地上波TVバラエティへの文句を電波にのせる千原せいじのしたたかさ

漫才コンビ「千鳥」の二人の冠番組ということですが、千鳥はスタジオのみの出演で、VTRを好きな所で止める権限があるという「笑神様は突然に」(日本テレビ)のシステムをそのまま使っています。もっとも「笑神様は突然に」には島シリーズということで千鳥も出演しているのでネット局の垣根を超えて仁義は切ってあるのかなという気もしますが、ツッコミの鋭い千鳥なので、全く違和感を感じることはありません。

また、VTRの内容もロケで決まった場所を訪れたタレントさんがアポ無しで地元食堂に入り、相席をお願いした後でその人のお宅におじゃまするという、何やら「鶴瓶の家族に乾杯」(NHK総合)や「家、ついて行ってイイですか」(テレビ東京)の2番組を合わせたような作りになっています。ただ、この種の番組の面白さを決めるのは出演するタレントさんの技量や、VTRにツッコミを入れる側の力量があれば二番煎じでも十分面白い番組として成立するでしょう。今後、この組合せ以外にもこの種の番組が量産される予感がしなくもありません。

今回の「相席食堂」が面白かったのが、2ヶ所訪れたゲストがどちらもキャラが立っていて、菊池桃子さんは意外とロケに強いということがわかったということと、この種の田舎まわりに強い千原せいじさんの安定した面白さでした。
ちなみに、吉本興業が私の住む静岡県沼津市に専用の劇場を持っている関係もあって、ネットで言うと日本テレビ系の「静岡第一テレビ」の夕方のワイドショーに千原せいじさんが地元の名物キャスターとコンビを組んで静岡県内を回るコーナーを行なっているのですが、口は悪いわ下品だわ、おまけに企業訪問をして少しでもお金の匂いを嗅ぎ分けると、自分ならこうすると言い放ったり、自分のところで商売にしたいなどと言ったりと、その味を存分に発揮して笑いを誘っています。

今回千原せいじさんは長崎県五島列島を訪れようとして、飛行機が機材故障で飛ばず、高速船も高波で運休の中、8時間遅れで島に入り、そのまま飲み屋街をはしごするのですが、そこで出会ったお店の方とお客さんに教えられたのが五島列島の酒飲みの風習が、人にお酒をすすめる前に杯を空にして相手にも杯を空にしてもらい、延々と酒をすすめ続けるという大変恐ろしいものなのですが、せいじさんが入った居酒屋さんでは焼酎のロックでそれをやっていたのですから相当なものです。

ここで、その風習をせいじさんもやるのかと思って見ていたら、これが関西ローカルの強みなのか、せいじさんは自分がなぜそのお客さんやお店の方と一緒に杯を空にしないのかを説明し始めました。賢明な方ならもうおわかりでしょうが、テレビでタレントが「一気飲み」を奨励するような飲み方をするとテレビを見ている人が真似をする恐れがあるのでテレビ内での一気飲みというのは自粛されているということなのです。

もしこれがドラマで、登場人物を酔わせて何かするという設定であれば違うのかも知れませんが、あくまでタレントが飲むという点についてはローカル放送であってもダメなラインはしっかり線引きがされているということになるのでしょう。ただ、昔のテレビを知っている人なら、昨年LGBTに対する配慮に欠けるとフジテレビが謝罪するという騒ぎになったとんねるずの曲で、あの秋元康さんがプロデュースして作詞もした「一気!」という曲です。当時は若者の飲み会の熱気をそのまま伝える曲として数々の賞も受賞したのですが、さすがに今はこの曲を地上波で歌うことは難しいでしょう。

この一連の流れの中で千鳥はVTRを止めることもなくそのまま流していましたが、東京で出ないのならここでもう一笑い千鳥からもコメントが欲しかったと思います。というのも、現在アマゾンプライム会員限定でネット配信されている「ドキュメンタル シーズン4」において、地上波では絶対に放送できないくらいの醜態を晒してまで笑いを取っているのを先日見たばかりだったので(^^;)、ついそんな事も考えてしまいました。ただ、ネット配信の「醜態」については、見る人が見ると全く今の千鳥を許せなくなると思いますので、見るにも覚悟が必要だと思いますが。

今回、本放送からは遅れたものの、偶然深夜の静岡で私は見ることができました。番組ホームページを見たところ今回の番組の内容について記載はあったものの、次回への言及がなかったのでもしかしたら特番扱いなのかとも思いますが、次回があるとしたらぜひロケに出掛けるタレントさんを厳選していただき、ローカル番組の色として構成は有名な番組をなぞるような形であっても、その内容で千鳥の個性を出して欲しいと思います。

(番組データ)

相席食堂~ついて行ったらチョメチョメじゃった 朝日放送(関西ローカル)
2018/01/04 23:20 ~ 2018/01/04 00:15 (55分)
出演者
千鳥(大悟・ノブ)
VTR出演
菊池桃子
千原せいじ

(番組内容)

芸能人が田舎の食堂に突然現れ、地元の人にいきなり相席をお願いしたら、どんなドラマが生まれるのか?さらに、相席した人について行ったら、どんなチョメチョメが待っているのか!?そんな行き当たりばったりの展開を“田舎出身&ロケマスター芸人”の千鳥がツッコミながら見守る“芸能人と地元民のガチ交流バラエティー”!

「ウチの島にも食堂が一軒だけあったからわかるけど、田舎の食堂は、毎日、同じ人が同じ時間に来るだけで、何もハプニングは起きない」と、大悟が“田舎あるある”を披露。「そこに芸能人が行ったら、どうなるかじゃ」と、ノブは未知数の展開に期待を込める。そんな2人の目の前にあるのが、VTRをいったん止めることができる“待てぃボタン”。VTR中に気になる箇所があれば、どんどんボタンを押して止め、自由にツッコんでいく。

今回とある田舎の食堂に向かう芸能人は、何と菊池桃子、そして千原せいじ。まさかの菊池桃子登場にいきなり仰天の千鳥。早くも“待てぃボタン”を押す。菊池は食堂で相席した女性に、「20万人以上が訪れる」という地元の一大イベントがあるという話を聞く。果たしてそのイベントとは!?

一方、せいじは数々のトラブルによって行く手を阻まれる…「この人にブッキングするからこういうトラブルになるんよ!」と大悟が声を荒げるが、せいじは悪態をつきながらも持ち前の強運で何とか乗り切り、地元の漁師とふれあう。


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