番組構成の力を垣間見た「ふたりのビッグショー」

基本的にはこの年に惜しまれつつお亡くなりになった歌手の西城秀樹さんを偲んで、過去に番組でご一緒した野口五郎さんをゲストに招き、当時の話を聞きながら番組は進行するのですが、今回はまるまる番組を再放送した野口五郎さんと西城秀樹さん出演の「ふたりのビッグショー」が圧巻でした。

こんな事を思ってしまうのは、最近のテレビではなかなかしっかりとした構成のショーを見ることがないということがあります。バラエティでも完全に台本があるようなものより、その場での瞬発力を試すようなアドリブが要求される番組というのはそれはそれで面白くで気に入って見ているものもあります。一例としてはフジテレビの「さんまのお笑い向上委員会」などは収録番組ではあるものの、予定されたエピソードからずれる所が面白く、その面白さのためなら用意された台本も飛ばすということもありそうな番組です。

今回の「ふたりのビッグショー」は、アイドルとして「カックラキン大放送!!」(日本テレビ)や「8時だョ!全員集合」(TBSテレビ)あたりの構成のしっかりした歌ありコントありの当時の人気番組に出演することが多かったお二人にとっては真面目に用意された歌を歌うだけではファンが納得しないこともあったのか、コントの要素も取り入れたお互いのノリとツッコミがお二人の仲の良さを印象付ける結果になりました。

ただ、ああしたやり取りはいくらお二人が仲が良くてもすんなりと時間に合わせてできることではなく、そのための演出であったり台本が必要になります。そんな掛け合いの言葉も単に台本の内容を喋っているというのではなく自然にこなされていましたし、スムーズに歌や演奏(野口さんはギター、西城さんはドラムとギター)につなげることもできるのも、きちんとした構成台本があるからで、見る方もハラハラすることなく安心して見ていられました。

こうした番組作りは古いと言われればそれまでかも知れませんが、この番組も収録で行なわれ、ディナーショーのようにその場でのやり直しのきかないものでもあります。ただディナーショーと違うことは、テレビの向こうにはもちろん出演したお二人の大ファンもいるでしょうが、そうでもないと思う人や、たまたまテレビを付けたらこの番組が流れていたという人もいるはずです。そんな中でテレビの向こう側に注目して見続けてもらうだめの番組というよりショーの作り方というのは大変に素晴らしく、単に西城秀樹さんの追悼という意味あいだけではないものが感じられました。

翻って、今の日本の音楽シーンについて考えてみると、当然このようなショーとしての番組を十分に楽しむものにできる方というのは当然いると思います。ただテレビというのはライブと違って時間の制約があるので、嫌う人がいることも事実です。しかしながら、自らの意見と構成担当のスタッフとの連携を取るようにしてこうした番組という形で素晴らしい歌や演奏、そしてその人となりを表わすトークパートをうまくまとめて番組を作ることは決して不可能ではないのではないかと思うのです。紅白歌合戦に頼まれて出場して、自分の好みの演出を押しつけるのは嫌われると思いますが(^^;)、自分のパフォーマンスをテレビ番組の中でどのように伝えるか、そんなことも考えてくれるアーティストが沢山出てくれると、テレビの場合は全国どこでも見ることができますので地方にいてなかなか生のステージを見られないファンにとっては嬉しい話なのですが。

(番組データ)

あの日 あのとき あの番組・選▽西城秀樹歌声熱く 野口五郎語る人生のデュエット NHK総合
9/16 (日) 13:50 ~ 15:00 (70分)
【ゲスト】歌手、俳優…野口五郎,
【司会】森田美由紀

(番組内容)

7月に放送した「西城秀樹 歌声は熱く 野口五郎が語る“人生のデュエット”」をアンコール放送します。西城さんの歌声と、親友・野口五郎さんのお話をご覧いただきます。

「もう一度見たい」というリクエストを数多くいただいた「西城秀樹 歌声は熱く 野口五郎が語る“人生のデュエット”」(7月1日放送)をアンコール放送します。多くのヒット曲で人気を集めた、歌手の西城秀樹さんが5月、63歳で亡くなりました。西城さんのパワフルな歌声と、親友・野口五郎さんのお話をたっぷりとお伝えします。野口さんと西城さんが出演した「ふたりのビッグショー」(1993年放送)もご覧いただきます。


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