「ディベートバラエティ」をテレビ局が手掛けないのは何故か

見終わってスッキリするドラマや映画の世界とは違って、現実の世界の中にはこちらがこうあって欲しいと思うことでもうまいことまとまることがなくうやむやのまま終わってしまうことがかなりあります。

そうしたフラストレーションをスカッとさせることができる番組に「痛快TVスカッとジャパン」(フジテレビ)がありますが、これは視聴者からの日常の中でのストレスが溜まる対人関係の内容をミニドラマで再現しながらストレス解消へと持って行く作りになっているものの、ミニドラマでストレスの種となるキャラクターが逆に際立ってしまって、その悪役が人気になってしまってくると、なかなか悪いやつをやり込めてスカッとするという方に行かなくなるという番組としての存在の危うさがあるのではないかと個人的には思っています。

そして、できれば収録したVTRでなくスタジオでのやり取りの中でスカッとする方がたとえそれが収録番組であっても放送中にはそれなりのリアリティを持てます。そんな風に考えてぜひテレビのバラエティ番組の中で実行することができないだろうかと思う事があるのですが、今回はそんなスカっとできるかも知れない私の思い描く番組の姿についてちょっと書きたいと思います。

世の中にはイデオロギーの対立があり、そうした事柄に正面からぶつかろうとした番組に「朝まで生テレビ」(テレビ朝日)があり、更にそこから派生したと思われる「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)という人気番組も生まれました。しかしこの種の番組というのは、どちらの言っていることが正しいのかという討論というよりは、いかに相手より大きな声を出して自分の言いたいことを時間内に言い尽くしたり、相手の発言をいかに妨害するかという事が大切なような感じになり、逆に見ている人の中には「何が話されているのか多くの人が同時に喋るのでわからない」とか、「話を聞きたい人が喋ろうとしたら妨害するように話をかぶせてくるのにムカついた」とか、かえって番組を見てストレスが溜まるということもあるようです。これは、多くの論者がいて話すので時間の制限があるテレビではどっちみちこうなることはわかっているとはいうものの、もう少し見ている人にわかるような形でディベートをするような番組があればなと思うのです。

討論する内容については、あえて政治的なイデオロギーの論争になって本質がわからなくなるようなことがないように、それこそ「痛快TVスカッとジャパン」のような日常の些細な悪人(シチュエーションを十分理解した役者さんにやってもらう)を尋問して最終的に論破すれば成功とするような形にすれば、番組がイデオロギー論争に巻き込まれることはなくなるでしょうし、政府や各種団体からあからさまに抗議を受けることもなくなるでしょうから、あくまで題材については今の政治についての内容は控えた方がいいと思います。

希望する内容というのはあくまで「一対一」でディベートするということです。その際、一定の時間を区切ったりディベートの場所をリングの上にしたりすればバラエティ色も高まるでしょう。何回かに区切ってディベートを行ない、スポーツで言えば審査員役のタレントがそのディベートを判定するようにすれば、時間制限のあるテレビ番組内でもそれなりに面白くまとめられると思います。

例えば、今多くの人がおかしいのではないか? と思っているかも知れない「共謀して何かを隠そうとしている人が口裏を合わせて証言をし、さらにその中で追求されたくない質問をされた場合に『記憶にない』と言う人の嘘をどうやって追求するか?」というような事でも、国会で繰り広げられているやり取りを見てもっともらしく「野党は追求が甘い」と言い放つ人が本当にそうした人物を追いつめられるのか見てみたいです。当然そこまで言う方なら自分の実力を示そうとしてくれるでしょうから、弁護士や元刑事、さらに政治評論家という立場の方がガチですごい人なのかが証明されるわけで、本当に自信のある方なら喜んで出演してくれるだろうと思います(^^)。

こうした番組が軌道に乗れば、番組内で卓越したディベート能力を示した人が国会議員としてスカウトされたり、それこそ橋下徹さんのように首長や政党の代表として最初は単なるテレビに出ている人だったのが世間に大きな影響を与えるような人材を輩出するようなものに化けるかも知れません。ただその際、番組出身の国会議員が国会で何かの疑惑で追求した内容が現在と同じように批判されることがないよう、スターを作リ出すためのヤラセは避けてくれれば、見て楽しいし社会にも役に立つかも知れないバラエティになるのではないかと思うのですが、この考えはかなり甘いのでしょうか(^^;)。


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