世は変わっても人の心の葛藤は変わらない?

ここ数日インフルエンザで休んでいたのですが(^^;)、基本的にやることがないのでテレビばかり見ていました。なかなかここで紹介するような番組は見ていなかったのですが、そんな中でつい面白くて見てしまったのがNHKEテレで1月12日に放送された「平成ネット史」の2回シリーズでした。

この番組はネットについて番組の呼んだパネリストがその時代のネットの状況をVTRや実際に当時のハードを見ながら語り合うというかなりゆるい番組ではありましたが、特にインターネット以前からウィンドウズ95発売、インターネットの普及というところが前半で、後半は主にモバイルインターネットの歴史についてやったのですが、各々60分ではさすがにあまりにも時間が足らずに終了という感じでした。

ネットのスタートから「パソコン通信」→「インターネット」と利用者の流れが変わる中で、まずやってきたのがテキスト中心の「個人ホームページ」→「ブログ」→「動画・SNS」と人々の嗜好も変わってくるわけですが、これを進化と呼ぶべきなのかどうかということも、現在の状況を考えるとちょっと考えてしまうところがあります。

パソコン通信時代からインターネット黎明期というのはパソコンを購入し、電話回線を使って通信サービスを利用できるまでのスキルとコスト支払いの能力がないと参加できないところがあり、今から思うとそこまで社会的な影響というものはなく、限られた人の中で盛り上がっているに過ぎない部分も多分にありました。そうなると、バトル・炎上のような事が起こってもそれがニュースで報道されるようなところまで行くことは少なく、ネット上での「事件」を扱った書物が販売されていたりしたものです。

当時のネット上の人間関係というのはなかなか面白いものでしたが、基本的には実際に会うことができる人でないとわからないものの、年代的には大学生から30代くらいというのが私が実際にお会いした中ではメインユーザーで、たまに高齢な方や小学生がネット上のコミュニケーションに参加していたという話もありますが、そうした年齢層から外れた人たちは輪の中に入るのには勇気が必要だったのではないかと思います。

今では考えられませんが、相手を見たこともないのに一対一で会うということもあった一方、きちんとしたネット上の集まりの中で幹事さんを決めてオフ会をするというのが通例でした。私が参加していたのは当然後者の方で(^^;)、そちらの方は基本的に参加しているのが大人同士なため、あくまで会うことについてのリスクについては自己責任でオフ会も開かれていたということなのですが、今では大人を騙って若年層がやってきてしまったらその管理に責任が持てないというのが正直なところでしょう。そういう意味では、あまり難しいことを考えなくてもネットの向こう側にいる人との交流をネット上でも現実の社会でもできた時代があったということになります。

その際思ったことは、いわゆる人物の評価として「ネット上の性格」と「現実社会での性格」というものがとんでもなく違う人というのが存在するということです。文字の書き込みだけを見るとやけに挑戦的でこっちに喧嘩でも売っているのかと思うようなネット上の人格でも、実際に会ってみると全く持って穏やかで話もはずまないような性格をしているような人に会った時、カルチャーショックを受けるとともに、これが文字だけの議論における限界だと思いました。

さらに様々な経験をした中で、実際に会ってみてその人のネットと現実社会でのコミュニティの取り方を計った上でないと、親密なネット上での意見交換というのは難しいと思いましたし、顔も名前も性別も年齢もわからない人からいきなり議論をふっかけられたとしても、なかなか本質的な議論まで進むことは難しいことも実感しました。もちろん、ネットの利便性や影響力について批判するものではありませんが、最近のツールで言えばTwitterの制限された文字数で自分の考えを全て伝えることも大変なので、私自身は積極的にTwitterで呟かず、「平成ネット史」では一昔前のコミュニケーションツールであるブログで発信しているようなところもあるのかも知れません。

番組では、ネットの速度についても少し話題になりました。パソコン通信時には文字だけのやり取りのため一般の電話回線での最高が56kbpsで、当時一ヶ月38,000円もしたネット専用線でも128kbpsに過ぎませんでした。ちなみにこの「128kbps」というのは現在の大手携帯キャリアの低速規制時の最大スピードです。

それが、現在固定回線ではなく日本国内どこでも通える移動回線で最大200kbpsが使える最低金額はMVNOの「ロケットモバイル」の「神プラン」で、月額税抜298円です(^^;)。この回線は実は今契約していて、インターネットラジオや音楽のストリーミング配信を聞き流すにはこの速度で現代でも十分なので、いかに短期間でインターネットが手の中に入り、さらに安く高速で使えるようになったことがわかると思います。

ただし、こうした「ネット史」を見ながら今という時代を見ていくと、いかに技術革新が行なわれ5Gの時代になったとしても、根本的な人間同士の葛藤や妬み、争いというところは減るどころかどんどんエスカレートする状況になっているのは残念なことです。それは、インターネットがすでに一部の特権階級の人のものではなく、子供のお小遣い程度の料金でも利用できてしまうことから利用者が一般化したことで、実生活では何も言えなくても、ネットで匿名による発信をすることにより「ネット上での性格」というものが膨らんでしまい、ネットと現実との境目が見えなくなってしまっている人が増えてきているのではないかと思えるところでもあります。

自分自身でも気を付けてはいますが、短文で言い切るような形での発信というのは、言い方がきつく感じられますし、受け手に誤解を与える可能性も高くなります。時間を掛けて話し合えばわかり合えるような人との間でも、そんなネット上での発言についてツッコミを入れられれば場合によってはトラブルが発生し、簡単に炎上しやすくなる傾向はあるでしょう。テレビで報じられているあんなこともこんなことも、深夜一人で思い付いたようなことを推敲しないで出してしまうとトラブルの種になることはパソコン通信の昔から変わらない事だと思っています。テレビでも、ぜひ現実社会のそれとは乖離することのある「ネット上の人格」の傾向について、広くネットユーザーについて知ってもらえる機会を設けていただければと思うところです。

(番組データ)

平成ネット史(仮)▽懐かしい映像と貴重なインタビューでひもとく!歴史秘話
2019/01/12 14:00 ~ 2019/01/12 15:00 (60分)NHKEテレ
【司会】恵俊彰,是永千恵,
【出演】池田美優,宇野常寛,落合陽一,堀江貴文,ヒャダイン,眞鍋かをり,森永真弓,【VTR出演】戀塚昭彦,健,川上量生,佐々木渉,
【語り】緒方恵美,梶裕貴

平成ネット史(仮)後編▽貴重な映像と驚きの秘話でひもとくモバイル&SNS歴史
2019/01/12 15:00 ~ 2019/01/12 16:00 (60分)NHKEテレ
【司会】恵俊彰,是永千恵ほか
【出演】池田美優,宇野常寛,落合陽一,堀江貴文,ヒャダイン,眞鍋かをり,森永真弓,【VTR出演】夏野剛,栗田穣崇,笠原健治,津田大介,石森大貴,及川卓也,舛田淳,

(番組内容)

【前編】

平成は、インターネットの普及により私たちの暮らしが大きく変化した時代だった。その変遷をパソコン通信、ウィンドウズ95、2ちゃんねる、フラッシュアニメやニコニコ動画まで、パソコンで起こった変化を中心に多彩なスタジオゲストとともに語りつくす!2ちゃんねる閉鎖を食い止めた伝説のプログラマーや、当時大人気だったテキストサイト侍魂の作者・健さんのインタビューなど、当時の貴重な映像とともに紹介する!

【後編】

後編は、モバイルを中心に日本のネット史を振り返る。さまざまな世界初を生み出してきた日本のモバイルネットの歴史を、インタビューと懐かしい映像や端末でひもとく。またiPhone上陸の裏にある秘話や、その革新性を堀江さんらゲストが語りつくす。さらに日本のSNSの変遷に隠された背景を、数々の関係者の証言でたどるとともに、炎上やフェイクニュースなど現在の問題もスタジオの論客たちが語りつくす!


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