのだった。そして迎えた首相視察。観客からも首相からも全く相手にされず、トラブルで立ち往生してしまうアルファ1。さらには帝国重工から湧き上がる内製化の声に佃達は頭を悩ませる。そしてついに佃製作所と帝国重工の最後の戦いが始まる。日本の農業を救うために前に進み続ける男たちの姿を見逃すな!!

テレビ番組を踏み台に利用しようとする人の戦略に乗るな

過去にはレギュラー番組だった「しくじり先生」ですが、それなりにインパクトのある人選を続けることは難しいため、レギュラー番組としてではなくスペシャル番組として続いているのですが、今回の人選はちょっとインパクトに欠けたばかりか、出演者の中で宮崎謙介・金子恵美夫妻が出演したことに、何やらきなくさい思いを感じた人は少なからずいたのではないでしょうか。というのも、「しくじり先生」の2日前(2018/12/11)にBSテレ東の午後7時から放送された「4Kでオジサンを撮ったらこうなった おしゃべりオジサンと怒れる日本人」という番組の中で、ちょっと興味深い指摘があったこともそんな風に考えることになった一因でした。

肩書が「選挙戦略家」と言う鈴鹿久美子氏がゲストとしてBSテレ東の番組に出演し、2018年下半期の色んな謝罪会見を解説していたのですが、正しい謝罪会見の仕方を話している中で、番組放送当時に話題になっていた相撲の親方を引退した元・貴乃花親方がもし翌年の国政選挙に出るためにプロデュースをお願いされるとしたらどうするか? という質問に鈴鹿氏が答えていたのですが、その中で、相撲界で迷惑を掛けた人達にきちんとお詫びをした上でテレビのコメンテーターになって顔を売り、来たる国政選挙に備えるように指導すると述べていました。さらに、今来年の選挙を見据えて鈴鹿氏のような選挙戦略家にお願いしている人(タレントや有名人)はいるのかということは番組MCの古舘伊知郎さんや千原ジュニアさんも気になるようでしたが、まさに今回の「しくじり先生」に出演して誰に対してというより国民に向かって謝罪し、夫婦仲の良さをアピールした宮崎謙介・金子恵美夫妻こそそんな感じではないかと、正直今回の出演シーンを見て思ってしまったのです。

実際、ここで書くことは予言者の書ではないので、番組に出たご夫妻の意図は別にあり、選挙には出ないでタレントとして食べていく気なのかも知れません。それならそれでことさら問題とする気もありません。ただ、来年になって夫妻の両方が選挙に出たり、それとも金子氏が出て宮崎氏が番組内容をなぞるような応援行脚をするのか、まさかのその逆なのかはわかりませんが、本当に選挙にどこかの政党から出馬したとしたら、今回の番組出演がマスコミに顔の効く、有名な選挙プランナーが付いて番組の出演時に何を言ってどういう態度で望むべきかということまでレクチャーしているのではと疑うことも出てきてしまいます。

それにつけても思うのは、日本のテレビというのは一方で人を完膚なきまでに叩いておきながら、その人のパーソナリティーがテレビ向きだとわかると、過去に何をやった人かということとは関係なくテレビにウェルカムで迎える関係者がいるという事実です。宮崎氏についても、自分の子供が生まれる直前、配偶者である金子氏の出産前後に浮気相手とホテルに行っていたわけですから、金子氏がいくらテレビとは言え、番組で穏やかに「全て許す」と話すこと自体がおかしいことですし、普通に考えて何らかの裏があると考える方が人間として健全だろうと思います。それが、生徒役のタレントの中には涙を見せながら話を聞いている人もいましたので、そんなに簡単に人は人を許せるものなのかと思えてきてしまいました。

また最近のテレビでは、あえて悪者としてバッシングされた日本アマチュアボクシング連盟対会長の山根明氏のタレント化が一部で良く見られるようになり、その後の報道の中では復活を狙っているのではないかというものもあるようです。その動きに恐怖を感じた今の日本アマチュアボクシング界は山根氏を永久追放するような形を取ろうと動いています。それもこれも、一時は関係者や選手を恫喝するだけでなく、公式戦の判定も変えさせてしまった疑惑があり、東京オリンピックのボクシング競技の開催すら危ぶまれている中でのテレビで山根氏を面白おかしく紹介するテレビの能天気さというのは、「世界の果てまでイッテQ!」のヤラセ祭り疑惑などよりも大きな問題として語られるべきだと思うのです。

今後、「しくじり先生」がかつて権力を持っていた芸能人や有名人の禊の場として、ここできちんと報告して謝ったから復活できるんだと思うような人ばかり出演させるようになったら、テレビ朝日が報道番組で盛んに行なっている反権力のスタンスとは何なのか、改めて問われるのではないかと思います。少なくとも、この番組に出てくるような人は、自力で復活してきた人が改めて騒動の時に何があったのかを告白し、自分と同じような失敗をしないで欲しいという気がないと、出ては駄目だろうと思います。番組関係者の方々は、そうした事も考えながら出演者の選定をて欲しいです。

(番組データ)

しくじり先生 俺みたいになるな!! 2時間スペシャル
2018/12/14 20:00 ~ 2018/12/14 21:48 (108分)
【担任】若林正恭(オードリー)
【レギュラー生徒】吉村崇(平成ノブシコブシ)
【先生】南海キャンディーズ(山里亮太・山崎静代)・宮崎謙介・金子恵美
【生徒】あき竹城・安藤なつ(メイプル超合金)・伊集院光・ISSA・梅沢富美男・澤部佑(ハライチ)・杉浦太陽・高橋ユウ・高山一実(乃木坂46)・北斗晶・湯川玲菜(劇団4ドル50セント)

(番組内容)

過去に大きな失敗を体験した“しくじり先生”が生徒たちにしくじった経験を教える反面教師バラエティ番組「しくじり先生」!今回は2時間SPとして南海キャンディーズと宮崎謙介&金子恵美元議員夫妻による熱血授業を開講します!次々飛び出す驚愕エピソードに教室が震撼!そして授業の最後には先生たちによる熱いメッセージで教室は感動の嵐に!お楽しみに!

■南海キャンディーズ・・・「すぐ自分と人を比べて嫉妬してコンビもメンタルも崩壊しちゃった先生」 お笑い芸人の南海キャンディーズが登壇!コンビ結成してすぐにM-1で準優勝し大ブレイク。しかし注目されたのは“しずちゃん”だけ。すると山里亮太は嫉妬心からしずちゃんに対して嫌がらせ攻撃を開始。一時はコンビ解散の危機にまで陥ったと告白。そこで、自分と他人を比べて嫉妬し人間関係を崩壊させないための授業を展開!

■宮崎謙介&金子恵美・・・「不倫して妻と国民を裏切っちゃった元議員先生」 2016年に不倫で世間を騒がせた元国会議員の宮崎謙介が登壇。今回は宮崎謙介本人が不倫騒動の一部始終を語るだけでなく、今までどこにも話していない新事実を告白します!さらに、妻である金子恵美がその時どう思っていたのか?その心情を赤裸々に激白!不倫して人生を台無しにしないための授業をお届けします!

渡る世間も「橋田壽賀子」<「クィーン」なのか

今回の内容はたまたま番組宣伝で知り、実は昔からクィーンは聴き込んできたので、地上波でクィーンがどのような扱われ方をするのかということに興味があり、録画で見ました。なぜ録画で見たかというと、今の日本のテレビの世界を考えた時に番組MCの坂上忍さんが、直接脚本家の橋田壽賀子さんのお宅を訪れてインタビューするという方がインパクトがあると思い、クィーンの話は後回しにされると思ったからです。

もし日本の芸能界で橋田壽賀子さんに対抗するだけの人をクィーンに関わった人物の中で挙げるとすれば渡辺プロダクションの渡辺美佐氏以外には考えられず、もし番組で渡辺美佐氏のインタビューが取れたならクィーンを先に出すのかなと思っていたのですが、事前に確認した中でも、実際に見た中でも個別に渡辺プロも渡辺美佐氏の存在も紹介していなかったのに、クィーンを最初に持ってきたというのには、それだけ日本でも映画「ボヘミアン・ラプソディ」がヒットしていることで、視聴者の興味という点で勝った以外には考えられず、改めてクィーンの魅力とは何かということを考えさせられる番組の半分を使った特集になっていました。

ただ、この点というのは番組として見るといかにも放送されている今を切り取って流行りにおもねっているという感じが拭えないものがあります。その分、特集の内容も薄っぺらく感じてしまう方も少なからずいたかも知れませんが、あの映画がなかったらわざわざ地上波でクィーンの事が取り上げられなかったと思い、改めて今回のクィーンの特集に限っての内容の感想を書くことにしました。

今回の特集のポイントとしては、映画には描かれなかった日本でのクィーンのデビュー当時の人気ぶりと、日本の骨董や文化を愛したメンバーの姿を紹介したことと、フジテレビのライブラリの中から「夜のヒットスタジオ」にフレディを除くメンバーがライブ告知のために出演した映像と、当時のFNNのニュース報道でフレディのエイズ感染と訃報がどのように伝えられたかということを改めて紹介してくれたことがあると思います。

さらに、当時のボディーガードや、フレディが来日した際によく訪れたというバー(新宿二丁目か?)のマスター、栃木県足利市にある伊万里焼を集めた栗田美術館の館長さんへのインタビューなど、日本のテレビでなければ見られないオフのフレディの様子を知れたのもファンにとっては嬉しいことだったでしょう。でも個人的にはもう少しディープな話題も教えてくれた方が、特に今回の映画で初めてクィーンを知った人にとってはさらに興味が出るでしょうし、ナベプロがなぜ日本でのクィーンの売り出しに関わったのか? ということについてもしっかりと出してくれたらなお良かったという風に思います。

ただ、クィーンはデビュー当初こそスーパースター扱いであったかも知れませんが、ビートルズのように出す曲が全て1位になるわけでもなく、そこまで今のような勢いで売れ続けていたわけでもなく、当時のラジオチャートでもABBAの後塵を拝していたような印象もあります。ただそれは、表立ってはラジオにハガキを送ったりはしないけれど、気になって楽曲は聴いていて密かに支持していた層によって現在の日本での知名度が形作られていったように思います。

というのも、当時洋楽のチャートを聴いていた人が大人になり、それなりに現場で流す音楽やコマーシャルの後ろで流す音楽を決められる地位に付いたと思われる感じで、クィーンの過去のヒット曲がコマーシャルやドラマの中で使われるようになり、そこで新たなファンを獲得するような流れが出てきたのです。それが、番組でも言われている「楽曲の力」ということにあるのでしょうが、さらに言えるのが、緻密な音作りというものが密かに多くの男性にも支持を受けていたところもあり、そうした緻密な音の編集作業というのは、クィーンのメンバーが揃って高学歴のインテリバンドであったことにも由来するのではないかと思うのです。本来はそうした点こそ、テレビ界やCM界の関係者へのパイプを持っているテレビ局の得意とするところだと思うのですが、今回はそういう話も聞けなかったのは残念でした。

あと、これは番組には関係ない話ではありますが、クィーンの魅力一つと考えるところを最後に紹介させていただきます。私が過去に読んだメンバーへのインタビューの中で、確か「バイシクル・レース」や「ドント・ストップ・ミー・ナウ」の入ったアルバム「ジャズ」(1978)が出た後だったと思うのですが、ドラムスのロジャー・テイラーに日本の音楽(特にドラムス)の評価は? という質問に彼がツトム・ヤマシタ氏(当時グラミー賞にノミネートされた打楽器奏者)とともに挙げたのが山下洋輔トリオだったのにはびっくりしました。

今でこそ山下洋輔さんはジャズ界の重鎮ですが、ツトム・ヤマシタ氏のような海外での知名度という点では当時それほど高くなかったと思います。ただ、70年代には山下洋輔(pf)・坂田明(sax)・森山威男(ds)というトリオでのヨーロッパツアーの様子をライブ録音した「クレイ」というアルバムが出ており、ロジャー・テイラーはもしかしたらそのアルバムを取り寄せて聴いていたのかも知れません。その中での森山威男さんのドラミングは素晴しいもので、森山さんが日本が世界に誇ることができるドラマーの一人であると私自身信じて疑わないのですが、まさかロックバンドであるクィーンのロジャー・テイラーの口からその言葉が出るというのは、いかに広い範囲で音楽を聴きながら研究をしているかということの現われではないかと思ったものです。

番組ではそのロジャー・テイラーの作った「レディオ・ガガ」が対訳付きで長く紹介されていましたが、4人のメンバーが全てビックヒットを作ったメロディメーカーであったことも、バンドとしてその生命を全うした理由の一つであろうと思います。

今後、映画のヒットと共にさらに彼らに関するテレビ番組は作られるかも知れませんが、まだまだネタは多くの関係者が持っていると思うので、どこかのテレビ局が特集を組むとしたら、今回の内容とは違う内容で踏み込むか、それこそ渡辺美佐氏に直接話を聞きに行くとか、面白い趣向でやってくれることを期待しています。

(番組データ)

直撃!シンソウ坂上SP【クイーン特集!秘蔵映像&フレディの真相▽橋田壽賀子】
2018/12/13 19:57 ~ 2018/12/13 21:54 (117分)
【MC】 坂上忍
【VTR出演】 橋田壽賀子 他
【チーフプロデューサー】 小仲正重
【総合演出】 島本亮
【ゼネラルプロデューサー】 石塚大志
【プロデューサー】 挾間英行  大川友也
【演出】 山崎貴博
【制作】 フジテレビ 第二制作室

(番組内容)

クイーンはなぜ愛されるのか?日本との意外な絆&フレディ最後の5年に迫る!名曲に込めたメッセージ▽橋田壽賀子“安楽死宣言”の真相!夫の遺産3億に衝撃事実

今夜の『直撃!シンソウ坂上2時間SP』では、『おしん』『渡る世間は鬼ばかり』など数々のヒットドラマを生み出してきた脚本家・橋田壽賀子がたどりついた独自の人生観に、子役時代に橋田作品への出演経験もある坂上忍が迫る!彼女が「私の時代は終わった」と語った真意や、知られざる最愛の夫との出会いと別れ、『おしん』や『渡る世間は鬼ばかり』の驚きの誕生秘話、さらに社会に衝撃を与えた「安楽死宣言」の真相まで、橋田が語り尽くす。

また、公開中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットによりブームになっている伝説のロックバンド「クイーン」。彼らがなぜ日本人に愛されたのか、そしてなぜ彼らが日本人を愛したのか、秘蔵映像を交えひもといていく。

「相席食堂」を一気に見て気付いたこと

東京でも大阪でもない地方に住んでいる身としては一番残念なのがリアルタイムで多くの人が見ているであろう「関東ローカル」や「関西ローカル」の番組を見られないということがあるのですが、たまたまレギュラー化前の漫才コンビ千鳥の初の冠番組という「相席食堂」のスペシャル版(朝日放送テレビ)を見たことでこのブログに書いたものの、本放送の放送がなくがっかりしていたところ、まさかの「アマゾンプライムビデオ」での一気の配信が行なわれたことで、レギュラー化なった番組を一気に見てしまいました。

アマゾンプライムビデオのことをご存じない方のために少々説明すると、何も設定をしないで続き物の番組の再生を始めると、番組終了とともに次回の番組の配信準備が始まり、そのままにしているとすぐに次の回が始まってしまうような事が起こるのです。今回はそんな感じで、あえて止める気もしなかったので一気に2018年4月8日放送の第一回目から同年6月10日放送の第10回目までを一気に見ました。

そこで気付いたことは、番組の方式は「笑神様は突然に」と同じ、VTRを見ながら気になった所でストップしてトークするというスタイルではあるのですが、そこは関西ローカルらしく、ゲストは出演せずにサインだけセットに残して帰るという体で、主に千鳥の2人がVTRに出演している反論してこないゲストに思いっ切りツッコミを入れることで、スタジオの圧倒的な優位性が際立つものになります。

ただそこは闇雲にゲストをディスってばかりでは全く面白くなくなってしまいますので、色々な意味でツッコミどころ満載の厳選されたゲストをどのように一方通行の中で面白く見せるように千鳥のお二人がいじっていくかというのが番組の見所となっていきます。あくまで個人的な意見ですが、それなりにロケをこなしてこだわりもありそうな千原せいじさんや間寛平さん、横澤夏子さんも面白いですが、こうした旅に全く慣れていないかたせ梨乃さんや武井壮さん、そして出てきただけで千鳥のお二人から突っ込まれたコロコロチキンペッパーズのナダルさんのようなゲスト傾向の方が千鳥のお二人のVTRを見る目が輝いているようで(^^;)、これがこの番組の人気の秘密なのではないかという気もします。

テレビというものは不思議なもので、出演してそれらしく喋りができていれば、どんな番組でもできそうな感じもするのですが、全くのノープランで人と接して「相席」することが必須ということになると、作られたネタやシナリオを覚え込んで披露することには長けていても、人見知りだったり性格が極端に悪いとかで素人とからむと不自然な面が出てしまったりするところがまず面白いわけです。さらに、その面白さがすぐには伝わらなくても、詳しく千鳥のお二人が解説し、どうした方がさらに面白VTRになるのかまで話してくれるわけですから面白いだけでなく同じような地方の旅番組を作っている人にとっても有益な情報だったりするのです。

個人的にはそれが、業界内視聴率が高いという理由になるのかも知れませんが、まだプライムビデオで見られるのは第10回までという事なので、今後の配信によってさらにツッコミどころ満載なゲストも旅をしているようですし、次回の配信を期待して待ちたいところです。

「細かすぎて伝わらないモノマネ」を演者と関係ない所で潰すな

まずは、ユーチューブにアップされている以下の動画を視聴環境のある方はぜひご覧頂きたいと思います。

これは、私の住む静岡県のエリアにしているスーパーチェーン「ヒバリヤ」のテレビコマーシャルなのですが、最後に出てくる店員さんは実は本物ではなく、お笑いコンビ「アップダウン」の阿部浩貴さんで、コマーシャルソングを歌っている相方の竹森巧さんとともに、スーパーのビーアールに一役買っているというわけです。

なぜ地方の一介のスーパーのコマーシャルにこの二人が抜擢されたのでしょうか。別にこの二人は地元出身なわけでも、吉本興業でよくある全国各地の地元で活動していたわけでも、静岡県で局地的な人気があったわけでもありません。

それは、過去に放送された「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で映像の最後に出てきた阿部浩貴さんが経堂駅前のコンビニの店員のモノマネ(「いらっしゃいませ」が「エアロスミス」に聞こえる)をやって見事に優勝し、そこで知名度が一気に上がったため、今回のコマーシャルでは実際に音楽活動をしていて楽曲のクオリティも相当高い相方の竹森巧さんに音楽を依頼してのコマーシャル製作になったということになります。これは地方のコマーシャルとしてはかなり出来がいいのではないかと思っていて、特に竹森さんのCMソングの出来映えに感心するのですが、それもこれも阿部浩貴さんの「エアロスミス」のネタで全国的な知名度を獲得したことが素地になっています。

こんな話から始めましたが、この「細かすぎて伝わらないモノマネ」の番組というのは、単にとんねるずの冠番組という枠を越えて、多くの人が今もユーチューブで見ても楽しめる、テレビや動画の視聴に適した画期的な企画のように私個人は考えています。いわゆる若手芸人の「ネタ見せ」番組よりも短い間に笑いを取る一発芸の才能が求められますし、こうした一発ネタを複数持っていれば、困ったらそうしたネタでつないでもテレビではそれ見たさについつい見てしまうということにもなるので、今後テレビで人気者になりたいという人はプロ・素人問わずに新たに「細かすぎて伝わらないモノマネ」に出られるだけの一発芸を開発し、その面白さをテレビを見ている人に伝えたいと思っているに違いありません。

実はこの番組の放送前に、ある一つの番組に関する話題がありました。今回の番組にとんねるずの木梨憲武さん、くりいむしちゅーの有田哲平さん、そして関根勤さんが出演されないのは、フジテレビのスタッフが元々とんねるずの冠番組の一コーナーであった企画だけを一つの番組にするのは、「終了した番組の1コーナーをそれだけ切り取って復活させるのはおかしい」と木梨さんが異を唱えて出演オファーを断り、それに有田さんと関根さんも同調したというのですが、細かいところでこの話が本当なのかどうかは良くわかりません。

これはあくまでテレビを見て楽しみたいという立場で書き連ねているブログですから、そうした出演者とスタッフとの間でのドロドロしたくだりには全く興味はなく、短い時間で多くの練られた細かいネタを見せてくれ、さらに東京や大阪など現地の会場に行かないと見られないような人達がテレビで見られるという機会を潰さないで欲しいとただただ思うのです。

確かに自分の番組で皆で作ってきたコーナーを横取りされるような気分で今回出なかった人達は出演拒否をしたのかも知れませんが、それではこの日に出演した多くの無名の出演者たちがテレビに出る機会を奪ってしまうことにも繋がりかねません。今回は特番が放送されたことで、「とんねるずの二人に亀裂か?」というような騒ぎになってしまいましたが、別に今回出演拒否したとされる人がいなくても十分盛り上がりましたし、視聴者の興味はもはやテレビから動画の世界に移りつつあることを考えると、こうした良質な企画というのは番組の終焉とともに葬り去るかのような考えというのはテレビにとってどうなのでしょう?

番組内では「一夜限り」という言葉も出ていたようですが、単にこの番組はフジテレビの視聴率のためだけではなく、若手芸人の登竜門としてのものだけでもなく、まだ私たちが見る機会のない未知の才能の発掘場所として、最初に紹介したような地方のテレビ局やクライアントが注目していることも忘れないでいただきたいものです。

(番組データ)

土曜プレミアム・ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ フジテレビ
2018/11/24 21:00 ~ 2018/11/24 23:10 (130分)
【出演者】石橋貴明  バナナマン  今田美桜  細かすぎて伝わらない芸人の皆様
【演出】 鈴木靖広
【チーフプロデューサー】 太田一平

(番組内容)

今宵アノ名物爆笑企画が一夜限りSP番組化!全国巨大オーディション選抜の総勢122名、おなじみ大人気常連&驚異の新人大量参戦で今田美桜も笑いっ放しの超豪華版

あまりに「細かすぎる」が故に、笑いにはなりにくいと思われてきたマニアックなモノマネや、アンダーグラウンドな芸にも光を当て、お笑い芸人、モノマネ芸人の登竜門ともいえる存在にもなった人気企画『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』。  今回、視聴者の皆様からの熱い要望に応えるべく、出演者の1人であった石橋貴明主宰で、フレッシュな顔ぶれも新たに加わり、まったく新しい番組として2時間超えのスペシャルが実現しました。延べ3カ月に及ぶ厳しい全国一大オーディションを勝ち上がってきたのは、おなじみのベテランモノマネ芸人から新人まで、総勢およそ50組。常連出演者が安定した“鉄板”芸を見せる一方で、新人がまったく予想もつかないシュールなモノマネを展開するなど爆笑の連続。果たしてファイナリストに残り、優勝を勝ち取るのは円熟のベテラン芸人か?新しい笑いを作り出すニューカマーか?

「TKJPヘビー級選手権」とは?

昨年の11月11日に放送されたBSフジの11時間テレビはこのブログでも紹介したように、一部の人達の熱狂的な支持を受けたことは記憶に新しいですが、そのため一応今年の11月11日にテレビ欄を見て今年も11時間テレビをやらないことを確認し、ちょっとがっかりしたもののやはりというか土曜日の午前中から同じ11時間テレビを仕掛けるのはさすがでした。

この番組の母体として安定した人気を持つ「クイズ!脳ベルSHOW」は連日再放送を含めて放送されており、そこで改めて生存が確認されたり、その言動の面白さを再確認したりする往年のスターが発掘されるという実に昭和的な番組を面白くするシステムが発動しており、それが今回の番組にも生かされていると感じるところが多くありました。

基本は全国をブロックに分けてその地方同士のクイズ合戦ということになるのですが、優勝賞品が「米一俵」という相変わらずのショボさで、出演者もクイズの成績がどうこうではなく心ゆくまで番組を楽しんでいることが見ていて伝わってきました。

まず最初のこの番組のポイントとして挙げなければならないのは、クイズの箸休めとして出演者がお客さんとして座席を埋めた演芸大会に出てきた往年の漫才コンビ「B&B」の進行を無視した往年の漫才披露にありました。島田洋七さんのしゃべくりの力はいささかも衰えず、相方の島田洋八さんが「もうええわ」と適当なところで終わらせようと思っても洋七さんが終わらせてくれず、どうでもいい話をどんどん続けていくところは、まさにかつての漫才ブームの頃の様子を彷彿とさせるこの番組の大きな見どころだったように思います。このために最後がぐだぐだになってしまったことはあるかも知れませんが、B&Bは健在であることを示してくれたことは嬉しく、ぜひまたお二人の漫才を聞く機会があればと思います。

そして、やはり今回も触れなければならないのが往年のプロレスファンとしてはちょっと考えられないような顔合せが起こった表題の「TKJPヘビー級選手権」です(^^)。この言葉は実は番組の中で実況アナウンスをかみまくりながらしていた元・テレビ朝日アナウンサー佐々木正洋さん(アントニオ猪木さんに試合前のインタビューに行き激怒され最初にビンタを食らったアナウンサー)の造語です。具体的には、

「T」…叩いて
「K」…かぶって
「J」…じゃんけん
「P」…ポン

の略称です(^^;)。改めて説明するまでもないですが、昨年と同様に赤青のヘルメットにピコピコハンマーがリングの中に用意され、過去に因縁があるはずの男達が大真面目にこのゲームに興じるさまは2年連続同じことをやっているにも関わらず、当日の最大のメインイベントだったように思います。

前年と比べての変化は、まず長州力さんがゲームの対策をして防御がうまくなっているだけでなく巧みに相手の心を揺さぶったり脅しをかけたりして、相手の動揺を誘うというかなり高度なテクニックをもって対武藤敬司戦、対前田日明戦、対蝶野正洋戦を戦い抜いたのが強烈に印象に残りました。

というのも、普通の人が出すじゃんけんのチョキは人差し指と中指を使った「ピースサイン」がほとんどだと思いますが、長州力さんの出す「チョキ」は親指と人差し指をのばす通称「田舎チョキ」と言われるもので、最初に出したのがその「田舎チョキ」だったことでまず試合がストップし大笑いになったのです。その後、長州さんは田舎チョキを出し続けたのですが、それはどうもわざと負けてすぐにヘルメットをかぶって防御をする作戦だったように感じました。

そして、相手にグーを出させておいてパーを出して勝つと、一気に優勢に転じ現役時代のパワーそのものという感じでヘルメットとハンマーを置いている机の上を乗り越えて相手をめった打ちにしに行くというパターンを繰り返しました。この様子を見ていて実際に長州力さんの攻勢をまともにくらった最終戦の蝶野正洋さんはあわててリング下に逃げ出してしまい(^^;)、最後には長州力さんが前年から引き続きチャンピオンに輝きました。

その中で長州さんが何と「ベルトが欲しい」と言い出し、司会の岡田さんが来年の開催時にはベルトを用意すると言ったので、少なくとも来年の11月にも番組が作られ、そのコーナーの一つとして「TKJPヘビー級選手権」が行なわれることは確かではないでしょうか。

これからまた一年間、通常のレギュラー放送の中で新たな個性的なメンバーがその才能を発揮したら、クイズ出演者だけでなく長州力対武藤敬司・前田日明・蝶野正洋というメンツ以外にもさらに遺恨のある人物が出てくる可能性もありますし、いい大人が真面目にふざける「茶番」には違いありませんが(^^;)、その茶番をおおらかな目で見て笑うということができるのもBSというゆるい放送枠でこそのものではないでしょうか。今後もAbemaに負けないエンターテインメントを年一回、期待して待っている一部の人達に届けていただきたいと切に思います。出演者の皆様およびスタッフの方、11時間お疲れ様でした。

(番組データ)

BSフジ11時間テレビ2018 全国対抗!脳トレ生合戦!! BSフジ
2018/11/17 11:00 ~ 018/11/17 22:00(660分)
【司会】岡田圭右(ますだおかだ) 川野良子(フジテレビアナウンサー)
【解答者】あいざき進也 麻丘めぐみ あべ静江 アキ 伊藤榮子 氏神一番 うつみ宮土理 扇ひろ子 大沢逸美 岡まゆみ 葛城ユキ カルーセル麻紀 神奈月 岸田敏志 北原ミレイ 国生さゆり 小桜京子 斎藤洋介 桜木健一 沢田亜矢子 獣神サンダー・ライガー シェリー 高橋名人 田中健 田中星児 谷隼人 西村知美 ビートきよし ピーター 船木誠勝 堀ちえみ 松村雄基 マリアン 森口博子 山下真司 山本晋也 若林豪 渡辺正行
【ゲスト】藤巻潤 堀田眞三 寺田理恵子 福井謙二 牧原俊幸 大木凡人 BORO 丸の内合唱団 水木一郎 ささきいさお 橋幸夫 森脇健児 ミスターマリック トランプマン すず風にゃんこ・金魚 酒井くにお・とおる B&B ぼんちおさむ 水前寺清子 長州力 武藤敬司 前田日明 蝶野正洋 佐々木正洋 田中ケロ にしきのあきら 松岡きっこ 裕子と弥生 リリーズ こまどり姉妹 JAGUAR 江藤博利 加門亮 島崎俊郎(全ての出演者ではありません)
【企画・編成】谷口大二
【構成】林田晋一/鈴木悟志
【クイズ監修】道蔦岳史
【プロデューサー】小沢英治
【総合演出】丸林徳昭
【制作協力】ディ・コンプレックス ニュー・ジェネレーション ロジック
【制作著作】:BSフジ

(番組内容)

現在、月金曜日22:00~22:55放送中の『クイズ!脳ベルSHOW』をベースに「誕生」をテーマにした大型生放送特番。演芸、歌謡コーナーなどなど、おなじみの脳活性化クイズだけでなく笑いや歌でも脳を活性化しちゃう11時間!出演者は47都道府県・6ブロックを代表する有名人の皆様!トーナメント方式で優勝を競います!第1部は北海道・東北チームと九州・沖縄チームの登場です。

ところどころにスペシャルゲストが登場!オープニングから登場するのでスタートからお見逃しなく! 80年代の人気番組の大ヒット企画・山田邦子のひょうきん絵描き歌がスタジオで実現!?あるなし曲を歌う丸の内合唱団の生歌も聞けちゃいますよ~♪ そして「脳ベルSHOW」ではおなじみ「脳ベルダービー」はもちろんあります!誰が早押しに挑戦するかは見てのお楽しみ!

インフォメーションコーナーでは、視聴者の皆様から寄せられたメッセージをご紹介します!奮ってご応募ください。 目玉企画のお台場障害物マラソンではあのマラソンランナーが駆け抜ける!果たしてランナーは無事ゴールへ辿り着くことができるのか?! そして番組の所々に豪華商品が当たるプレゼントクイズのキーワードが発表されます。キーワードを確認して番組最後のプレゼントクイズに挑戦してみてください!

第2部は近畿チームと関東・甲信越チームが激突!今回もスペシャルゲストが続々登場! VTRクイズでは懐かしの3年B組金八先生シリーズ風ドラマで禁断の恋が…!? そしてもちろん「脳ベルダービー」のコーナーもあります! クイズの合間には脳をリフレッシュ!「脳ベル演芸SHOW」のコーナーもあります。

第3部は北陸・東海チームと中国・四国チームが激突! そして敗者復活戦で勝ち残るのはどのチームなのか!SPコーナーではMr.マリックとトランプマンが夢の共演対決!みなさん、手品の仕掛けわかりますか? 続いては注目の4KPR企画!ガチャピンとムックがスタジオに駆けつけ盛り上げてくれますよ。 皆様からのメッセージも大募集!インフォメーションコーナーを設けてご紹介しちゃいます。第3部も「脳ベルダービー」は続きます! SPコーナーでは、プロレスラー長州力・武藤敬司・前田日明が登場!リング上でどんな対決が繰り広げられるのか!? 第3部にも豪華商品があたるプレゼントクイズのキーワード発表がありますよ!お見逃しなく!

第4部はついに決勝戦! MC岡田圭右の50回目の誕生日も盛大にお祝いしちゃいますよ~!  「脳ベルヒットスタジオ」のコーナーでは、豪華ゲストの皆さんが懐かしのヒット歌謡曲を生披露!岡田圭右・川野良子アナの生の歌声とダンスにもご注目ください♪ おなじみ「脳ベルダービー」のコーナーももちろんあります。 SPコーナーでは、またまたプロレスラーが登場!長州力・武藤敬司に加えて蝶野正洋が参戦!リングでどのような戦いが繰り広げられるのか!? そしてドッキリ企画お宝ハウマッチ! あの芸能人のあのお宝のお値段は? 脳ベルSHOWの締め括りは”すごろく大逆転” 運を味方につけて優勝するのは一体どのチームなのか! 豪華商品があたるプレゼントクイズのキーワード発表もあります。メモを取るのを忘れずに! 11時間テレビも終盤。岡田さんと川野アナ大丈夫かな…ポロリ連発してないかな… 皆さんも岡田さんと川野アナを応援しながら第4部を是非是非最後までお楽しみください。

いつから「ゆるキャラグランプリ」が国民の関心事になったのか

この文章の最後にまとめてある「番組内容」の中には出てきませんが、当日のニュースの中に「ゆるキャラグランプリで特定の市が組織票を大量に投票している」ということがニュース種になっていました。この「ゆるキャラグランプリ」というのは、一年に一回ネットからの投票によってエントリーしたご当地のキャラクターの一番を決めるイベントなのですが、今年の投票についてのみクレームを付けるような形で報道することにまずは違和感を覚えてしまいます。

この「ゆるキャラグランプリ」は2010年から開始されましたが、投票がインターネットに一本化された2011年から組織票についてのニュースはちゃんと出ていました。もっとも、当時は組織票といってもあまりに自治体がゴリ押しして一位を取ってしまいそうなキャラへの組織票ではなく、どう見ても一位は取れなさそうな変なキャラクターをネット民の力で一位にして、お金を掛けてキャラクターを作って「町おこし」のために活躍してもらおうという自治体や広告代理店の考えを粉砕するために、東京・西国分寺の有志が作ったキャラ「にしこくん」に大量に投票し、その時に二位だった「くまモン」がいくら組織票を入れても届かないほどのネット投票をしたことで話題になったのです。

今回、2018年の四日市市のゆるキャラ「こにゅうどうくん」への組織票については、他の自治体などが今までさんざん行なってきた事なのでさすがに手は加えないようですが、2011年の「にしこくん」に対しては得票の8割を無効にするという、まさに第一位は「くまモン」に決まっている出来レースだったかのような処置が取られ、結局「にしこくん」は第三位に留まりました。当然、当時の熊本県庁や関連の団体による多くの投票はあり、くまモンへの投票を呼び掛けるためにそれなりのお金が使われたはずですが、その事は問題にもされませんでした。

さらに、2015年のグランプリを取った静岡県浜松市のキャラ「出世大名家康くん」についても、その一昨年の2013年に栃木県佐野市の「さのまる」に逆転され第二位になった恨みを晴らすかのように、大手広告代理店とのタイアップで市民に「毎日投票」と呼び掛け、さらに開催地を誘致してまでも組織票による投票や現地での一大キャンペーンを繰り広げ、念願のグランプリを取ったのですが、そのために3年もかけて税金をいくら使ったのかということを考えると、今回の四日市市の事など比較にならない組織とお金が動いていたものと思われます。この辺をきちんと取材して報道していれば良いレポートとして評価もできるのですが、今回のようなニュアンスで当時NHKが伝えたようには全く記憶していません。

さらに今回のNHKによるニュースが姑息だと思ったのは、ニュース番組なのに面白おかしく伝えようとしたのか、記者が電話で「くまモン」にこの件についてのインタビューを取ろうとして熊本県町に電話して、担当者が「くまモンは小さい子で喋れないので私が代理で……」と語せるようなくだりがあったことです。現在のくまモンの人気がどうということではなく、最初の取り決めで言えば2011年のゆるキャラグランプリは「にしこくん」に譲らねばならなかったはずの「くまモン」を引き合いに出す事自体がきちんと問題の本質に向き合おうとしないNHKの立場を表していると言えるでしょう。

そもそも「ゆるキャラ」というのは漫画家のみうらじゅん氏が付けた名称で、決してお金を掛けてデザインや宣伝を外部に委託してクオリティを上げたキャラクターを作るものではなく、お金のない自治体や団体が担当者の考えたとてもクオリティが低いデザインを形にすることで、何とも言えずほのぼのとした残念感があるキャラクターの事だったと思います。ですから、本当は投票による優劣でグランプリをそもそも決めるべきではないものなのです。もしそうしたやり方がいやなら、みうら氏が付けた「ゆるキャラ」という名称を返上して「ご当地キャラグランプリ」とでもして開催すればいいのにと思います。

もし「ゆるキャラ」という名前で続けたいのなら、そもそも投票制はやめにしないと、今後ももすます中に入った広告代理店やデザイナーの益になるだけであり、住民の払った税金を無駄に使われるだけでしょう。もし今年までのような大がかりなグランプリを取るための行動が全く役に立たなくなるような選考が行なわれることになったら(流行語大賞がその方式でグランプリを決めています)、改めてそこで「ゆるキャラ」としての面白さが出てくるようになり、全国的な人気者も生まれてくるように思えるのですが。

とにかく、今回のNHKをはじめとして、今までの「ゆるキャラグランプリ」の歴史を何も勉強せずに「組織票」だと煽るテレビの姿には絶望を禁じえません。

(番組データ)

ニュースウオッチ9 NHK総合
2018/11/09 21:00 ~ 2018/11/09 22:00 (60分)
【キャスター】有馬嘉男,桑子真帆,
【スポーツキャスター】一橋忠之,
【リポーター】栗原望,高橋篤史,今井翔馬,上原光紀,
【気象キャスター】斉田季実治

(番組内容)

▽平成を彩った招待者 両陛下・最後の園遊会
▽ダンパー不正発覚・まもなく1か月 現場は
▽再登板!巨人 原監督

歴史的な三試合を放送したBSテレ東に感謝

バトミントンとともに最近相当世界トップレベルに達していると感じられるのが卓球ですが、バトミントンは群雄割拠の中に日本が割り込んできたような印象があるのですが、卓球の場合はここのところは中国が男女ともあまりにも強すぎて、ルール上でも他の国が勝てるような改正を行なっても全く中国選手に歯が立たなかった、まさしく王者「中国」の牙城をどうやって崩すかというところがずっと続いていました。

個人的には中国選手の壁を超えるのが日本選手でなくヨーロッパや他のアジア選手であってもいいと思っていたのですが、今回BSテレ東が特別番組を編成してまでスウェーデンオープンの女子シングルスの試合を放送したのには実に大きな意義があります。

というのも、大会自体は大きくはないものの、日本の伊藤美誠選手が中国女子では今のところ最強で団体戦の主力メンバーである劉詩ブン、丁寧、朱雨玲という3選手を破って優勝まで駆け上がってしまったのですが、試合の結果だけでなく試合内容も、伊藤選手の世界一の強さを中国チームに見せつけた試合になったからです。

同じような事を過去に東アジア選手権で平野美宇選手が行ないましたが、当時の平野選手のピッチの早い打ち込みというのは中国選手に対策される範囲の技術であり、平野選手は中国に対策されてしまったためでしょうか、現在の平野選手はなかなか中国選手に勝てなくなってしまっていますが、今回出場して優勝した伊藤美誠選手は、先だっての世界卓球の団体戦でも中国選手に勝ち、さらに今回の三連勝で対策の上を行って粉砕したとでも言えるほどの素晴らしい卓球を見せてくれました。

彼女の卓球は、決して下がらずに相手を下がらせるようにして先手を取り、どんなボールが来ても叩けるものなら思い切り叩くという、中国ではなかなかそうした攻撃を行なう人がいないような試合をしていました。これは、今までの常識にとらわれず、練習ではない遊びの中から新しい技術を考案するようなところが彼女にはあって、それが実を結んだ形です。そうした技術がことごとく今回の試合では決まっていました。強打もすごかったですが、野球のチェンジアップのような遅くて回転のかかっていないナックルボールをも織り交ぜてくるので、相手も伊藤美誠選手のボールを強く打つことができず、タイミングが合わずにチャンスボールを供給してしまうという様を見て、改めて彼女の凄さを感じざるを得ませんでした。

男子ではかつて、今回の試合が行なわれたスウェーデン出身のワルドナーという選手がいて、この選手も超人的な身体能力で個人で中国選手を粉砕し、逆に中国卓球界はいかにしてワルドナー選手を倒すかという事を考えて名勝負を繰り広げたのですが、現在の伊藤美誠選手の試合はこのワルドナー選手の活躍を彷彿とさせる凄さです。恐らく、このまま伊藤選手が伸びて行けば、オリンピックの金メダルも現実のものとして視野に入ってくるでしょう。

実のところ、男子の張本智和選手でもユースオリンピックで中国の若手に苦杯をなめたことで、まだまだ中国の第一線の卓球に追い付くのは難しいのではないかと思っていたのですが、今回の伊藤選手の活躍によって、さらに日本選手のレベルを上げて行けば、団体でも中国に勝つという空想が現実になる可能性があるのではないかと感じました。今回の試合の凄さを読む人に感じていただきたいとともに、今後の伊藤美誠選手に注目していただきたいと切に思います。

(番組データ)

緊急特番!伊藤美誠スウェーデンオープン優勝SP BSテレ東
11/5 (月) 17:58 ~ 18:55 (57分)
大会名称:ITTFワールドツアー・スウェーデンオープン
開催日:10月29日(月)~11月4日(日) 開催都市:ストックホルム
【解説】平野早矢香
【実況】植草朋樹(テレビ東京アナウンサー)

(番組内容)

スウェーデンオープンで見事今季ワールドツアー2勝目を挙げた伊藤美誠。その戦いの軌跡は、最強中国3選手・劉詩ブン、丁寧、朱雨玲を撃破しての快挙だった。

【伊藤美誠 激闘の軌跡】
<女子シングルス決勝> 伊藤美誠4-0朱雨玲(中国)世界ランク1位 11-3/11-3/11-5/11-8
<女子シングルス準決勝> 伊藤美誠4-2丁寧(中国)世界ランク2位 3-11/7-11/12-10/11-6/11-9/11-8
<女子シングルス準々決勝> 伊藤美誠4-3劉詩ブン(中国)世界ランク6位 12-10/7-11/7-11/5-11/13-11/11-4/11-8
<女子シングルス2回戦> 伊藤美誠4-3フォン・ティエンウェイ(シンガポール) 2-11/9-11/12-10/11-6/5-11/11-5/11-9
<女子シングルス1回戦> 伊藤美誠4-1張薔(中国) 11-9/11-4/6-11/11-3/11-8