「番組単体課金」の実現がエンターテインメントを変えるかも

日本ではどうしても東京中心に人が集まりがちになり、地方から若年層がいなくなってしまうのが問題になっていますが、地方在住の身からするとまだ特に都市部から地方への歩み寄りが足りないのではと思うことがあります。

ただ、インターネットとBSやCSテレビが使えるようになってかなり地方でも買いたいものが買え、見たいものが見られるようになってきたとは思います。楽天やYahoo!、そしてアマゾンで買い物をして、支払いはコンビニを使うことで離島の場合は余分に送料はかかりますが、価格的には十分安いものを直接購入することは可能になりましたし、衛星放送やネット配信なら日本国内にいれば全て同じプログラムを楽しむことができるわけですから、直接見に行けないもの以外は何とか楽しむことができると考えることもできます。

ただ、地方だとどうしても叶わないのが生のライブを直接見られなかったり、大都市でなければ商売にならない映画や演劇・演芸を見る機会が持てないことではないでしょうか。こうしたディメリットを払拭するために、全国各地には多くのイベンターのような事をやっている人がいて、自分で映画やコンサートを企画してしまうというケースもあったわけですが、それはそれで素晴らしいことではあると思いつつも、皆のために呼んでくれる個人がいなくなってしまえばなかなか続かないことも事実です。

そんな中で、テレビの薄型化・高画質画が進み、インターネットも高速回線が普通になっていくとエンターテインメントについてはテレビで出来ることは相当あるのではないかと思うことがあるので、ここで書かせていただきたいと思います。

すでにあるテレビ番組の場合、今後東京でしか放送されていない深夜枠の番組や、そもそも地方に系列局のないテレビ東京をどうするのかという問題がありますが、今回書きたいのはその種のことではありません。例えば落語の好きな人だったら有名な寄席であったり、音楽であればライブハウスであったりします。演劇なら小劇場でもあったりするのですが、要は今まで東京へ行かなければ見られなかった様々なエンターテインメントをカメラに映したものをそのまま中継することで見せる方法はないのか? ということです。

大きなコンサートの場合にはBSやCSで生中継をしている場合が多いですが、ユーザーからするとちょっと使い勝手が悪いと感じるところがあります。例えば、局の番組の中でも一つのコンサートやスポーツ中継が見たいという場合、多くの有料サービスは月単位の契約を要求するわけですが、月額の料金を支払うことについてはしょうがないと思うものの、自らサービスに入会した場合に改めてサービスを解約しないと見もしないプログラムについての毎月の負担が生まれてしまいます。

東京でコンサートやスポーツを見に行く場合は予約するにしろ当日券を購入するにしてもその日一回のためのチケットを購入するだけで済むので、その点が気楽でお手楽な都市生活の強みだと思えるとともに、もしCSでもネット配信でも、見たいプログラム1つからでも利用できるエンタメ系サービスがあれば、自分の興味に沿ったサービスを展開していればかなり生活の質が都市でのそれと近くなるのではないでしょうか。

例えば、「ジャズ」というジャンル一つ取っても様々な嗜好の差があります。有名な海外のミュージシャンが来日したセッションなら見たいが、わけのわからない国内アーティストには見向きもしない人もいれば、国内でも特定のライブハウスでしか演奏しない人が位好きな人もいます。それが「ブルーノート東京」と「新宿ピットイン」のような通うライブハウスの違いになってくるのなら、各ライブハウスに簡単な中継設備を置き、毎日のライブを連日配信する中で、見たい人は月間のスケジュールを見てそのメンツによって1ライブからでも番組配信を購入できるようなサービスがあれば、ネット配信を大画面テレビに映すことで、生の臨場感までは行かなくても地方在住でもかなり都会並みに楽しめるのではないかと思います。

多くのエンターテインメントで、特に地上波やBSでもめったに見られないミュージシャンや劇団、落語、地下アイドルなど、太い回線を用意しなくても良さそうなジャンルであれば設備投資(特に中継回線)の問題は回避できると思いますし、演ずる側にもその料金の一部が行き渡るというなら「絶対にテレビでは見られない」という人の出演となれば、コンサートのチケットより少し安いような金額でも売れるのではないかと思うのです。

料金の支払いを電子マネーにして、送金完了したらその番組だけを見るためのワンタイムパスワードを送るようにするとか、何かしら使えるアイデアはあると思うので、個人的にはCS放送でもこうした一番組だけの視聴が実現できないかなと思います。こうした視聴方法が一般化すれば、逆にテレビは地方にはなくてはならないものになっていくかも知れません。


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