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新基軸の音楽バラエティは面白かったが仁義は切らなくて大丈夫?

過去にはCDで、さらに前の時代にはレコード盤で楽しんでいた音楽も、今ではインターネットのストリーミングでいつでも聴ける時代になってしまいました。しかし、その分楽曲を所有することに固執する人は減ってきたような気がしています。

さらに、一部のコレクターによるものかYouTubeには蓄音機にSPレコードを載せて演奏するところを動画にして公開しているものも少なからずあり、そうしてアップされている楽曲については十分パソコン上からも楽しむことができます。将来的にAIスピーカーに聴きたい曲名を喋ると、ネット上のサービスの中から該当の曲を流してくれるようなサービスが行なわれる可能性すらある今、「レコード発掘の旅」というのはどんなものかということで見てみたのがこの番組です。

現在のテレビ番組のスタイルというのは、例えば「路線バスの旅」というものが受けたらすぐに同じような番組が他の放送局でも作られて拡散されていく中で元祖の番組も埋没してしていってしまう傾向があります。そんな中で、なかなか新しいパターンの旅をテレビがやることは難しい部分もあると思いますが、今回のレコード発掘の旅は、一般庶民が集めたレコードの思い出をその演奏とともに蘇らせることのできるドキュメンタリーとしても見ることができます。

さらに、私の家でもそうですが、レコードがあってもそれを聴くための機器がなく、単にその場を占拠する粗大ごみと化している場合が多く、その中から想い出の一枚をターンテーブルに乗せたとたん、まさに時が戻ったように当時の曲が再生されるというシチュエーションは、それはそれでドラマチックであり、安い制作費でも魅力ある番組作りができるという一つの例であると思います。

番組ではまず、ディレクターがマイクを持って東京の商店街からスタートして色んな所にインタビューに出て、その方の思い出の曲を聴きながら、実際に自宅にレコードを置いている人を探して自宅へ直行、持ってきたプレーヤーでその曲を直接聴くという形で進行していきます。

ちなみに、番組データにあるMCの野口五郎さんはこの取材に直接同行しておらず、スタジオ収録でVTRを見ながら喋ったり、収録場所にギターを持ち込んで歌いながら喋ったり、おすすめのレコードを紹介したりという形での登場の仕方で、さらにMCのアシスタントとして犬山紙子さんが出ていたのですが、テレビ番組表のデータでは犬山さんの名前が漏れていて、これはちょっと可哀想なので、ここで改めて番組データの方でも紹介させていただきます(^^;)。

一通り見終ってみて、この番組は旅番組ではなくテレビ東京のやるインタビュー系の番組に近いと思いましたが、まずこの人がこんな曲やジャンルのものを聴くのかという意外性がまず面白いですし、ジャケットはCD時代とは違いテレビ映りが良く、同じものを買って持っていた人なら思わず懐かしいとMCの野口五郎さんのように叫んでしまうような感じでもあります。さらに、番組が用意したプレーヤーでない自前のプレーヤーを使おうとしたら回転数を間違えたり針の調子が悪かったりでまともに聴けなかったというレコードを実際に聴いている人であれば必ず通る「あるある」を実践したりと、やはりBSはバラエティでも対象年令が高いなと思わせるものがあります。

取材先のお宅は、それでも50代から60代くらいなので思い出の曲ということではほとんどが歌謡曲でしたが、ラストのお宅訪問で茅ヶ崎の78才の女性が少し前に亡くなったばかりのご主人の事について、残してあるクラシックのレコードを聴いていたと、しみじみ話している時にバックグラウンドで流れていた曲がビートルズの「レット・イット・ビー」で、ご自宅にお邪魔してインタビューというシチュエーションに合わせると(本当にその状況が放送されました)この番組が急にテレビ東京の「家ついて行っていいですか?」になってしまったような気がしたのは私だけの事ではないでしょう。

こんな演出をして、テレビ局同士の争いの種にならないかなと思ったのですが、まあビートルズのレット・イット・ビーはテレビ東京のものじゃないしいいのかと思いつつも、レコードを探しての旅というコンセプトは今までテレビ東京でもやらなかった画期的なものなのに、収録した後の編集の現場で、安易にテレビ東京の番組に近づけようとそれなりの雰囲気に乗った番組作りはどうなのかなと思いました。

しかし、その後に奥様がご主人の生前を思い出すように流れた曲がチャイコフスキーの「悲愴」だったというのは実に取材者の心情を突いていて、個人的にも感動を覚えました。できればもう少しじっくりと曲を聴かせて欲しかったですが。次回はテレビ東京的な編集はまずやめてもらって、お気に入りの一枚が日本の歌謡曲に偏らないように多くのサンプルを確保した上で第二弾をお願いしたいところです。

(番組データ)

お宝レコード発掘の旅 あなたの思い出の曲かけさせてください BS朝日
11/9 (木) 21:00 ~ 22:54
【MC】野口五郎 犬山紙子

(番組内容)

プレーヤーがなく、何十年も押入れにしまいっ放しのシングルレコード…息子の思い出の品だからと、捨てられなかったLPレコード…様々な理由で見向きもされなくなっていた思い出のメロディーが、よみがえる!さらに、再生したその場で持ち主にレコードにまつわるエピソードを聞いてみると、笑いあり、涙あり、感動あり…!“お宝レコード”と当時の思い出を発掘する、新感覚の旅番組!

山田風太郎の日記は学ぶべきか捨て去るべきか

三國連太郎さんが朗読する作家・山田風太郎さんの戦後から1993年まで43年間の未公開日記を時代別に辿りながら(『戦中派不戦日記』など、戦争時の日記は既に刊行されていました)、彼の残した言葉の意味を考えさせるような感じで番組は淡々と進んでいきます。三國連太郎さんが語る山田風太郎さんの言葉は、今の基準に照らすといわゆる「リベラル」的な考えのようで、中にはこのような番組など見るだけ無駄だと思っている方もいるのではないかと思います。

しかし、山田風太郎さんは戦前は自らの病弱に起因し、戦争に行けなかったことがあったからなのか筋金入りの皇国青年として育ち、昭和20年8月15日の太平洋戦争終結の日には仲間ともども降伏に反対し決起を考えたほど、思想的には右に寄った考えを持っていました。しかし、戦後のあまりの日本人の心の変化に(特に戦前から戦中の期間に軍国主義をうたっていた人たちの戦後になっての変化がすさまじかったので)、その後の日本政府や日本人の行動などを日記の中で憂うような考えを示すことになっていきます。経済的なメリットでアメリカ的なものにひれ伏すような感じではなく、あくまで地に足を付けて様々な日々通り過ぎていく事件などを日記に記していく中で、赤裸々な自身の考えを日記の中で表現しているように感じます。

作家の書く日記なので、もしかしたら書きながらある程度公開することも考えて書いているところもあったのかも知れません。現代にあてはめてみると、感じとしてはブログを使って今の自身の心況を自分のためだけでなく世間にも公表するような感じで書いていたのかも知れませんが、出版するにしてもまずは読んでくれる人がいるのかという問題もあり、実際に今まで出版されないところからも当時は必ず世間に公開されるという確信があって書かれていたのではないでしょう。今回の特集も「未公開日記」ということでの紹介なので、あざとい計算で書かれたものではないということは言えると思います。あえてあざといと言うなら、番組として強烈なインパクトを残すために三國連太郎さんを効果的に画面に出しつつ、さらに資料映像とからめて日記の一部分を抜き出して紹介する作り手としてのあざとさというのはあるかも知れませんが。

残念ながらこの番組で紹介された膨大な量の日記は未だ世に出てはいません。もしきちんと読めればこの番組の内容もきちんと検証することができるのかも知れませんが、研究者でもない限りは通しで読むことは難しいかも知れません。番組ゲストの五木寛之氏が番組を一緒に見た後でおっしゃっているように、山田風太郎の戦後の出来事を斜めから看ているようなネガティブさというものをたどる事は、豊かさがあふれる戦後の中で、現代にまで続くどんな問題が巣食っていったのかということを一部明らかにし、将来の自分たちが同じ失敗をしないようなヒントが隠されているような気がしないでもありません。

五木氏の言葉の力とはすごいもので、山田風太郎さんの未公開日記は司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」でなく「坂の下の霧」だと言えば、わかる人はどんなニュアンスの日記であるかがだいたいわかってしまいます。さらに登山でたとえると、一生懸命登って頂上まで至る登りも大切ではあるものの、安全に麓まで降りる下山というものも大切でどう実現するかということが大事だと思って書いたようなものだという話は、なるほどなと思います。日本はこれから単に下リ坂を転がり落ちていくのではなく、「収穫の時期」の楽しみもあると言い、これからの日本の「豊かさ」を楽しみに過ごすのも良いと締めくくられました。恐らく番組を見た方の年代によって感じるものが違ってくるのではないかと思います。

そう考えると、あんまり若い人がこの番組を見て老境に入ってしまうのも困りますし(^^;)、そんなネガティブな考えに凝り固まってしまうなら現状ではこんな番組を見たことなど忘れて自分の好きな事をやり通せばいいと思います。ただ、自分の信じた考え方でつき進んでいる若い方々に相手にされないまま、通り過ぎられてしまうというのでは悲し過ぎるので、こういった番組は定期的に放送していただくか、実際の山田風太郎さんの戦後の日記をどこかの出版社が出してくれると有難いものです。それこそ司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」に対比される書物として読まれ継がれていくのではないかというところもあるわけですし、関係各位のご英断を望みたいものです。

(番組データ)

プレミアムカフェ選 山田風太郎が見た日本~未公開日記が語る戦後60年~ NHK BS プレミアム
11/8 (水) 9:00 ~ 11:01
【朗読】三國連太郎,
【スタジオゲスト】作家…五木寛之,
【スタジオキャスター】渡邊あゆみ

(番組内容)

ハイビジョン特集 山田風太郎が見た日本~未公開日記が語る戦後60年~(初回放送:2005年)作家・山田風太郎晩年の未公開日記から、戦後60年の日本社会、経済の起伏を見つめる。朗読:三國連太郎

通販番組と遜色のない「住まい・暮らし バラエティ番組」がある?

これからの話を書く前に、一番下にある(番組データ)と(番組内容)をよくご覧になって下さい。基本的にはインターネット上にあるテレビ番組表の表記に準じてテレビ番組を紹介しているのですが、これだけ見ると、普通のお安い宿を紹介する旅行バラエティ番組のように思えます。

しかし、不審に思えることもあります。まず、他のバラエティでは必ず掲載のある出演タレント(この番組では「番組リポーター」と称する女性が出演しています)について、どこにも出演者の表記がありません。どんなゲスなリポーターであっても、自分を売り込むために名前くらいはテロップで出すはずなのにと思いつつ、番組を見ていったところ、この番組の正体がわかりました。

ちなみに、1泊2食付きで泊まれるというのは平日に限られていますし、料金も5,900円と、5千円台ぎりぎりです。土日や祝日に泊まりたい場合は当然ながら宿泊料はアップしますので、その点も考えておかないとまずはいけません。しかし、こういった手法は地上波民放の激安宿の紹介でも行なっていますし、この表記については嘘ではないので問題はないでしょう。しかし、私自身が問題にしたいことがこの番組にはあります。

宿の内容や食事を紹介した後で、どうしてこんな安い価格で泊まれるのかという事が明らかになるのですが、それは「セラヴィリゾート泉郷」というリゾートクラブの会員になった人だけがその価格で利用できるという事で、番組の目的は視聴者にリゾートクラブの内容を説明する全編そのリゾートクラブの宣伝に終始した番組だったのでありました。

こういう手法は、新聞にも「記事のような宣伝」というものがあることからわかるように、テレビでも使われている手法なのかも知れません。しかし、今では通販専門チャンネルなどもあり、通販番組とわかっていても見る層もあるので、あえてリゾートクラブの会員勧誘であることを隠したような番組にしなくても、番組の概要にも特定のリゾートクラブ紹介という宣伝の番組であることを明らかにした上で放送した方が良いのではないかと私自身は思ってしまいますね。

これはあくまで個人的な見解ですが、全国津々浦々を旅したいと思うなら、特定のリゾートクラブに入会すると、いくら宿泊費が安くても全国のどこでも会員なら安く泊まれるというものでなければ、別の方法でこうした施設を使い、気に入ってどうしても会員になってさらに安く利用したいと思ったら加入するのがいいと思います。

体験宿泊という手段を選んだ場合、一度利用した場合の勧誘が気になる方もいると思いますので、そうでなく他の予約の取り方で安く泊まれる方法があります。それは、私が知っている中では「日本自動車連盟JAF」が行なっている会員への宿泊斡旋です。JAFはこの番組の提供に近いくらいに宣伝に関与していると思われる「セラヴィリゾート泉郷」や他のホテルチェーンにおいて法人会員になっているので、すでにJAFの会員であればネットからログインしてホテル予約のページへ行くと、改めてJAF会員が各種ホテルチェーンやリゾートクラブが運営する宿泊施設に安く泊まれるプランについて具体的に説明しているページがあります。

そこから予約をした場合、この番組で紹介されていたホテルの場合、平日の素泊りで6千円くらい、基本的な洋食が+3,500円くらいで利用できるようですので(季節や状況によって上下する可能性はありますので、あくまで参考としてお考え下さい)、まずはこうした方法で実際に泊まってみてから判断しても遅くはないでしょう。

ちなみに、JAFの年会費は4000円です。この書き込み自体JAFの回し者が書いているわけではないので(^^;)、こうした書き方が気に入らなければ全く割引のない状態で泊まってみるのもいいでしょう。どちらにしても、ビジターにどのようなサービスを提供してくれるかというのがリゾート会員としてその組織がこれから発展して泊まれる場所が増えるのかそうではないのかの分かれ道になりますので、テレビの内容だけを鵜呑みにしないで慎重に選択するのがいいと思われます。

それにしても、宣伝に限りなく近い番組なら、もう少しわかるように書いてくれないと誤解をする視聴者も出るかも知れません。こうした裏切られ感というのは、そのままBS放送というブランドの価値を下げる方向にもつながってくるかも知れませんし、バラエティとして分類されている番組というのは決して宣伝に終始しないような番組の作り方をして欲しいと強く思います。

(番組データ)

1泊2食付き5000円台!?コスパ抜群賢いリゾートライフ術! BS12 トゥエルビ
11/6 (月) 21:00 ~ 21:30

(番組内容)

1泊2食付き5千円代のリゾートホテルがあると聞き、番組リポーターは伊豆高原と鳥羽へ。お料理の内容、客室や温泉露天風呂の広さ、是非、その目でお確かめください!

なぜMLBのポストシーズンの試合は最後までもつれるのか

ワールドシリーズの第2戦は約50分の延長になり、両チームホームランを中心に得点を重ね、延長に入ってからも試合の流れはもつれにもつれました。終盤までドジャースが2点リードしていてこのまま行くかと思ったところ、ホームラン2本でアストロズが追い付き、延長戦に入るとすぐにアストロズが2点勝ち越し、さすがにこれで終わったと思ったところ、その裏のドジャーズの攻撃はいきなりトップバッターがホームランで1点差になったものの、普通ならここで終わるパターンでした。

しかしフォアボールから再度チャンスを掴んだドジャースは二塁にランナーを進めて適時打が出て同点になり、延長戦は続きます。その後、また2点をアストロズが勝ち越したので、これでその裏のドジャースの攻撃も力なく終わるかなと思ったら、またソロホームランが出て1点差となり、これはまた同点になるかと思ったところさすがにそこまでの奇跡は起きず、アストロズが勝って対戦成績は一勝一敗のタイになったという試合でした。

日本でアメリカのMLBが生で見られるようになり、特にポストシーズンの試合はなかなか目が離せない試合が多いです。レギュラーシーズンが終わってすぐにポストシーズンに移ることもあり、さらに地区一位になってもそれがリーグ優勝ではないことをチーム全員がわかっているためか、レギュラーシーズンそのままのモチベーションを保てるのではないでしょうか。10月に入るとそれまでのレギュラーシーズンをリセットして、0からのスタートになるために相手がどこでも一切選手は手を抜かず最後まで競った試合になるのではないかと思うのですが。そうして最後の最後まで試合を諦めることなく全力を尽くすため、思いも掛けないドラマが演出されることが多いです。これは、比較する対象が全く違うという批判をあえて承知で言うと、一戦ごとで負ければそれで終わりという高校野球の甲子園と似たドラマ性があるのではないかとも思います。

同じような仕組みで勝ち上がれる日本のポストシーズンと比較してもその違いは明らかなように思います。その想いを個人的に強くしたのは、読売の不動の四番として惜しまれつつMLBのニューヨークヤンキーズに行き、ワールドシリーズのMVPまで獲得した松井秀喜選手のプレーを見てからでした。

後から調べると、その試合というのはワールドシリーズではなく2003年のアメリカンリーグ優勝決定戦(勝ち抜けたチームがワールドシリーズに行ける試合)で、しかも対戦成績が3勝3敗のタイで、勝った方がワールドシリーズ出場となる試合の8回裏、5対2とリードされたヤンキーズが当時の不動のエース・ペドロ・マルチネスを攻略し松井選手が同点となるホームインをした際のガッツポーズは日本のプロ野球では決して見せることのない歓喜の表情だったのです。

本日の試合もそうですが、まずMLBには引き分けという概念がないので日本のクライマックスシリーズのように、リーグ戦上位のチームが全試合引き分け狙いで戦っても勝ち抜けられるのと違い、状況によっては投手を使い果たして野手が投げるということも考えつつ試合に臨まなければなりません。

さらに、MLBのポストシーズンに出場するためには3つある各地区で1位になるか、2位以下のチームの中で勝率が2位までに入らなければいけません。各地区での1位のチームのうち勝率が2位と3位のチームがリーグ優勝決定戦の準決勝を戦い、勝率1位のチームは2位以下で勝率の高い2チーム(ワイルドカード)の1試合だけの代表決定戦を勝ち抜いてきたチームと準決勝を行ないます。そうしてリーグ優勝した後にワールドシリーズが待っているということで、今回ワールドシリーズに出場してきた2チームというのは、そこに至る数々の苦しい試合を勝ってきたというわけです。

なお、MLBではプレーオフからワールドシリーズを10月に行なうので、レギュラーシーズンは9月で終わります。ワイルドカードの試合で相手の決まる勝率一位チームは一試合待たされるものの、日本のクライマックスシリーズのように長く待つことはなく、ファンも選手もモチベーションを維持したままポストシーズンに入って行けることが、プレーオフやワールドシリーズでの名勝負や大逆転の試合が多い原因かも知れませんが、この点において、日本のプロ野球はもっとクライマックスシリーズのあり方だけでなくプロ野球という今までの仕組みも合わせて変えていかないと、プロスポーツとしての野球の将来は明るくならないのではないかと思ってしまうわけです。

一部の野球ファンの中で、今までの2リーク6球団ごとの12チームという編成を新たに地区別にした上でプロ野球球団を増やし、現行12チームを3地区各4チームに再分配するという案があります。基本的に地区別のリーグ戦を争い、地区優勝チームの3チームと地区優勝以外の2位以下のチームの中で勝率5割以上の2チームが(勝率5割を切った場合は次に進めないようにする)ワイルドカードで雌雄を決し全手のリーグの中の勝率1位との日本シリーズ行きをかけたポストシーズンを戦うようにすれば、アメリカと同じように10月を全てポストシーズンにすることで、日本中が野球で盛り上がることもできるでしょうし、この場合の代表というのは国内の地区の代表となるので、高校野球のように地域ごとの盛り上がりも期待できます。

地区分けには色々な方法がありますが、2017年現在の地区別のチームと言えば、
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・北海道 日本ハム
・宮城 楽天
・千葉 ロッテ
・埼玉 西武
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・東京 巨人 ヤクルト
・神奈川 DeNA
・愛知 中日
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・大阪 阪神
・兵庫 オリックス
・広島
・福岡 ソフトバンク
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このように関東に集まってはいるものの東京に2チームあるのが目立つくらいで、うまく全国にばらけていますので東・中・西という3つの地域リーグになります。もし地域的にもう少し球団が欲しいなら、各地区2チームずつ増やして(1チームだけだと15チームになり、1球団があぶれるため)18チームにするとかいろいろ案は出てくるでしょう。新しく参入するチームと既存のチームとの戦力の差を心配される方もいるかも知れませんが、あの楽天だって最初は全然勝てませんでしたし、本日のワールドシリーズで記念すべき1勝目を挙げたアストロズも、球団創設2年目以降6年連続で90敗以上を記録するほどのチームで、さらにそれまでのナショナルリーグからアメリカン・リーグに移った当初は100敗するのが当り前であったほど弱い時代があったにも関わらず、ここまで強くなってきたわけですから、あながち荒唐無稽な提案でもないような気がするのですが。

上記12チームの数を守りたい場合、もっと面白い案もあります。現在日本全国で行なわれている野球リーグを2部リーグとして再編し、リーグ1位のチームと現12チームの最低勝率のチームが入れ替え戦を行ない、負ければ2部に落ちるというものです。地区別のチーム割りについての意見もあるでしょうが、微妙な位置にあるチームが地区移動することで対応は可能なのではないかと思います。そうなれば、万年最下位にいるようなチームだってうかうかしてはいられません。今の経済だけ自由競争をうたっていながら下に落ちる心配もなくのうのうと戦っているチームを無くすという意味でもこうした2部リーグ制というものは地区分けより前に実際してくれれば確実に盛り上がる事は間違いありません。

こんな風にでも考えないと、たとえドラフト会議でスター選手が入るにしてもなかなか日本のプロ野球への注目は今後も集まることがなく、ドラフト対象選手がアメリカの大学に行くなど、本格的なプロ野球離れが起こってくるのではないかと、本日の死力を尽くしたワールドシリーズの試合を見て感じてしまったわけです。少なくとも、これから始まる日本シリーズでは両チームの選手に、最後まで諦めないひたむきなプレーをお願いしたいところです。

(番組データ)

MLB・アメリカ大リーグ ワールドシリーズ 第2戦「アストロズ×ドジャース」
10/26 (木) 8:50 ~ 12:49(試合終了まで放送 延長有)
【解説】斎藤隆,【アナウンサー】高瀬登志彦

(番組内容)
~ドジャースタジアムから中継~

日本で一番有名なマンネリドラマは次世代への時代劇伝承の切り札

今回紹介するテレビ時代劇「水戸黄門」について感想を述べる前に思い出したのが、NHK BSが「大岡越前」をリメイクして放送したことでした。新しい配役でどんな感じになるかと期待していたのですが、見ていて違和感こそなかったものの、何かひっかかる点を感じていたのです。そのわけというのは、よく考えると新ドラマの脚本だけでなく音楽も同じで、唯一違うのが配役だけ違う形にしてドラマが作られていたことでした。そうなると、TBS版の大岡越前役・加藤剛さんと、リメイク版の東山紀之さんの直接的な比較をせざるを得ず、他にも同心のの源さん役(大坂志郎→高橋長英)、父親の大岡忠高役(片岡千恵蔵→津川雅彦)あたりをどうしても比較したくなります(この部分だけ敬称を略させていただきました)。どちらが好みかというのは様々な意見があるでしょうが、さすがに今の役者の方には厳しい部分も多いのかなとも思えたりします。

ただ、この形でのリメイクは好評なようで、現在は何と第4シーズンの撮影が始まっているそうです。そんな「大岡越前」と比べると今回紹介する「水戸黄門」というのはあまりにドラマの知名度および存在感がありすぎ、演じてきた人たちも多岐にわたるので演じる方も更に大変だと思います。

水戸光圀役の武田鉄矢さんは同じTBSのドラマ、「3年B組金八先生」の坂本金八役で当たりを取りましたが、第一話では早速、ドラマで金八先生の息子役だった佐野泰臣さんが旅のきっかけを作る武者役で出てくるなど、武田黄門のキャラクターはもしかしたら坂本金八色を付けてくるのかという気もしますが、これは継続視聴をしながら確かめるしかなさそうです。

今後のレギュラー出演者としては、すでに第6話からご老公一団を付け狙うくノ一役として元AKB48の篠田麻里子さんが出演決定とのことで、現在はオーディションで決まった助さん角さんに、風車の弥七役に津田寛治さんの4人で色気なく旅をしているだけなのですが、今後は画面も多少は華やかになっていくことが予想されます。BSでの放送ということでまだ水戸黄門がリメイクされたことを知らない方もいるかも知れませんが、今後さらに魅力的なキャスト投入で景気づけが行なわれるのかどうかというのも楽しみです。

ドラマの内容については今さら語ることもないかも知れませんが、ご老公の旅の目的地こそ違いますが、ドラマの構成と配役は過去のTVシリーズの第一部のあらすじを忠実に再現しているとの印象があり、水戸黄門好きな高齢者がまず「安心して見られる」事を最優先にし、その後で徐々に若手俳優目あての世代を取り込もうとする内容です。もちろん印籠も第一回目から出てきます(旧テレビシリーズの第一部では最初から印籠は出てきませんでした)。まさに一分のスキもない内容を、地上波ではなくBS-TBSでやろうとするとは、何としてもこのシリーズだけは無事に終えようと思って始めているのではないかというようにも思えたりするのです。

個人的には「水戸黄門」のTVシリーズというのは、あまりにも有名で若年層にも知名度があることから、民放においては高齢者対象とはうたいつつも、あくまで次世代に時代劇のフォーマットを受け継がせるための「つなぎ」の役割も担っているのではないかと思っています。見る方もそうですが出演者たちも、このドラマをステップにして新しい時代劇が生まれ、新たな時代劇のステージで活躍するような形になって行くことも目指しているような気もするのですが、それははっきり言ってこのシリーズの続編が望まれ、地上波でもそれなりに新作の時代劇としての水戸黄門が復活するというところにまで到達できるかどうか、そこまで温かく見守っていきたいというのが正直なところです。今回の出演俳優で言えば、出演者のテロップにも載っていなませんが、悪役の親玉で出ていた内田勝正さんや同じく悪役で、用心棒の棟梁として出ていた福本清三さんなどは昔のTVシリーズでも活躍しており、今回も主役たちを引き立てる形でしっかりと脇を固めているのが昔から時代劇を見ている側としては大変嬉しいところでした。

逆に言うと、それだけ日本の時代劇をとりまく環境というものは厳しく、役者の層も薄いということです。このまま何も対策をしないで放っておくと伝統が途切れてしまい、再度同じものを作るためには相当の人材育成とお金がかかります。将来時代劇の傑作を作りたいと思っている方がいるなら、水戸黄門なんて時代劇じゃなくホームドラマだなんて言って無視しないで、温かく応援してあげてほしいと心からお願いしたいです。

(番組データ)

水戸黄門 BS-TBS
2017年10月25日(水) 19時00分~19時55分
【出演】武田鉄矢(水戸光圀)、財木琢磨(佐々木助三郎)、荒井敦史(渥美格之進)、津田寛治(風車の弥七)、袴田吉彦(柳沢吉保)、長谷川純(柘植九郎太)ほか
【ゲスト出演】大塚千弘(菊江)、葛山信吾(桜田雄次郎)、田中壮太郎(夏川太十郎)、生島翔(山西数馬)、星由里子(とね)
【語り】生島ヒロシ

(番組内容)

第4話「悪を糺した弥治郎こけし(白石)」

昔の作品の放送時に「ピー音」で逃げるかテロップで説明するか

アニメ「妖怪人間ベム」が来年で50年を迎えるのだそうです。私自身はリアルタイムで見たわけではないのですが、地元テレビ局がコンテンツ不足を埋めるべく、何度も再放送していたのを見ていましたし、全国で同様の再放送を見たであろう人々がテレビ業界に就職し、比較的最近に実写化したことが一般的な再評価につながったのではないかとも思われます。

そんな流れの中、BS無料放送の中でもマイナーなBS11が原作をオマージュしつつもちっとも恐くないギャグ作品としての新作を作り、それに過去のオリジナル版を合わせて深夜2時から放送するということになっています。いかにも民放BSらしい企画だと思いつつ、最近になってこの番組に気付き、続けて見ているのですが、同じように面白く見ているはずの過去のアニメファンからは、私のように過去の再放送を見ていた人が多いのか番組ホームページに数多くの同じ意見が挙がっているのが見ていて逆に面白かったりします。

何が問題かというと、題名に書いた通りオリジナルの音をそのまま流した場合に数多くの「何を言っているかわからない」という「ピー音」が必ず入るのです。なぜこんなことになってしまうのか、BS11で深夜2時からの放送だからオリジナルの音のまま放送してもいいのでないかというような声で番組へのメッセージがあふれてしまっているのです。

この種の問題は、アニメに限らず過去の名作と言われるテレビドラマや映画を現代のテレビで放送する場合にも問題になってきます。この問題に対して取り得る方法は2つあって、一つはこの「妖怪人間ベム」と同じように出しては都合の悪いセリフに「ピー音」をかぶせるか音そのものを消してしまうという昔の「水戸黄門」の再放送でよく遭遇するパターンです。

この方法はとにかく不謹慎だとテレビ局に抗議を入れる団体や個人を押さえ込むには有効な手段ではあるのですが、いったんこういった形でテレビ局の方が「放送しない自粛用語」を決めてしまうと(放送禁止用語というのは、後で説明しますが厳密にお上から禁止される言葉というものはほとんどないと思います)、新たな「不謹慎な言葉」を抗議をする団体が見付けてしまった場合、新たに糾弾を受ける余地を残してしまうわけで、どこまでを「不謹慎な言葉」だと決めるのかという問題に突き当たってしまう可能性があります。

そして、もう一つが「当時の著作者の意図と時代背景を考慮した上でそのまま放送します」というようなテロップを入れて、マジでやばい言葉以外はそのまま放送してしまうという方法です。この方法は昔の映画を流す時には良く使われます。時代劇の場合は仕方のない部分もありますし、現代劇であっても撮影当時の風俗が映画で映し出された場合、言葉遣いも当時の様子をそのまま写すことでその時代がどんな時代だったかを実際にその時代に生まれていなかった人にも感じさせることができるでしょう。

そういう意味で、「妖怪人間ベム」の1968年版アニメについても、このアニメが作られた時代ではどんな感じで社会が動いていて、時代的に今の常識から見るとかなり差別的な物言いが普通に行なわれていたということを示した方が、当時の社会情勢を研究する資料として見た場合、より深くこの作品を鑑賞することができるだろうという意見は当然出てきます。しかし、今の世の中というのはなかなか簡単に事が済む世界ではないことも確かです。

この文章を書いているのは2017年の10月ですが、前月の9月に放送されたフジテレビの「とんねるずのみなさんのおかげでした」で登場した過去のキャラクターの中で、とんねるずの石橋貴明氏が扮した「保毛尾田保毛男」というキャラクターが当時のVTRでなく現代にそのまま出現したことで抗議の声が挙がり、フジテレビが謝罪に追い込まれてしまいました。

そもそも問題になったキャラクターの名前の中に入っている「ホモ」という言葉自体がゲイの人に対するいじめを誘発する言葉になっているからと(元々「ホモ」という言葉の意味は「同性愛者」という意味なので、男の人しか愛せないゲイだけを指すような形で使うのはおかしいという指摘もあります)「ホモ」という言葉を使わないようにということも抗議をする側が主張されているという話を聞き、これでまた「放送局の自粛用語」が増えたなと個人的には思いました。

元々放送禁止用語というのは不自然に決まっているような場合もあります。例えば下ネタの場合、現代においても男性の性器の名前は放送に乗せられるのに、女性の性器の名称については一切駄目というのは男女同権という立場からするとおかしいと思う人もいるでしょう。また最近では体のさまざま部分が不自由な人のことを従来の「障害者」という「害」という漢字の入る書き言葉ではなく、「障がい者」や「障碍者」と書くようにしましょうと訴えている方もいます。そうした考えを進めて行くと、今後は明らかに個人の身体的特徴を揶揄する意味で使われている言葉についてもテレビで使うのは自粛すべきだとの風潮が強まるかも知れないと思ったりします。

そんな言葉の最先鋒としては「このハゲ!」という言葉が思い付きます。ここで言う「ハゲ」は、先に紹介した「ホモ」のように、自分ではどうにもならないところで揶揄されいじめの対象になるということに共通点があります。さらに細かい事を言うと、ある程度の年を経て「ハゲ」になるということが全てではありません。元プロ野球の森本稀哲氏のように先天性の病気でなる場合もありますし、幼くして難病にかかり、治療薬の副作用としてカツラを使う状況というのも普通にあります。しかしながら今まで「ハゲ」という言葉については他の言葉がことごとく言葉狩りに遭う中で寛容にテレビの中では扱われてきました。

私自身は「ハゲ」という言葉をほかに置き換えられるだけの言葉が見付からないので、そこまで自主規制する必要はないと思っていますが、近い将来にこの件について見過ごせないとテレビ局に対して糾弾活動を行なうようなところが出てくれば、「ハゲ」という言葉を言う映画やテレビ全てを「ピー音」でかぶせるような作業が必要な時代になってしまうかも知れません。それがテレビの世界だと言われれば仕方ありませんが、そうなったらコアなアニメファンや昔のドラマファンは自主規制の必要ないネット配信の方に流れていく事になるでしょう。かくしてテレビは自ら見てくれる視聴者を失くすという流れになっていきます。

今回のアニメについてはこんなことを書いた割には全く「ピー音」が出て来なかったのですが(^^;)、その分ストーリーに集中して全編を楽しむことができました。やはり見ていて急に思考を中断されることのないのが一番作品を楽しむためには大切なことであることを実感した次第です。

結論めいた事を言えば、そうした「放送禁止すべき用語」が決まるのには社会の状況もありますし、抗議団体が一定の力をテレビ局に対して発揮し、局がその訴えを飲んだ場合に決まると言っていいでしょう。そう考えると、今後もテレビを楽しんで見てくれる人を残すためにはこの番組内の「妖怪人間ベム」のように臭いものにはフタといった感じで安易に「ピー音」をかぶせて逃げるよりも、抗議団体にも一定の理解を示せるようなテロップの文章を考えつつ、直接抗議が来たとしてもたじろがないで、過去の作品を再放送するにあたっては、あえてピー音で消さない理由を理解してもらうように努める方がいいような気が私にはするのです。

(番組データ)

妖怪人間ベム BS11イレブン制作
10/24 (火) 2:00 ~ 2:30
1968年版 (ベム)小林清志 (ベラ)森ひろ子 (ベロ)清水マリ
新作 (ベム)杉田智和 (ベラ)倉科カナ (ベロ)須賀健太

(番組内容)

(1968年版+俺たちゃ妖怪人間)#3「死びとの町」
「はやく人間になりたい!」 国産ホラーアニメの原点にして金字塔『妖怪人間ベム』の50周年プロジェクト始動! 第1弾はオリジナル版の再放送+新作ショートギャグ!

池上無双の「選挙特番」が地上波とBSの関係に投じた一石

今回、池上彰氏をメインキャスターにして選挙特番を行なったテレビ東京は一つの大きな決断をしたと思います。というのも、前回までも地上波でテレビ東京が見られない地域でもBSアンテナとチューナー付きテレビがあれば全国で見ることのできるBSジャパンの番組として「池上彰の総選挙ライブ」を開票スタートと同時の午後8時前からスタートさせていたのですが、前回まで多くの人が見たいと思われる池上彰氏と自民党総裁(安倍晋三首相)との掛け合いの激しいインタビューが行なわれる午後10時を前にして番組は終了してしまっていたのでした。今回はそうした制限をなくし、まるまる地上波と同じ内容の放送を最後まで行なったのです。

前回の選挙特番まで制限を付けてBSで放送していたのはなぜかということになるかと思いますが、政治的な何かがあるというのではなく、地上波と全く同じ内容の番組を系列の局とは言えBSで同時配信することで、テレビ東京系の民放のない地域においては、自分の地元の地上波テレビ局を見てくれないということで地方で放送している民放局からのプレッシャーがきつかったのではないかと類推します。というのも、BS放送が始まった時に、特に地上波の難視聴地域に対して行なわれたBSによるキー局の同時配信というシステムが存在したものの、その配信されたものを見るためには申告が必要であると同時に、かなりの制約があったのです。

これは「BS17問題」というもので、詳しく知りたい方はネットで検索をかけていただければ過去にあったこの問題について書かれているものに辿り着けると思いますが、要は難視聴地域に住んでいた人が地上波が見られずBSのチャンネルで代替の形で見る場合、全てのチャンネルが見られるわけではなく(BSで見られたのは東京で見られる地上波の全チャンネルでした)、同じ県内でネットしていないキー局を見ようとするとスクランブルが掛けられていたということです。

これは好意的に解釈すれば、同じ地域に住んでいる人が地元局を見なくなると、地元局に入ってくる広告収入が減って放送局としての経営が維持できなくなるからと言えるのかも知れません。ただ現在ではテレビすら見ないと公言する人がいるほどのテレビ受難の時代であることも考慮されたのかも知れませんが、選挙特番について池上彰氏の番組が見たいと思った人には天気の影響さえなければ平等に見られる環境というものができたわけです。

ちなみに、私の住む静岡県ではテレビ東京系の民放がない地域なので、今回の特番の途中カットなしという放送形態は歓迎すべきものでした。特に今回の安倍晋三氏と池上彰氏との中継については、自民党が完膚なきまでに他の勢力を引き離して勝利した結果がすでに出ていて、余裕の状況でやり取りをされるかと個人的には思っていました。しかし、必要以上に池上氏の質問を恐れたと思われてもしようがないような感じで、花付けの実施およびマイクによる花付けについてのアナウンスをインタビューに被せるように行なったのがまるまる中継されてしまいました。

いくらなんでもここまで露骨な中継妨害はしないだろうと思ってチャンネルを替えたところ、安倍晋三氏に次につないだNHKではそのアナウンスがぴたっと止んでしまったのでさらにびっくりした事は言いまでもありません。さすがに露骨すぎると思われたのか、後で池上氏が自民党政調会長の岸田文雄氏とやりとりをする前にクレームを入れたところまでしっかり全国に流れてしまったので、こうした与党自民党が選挙結果の大勝利にを関わらず必要以上に東京ローカルの局の報道にナーバスになっていることがわかってしまったわけです。

こうした状況は、以前の状態でもYouTubeに番組をアップするなどして動画が出回ることで広まることはあるでしょうが、今回はネットが使えない人でもリアルタイムに一連の内容を見てしまった人が少なからずいたわけで、今後の政局にも影響が出てくるかも知れません。

テレビ東京の番組については、ネット局のない私のいるところでも、深夜などの空き時間や土曜日曜の昼間などの時間を使ってテレビ東京著作の番組はかなり多く放送されていますし、ニーズ自体はあるわけですし、テレビ東京がないと生中継が見られないスポーツ中継のうちでも卓球の世界選手権を見たいという要望はあるはずです。地元の民放がテレビ東京が放映権のあるスポーツの生中継を行なう事はまず不可能ですから、今後はそういったソフトについても、BSジャパンを使って同時放送する流れができてくれればいいなと思っています。

(番組データ)

池上彰の総選挙ライブ テレビ東京制作
2017年10月22日(日) 19時50分~23時48分
キャスター 池上彰、大江麻理子(テレビ東京キャスター)
サブキャスター 大浜平太郎(テレビ東京キャスター)
アシスタント 相内優香(テレビ東京アナウンサー)
ゲスト 峰竜太、宮崎美子、東貴博、坂下千里子、小島瑠璃子、宮澤エマ

(番組内容)

池上彰が政治家に鋭い質問で迫り「無双ぶり」を発揮。さらには「候補者の面白プロフィール」、どこまでも追いかける「池上バスツアー」等々…これまで築いてきた“分かりやすく家族皆で楽しめる池上選挙特番”に今、危機が迫っています。それは各局に真似され始めたから…そこで先日、池上彰&テレ東の報道局が知恵を絞って、過去のヒットを超える企画を思いつきました。それは何なのか…番組開始すぐにわかります。池上彰の総選挙ライブはさらに進化!投票した人もしなかった人も楽しめる、これまで見たことがない選挙特番を目指します。