日本のドラマは「確信犯」で満ちあふれている

のっけからテレビドラマではありませんが、ネット配信のアマゾンプライムビデオのオリジナルドラマ「チェイス」について、清水潔著「殺人犯はそこにいる/隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」との類似性が指摘され、清水氏や出版元の新潮社には何の相談もないまま「チェイス」というドラマが作られたことがニュースになっています。

このブログではアマゾンプライムビデオのオリジナル作品について、主に吉本興業制作のバラエティ番組について感想を書いていますが、もはやテレビや映画だけが映像作品鑑賞の場とは言えない中、一気に加入者を増やすためのテコ入れとして、ドラマ制作の現場では細かな検証をすっ飛ばしたとか思えない形で仕事が進んでいることが予想されます。今回問題になったのは実際の事件に取材したノンフィクションであったので、もし多少のクレームが来ても、同じ事件に題材を取った作品であるので似てくるのは当り前だという言い訳で何とかなるとも思ったのかも知れませんが、もはやアマゾンプライムビデオはテレビで放送されるドラマと同じくらいの認知度を持っているということの裏返しでもあるということも今回の騒動は表しているように思います。

そういう流れの中で、天下のNHK朝ドラ「わろてんか」の1月25日放送分でまたNHK大阪放送局がやらかしてしまいました(^^;)。漫才師の横山エンタツ・花菱アチャコのモデルとして描かれている「キース」と「アサリ」の新しい漫才を作る過程の中で、どんな格好で寄席へ出るのかという思案の中、様々な小道具が出てくるのですが、支配人役の濱田岳にその中から「金太郎の前かけ」を当て、セリフで「ピタッと」「どんどん」と言わせるところは、当然auの格安SIM対策として出した「ピタッとプラン」一連のシリーズCMを連想させます。さらに花菱アチャコのモデルであるアサリを演じているのは、今はCMに登場していませんが、auの昔話シリーズの途中で一寸法師として出演していた前野朋哉さんなのですから、まさに確信犯的な演出だと言わざるを得ません。

まさかNHK大阪放送局はauの展開を行なっているKDDIにおける筆頭株主である京セラと何か関係あるのかとか、主演の葵わかなさんも関西の通信の雄であるケイ・オプティコムの運営する格安SIM(しかもサービス開始当初はauの回線を使うSIMカードのみの提供でした)を提供するmineoのイメージキャラクターをやっていたから起用されたのかとか、全く荒唐無稽な私の頭の中で考えただけの説もそれらしい話になってしまう恐さがあり、単に面白いからコラボしようというのは違う気もします。

確かにテレビで見掛けるいろんなものがつながってドラマも面白くなるということはあるでしょう。現代のテレビは民放であってもNHKから資料映像として朝ドラや大河ドラマの映像を借り、そのドラマに出演した役者さんを自局のドラマに出す中で、朝ドラとからめて自局の番宣に使うことはどのネット局でもありますので、持ちつ持たれつということはあるのかも知れませんが、でも今回のNHKの悪ノリはいただけません。

そもそも、このドラマを録っている中だったり、編集してチェックしている時に、これはあからさまにauという特定企業を見ている人に連想させるからまずいのではないかと口を挟む人はいなかったのでしょうか? もしそういう人たちも了解の上で流れたものだとしたら、もし私がauの競合している他社の人間だとしたら何らかの抗議をするように働きかけると思います。

一つ言えることは、今回のような番組をNHKが放送したことで、「日本の公共放送とは何か?」という問題を考える場合、ある程度企業活動の宣伝をしたり、他の民放局とのコラボレーションを行なってもいいということになると、NHKにも企業から圧力を掛けることができるという可能性を持つことになってしまいます。具体的な会社名や商品名さえ出さないからいいというくらいの判断しか上層部がしていないのなら、今後はかなり高度なサブリミナルコントロールが日本国中多数が見ているNHKのドラマを使って実行され、特定の企業の利益に寄与する可能性があることを関係者は肝に銘じるべきではないでしょうか。


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