「山谷」をバラエティで簡単に扱う人の根底にあるもの

現代の日本のテレビは様々な「コンプライアンス」にがんじがらめになっていて、昔のテレビと比べると明らかにテレビ制作者がやりたいことができないようになってきているということは当然あります。だからこそ、そんな制約の中で面白い番組を作っている人や番組は応援したいという風に思っているのですが、流石に今回の「山谷」に行くというのは反則ではないかと、見ていて違和感を覚えました。

ただ、このような「地域の有名人」に取材しその人の様子を笑うという番組はあり、最近は複数の番組でそうした事を毎回やっているような番組も存在します。昔の「天才たけしの元気が出るテレビ」(日本テレビ)や「さんまのからくりテレビ」(TBS系)では番組の方からの演出もあったのかも知れませんが、最近の番組ではそうした強烈なキャラクターをそのままカメラの前に出し、強烈な個性を持つ人を取り合っているような感じもあります。「月曜から夜ふかし」(日本テレビ)で注目されたキャラクターがなぜか「町のご意見番」として「バイキング」(フジテレビ)に出ていたりしているのも、そこまでテレビはキャラクター不足でなさそうなのにとも思ったりします。

今回、山谷にいる人の「あだ名」について調査するということで山谷の町や飲み屋に取材カメラが入ったわけですが、当然ながらまともにカメラの前に顔を出せるような人は少なく、露天市である「ドロボウ市」にいたってはそこに集まる人の顔を出すことはもちろん、場所の特定すらもコンプライアンスの関係でしませんでした。山谷に生きる人の事を楽しく番組出演者は見ていたような感じではあるのですが、そもそも山谷とはどんな街で、そこで生きる人はなぜ集まってきたのか? というような予備知識なしに単にその人個人のキャラクターを面白がるというのは、それこそ山谷地域に住んでいる小学生と同じレベルの興味の持ち方ではないかと思えます。

現在の山谷はもはや単なる日雇い労働者の街ではなく、生活保護を受けて生きる人の方が多くなっている「貧困」「高齢化」という正に未来の日本の一部はこうなってしまうのではないかと思われる様々な問題が渦巻いている街です。そうした街の歴史や内情を知っている人がテレビ視聴者に多くいるなら説明不要で一気に現場報告でもいいとは思うのですが、「山谷」という場所で取材するなら今回は「銀座のあだ名」は別の回に回して一回分濃密に山谷を紹介するような形でも良かったのかなと思いますね。

今後、単なる興味本位なだけで今後山谷や釜ヶ崎、寿町のようなところでロケをするような企画があったとして、番組を見た人にとっては残るのは大きな違和感と偏見だけで、それがまた街のイメージを悪くし、ひいてはそこに住む人の居住環境を悪くすることにテレビが一役買ってしまう事も十分に有りえます。全く山谷を知らない人にとっては、単に面白がって作ってしまったテレビの企画によってその人の考えが形作られてしまうわけで、その辺は十分考えてこうした対象と向き合っていただければと思います。

(番組データ)

親愛なる、あだな様【噂のあだ名を大調査~銀座高級クラブの世界~】テレビ東京
2019/06/18 00:12 ~ 2019/06/18 01:00 (48分)
【出演者】
山崎弘也(アンタッチャブル)
大久保佳代子(オアシズ)
向井康二(Snow Man/ジャニーズJr.)
福田典子(テレビ東京アナウンサー)
あだな調査隊

(番組内容)

【銀座の高級クラブ】 座っただけで3万5000円以上もかかる銀座の高級クラブ。それを支えるのが「ドンペリママ」「銀座の女王蜂」など強烈なあだなを持つママ達!さらに、そんな高級な場所に来るお客さんにもあだな調査をすると…「イヤホンマン」「銀座の先生」などクセが強すぎるキャラが続々!さらに伝説のスカウトマン「銀座の黒服王」にも密着調査。
【日本3大ドヤ街 山谷】 日雇い労働者の街として知られる山谷には、「キャッチボールおじさん」「お上手さん」「ニタリ」など、不可思議でワケありのあだな様だらけ!さらに「ドロボウ市」と呼ばれるディープスポットにも潜入。


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生中継こそが「花」なのにその「花」を奪った奴らは誰だ?

お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太さんと、女優の蒼井優さんが結婚したということが2019年6月5日の朝に唐突に発表され、山里さんが声の出演をしている日本テレビの「スッキリ」では「夜に記者会見をやるから詳細はそこで」と発言したことでその日の夜7時から行なわれるという記者会見にがぜん注目が集まることになりました。

山里さんはその会見の頭に、こうした場を作った理由というのは、FAXをマスコミに送り付けたり、唐突にブログやSNSで発表すると憶測を生むので、しっかりと伝えたいという事を言っていました。まさしく結婚したお二人にとってはこの場が晴れの舞台であり、今後披露宴を行なったとしてもそこまで注目されることはないだろうという中での会見は、当然リアルタイムで行なわれるだろうと思って、様々な会見を生中継することで定評があるAbemaTVを付けて待っていたところ、待てども待てども会見が中継されることはありませんでした。

7時からは地上波で流れた午後5時からのニュースの再放送をしていたと思ったら、しばらくして会見を伝えるAbemaTVのスタジオに切り替わったのですが、そこでもまだ会見の様子については一切伝えられず、いつから会見の様子を中継するのかも明らかにされませんでした。これはAbemaTVの失態か? と思ったらアナウンサーからここまで生中継がされない理由というのが発表されました。それは会見の一分前に発表された事だったそうですが、お二人の事務所のどちらの意向なのかはわかりませんが、会見開始から終了(お二人が会見場から姿を消すまで)の間は同時中継をしないようにだけではなく、会見で語られた内容を出すことも禁止されたという事でした。

そのため、AbemaTVの放送はしばらくアナウンサーの方々がどうでもいい話を数十分間もくどくどと垂れ流すことになり、中継を楽しみにしていた人を裏切るだけでなく、午後9時から放送される番組の出演者も黙って会見の中継録画映像を見ているだけだという、多くの人の予定を狂わせることになってしまったのでした。なぜこんな「報道管制」をおめでたい結婚報告の場で仕掛けるのでしょうか。

これは、情報をあくまでもコントロールし、ネットテレビには好きなようにはさせたくないという事務所側の意向なのかもしれません。そうとでも考えなければ、技術的にも、恐らく会見したお二人についても、会見の様子を生中継することについては大きな問題があるようには思えませんでした。なぜ強制的に「中継録画」を見させられなければならないのかという点において、ネット放送を含めたテレビが、その即時性を放棄した例として、後々にもその記録を残しておくべきだと思いました。

今回の事をおかしいと思わない人もいるかも知れませんが、こうした例はどうでしょう。もし、東京オリンピックのある競技において、一つの競技団体が「自分達の競技の中継は生中継はまかりならん」と一方的に宣言し、試合開始から試合が終わり、選手が会場から完全に退場するまで(つまり試合後のインタビューも含む)中継どころか試合内容の紹介や試合結果を一切報道することはまかりならんとマスコミに圧力を掛けたら、テレビで生中継を楽しみにしていた視聴者はどう思うでしょうか。今回の会見は正にそんな感じで行なわれ、後追い中継録画を見ながら決してスッキリしていなかった視聴者が多くいたのではないかと思います。

会見についての報道規制はお二人の罪ではないと信じたいですが、もしこうした事が事務所の独断で決められたのだとしたら、今後お二人の会見の裏で様々な憶測が流れることにもつながるかも知れず、この事が原因で騒動になった場合にどうするのかと本気で心配するところです。そんな憶測を生みたくないと思ってお二人は今回の会見を開いたのに、そこから何か変な流れになってしまったらと思うと、「人の幸せをダシに使って金もうけの種にしようとする奴」が一枚かんでいるのか? という風にも思えてしまいます。

こんな事が続けば、もはや芸能人は独自にネット中継をするなどしなければ生で気持ちを伝えることすらできなくなってしまいます。それは、もはやテレビではなくなってしまうので、テレビ業界についての危機にもつながるのではないかと本気で心配してしまった今回の会見録画中継でした。


震災<人災という現実を垣間見せてくれた2つの番組

テレビ局の編成が力を持つのは、まさに今回のNHKの夜の番組の並びを実現できるような選択ができるからだとしみじみ思いました。昨日、2019年6月3日の午後10時から放送された「逆転人生」から「事件の涙」という2つのドキュメンタリーをノンストップで続けられたことで、チャンネルを変えるタイミングを逸してそのまま見てしまったのですが、こういった意見の伝え方があるのかと感じることになったので、ここで改めてその内容について紹介させていただきたいと思います。

まず、「事件の涙」という番組は再放送で、本放送は2018年の5月に初回放送があったもので、初回放送を見た方からすると、単体で見た番組について消化不良な所もあったのではないかと考えられるような番組の構成だったように思います。

最初に「事件の涙」の方の番組内容を紹介すると、この番組自体は大きな事件のその後の関係者の「涙」に焦点を当てて取材する切ないドキュメンタリーなのですが、今回は雪印の食肉偽装(オーストラリア産の肉を和肉として出荷しようとした)を告発した「西宮冷蔵」の社長とその家族のその後にカメラを向けています。

この番組で改めて知った事に、社長の娘さんは衝動的にマンションの14階から飛び降りて命は取り留めたものの下半身不随になってしまっていたということがあります。正義の告発のはずが利用客には契約を打ち切られ、さらに当時の政府には告発をしたのに不正をしばらく黙認していたのではというイジメのような難癖を付けられ、倉庫への強制捜査を入れられるなど、内部告発について告発した側を守るどころか、何の配慮もない行政の理不尽さなどを前にして家族の事までケアできなかったと社長は自分を責め、取材当時には生活のほとんどを娘さんの介護にあてています。

会社を切りもりしていたのは父の想いを受けた息子さんで、必死の努力で何とか売上を最盛期の7割くらいまで回復させたものの、再び当時の大口の顧客から商品の偽装を持ちかけられ、その申し出を断ったところ他の得意先も契約を止めるという、正に日本の企業の底意地の悪さというのか、事無かれ主義というものの犠牲になり、倒産寸前のところまで追い込まれていることが紹介され、まさに倒産寸前の状況を紹介して番組は幕となりました。西宮冷蔵の今後には全く展望が見えないところまで追いこまれているわけですが、これが世の中の現実であることも確かです。

最近のドラマでは「半沢直樹」の大ヒットによる影響もあるのかも知れませんが、中小企業が大企業に対して真っ向から戦いを挑んで勝利する「下町ロケット」や、銀行員が会社の内部で行なわれる理不尽な動きに対して、その妨害にもめげずに自らの行動で状況を変えていくという「集団左遷!」などのドラマが人気になっています。そうしたスカッとするドラマを現実の世界でも行なわれているような形で紹介する番組が、直前に放送された「逆転人生」のようにも思うのですが、今回もやはり最後にはスカッとした結論を導き出すようないわゆるベタな展開になっていました。

別にこの番組で取り上げた岩手県陸前高田市の醤油を作る「株式会社八木澤商店」に罪があるわけではありません。むしろ、東日本大震災の影響で工場にあったもろみと微生物を全て津波で流されてしまったことで会社としてもう二度と震災前と同じ製品を作ることができないということを感じつつも会社を再建しようとする中で奇跡的に4kgだけ残ったもろみから過去と同じクオリティを持つ製品を作ることができた過程は十分感動的でした。

今回、なぜこの番組の後に西宮冷蔵の現在をレポートしたドキュメンタリーを直後にもってきたかということを考えると、あまりにも大きな二つの企業の襲われた災難の「差」というものが浮かび上がってくるのです。

八木澤商店が受けた試練である大きな地震と、それにともなった津波の被害というのは今さら言うまでもなく悲惨な結果を生み出し、多くの人命を奪っただけでなく原子力発電所を壊滅させ、今なおその影響で苦しんでいる人を生み出しています。その被害については大なり小なり違いはあれ、被害を受けた地域では全ての人や企業が同じように受けた災難でありました。それに対して西宮冷蔵が受けた災難というのは自然的な災害では全くなく、西宮冷蔵だけがピンポイントに受けてしまったその全てが「人災」とでも呼ぶべきものでした。顧客の大企業にとって都合の悪いことをしたものの、そのおかげで一般消費者が受ける影響を考えると、誰かがこうした告発者を守ってあげないといけない事例だったのではないでしょうか。

現在西宮冷蔵と同じように営業している同業他社がなぜ問題も起こさず営業を続けているのかということを考えると「決して内部告発などをせず、大人しく産地偽装を黙認していればいい」と考えて社会悪をそのままにしているところが生き残っているという風に少々いじわるに考えてしまうこともできると思います。もしかしたら現在日本の産業全体が低迷しているのは、こうした「正直者が馬鹿を見る」ような状況にあるのではないかという風にも考えられるので、この件についてはまずは西宮冷蔵を貶めた本当の悪はどこにあったかという検証をテレビは行なうべきでしょう。

あの悲惨な東日本大震災よりもひどく、長きにわたって絶望しか生み出さないものが「人災」だというのは本当に悲しいことですし、日本を再生するというのならこの象徴的な事件について、事件の被害者親族を執拗に追い詰めたり、芸能人の不倫事件で関係者のところにしつこく取材するよりも力を注いでいただきたいと思うのですが。

(番組データ その1)

逆転人生「復活!奇跡のしょうゆ 被災地の逆転劇」NHK総合
2019/06/03 22:00 ~ 2019/06/03 22:50 (50分)
【司会】山里亮太,杉浦友紀,
【ゲスト】しょうゆ会社社長…河野通洋,
【出演】村上弘明,秋元才加,しょうゆに詳しい専門家…高橋万太郎

(番組内容 その1)

東日本大震災で壊滅的被害を受けた陸前高田の老舗しょうゆ工場。200年受け継がれてきた“もろみ”を使って醸すしょうゆは全国のファンに愛されていたが、その“もろみ”が津波で全て流され、元の味のしょうゆの製造は絶望的状況となる。しかしたった4キロ、研究用に保管されていた“もろみ”が発見された。しょうゆ会社社長の河野通洋さん(45)は、4億円を借金して工場再建を決意。元の味のしょうゆ復活に挑む。

(番組データ その2)

事件の涙 Human Crossroads選▽正義の告発 雪印食品牛肉偽装事件 NHK総合
2019/06/03 22:50 ~ 2019/06/03 23:16 (26分)
【語り】吉田羊

(番組内容 その2)

2002年、大手食品会社の背信として、社会に衝撃を与えた「雪印食品牛肉偽装事件」。発覚のきっかけは「輸入牛肉を国内産と偽っている」と暴露した、「西宮冷蔵」社長・水谷洋一さんの内部告発だった。しかし、取り引き先は次々と去り、国からも処分を受け、経営危機に。経済的理由で高校進学をあきらめた娘は、心を病み、重い障害を負う。それでも水谷さんは、息子とともに会社を死守、「正義」を社会に問う。


地上波では流せないタイアップもネットでなら

2019年5月になり、NHKの朝ドラが新しいシリーズに変わったと思ったら、それまで鳴りを潜めていた日清食品が、前作の朝ドラ「まんぷく」を彷彿とさせ、さらにドラマに出演していた松坂慶子さんを出演させた、ドラマの中で流れてきそうだったコマーシャルを流しまくっています。それも「ビジネスチャンス」なのかも知れませんが、全国どこへ行っても映り、さらに多くの人が見ていることで注目される朝の連続テレビ小説を宣伝のために使った企業として、ドラマのアンチを中心にあまり良い気分でコマーシャルを見ている人は少ないのではないかと思うのですが、今回のケースは全く逆です。

テレビ朝日は、もはやタイアップの番組であることを隠しもしないで企業の宣伝をし、さらにそれなりに面白さも追求した「シルシルミシル」を放送していましたが、今回の「アメトーーク!」のセットを使って、番組のテイストを保ちながらしっかりとスポンサーの製品の宣伝をしてしまう今回の企画は十分に有りだと思うのは私だけではないでしょう。

今回の企画は、「アメトーーク!」の人気企画である「芸人ドラフト会議」のフォーマットを使い、缶酎ハイの種類を指名し合うのではなく、あくまで主役は「ストロングゼロ」で、その商品に何の「おつまみ」が合うのか? という事でどうでもいい議論をし、指名が競合したら本物のドラフト会議のように抽せんまでしていました。

今回の企画を「おつまみドラフト会議」にしたのは、ビールと比べて缶酎ハイに合うおつまみという風に考える人が少ないことで、居酒屋などでは「とりあえずビール」という風になってしまって缶酎ハイが売れない事も考えられます。スポンサーとしてはここで出てきた様々なおつまみを営業時に提案するなどして、ネットの動画を宣伝しながら相乗効果を出そうとしているようで、その動画を見てしまったのはそれこそスポンサーの思う壺であるとも言えるかも知れませんが、逆に決まったフォーマットさえあれば出演者にうまく宣伝をさせることでそれなりの効果を生み出すことができる好例になったのではないかと思えます。

改めて今回出演したパネラーの方々は、そつなく宣伝することのできる人を揃えたと思いますが、このような露骨な宣伝番組に出ることを良く思わない人もいるのかも知れません。しかしながら、売れてお金持ちになるという道には、しっかりとスポンサーを得て適切にその内容を紹介できるスキルが無いとだめという考え方もあります。できればスポンサー側としてはこの「芸人ドラフト会議」の企画を番組内でプレゼンした有吉弘行氏をオファーしたいところだったでしょうが、それが大人の事情なのかどうかはわかりませんが、今回の出演はありませんでした。

今後こうしたネット専門のPR番組は増えていくのではないと思うのですが、テレビショッピングで良く見る芸人のような形でPR番組中心に活躍するような系統の芸人も生まれてくるのかも知れません。どちらにしても無料放送のテレビというものは、様々な人や物が値踏みされる「ショーケース」であるということは変わりはなく、特に民放はスポンサーからの広告料で運営されているのですから、大なり小なりスポンサーに配慮した行動をすることが活躍するための条件になる事は変わりません。

しかし、最初に書いたことの繰り返しになりますが、公共放送として特定の企業を利するような放送をしているNHKと企業がタイアップして認知度を上げ、販売戦略を繰り広げるのは大きなルール違反ではないかと思います。今回の番組を制作するにあたり、スポンサーのサントリーはそれなりの費用を掛けているわけですし、出演者もそのギャラに見合った商品の宣伝をすることを目的に番組内で踊っています。視聴者側は最初から宣伝番組だとわかっていても、よくあるテレビショッピングの番組とは違う「番組を見る楽しさ」というものを求めるところもあるでしょう。

今回は人気番組のコラボとして企画されたものなので、安心して面白く見ることができましたが、他の企業がこうした宣伝方法について力を入れるようになると、競争も激しくなるでしょう。しかし、企業にとっては商品が売れ、視聴者にとっては面白く動画を見られるこうした企画は面白いですし、もし今後このようなPR動画には高速クーポンを消費しないような仕組みができれば、今までYou Tubeだけを見ていた人も、面白い動画なら買う買わないは別にして多くの人が見てくれるようになる可能性はあります。高速クーポン云々を実現するには問題もあるでしょうが、こうした動画が増えること自体はいい事なのではないでしょうか。

(番組データ)

「ストロングゼロおつまみドラフト会議」テレ朝動画
配信期間:2019/5/24~
配信時間:28分
【MC】雨上がり決死隊/
【パネラー】ケンドーコバヤシ アンタッチャブル山崎 陣内智則 狩野英孝

(番組内容)

アメトーーク!ネットだけのスペシャル番組。
「芸人ドラフト会議」の特別版!
ストロングゼロと一緒に食べたい白熱の「おつまみ争奪戦」!!
唐揚げ?餃子?どうしても食べたいドラフト1位は何を指名?
競合したら激アツの抽選会!
狩野がなぜか爆笑のサプライズ指名も!


政治家の「モノマネ」が芸人にできない時代

今回の内容は、「アメトーーク!」としたらかなりゆるい内容で、出演した皆さんが全員サンドウィッチマンについては骨抜きになったような悪い事は一切言わない状況だったのであまり評価としては高くないかも知れませんが、そんな内容だからこそ垣間見えた点がありました。

ゲストが全員サンドウィッチマンの「イエスマン」だからこそ、サンドウィッチマンのお二人がなかなかテレビでは見ることのないいわゆる「楽屋裏」の写真やモノマネが出てきたのですが、今回は伊達みきおさんがそんな自身に甘い状況の中で披露した「安倍晋三(安倍首相)氏のモノマネ」について思うところを書いていきたいと思います。

まず、伊達みきおさんの安倍首相のモノマネはそれほどクオリティが高くなく(^^;)、さらに内容も「どんな事を聞かれてもアメリカ大統領のトランプ氏に電話して一致した」という事を話すというワンパターンのもので、テレビで何度も披露するものではないのではないかと思えます。しかし、この時の首相のモノマネというものをテレビで見る機会がほとんどなくなった今見ていると、そんなモノマネでも結構面白く、「全部トランプ氏に相談して決める」という行動を揶揄しているわけではないにしても、それ以外ネタがないので同じ事を何回も何回も繰り返しているうちに微妙な面白さというのが生まれてくるから不思議です。

過去には政治家を揶揄して笑いを取るというのは、古くは三木鶏郎氏のラジオ「冗談音楽」がありまして、NHKが政治ネタを笑いにすることを禁止されるようなこともあったのですが、その後は時の権力をやり込めるというよりも、単にものすごい個性のある政治家の姿を真似することで、そのデフォルメされた姿がより一層広まることもあり、政治に全く関心のない人でも加藤茶さんが真似をする田中角栄氏とは本当にそんな喋り方をする人なのかとつい国会中継を見てしまうというような事もあったと思います。寄席ではモノマネではなく「声態模写」の芸と言われた桜井長一郎さんが様々な声色を使って「一人国会中継」をやるのが演芸番組で放送されたりされたことで、日本の当時の政治家の方々を身近に感じられるようになったということもありました。そして、今から考えると田中角栄・大平正芳・三木武夫・福田赳夫といった元首相の面々が文句をテレビに言うこともなく「声帯模写」の芸を殺さないで放置していてくれた事も重要な点であったような気がします。

現在の政治家については、小泉純一郎さんや麻生太郎さんがモノマネをされていたことがありましたが、これはそれだけ個性の強い声をしている政治家であったことの裏返しで、かえってその人物の大きさを感じる事ができると思う方もいらっしゃるでしょう。その後、小堺一機さんと清水ミチコさんの鈴木宗男氏と田中真紀子氏との対決なんてネタもありましたが、You Tubeで検索しても消されているのか出て来ないのが悲しいところです。

恐らく、今後真面目に安倍首相の国会答弁をデフォルメして笑いに使おうと思った人がいたとしてもテレビ局側からNGが出るような気もしますし、すでに時の首相でお笑いなんてことがご法度になっているのかも知れませんが、だからこそこの番組で安倍首相のモノマネを何回も何回も強要させる姿というのは何とも言えない面白さがあったのだと思えます。恐らくあれだけ東北の復興に力を尽くしているサンドウィッチマンのお二人にテレビ局も政治家方面も、今回は特別だと思わせることができれば、改めて文句も出ないと思われます。

ただ、同じ事をテレビでやるというのはなかなか難しいでしょうね(^^)。それでも、私なども半は忘れ掛けていた芸人による政治家のモノマネで笑いを取る行為というものがまだテレビの裏側では生きていたということを確認できたということだけでも今回の番組は貴重なものを見たという感じにさせられて、見る機会があって良かったと心から思えるものでした。実際に伊達みきおさんの安倍晋三氏のモノマネが見たい方は、テレビには出ない劇場でリクエストされると、もうお腹いっぱいと思えるくらいやってくれるのではないでしょうか。

(番組データ)

アメトーーク! サンドウィッチマン大好き芸人
2019/05/16 23:20 ~ 2019/05/17 00:20 (60分)テレビ朝日
【MC】雨上がり決死隊
【ゲスト】サンドウィッチマン/中川家&ナイツ&狩野英孝&トミドコロ&口笛なるお

(番組内容)

▽サンドを知り尽くしたメンバー
▽中川家&ナイツ&狩野
▽大ファン剛の盗撮写真
▽塙&伊達…即興漫才
▽礼二がダメ出し
▽後輩が暴露
▽テレビでは見せないウラの顔&モノマネ


スポーツのライブ中継では何を伝えるべきなのか

2019年5月11日から12日の日程で行なわれた「世界リレー」を中継したのはTBSでしたが、TBSと陸上中継というとやはり俳優の織田裕二氏とフリーアナウンサーの中井美穂氏がメインキャスターとして伝えてきた「世界陸上」の恒例化があってこそのものだったでしょう。

今回の「世界リレー」とはその名前の通りリレーに特化した陸上の大会でありますが、日本チームも必ずしもベストメンバーを組んで出場していませんし(大会に出場していないサニブラウン・ハキーム選手は米国で100m9秒99を同時期に出してこちらの方が大きなニュースになりました)、今まで国際舞台の経験に乏しい若手に出場のチャンスを与えたり、男女混合種目など今までなかったような新しい種目を見せるということで色々と馴染みが薄い大会ではあったと思います。ただ、今回の大会が翌年の東京オリンピックを睨んでの日本開催だったということと、さらには男女二人ずつがそれぞれ400メートルを走るマイルリレーが東京オリンピックの新種目として採用されるということもあり、恐らく東京オリンピックの陸上競技と同じくらいの時刻に行なうこともあり、BSや地上波で生中継をするだけの意味を持つ大会とTBSが判断したであろうということは何となくわかったつもりになっていました。

しかし、それにしては今回の世界リレーの伝え方について、甚だ杜撰で結果が気になって見ている人からすると頭に来るような中継のやり方をしていたのです。実際に放送を見ていない方にもわかるように、私が見ていて気になった点を挙げてみます。

まず5月11日はBS-TBSで19時から20時50分まで大会前半部を放送し、その後地上波のTBS系列で20時50分から21時54分まで放送されました。恐らく大会のプログラムが予定時間より長引いてしまったのは、TBSにとっては大変な誤算だったでしょう。民放の場合はBS放送と地上波の移行にはコマーシャルやローカルニュースなど、番組の編成上、止めることのできない部分があるため、予定ではBSで中継できる種目がちゃんと終わってから日本期待の種目のある地上波放送へ移行するつもりだったことは想像に難くありません。

しかし、何が起こるかわからないのが生中継の醍醐味でもあり恐さでもあります。あろうことか、11日にあったリレーの決勝種目で、世界リレーならではの種目である男女2人が400mを2回ずつ走る男女混合2x2x400mリレーにおいて、日本チームはメダルを狙える好位置に付けてアンカーにリレーした時点でBSの放送時間が終了してしまったのでした。

普通に考えるとNHKの高校野球中継のようにザッピングしているうちにすぐに続きの中継が見られるように何故できないのかと思ってしまう方もいるかも知れませんが、TBSに限らず民放はスポンサーとの関係もありますし、ニュースも定時に伝えなければならないのでそんなにすぐに切り替えて中継はできないのです。ただ、TBS側が色気を出して世界リレーの中継を全てBS-TBSだけでなく地上波でも行なおうとしたことは裏目に出てしまったと言えます。もし11日の全てのレースをBSで中継していたら、ここから書くようなひどい事にはならず、この稿を書くこともなかったはずです。

地上波でのTBSは、放送が進まってもBSを今まで見ていて早くリレーの結果が知りたい人は全く関係ないとばかり、放送後しばらくして始まる日本陸上チームにとって一番メダル獲得に近い種目である男子100m×4リレーについてのVTR煽りと、織田・中井両氏の男子400mリレーについての期待のコメントを流すだけで、それまでのレースについて全くコメントも字幕伝達もありませんでした。

結局、その後もBSで中断したレースの結果は全く伝えないまま中継が進んでしまったのですが、地上波を見ている人にはそれで良くても、BSから地上波に追ってきた視聴者の事を無視する姿勢を露骨に感じざるを得ませんでした。実際に中継を途中で打ち切られたリレーに出たクレイアーロン竜浪(男子)、塩見綾乃(女子)の両選手からしたら、必死になって走り(わずかなインターバルで400mを2回走る大変さがあります)、しかも他チーム失格によって銅メダルを獲得したにも関わらず全く織田・中井の両名が伝えず、インタビューも取らないと言うのは、スタッフ及びキャスター二人が無名選手は相手にしないような事をしているのではないか? という視聴者側の疑念を生じさせるには十分な状況でした。

実際にメインキャスターのお二人はテレビの中でしか見ていないので断定することはできませんし、スタッフの責任をキャスターがかぶってしまっているかも知れません。しかしこうした事実の積み重ねが「TBS陸上中継のスタッフとキャスター陣との間に不協和音が?」というような憶測を生んだりするのです。テレビを生中継するなら少しでも見ている側に疑念を生じさせないようなフォローをするために、何らかの対応を中継現場にいたスタッフがするべきだったのではないかと個人的には思うのですか。

世界リレー第一日の11日の中継は、さらに放送時間内で最後のレース結果を伝えることができず、次番組の「新・情報7DAYS ニュースキャスター」内で結果を伝えるということでしたが、同じTBSの番組なのになかなかレースのVTRが届かず、10分あまり司会の安住紳一郎アナウンサーと出演のビートたけしさんのフリートークで繋ぐのみでした。直前レースの結果だけでも字幕で出してくれたらいいのに(野球中継ではよく使われる方法です)と思いつつも、たけしさんがバトンがうまく受け取れずに予選敗退した男子400mリレーについて愚痴のようなコメントを発するなど、「世界リレー」中継のネット炎上に一役買う始末でした。当然先の男女混合2x2x400mリレーのVTRも流さず結果も報告せず、これでは情報番組としての存在価値を発揮できていないので、今後は単なるお笑いバラエティとして(例えばフジテレビの「全力!脱力タイムス」のような)見た方がいいのではないか? とすら思えてしまいます。

中継のトラブルはこれだけだと思っていたのですが、何と翌日にもスタッフとキャスターとの連絡が付かずにみっともない状況になってしまった所がありました。それは、普段の大会ではこれもなかなか見ることができない200mを4人の走者がリレーする女子4×200mリレーにおいて、きちんと画面表示ではアメリカが失格したことで4位入賞になったのですが(ジャマイカはバトンの受け渡しでもたついたものの失格にはならず3位)、どうやらその情報がメインキャスターの織田氏、中井氏の元には伝わっていなかったようで、「日本は5位」だとか「ジャマイカは失格ではないか?」とかいうコメントを発するに至り、すでに画面で最終結果を知っていて中継を見ている私としては、「この人たちはまさかギャグで言っているのか?」と思ってしまったくらいです

もしこれらのやり取りが単なる伝達ミスだったとしたら、視聴者に情報を見せる前にキャスターにしっかりと結果を伝達すべきではないか? と思えるような不手際ということになるでしょう。この様子を裏読みすると、もはや織田・中井両氏からするとスタッフに恥をかかされたと思っても可怪しくなく、本当に「TBSスタッフとメインキャスターとの間には不協和音が生じているのではないか」と思わせてしまう中継となってしまいました。

少なくともライブでスポーツをテレビ中継する場合には、きちんと結果を伝えることが大事で、そのためには裏方とキャスターの息がぴったりと合っていないといけませんし、レース後の感動の瞬間を捉えるためには、レース直後に選手の元に駆けつけ、興奮が冷めない中でコメントを生で伝える努力が大切になるのではないでしょうか。この点で言えば先述の女子4×200mリレーせっかく日本新記録を出したのに、生中継の中で全くインタビューも取らず、これも期待種目・期待選手以外はどうでもいいと思っていて、早く次の番組である福山雅治主演の「集団左遷!」に繋ぐことばかり現場のスタッフは考えていたのではないかと下衆の勘繰りをしたくなってしまうのです。

たとえ人気のない種目・選手の出る競技であってもきちんと伝え続けることで、今やそのソフトが大化けして多くの視聴者を引き付ける「卓球」を長年手掛けてきた「テレビ東京」とTBSとの違いを感じるとともに、今まではテレビ中継を有難がっていた競技団体も、「延長中継あり受ち切りなし」のネットによるライブ配信サービスの方に鞍替えした方がコアなファンを繋ぎ止められるのではないかという気すらしてきました。例えばこのままDAZNが今より多くの日本国内で注目のスポーツ中継を扱いだしたら、正直テレビ自体の危機につながると思われますが、今だに今回のような不手際の多い内容の中継を行なっているテレビ局には全く危機感はないのでしょうか。


テレビが作る「実績」は本当の実力なのか?

NBC長崎放送が制作した番組に地域情報バラエティ「げなパネ!」がありますが、この番組は静岡県出身の漫才コンビ「トータルテンボス」の冠番組で、現在はネット配信の「TVer」で見ることができます。私が見た回は同じ漫才コンビで茨城県出身の「カミナリ」がゲストで出演していて、現在のお笑いについての興味深いお話をしていたのを見させていただきました。

「カミナリ」は今回紹介する「ものまねグランプリ」にも出場した漫才コンビ「霜降り明星」とは事務所は違うものの活動年数も近く意識するのだそうで、そんな霜降り明星の事を「吉本の宝」という風に表現していました。当然ライバル心もあるでしょうし、露骨に贔屓されることについての不満もあるでしょうが、「げなパネ!」の中ではそんな感じは一切出さず、実に立派な態度だったと見ていて思いました。

番組の感想に先立って直接は関係ない「げなパネ!」の話題を出したのは、お笑い界だけでなくテレビの世界でも番組制作に大きな影響を与える大手芸能事務所の「吉本興業」の意向を考えずして人気バラエティの制作が難しいのではないかという疑念があります。

そこで改めて漫才コンビの「霜降り明星」の活動実績について見ていくと、今回の「ものまねグランプリ」では見事チャンピオンに輝いたわけですが、これで漫才の「M-1グランプリ」、ピン芸のコンテスト「R-1ぐらんぷり」でメンバーの粗品さんがグランプリ受賞と、今回のものまね芸でのグランプリと合わせて「三冠」を取ったというまさに「吉本の宝」とカミナリやトータルテンボスに言わしめたことがお世辞ではない活躍ぶりです。

しかし、番組を直接見た方ならおわかりでしょうが、生放送でなく録画番組で、決勝の際に審査員全員が「霜降り明星」に一位の点を付けてのぶっちぎりのグランプリ獲得に、他の決勝進出者との比較で、審査結果に疑念を持った方も少なくないのではないかと思います。

「ものまねグランプリ」に限らず、新たなスターが出現した場合、いかにその人気を上げるように忖度するかということは別に番組がオリンピックなどの見ばえとは関係ない真剣勝負でなければ、十分演出の範囲であるように思えます。人気を上げたいと思っている人をドラマの主演にキャスティングすることは「やらせ」でも何でもありませんし、見たい人だけが見ればいいわけなので、今回のグランプリ受賞もそうした考えの延長線上にあったものなのかも知れません。

結果としてこうしてできた「実績」は後々まで残り、最初に紹介したように「霜降り明星」は「漫才」でも「ピン芸」でも「ものまね」でも面白いという大きなイメージが形成されます。そうしたイメージを利用して「霜降り明星」のお二人が今以上の実力を発揮することで名実ともに「吉本の宝」となっていくのか、そのイメージに押し潰されてしまうのか大変気になります。

もし私が「霜降り明星」のファンだったら、そこまで色々な事に手を出して受賞歴を増やす事よりも、地に足をしっかり着けて漫才の面白さとテレビでのフリートークの面白さ、さらにロケ回しのうまさを身に付けてずっとテレビで活躍することができるように頑張って欲しいと思うのですが。今後彼ら二人が、「何でもできる芸人」として無茶振りされて滑ってしまった場合、相当お二人にとってのダメージが増えてしまうのではないかと心配になったりします。大きなお世話と言われればそれまでですが、霜降り明星のお二人には、くれぐれもテレビに潰されることのないように、苦言を言ってくれる方を大切にして活動していって欲しいと思います。そして番組に出演したものまね芸人の方についても、今回の結果については悲観せず、次回こそグランプリを取れるように芸道に精進していって欲しいと思っています。

(番組データ)

ものまねグランプリ特別編 ものまねレジェンドが選ぶ次世代ものまね芸人No.1決定戦
2019/05/07 19:56 ~ 2019/05/07 22:54 (178分)日本テレビ
【MC】ネプチューン
【進行】郡司恭子アナ、笹崎里菜アナ
【出演者(審査員含む)】コロッケ、神奈月、ホリ、福田彩乃、荒牧陽子、山寺宏一、アンガールズ、横澤夏子、椿鬼奴、古賀シュウ、イジリー岡田、やしろ優、Mr.シャチホコ、平野ノラ、沙羅、メルヘン須長、山田七海、チョコレートプラネット、朝日奈央、霜降り明星、祭nine.、関根勤、井森美幸、ビビる大木、上白石萌音、池田美優、加藤ナナ、廣瀬智紀

(番組内容)

ものまねレジェンドが感嘆!進化した芸を見逃すな

▽霜降り明星ものまね連射漫才
▽チョコプラ大坂なおみVS和泉元彌
▽歴代朝ドラ主題歌を山田七海が激似熱唱…上白石萌音絶賛
▽CD店QUEENがすべて神奈月になったらバレる?バレない?
▽3年A組菅田将暉が蘇る?▽祭nine.のTT兄弟とは?
▽平成30年名曲45組で20分ノンストップメドレー!ものまねを止めるな
▽広瀬すず、佐藤健、山崎賢人…見た目そっくりさん


思った事を包み隠さず言葉にする子どもの恐さと凄さ

まず、最初に苦言を呈しておきますが、この番組をなぜ今になって紹介するかと言いますと、私の住む静岡県では2月2日に放送されず4月30日午後の放送になったからです。改めて番組の内容を詳しく知りたいと思って番組のホームページにアクセスしたところMCのサンドウィッチマンと芦田愛菜さんの名前は出てきたものの、番組に出演した「博士ちゃん」の子どもたちの名前については一切紹介されていなかったというのはどういう事なのでしょうか。

今回出演したお子さんたちの中で、このブログで取り上げたいのは番組データにある(1)の美空ひばりをこよなく愛する超歌うま11歳少女だったのですが、この子がどういう方なのかということが、公式ページからでは調べられないというのでは、この番組をきっかけにして何か興味を持ったテレビを見ていたお子さんの可能性まで潰してしまうといったら言い過ぎでしょうか。テレビに出て顔と名前を出しているならば、せめて番組を紹介したページについてはきちんとしたデータを出すべきではないかと思うのです。

ただ、番組名とキーワードでさらに検索を掛けると、やはりテレビに出たり多くのコンテストに出て歌っている子だけに、他の子と比べると比較的簡単にその名前を見付けることができました。梅谷心愛さんというのが11才の少女の名前でした。テレビの「歌唱王」「カラオケバトル」といった素人の歌唱力を競う番組にも出演している、将来の歌手を目指している子です。ひいおばあちゃん(だったと思います)の影響で美空ひばりさんの歌に惚れ込み、当時の流行歌を聞き自分でも歌い、その歌唱力もかなりのものなのだそうです。

ちなみに私自身の美空ひばり体験というのは、もはや大御所としての存在だった時期からしか知らないため、身内の不祥事によって紅白歌合戦を辞退した時のイメージが長いこと強く、当時ニューミュージックと呼ばれるジャンルに勢力を縮小しつつあった「古くさい演歌歌手」という感じで考えていたので、その歌手としての凄さというのは大人になるまでわかりませんでした。ひばりさんの魅力というのは、心愛さんと同じくらいの小さな頃から歌手だけでなく女優としてもデビューし、その子どもに思えないほどの歌唱力をもって歌った様々な歌の魅力があります。

それこそ昔は「悲しい酒」のような曲調のものしか知らなかったのですが、それは大きなる認識不足で、それこそ素人がおいそれとカラオケで歌えない曲の数々に驚愕し、改めていろんな時代の曲を聞き直した私からすると、心愛さんが番組で紹介した「美空ひばりのすごい曲」として取り上げるのは何かのかちょっと興味が湧いたのでした。

結果として紹介されたのは「お祭りマンボ」「ひばりの佐渡情話」「人生一路」という、11才の少女から出てくるにはちょっと考えられないような曲の数々でした。さらに、美空ひばりの代表曲とされる「川の流れのように」に一切触れなかったというのも本当に美空ひばりの歌について良くわかっていると思われる事でした。

ただ誤解してほしくないのですがここで私は「川の流れのように」をディスっているわけではありません。この曲は、素人がカラオケでもそれなりに歌える曲で、ひばりさんが演歌に興味を持ちにくい若い人にも興味を持ってもらえるようにと、ひばりさんの最晩年に作られた曲であり、ひばりさんの代表曲の一つには違いありません。こちらで想像するに、すでに美空ひばりさんの多面性のある歌の魅力を知ってしまっている心愛さんにとって、ひばりさんが若者の側に寄せた曲である「川の流れのように」とは別の方向の「本当にすごいと思う曲」を出してきたのではないかと思われます。

ちなみに、著書に「美空ひばり」があり、生前には「ひばりウォッチャー」とも言われたルポライターの竹中労さんが選ぶ美空ひばりの曲のベストの中の一つとして挙げた曲こそ「ひばりの佐渡情話」だったのでした。さすがに心愛さんが竹中労さんの書いたものを詳しく読んだことを根拠に番組内で挙げたとは思えず、自分で美空ひばりさんの曲を歌うことによってその凄さを感じたからこそ「ひばりの佐渡情話」が出たのだと思いますし、相当美空ひばりさんの曲を聴き込んでいることが想像できました。

今の世の中はYou Tubeで過去の映像を簡単に見ることができるようになりましたし、昔の人・今の人に関係なく、子供の心で本当にすごいと思ったものが評価されるような事にこれからはなっていく可能性をこの番組を見て感じるとともに、とってつけたような知識では、感性の強い子には単にバカにされるだけだということも感じた次第なので(^^;)、私自身ももう少ししっかりとTV番組について書いて行こうと思い直しているところです。

(番組データ)

サンドウィッチマン&芦田愛菜のぶっつけ教室 博士ちゃん テレビ朝日
2019/02/02 14:55 ~ 2019/02/02 16:25 (90分)
【出演者】サンドウィッチマン 芦田愛菜

(番組内容)

大人顔負けの知識を持つ子ども博士こと“博士ちゃん”が サンドウィッチマン&芦田愛菜の質問に答えまくる 黒板も教科書も使わない“ぶっつけ本番”の即興授業! 単独ライブで客席の子どもをステージに上げて 即興トークを繰り広げているサンドウィッチマンが “博士ちゃん”をイジリながら教えを請う爆笑教室!
登場する博士ちゃんは…

(1)美空ひばりをこよなく愛する超歌うま11歳少女
(2)最年少で取得!世界遺産マイスター中学生
(3)マイナー野菜激アツプレゼン10歳男子
(4)日本一の金魚すくい兄弟


番組スタッフのせいでタレントの立場が悪くなるケースも

この番組MCの生瀬勝久さんは、過去にスタッフと司会者の板挟みになり、現在も大人気のバラエティ「探偵ナイトスクープ」(ABC朝日放送)を降板せざるを得なくなった経験のある方であることを番組を見終って思い出しました。

当時は番組降板だけでなく芸能界からも干されていたという事ですが、その原因というのは今から考えると番組に送られてきた一つの依頼に応えて彼が調査し、その内容を発表したことが当時の司会者だった上岡龍太郎氏の逆鱗に触れたのでした。依頼の内容は日本が戦った戦争のとある部隊は俗謡に出てくるような「特別に弱い部隊」だったのかということを調べるというもので、生瀬氏は自らの意志というよりスタッフから依頼を受けて当時の事を調べVTRで発表し、締めの言葉を言ったのが運命の別れ目でした。

私自身は当時の番組を見ていないのでどちらが悪いのかということはわかりませんが、一つだけ言えることは生瀬氏はスタッフからの支持に基づいてロケに出て、スタジオで喋ったわけで、もし生瀬氏自身の物言いや態度が上岡氏の気に入らなかったとしても、上岡氏が怒りの感情を向けたのは生瀬氏に100%ということではないでしょう。上岡氏はその後も探偵個人ではなく、スタッフの中途半端な調べ方(結論を引き出すことなく尻切れトンボのようにVTRを終わらせるような依頼もあった)をした際にはスタッフに向かって切れた様子をそのままオンエアさせたこともありました。

そうしたことを総合して考えると、生瀬氏が探偵の座を追われた事については当時のスタッフの方にも非があると考えられるので、たとえ一時的にせよ生瀬氏がテレビに出られない時期があったことについては、当時のスタッフは生瀬氏に対してきちんとした謝罪なり落とし前をつけたのか? ということは今でも気になっています。そんな中、同じ生瀬勝久氏がMCを務める番組で、出演しているタレントさんとは関係ないところでどうにも気になる点を見付けてしまったのでした。

VTR出演され、スタジオにも登場したのはお笑いコンビの「アイデンティティ」のお二人で、このブログではTBS系「オールスター後夜祭」において見浦彰彦さんがクイズで最下位になったことで今後同番組に出入禁止になってしまったといういわくつきの方々です。まあ、この件についてはご本人にもそれなりの覚悟が有り、スタッフの介在するところではなかったと思いますのであくまで「自業自得」扱いで、見浦さんに対してはこの件で逆に知名度を上げて頑張って欲しいと思っていたのですが、わざわざそんな時に今回紹介しなければならないような事が起こるとは思いませんでした。しかし、今後のテレビのバラエティ番組の事を考えると、いい加減な情報を出しっぱなしでは困るのであえてここで指摘させていただこうと思います。

問題にしたいのは番組前半で放送された「1000円の中古車でドライブ!?」というネタです。番組で登場した埼玉県桶川市の中古車販売店について、自動車販売のネットで検索したところ、1000円どころではなく車両本体価格1円という中古車の値付けをしている販売店だということがわかりました。

番組を見ていた方の中には、本当に1,000円しか出さないで車に乗れるのか? と誤解をした方もいたかも知れませんが、この点については番組では業者さんにきちんと購入する場合の金額を聞き、税金や自賠責保険や諸経費が70,070円になるということを、一瞬ではありますが画面で紹介していました。

ただ、この番組についてネットでまとめている方のホームページを見たら、番組では一瞬しか映らなかった購入時費用の内訳をじっくりと見ることができ、これは大きな問題をはらんでいるとピンと来たのです。

販売店が車に付ける価格というのは、中古車の場合は1円でも1,000円でもいいのですが、実際にナンバープレートが付いて自走できる状態になっている場合、本体以外の別の費用がかかっているので、その分の費用負担が必要になります。番組の紹介では、その車は17年落ちの走行距離が9万キロくらいのスズキ・ワゴンR(軽自動車)で、バンパーが取れかかり、回りは傷やヘコミも多く、車内についても前オーナーが乗ったままの状態で、金目のものであるかも知れないオーディオすら取り外されているような車でした。番組ではそれでもナンバープレートが付いていて、車検はわずかに残っているというような説明の仕方だったので車両本体価格が1,000円だったら、残りの費用の内訳はどうなっているのか気になりました。以下に番組で紹介された1,000円の車の購入時の費用内訳をそのまま書き起こしてみます。

(ここから引用)

【車両本体価格】  1,000円
【自賠責保険料】 25,880円
【重量税】     8,800円
【登録代】     1,480円
【リサイクル料金】 8,910円
【車両管理費】  24,000円
合計70,070円

(引用ここまで)

もっともらしく書いてあるのですが、気になったのは3点あります。上記の【自賠責保険料】は軽自動車の25ヶ月間の保険料になっていて、【重量税】についても17年落ちの軽自動車の2年分の税金の額になっています。番組の説明からするとなぜ車検の残り期間が少ない車を購入するのに前のオーナーが車検を通す時に支払った諸費用を負担しなければならないのでしょうか?
また最後にある【車両管理費】についても、納車前に整備をしていない事が前提の企画であることを考えると(ナンバープレートが外れないように固定したという説明は番組内のナレーションでありましたが)、これだけの金額を請求される根拠がはっきりしません。

番組の企画で「1000円の中古車」という事実ありきの面白VTRを作っているのですから、もしかしたらきちんと整備して納車しているのにわざと古い車の状況を誇張して騒ぐ「やらせ」をしている可能性もありますし、スタッフが車の購入金額の内訳も良く知らないのに業者に確認もしないでそのまま電波に料金内訳を乗せてしまった事で、この業者に関する視聴者のイメージが悪くなる可能性も出てきます(この内訳が本当だったら、利用してもいない車検費用を取られていると思われても仕方がありません)。

可哀想なのは、そうした中古車の販売事情を知らないまま出演させられたタレントだということにもなります。現在は上岡龍太郎さんは芸能界を引退していますが、こんな杜撰なVTRを見て何も疑問に思わずただ笑っているということで、MCとしての生瀬勝久さんについて何を想うでしょうか。ただ、番組を見ている私でさえも、いちいち画面を静止画にして記録してくれているサイトを見たからこんな事が書けるわけで、本当に悪いのは今回のケースでは企画を担当したスタッフだと思えるのですが。

深夜のバラエティだと言っても、いい加減な内容で面白ければいいというのであれば、テレビにはもっとメチャクチャなことをやって欲しいという気持ちもあるのですが、放送コードに触れることはやらない代わりに今回のように誰も見ていないで指摘されなければその部分はいい加減でもいいと思っているのだとしたら、この番組を作っている人にもはや未来はありません。全国放送でこんないい加減な番組制作がまかり通る今、やはり時代からはテレビは取り残されていくのでしょうか。

(番組データ)

それって!?実際どうなの課 中京テレビ
2019/04/24 23:59 ~ 2019/04/25 00:54 (55分)
【MC】生瀬勝久
【出演】博多華丸・大吉/田島直弥・見浦彰彦(アイデンティティ)
【構成】松本建一
【演出】立澤哲也
【企画・プロデュース】簑羽 慶(中京テレビ)

(番組内容)

(1)【1000円の中古車でドライブ!?】 1000円で販売されている中古車ってどれだけ走るのか!?アイデンティティ率いるドラゴンボール芸人が日光いろは坂をドライブ!果たして無事に走り切れるのか!?

(2)【YouTuberになったら稼げるのか!?】 素人がYouTuberになってみたら、実際1か月でどのくらい稼げるのか!?番組のチーフ放送作家が作家のプライドをかけて、実際どうなのかチャレンジ!動画をバズらせ一攫千金はなるか!?人気YouTuberとのコラボも!!


Amazon Fire TV Stickに「TVer」アプリを導入してみると

今まで、Amazon Fire TV Stickを使ってテレビの大画面で様々なビデオオンデマンドサービスを利用していて一つ残念だったのが、スマホ・タブレット用のアプリとして提供されていた民放テレビ局の見逃し番組配信サービスの「TVer」のアプリがなかったことでした。本来、現在放送中のバラエティやドラマを見逃した場合、小さな画面のスマホやタブレットで見なければいけなかったのです。当然ネット上ではウェブブラウザを利用した裏技的な利用の方法はあったようですが、やはり専用のアプリであればわかりやすいですし、リモコンで目的の番組にたどり着きやすいというメリットがあります。

アプリを登録する際には、生年と月を入力した上で現住所の郵便番号を入れるようになっています。もしかして地域を判定してテレビ東京の番組を一切見せないようにするのか? と思ったのですが、現在は地方ではリアルタイムでは見られないテレビ東京の一部の番組も見ることができています(Youは何しに日本へ? のように地上波の内容をそのまま配信しないような配信の仕方をしているケースもありますが)。

私の自宅でのネット環境はADSLなので早いというよりも遅いという感じなのですが、地上波レベルの画質は十分キープできています。さらに、番組の中で強制的に配信がストップされ、同じテレビ局の番組の案内やコマーシャルが強制的に入ることはあるのですが、地上波のドラマで延々とコマーシャルを流し続けるような感じではなく、最低限のブレイクタイムという感じなので、むしろリアルタイムで見るよりも時間短縮になるところもあります。

ただTVerでは全ての番組を再配信するわけではないという事もあります。どの番組が見逃し配信されているかは、アプリの一覧から確認できますが、個人的には月曜から日曜までという形で日ごとに分けて見られるのが有難いですね。今まで全ての番組を録画に頼って見ていた方は、少なくともTVerで配信されているものに関しては、記録として残すことを考えなければ(見たらしばらくして消す)、ビデオ予約の手間も低減できます。

また、見たいと思うものの録画してまで見ないような深夜番組については、このアプリ経由で見ることで今後も継続して見るかどうか決めることもできます。もちろん、テレビの大画面だけでななく、スマホでもWi-Fiが利用できる場所でなら外でも見られますし、このアプリをスマホやAmazon Fire TV Stickの両方で活用するに従って電波とネットの逆転現象が起こってしまう可能性もあります。

もちろん、ずっと無料で見られるわけではなくおよそ一週間限定というところがあるので、今回のAmazon Fire TV Stick用アプリでの利用が可になったことで、今までの非テレビの時間もつい見逃したドラマを見るとか、今まで全く見たことないものの面白そうなバラエティを見るとかして、継続して楽しむことで今までとは違ったテレビの楽しみ方が生まれてくるのではないかと期待するところが大きいです。

こうなると気になるのがNHKがどう出てくるかということですが、もしテレビ番組はTVerの再配信だけでいいと思われた場合、「大画面テレビ」ではなく「大画面モニター」を購入し、Amazon Fire TV Stickを組み合わせることで、「ニュース」「天気予報」「ドラマ」「バラエティ」「スポーツ」を「TVer」「You Tube」「DAZN」「Netflix」「Hulu」「ウェザーニューズ」「TBSニュース」「日テレニュース24」あたりのサービスを併用すれば(一部のサービスはウェブブラウザのインストールをし、専用サイトをブックマークしてアクセスする必要があります)十分と思う人もいるのではないでしょうか。また、ネット放送としてのAbemaTVや、格安の動画利用が可能なアマゾンプライムではテレビ放送では放送されないオリジナルコンテンツもあるため、その点ではテレビを越えていくというところがあるのかも知れません。

ただ、便利になったからと言ってテレビを取り巻く状況が改善したわけではないので、今後もTVerのラインナップには注目していきたいと思っています。