録画放送が当り前のゴルフ中継でも不満が出るところ

様々なスポーツが日本でテレビ放送されていますが、ゴルフほど生中継が難しいスポーツも他にないと思います。ラウンドを全員が一緒に行なえないので、中断するにしても各々の選手が違うホールで止まってしまうのでスコア比較をしたとしても必ずしも順位通りのスコアで終わることはないと思いますし、いわゆる「テレビで見せたい選手」のプレーが早く終わってしまった場合、たとえ生放送で中継されている試合だとしてもその内容が録画放送と変わらないということにもなりかねません。

今回のリコーカップ2019は国内の女子プロゴルフツアーの最終戦で、その結果によってその年の賞金女王が決まるということで、前日から注目されていたので、たまたまその時間にテレビを付けてしばらく見ていたものの、ふと何の気なしにスマホで調べものをしようとポータルサイトを開いた時、すでに試合は終了しており賞金女王が誰になったかという結果が見えてしまいました(^^;)。私自身はそこまでゴルフ一筋というような熱烈なファンではないこともあって、早々とテレビ中継からは離脱してしまいました。

ちなみに、日本テレビの直前の番組は「1億人の大質問!?笑ってコラえて!傑作選」という過去の放送の再放送を含めた総集編で、編成の決断があればもう少し早くからゴルフを生中継で流すという選択肢もあったと思います。日本のメジャー大会についてはNHKが生中継を行なうためネットに先に結果がのるということはないのですが、民放のゴルフ生中継というのは海外のメジャートーナメント以外はほとんどなく、あくまでコアなゴルフファン向けの中継になっている現状があります。生の緊張感があればこそ、それまでほとんど試合を見たこともなかったラグビーのワールドカップが盛り上がったということもあったと思うので(過去のバスケットボール世界選手権との違いはそこでしょう)、最終戦の盛り上がりを考えての英断はあっても良かったのではないかと思うのですが。

現在、日本の男子ゴルフはスター不在とスポンサーの撤退により女子と比べると厳しい状況があるという事ですが、今元気のいい女子ゴルフだとは言っても、今回のように途中で結果がわかってしまって興ざめということが続き、さらに有望な選手が拠点を海外に移すことが起きてくればすぐに男子と同じような事が起こるでしょう。さらに女子ゴルフについてはアメリカに行かないであえて日本ツアーに参加する多くの韓国人選手の存在が盛り上がりの一つになっていますが、今後の日本と韓国との関係によってはどうなるかわからないところもあります。そう考えるとまずはエキサイティングな瞬間を何とかテレビで伝えられるように、一応の放送時間は決めていてもその前か後にはサブチャンネルで生放送を行なうとかの方法もあるでしょう。

せめて多くの人が関心がある試合ではどの局に中継が割りふられてもそうした放送を行なうようにするとか、そういう事も考えていかないと、今回の私のように中継放送が録画だとわかったとたん見るのを中断し、別の局に変えてしまう視聴者が増えるでしょうし、その結果が具体的に視聴率という数字で示されたらスポンサーも撤退していくでしょう。そうなると、それでもあえて録画中継を見る人というのはコアなファンだけになりゴルフをテレビで見る人自体が減っていき、プロスポーツとしての存続にも影響が出る可能性もあるのではないでしょうか。そうなれば有望な新人は国内より国外に活動の場を求め、ますますテレビでの中継が難しくなります。

たまたまゴルフからチャンネルを変えた先でやっていたのは民放のBSをまたいで笑福亭鶴瓶さんとTBSアナウンサーの安住紳一郎さんがぶっ通しで中継する一連の「放送局漫遊記」を見てしまったのですが、スポーツ中継でもこうしたリレー中継が実現するようなら人々は地上波よりBSという選択をもっとしていくのではとも思えます。ちょっと話は飛んでしまいましたが、このままではネット動画のLIVE配信がさらに普及すれば、もはやテレビでなくパソコンにモニターを接続した状況で多くのネット動画やネット放送局の番組を見る状況になることも考えられる中、まずは注目の素材を地上波で扱うなら、いかに多くの人が見てくれるように流すかということを考えていただきたいと強く思うのです。

(番組データ)

LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ2019 最終日 日本テレビ
2019/12/01 15:00 ~ 2019/12/01 16:25 (85分)
【解説】 塩谷育代
【ゲスト解説】 服部道子(2020東京五輪女子代表コーチ)
【ラウンド解説】 平瀬真由美 古閑美保
【実況】 中野謙吾

(番組内容)

令和初の賞金女王争いは3人に絞られた。 全英女子OP優勝・スマイルシンデレラ 渋野日向子。 17年賞金女王・今季7勝 鈴木愛。 元世界ランキング1位 シンジエ。 今年の女子ツアーを牽引した3人が、最終戦メジャーで相対する。 鈴木愛=史上7人目の日本人複数回賞金女王なるか。 シンジエ=史上初の日米韓賞金女王なるか。 渋野日向子=史上最年少賞金女王なるか。 歴史的な瞬間が、まもなく訪れる。

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